大臣談話・大臣記者会見要旨
浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和7年1月21日(火)11:00~11:21 於:環境省第1会議室)
1.発言要旨
おはようございます。米国のパリ協定脱退表明について、冒頭発言をいたします。米国が、パリ協定から再び脱退する大統領令を表明したことは承知をしております。
気候変動問題は、国際社会全体の取組が必要なグローバルな課題であり、米国のパリ協定からの脱退のいかんにかかわらず、パリ協定を着実に実施することの重要性は損なわれておりません。
脱炭素の取組に関しては、年限付きのカーボンニュートラル目標を掲げる国は140か国以上に及び、地方政府、経済界、NGOなど様々なステークホルダーに広く浸透しているなど、現在の世界的な潮流になっていると考えております。
そのような中で、米国のパリ協定からの脱退表明について、気候変動問題を担当する私自身としては残念に感じていますが、我が国は2050年ネット・ゼロに向けた脱炭素の取組と経済成長との同時実現を目指し、地球温暖化対策計画の見直しや、GX2040ビジョンの策定など、国を挙げて進めているところであり、この方向性は揺るぎがないものであります。
世界の気候変動対策への米国の関与は引き続き重要であり、環境省としては、様々な機会を通じて米国との協力について探求してまいります。
私からは以上であります。
気候変動問題は、国際社会全体の取組が必要なグローバルな課題であり、米国のパリ協定からの脱退のいかんにかかわらず、パリ協定を着実に実施することの重要性は損なわれておりません。
脱炭素の取組に関しては、年限付きのカーボンニュートラル目標を掲げる国は140か国以上に及び、地方政府、経済界、NGOなど様々なステークホルダーに広く浸透しているなど、現在の世界的な潮流になっていると考えております。
そのような中で、米国のパリ協定からの脱退表明について、気候変動問題を担当する私自身としては残念に感じていますが、我が国は2050年ネット・ゼロに向けた脱炭素の取組と経済成長との同時実現を目指し、地球温暖化対策計画の見直しや、GX2040ビジョンの策定など、国を挙げて進めているところであり、この方向性は揺るぎがないものであります。
世界の気候変動対策への米国の関与は引き続き重要であり、環境省としては、様々な機会を通じて米国との協力について探求してまいります。
私からは以上であります。
2.質疑応答
(記者)幹事社のNHKの岡崎です。
先ほどの冒頭発言に関連してですけれども、アメリカがパリ協定からの脱退を表明したとなると、日本に求められる役割も、当然期待は高まってくるかと思うんですけれども、そこのところの御認識を伺わせてください。
(大臣)気候変動は人類共通の待ったなしの課題であり、主要排出国を含む全ての国の取組が重要であることに変わりはありません。
我が国としては、2050年ネット・ゼロに向けた脱炭素の取組と、経済成長との実現を目指し、揺るぐことなく気候変動対策に取り組むとともに、我が国の経験や技術などを通じて、世界の脱炭素化にも貢献してまいります。
加えて申し上げれば、ここ(手元)に大統領令というものがありますが、これをよく読むと、その中では、米国は民間の活動に障害を与えない様々な政策によって、経済を成長させ、労働者の給与を上げ、そしてエネルギーの生産も増やし、同時に空気や水の公害をなくし、そして温室効果ガスの排出も減らしてきた、というふうに書かれておりますので、パリ協定からの離脱にかかわらず、そのことを続けてもらえるものというふうに認識をしています。
(記者)すみません、今のところなんですけれども、言い換えると気候変動対策ももちろん含む取組を続けるものと期待しているということですかね。
(大臣)これまでもここに書いてあるのは、民間セクターの活動に妨げを与えない政策によって様々なことを行われてきたということでありまして、最終的にはグリーンハウスガスミッションズ(Greenhouse Gas Emissions)というふうに書いてあります。温室効果ガスを二酸化炭素に限らず減らしてきたということを言っております。
私の理解では、このたび副大統領へ就任したバンス副大統領も、アメリカの空気あるいは水を守っていくということもはっきり言っておりますので、パリ協定からの離脱にかかわらず、これまでもそういうことをしてきたということを言ってきているということだろうと思います。
(記者)読売新聞の田中と申します。
今の質問に関連して、アメリカの脱炭素の取組以外にも、離脱によって、例えば今後、国連機関とか事務局への拠出金を減らしたりとか、あと大臣も参加されたCOPでの気候資金などへの拠出も取りやめることが想定されると思うんですけども、そういったアメリカの不在というか、支援がなくなってしまう部分を、例えばEUなどと連携して日本が埋めていくというようなお考えはあるんでしょうか。
(大臣)まずパリ協定以外のところについては、現段階においてどうということが決まっているわけではないというふうに認識していますが、パリ協定に関する支援については、脱退とともに無くなるという認識であります。その無くなった分についてどうするかということについては、先般のCOP29において、特段その分をほかの国が分担するという形になっているわけではないということであります。
(記者)共同通信の矢野です。よろしくお願いします。
少し繰り返しになるかもしれませんが、まず1点目として、大臣はこれまで全ての国に温室(効果)ガスの着実な削減を呼びかけていくですとか、世界全体で1.5度目標の実現に向けた野心的な目標を掲げるということを発言されたと思うんですね。米国は世界有数の排出国であるわけですけれども、大臣としてこれからどういう態度で米国に排出削減を求めていくのか、パリ協定の枠組みにかかわらず、どのような態度で求めていくのかということをまずお伺いできるでしょうか。
(大臣)その前に、今私が申し上げたのは、国連のその他の義務ということでありますので、気候変動条約以外のことについては、特に国連の分担金等について、減らすとかという話ではないということを付言させていただきます。(質問を)もう1度、お願いします。
(記者)大臣はこれまで全ての国に温室(効果)ガスの着実な削減を求めるとか、1.5度目標を世界全体でということをおっしゃっていたんですが、これパリ協定の枠組みにかかわらず米国に対して今後どういう態度で排出削減を求めてかというのをお伺いできればと思います。
(大臣)米国がパリ協定から離脱したということになりますと、パリ協定の下での今後の義務については、正確に言うと、今の協定で言うと1年後から正式に離脱するということになりますから、そのことについて、パリ協定に基づいて求めていくということにはならないということになると思います。
(記者)以外の枠組み、例えば個別に日米間で求めていくとか、そういう御予定とかを考えてないんですか。
(大臣)先ほど申し上げましたように、実際に事実として温室効果ガスが減っているということが、パリ協定の中に属しているか属していないかにかかわらず、実現していくことであれば、それはそれで期待していきたいと思います。
(記者)毎日新聞の山口です。
今の件と関連してなんですけれども、米国がパリ協定から離脱することで、これまで米国からG7やG20、また途上国に対して脱炭素に向けた働きかけがあったかと思うんですが、そういうものが今後少なくなっていくということが予想されるかと思うんですが、世界の全体の脱炭素の進み具合への影響というのはどのように見ているのでしょうか。全く無いと見ているのか、ある程度あると見ているのか、その辺りをお願いいたします。
(大臣)予断を持ってお答えはできませんけれども、今回の例えば大統領令の中身を見ますと、これは私の言葉として申し上げるとすれば、国際的な枠組みで決められたのではなくて、自分たちの中の政策としてきれいな空気を守り、きれいな水を守り、そして温室効果ガスも減らしていくということについては、これまでもやってきたということなんだろうというふうに思います。
逆に言えば、類似というと語弊があるかもしれませんが、イギリスがEUから離脱したときに、イギリスが言っていたのは、ブリュッセルで決められたことでなぜ従わなければいけないのか、といったところが若干似ているのかなというふうに私自身は感じております。
EUから離脱したイギリスが、その後、全くEUが言っていることと違うことをやっているかというと、そうでもないだろうというふうに思いますので、先ほども言いましたように、これまで取り組んできた中で減らしてきたもの、あるいはそういったものがアメリカの中においても、例えばアメリカ・イズ・オール・インといったような組織もありますし、そうした活動が連邦政府レベルでもあるでしょうし、州レベルでもあるというふうに思いますので、そこをしっかりと注視をしていきたいというふうに思っています。
(記者)日経新聞の大高です。
関連してなんですけれども、アメリカが不在になる中で、例えば、中国への働きかけなど世界的な議論の牽引というのをしてきたと思うんですが、今後、大臣はじめ、日本がEUとかと連携して、その議論を牽引していく気概があったりするのかどうか、もしお考えがあればお聞かせください。
(大臣)まず、気候変動は人類共通の待ったなしの課題であり、ということについては、中国もEUも含めて同じ認識を持っているというふうに承知をしておりますので、その待ったなしの課題の中で、しっかりと日本として役割を果たしていくとともに、今申し上げたような、それぞれの国がいろんな判断をするという中で、ただ、今までも判断をしたからといって政策上、温室効果ガスを減らしてきてない、増やせと言っているわけではなくて、減らしてきて、同時達成をしているというようなことを言っているので、そこはしっかりと注視をし、それをさらに進めてもらいたいという期待を持っています。
それは世界全体においても、それぞれの国が温室効果ガスを減らしていくということが重要というふうに思っています。
(記者)読売新聞の天沢です。
同じくこのトランプ大統領のパリ協定の脱退表明についてですが、これが国際社会や日本に与える影響としてはどういったものになると考えていらっしゃるでしょうか。また、本当に実際に1年後、離脱した場合に生じる影響も併せて伺えればと思います。
(大臣)脱炭素の取組に関しては、年限付きのカーボンニュートラル目標を掲げる国は、140か国以上に及んでおりますし、アメリカの中の地方政府も含めて、地方政府、経済界、NGOなど様々なステークホルダーにも広く浸透しておりまして、現在、世界的な潮流となっております。
先ほども言いましたけど、米国についても州政府、民間事業者、投資家などが参加するアメリカ・イズ・オール・インという団体が複数のイベントを開催し、政治状況にかかわらず継続的に気候変動対策に取り組む意思を表明しております。
米国がパリ協定から脱退した場合の国際社会の影響について、予断をもってお答えすることは困難でありますけれども、我が国としては2050年ネット・ゼロに向けた脱炭素の取組と経済成長との同時実現を目指し、揺らぐことなく気候変動対策に取り組んでいくということでありますし、加えて言えば、先ほど来申し上げておりますように、これまでもアメリカとしては、減らしてきたということを、パリ協定からの離脱の大統領令の中でも触れておりますので、引き続き、そういったことについて取り組んでもらえるというふうに思っておりますし、それぞれきれいな空気、きれいな水を守る中で、結果として温室効果ガスも減っていくということについて誰も反対をしないということなんだろうというふうに思っています。
(記者)もう1つ、トランプ大統領は第1期政権のときもパリ協定の離脱を表明して、実際に短期間ですが離脱をしていたと思います。それと比べると今回の離脱の表明というのは、影響の面などで異なるところがあるとお考えかどうか伺えますでしょうか。
(大臣)第1期政権のときと今回との影響というのは、どう違うかということについて予断をもってお答えすることは困難でありますけれども、当時以上に、現在では脱炭素の取組が世界的な潮流となっていますので、当時とはそういう意味では世界の状況は異なっているというふうに思っております。
我が国としては2050年のネット・ゼロに向けた脱炭素の取組と経済成長の同時実現を目指して、揺らぐことなく気候変動対策に取り組んでいきたいというふうに考えております。
(記載)エネルギージャーナル、清水です。
引き続きトランプ就任の脱炭素化対策について伺いたいんですが、やっぱりアメリカ、そして中国、その世界排出量の1位、2位の国が実質的に削減のテンポをどうするんだということは見せない、見えないということは、やはり世界での排出削減の意欲に非常に水を差す、そこをどう見ておられるか。
そして、国内でもやっぱりアメリカが排出する分を何で日本の企業が、日本の国民が減らさなきゃいかんのだということについて、大臣としてはどういう具合に、発信というか理解を求めますか、その2点。
(大臣)脱炭素が世界的な潮流であるということは先ほど申し上げたとおりでありますし、それぞれの国の中で経済活動を行う中のバリューチェーンというものを考えたときに、そこに投資をする、特に多国籍企業の場合には様々な枠組みの中で投資をするときの基準というものがありますけれども、この基準自体は今回、パリ協定からアメリカが脱退したからといって変わるものではないというふうに認識をしておりますので、そういう意味では、経済活動が直ちにアメリカにおいて、あるいは場合によっては中国においても影響を受けるというものではないというふうに認識をしております。
そういう中で、先ほど来申し上げておりますように、最終的なゴールが、既に温室効果ガスも減らしているということを今回の(大統領令の)中においても言っていますから、温室効果ガスを減らすということに反対をしているわけではないということなんだろうというふうに理解をしていますので、大切なことは、それぞれの国が、アメリカが温室効果ガスを増やすから日本も増やすということではなくて、結果として減っていくということであれば、日本の場合は、むしろ温室効果ガスを減らすことが大きな環境と経済の両立にもつながるということを引き続き私自身としては訴えていきたいというふうに考えております。
(記者)共同通信の清と申します。
大臣のおっしゃってることは私の理解では、パリ協定にかかわらず、アメリカが温室効果ガスを減らすということに変わりはないというふうに期待しているというふうに理解したんですけれども、一方で、トランプ大統領は就任演説の中で、脱炭素社会を目指す政策を終わりにするとか、石油を掘って掘りまくれという発言もしております。
これを考えると、そういった政策の変更が無いというふうな期待はできないのではないかと思うのですけれども、その辺りの認識はどうでしょうか。
(大臣)先ほど申し上げましたように、その大統領令の中で言っているのは、これまで様々な政策の組合せによって、その政策は民間の活動に影響を与えないような政策の中で経済も成長させ、労働者の賃金も上げ、エネルギーの生産も増やして、なおかつ空気や水の公害をなくし、そして温室効果ガスを減らしてきたということを述べているわけでありまして、一方で(私が)言っているのは、先ほど少し言いましたけれども、世界の活動というのが必ずしもアメリカ自身の活動を反映して、アメリカ自身の価値を反映しているわけではないということなので、パリ協定からは離脱するということでありますが、アメリカ自身の価値の中に、温室効果ガスを増やすということが価値に入っているかというと、そういうことは言っていないんだろうというふうに思います。
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=H0rwlw8rerg
先ほどの冒頭発言に関連してですけれども、アメリカがパリ協定からの脱退を表明したとなると、日本に求められる役割も、当然期待は高まってくるかと思うんですけれども、そこのところの御認識を伺わせてください。
(大臣)気候変動は人類共通の待ったなしの課題であり、主要排出国を含む全ての国の取組が重要であることに変わりはありません。
我が国としては、2050年ネット・ゼロに向けた脱炭素の取組と、経済成長との実現を目指し、揺るぐことなく気候変動対策に取り組むとともに、我が国の経験や技術などを通じて、世界の脱炭素化にも貢献してまいります。
加えて申し上げれば、ここ(手元)に大統領令というものがありますが、これをよく読むと、その中では、米国は民間の活動に障害を与えない様々な政策によって、経済を成長させ、労働者の給与を上げ、そしてエネルギーの生産も増やし、同時に空気や水の公害をなくし、そして温室効果ガスの排出も減らしてきた、というふうに書かれておりますので、パリ協定からの離脱にかかわらず、そのことを続けてもらえるものというふうに認識をしています。
(記者)すみません、今のところなんですけれども、言い換えると気候変動対策ももちろん含む取組を続けるものと期待しているということですかね。
(大臣)これまでもここに書いてあるのは、民間セクターの活動に妨げを与えない政策によって様々なことを行われてきたということでありまして、最終的にはグリーンハウスガスミッションズ(Greenhouse Gas Emissions)というふうに書いてあります。温室効果ガスを二酸化炭素に限らず減らしてきたということを言っております。
私の理解では、このたび副大統領へ就任したバンス副大統領も、アメリカの空気あるいは水を守っていくということもはっきり言っておりますので、パリ協定からの離脱にかかわらず、これまでもそういうことをしてきたということを言ってきているということだろうと思います。
(記者)読売新聞の田中と申します。
今の質問に関連して、アメリカの脱炭素の取組以外にも、離脱によって、例えば今後、国連機関とか事務局への拠出金を減らしたりとか、あと大臣も参加されたCOPでの気候資金などへの拠出も取りやめることが想定されると思うんですけども、そういったアメリカの不在というか、支援がなくなってしまう部分を、例えばEUなどと連携して日本が埋めていくというようなお考えはあるんでしょうか。
(大臣)まずパリ協定以外のところについては、現段階においてどうということが決まっているわけではないというふうに認識していますが、パリ協定に関する支援については、脱退とともに無くなるという認識であります。その無くなった分についてどうするかということについては、先般のCOP29において、特段その分をほかの国が分担するという形になっているわけではないということであります。
(記者)共同通信の矢野です。よろしくお願いします。
少し繰り返しになるかもしれませんが、まず1点目として、大臣はこれまで全ての国に温室(効果)ガスの着実な削減を呼びかけていくですとか、世界全体で1.5度目標の実現に向けた野心的な目標を掲げるということを発言されたと思うんですね。米国は世界有数の排出国であるわけですけれども、大臣としてこれからどういう態度で米国に排出削減を求めていくのか、パリ協定の枠組みにかかわらず、どのような態度で求めていくのかということをまずお伺いできるでしょうか。
(大臣)その前に、今私が申し上げたのは、国連のその他の義務ということでありますので、気候変動条約以外のことについては、特に国連の分担金等について、減らすとかという話ではないということを付言させていただきます。(質問を)もう1度、お願いします。
(記者)大臣はこれまで全ての国に温室(効果)ガスの着実な削減を求めるとか、1.5度目標を世界全体でということをおっしゃっていたんですが、これパリ協定の枠組みにかかわらず米国に対して今後どういう態度で排出削減を求めてかというのをお伺いできればと思います。
(大臣)米国がパリ協定から離脱したということになりますと、パリ協定の下での今後の義務については、正確に言うと、今の協定で言うと1年後から正式に離脱するということになりますから、そのことについて、パリ協定に基づいて求めていくということにはならないということになると思います。
(記者)以外の枠組み、例えば個別に日米間で求めていくとか、そういう御予定とかを考えてないんですか。
(大臣)先ほど申し上げましたように、実際に事実として温室効果ガスが減っているということが、パリ協定の中に属しているか属していないかにかかわらず、実現していくことであれば、それはそれで期待していきたいと思います。
(記者)毎日新聞の山口です。
今の件と関連してなんですけれども、米国がパリ協定から離脱することで、これまで米国からG7やG20、また途上国に対して脱炭素に向けた働きかけがあったかと思うんですが、そういうものが今後少なくなっていくということが予想されるかと思うんですが、世界の全体の脱炭素の進み具合への影響というのはどのように見ているのでしょうか。全く無いと見ているのか、ある程度あると見ているのか、その辺りをお願いいたします。
(大臣)予断を持ってお答えはできませんけれども、今回の例えば大統領令の中身を見ますと、これは私の言葉として申し上げるとすれば、国際的な枠組みで決められたのではなくて、自分たちの中の政策としてきれいな空気を守り、きれいな水を守り、そして温室効果ガスも減らしていくということについては、これまでもやってきたということなんだろうというふうに思います。
逆に言えば、類似というと語弊があるかもしれませんが、イギリスがEUから離脱したときに、イギリスが言っていたのは、ブリュッセルで決められたことでなぜ従わなければいけないのか、といったところが若干似ているのかなというふうに私自身は感じております。
EUから離脱したイギリスが、その後、全くEUが言っていることと違うことをやっているかというと、そうでもないだろうというふうに思いますので、先ほども言いましたように、これまで取り組んできた中で減らしてきたもの、あるいはそういったものがアメリカの中においても、例えばアメリカ・イズ・オール・インといったような組織もありますし、そうした活動が連邦政府レベルでもあるでしょうし、州レベルでもあるというふうに思いますので、そこをしっかりと注視をしていきたいというふうに思っています。
(記者)日経新聞の大高です。
関連してなんですけれども、アメリカが不在になる中で、例えば、中国への働きかけなど世界的な議論の牽引というのをしてきたと思うんですが、今後、大臣はじめ、日本がEUとかと連携して、その議論を牽引していく気概があったりするのかどうか、もしお考えがあればお聞かせください。
(大臣)まず、気候変動は人類共通の待ったなしの課題であり、ということについては、中国もEUも含めて同じ認識を持っているというふうに承知をしておりますので、その待ったなしの課題の中で、しっかりと日本として役割を果たしていくとともに、今申し上げたような、それぞれの国がいろんな判断をするという中で、ただ、今までも判断をしたからといって政策上、温室効果ガスを減らしてきてない、増やせと言っているわけではなくて、減らしてきて、同時達成をしているというようなことを言っているので、そこはしっかりと注視をし、それをさらに進めてもらいたいという期待を持っています。
それは世界全体においても、それぞれの国が温室効果ガスを減らしていくということが重要というふうに思っています。
(記者)読売新聞の天沢です。
同じくこのトランプ大統領のパリ協定の脱退表明についてですが、これが国際社会や日本に与える影響としてはどういったものになると考えていらっしゃるでしょうか。また、本当に実際に1年後、離脱した場合に生じる影響も併せて伺えればと思います。
(大臣)脱炭素の取組に関しては、年限付きのカーボンニュートラル目標を掲げる国は、140か国以上に及んでおりますし、アメリカの中の地方政府も含めて、地方政府、経済界、NGOなど様々なステークホルダーにも広く浸透しておりまして、現在、世界的な潮流となっております。
先ほども言いましたけど、米国についても州政府、民間事業者、投資家などが参加するアメリカ・イズ・オール・インという団体が複数のイベントを開催し、政治状況にかかわらず継続的に気候変動対策に取り組む意思を表明しております。
米国がパリ協定から脱退した場合の国際社会の影響について、予断をもってお答えすることは困難でありますけれども、我が国としては2050年ネット・ゼロに向けた脱炭素の取組と経済成長との同時実現を目指し、揺らぐことなく気候変動対策に取り組んでいくということでありますし、加えて言えば、先ほど来申し上げておりますように、これまでもアメリカとしては、減らしてきたということを、パリ協定からの離脱の大統領令の中でも触れておりますので、引き続き、そういったことについて取り組んでもらえるというふうに思っておりますし、それぞれきれいな空気、きれいな水を守る中で、結果として温室効果ガスも減っていくということについて誰も反対をしないということなんだろうというふうに思っています。
(記者)もう1つ、トランプ大統領は第1期政権のときもパリ協定の離脱を表明して、実際に短期間ですが離脱をしていたと思います。それと比べると今回の離脱の表明というのは、影響の面などで異なるところがあるとお考えかどうか伺えますでしょうか。
(大臣)第1期政権のときと今回との影響というのは、どう違うかということについて予断をもってお答えすることは困難でありますけれども、当時以上に、現在では脱炭素の取組が世界的な潮流となっていますので、当時とはそういう意味では世界の状況は異なっているというふうに思っております。
我が国としては2050年のネット・ゼロに向けた脱炭素の取組と経済成長の同時実現を目指して、揺らぐことなく気候変動対策に取り組んでいきたいというふうに考えております。
(記載)エネルギージャーナル、清水です。
引き続きトランプ就任の脱炭素化対策について伺いたいんですが、やっぱりアメリカ、そして中国、その世界排出量の1位、2位の国が実質的に削減のテンポをどうするんだということは見せない、見えないということは、やはり世界での排出削減の意欲に非常に水を差す、そこをどう見ておられるか。
そして、国内でもやっぱりアメリカが排出する分を何で日本の企業が、日本の国民が減らさなきゃいかんのだということについて、大臣としてはどういう具合に、発信というか理解を求めますか、その2点。
(大臣)脱炭素が世界的な潮流であるということは先ほど申し上げたとおりでありますし、それぞれの国の中で経済活動を行う中のバリューチェーンというものを考えたときに、そこに投資をする、特に多国籍企業の場合には様々な枠組みの中で投資をするときの基準というものがありますけれども、この基準自体は今回、パリ協定からアメリカが脱退したからといって変わるものではないというふうに認識をしておりますので、そういう意味では、経済活動が直ちにアメリカにおいて、あるいは場合によっては中国においても影響を受けるというものではないというふうに認識をしております。
そういう中で、先ほど来申し上げておりますように、最終的なゴールが、既に温室効果ガスも減らしているということを今回の(大統領令の)中においても言っていますから、温室効果ガスを減らすということに反対をしているわけではないということなんだろうというふうに理解をしていますので、大切なことは、それぞれの国が、アメリカが温室効果ガスを増やすから日本も増やすということではなくて、結果として減っていくということであれば、日本の場合は、むしろ温室効果ガスを減らすことが大きな環境と経済の両立にもつながるということを引き続き私自身としては訴えていきたいというふうに考えております。
(記者)共同通信の清と申します。
大臣のおっしゃってることは私の理解では、パリ協定にかかわらず、アメリカが温室効果ガスを減らすということに変わりはないというふうに期待しているというふうに理解したんですけれども、一方で、トランプ大統領は就任演説の中で、脱炭素社会を目指す政策を終わりにするとか、石油を掘って掘りまくれという発言もしております。
これを考えると、そういった政策の変更が無いというふうな期待はできないのではないかと思うのですけれども、その辺りの認識はどうでしょうか。
(大臣)先ほど申し上げましたように、その大統領令の中で言っているのは、これまで様々な政策の組合せによって、その政策は民間の活動に影響を与えないような政策の中で経済も成長させ、労働者の賃金も上げ、エネルギーの生産も増やして、なおかつ空気や水の公害をなくし、そして温室効果ガスを減らしてきたということを述べているわけでありまして、一方で(私が)言っているのは、先ほど少し言いましたけれども、世界の活動というのが必ずしもアメリカ自身の活動を反映して、アメリカ自身の価値を反映しているわけではないということなので、パリ協定からは離脱するということでありますが、アメリカ自身の価値の中に、温室効果ガスを増やすということが価値に入っているかというと、そういうことは言っていないんだろうというふうに思います。
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=H0rwlw8rerg
(以上)