大臣談話・大臣記者会見要旨

浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和7年7月8日(火)10:20~10:30 於:環境省第一会議室)1.改正鳥獣保護管理法の施行に必要な事項を定めるための2件の政令決定について 2.脱炭素先行地域の募集について

1.発言要旨

おはようございます。冒頭2件、私から発言いたします。
初めに本日の閣議についてであります。本日、本年4月に成立した改正鳥獣保護管理法の施行に必要な事項を定めるため、2件の政令を決定いたしました。政令の具体的な内容は、緊急銃猟について、対象となる鳥獣として、ヒグマ、ツキノワグマ、イノシシの3種を定めるほか、実施する捕獲者の要件や通行制限等の手続、施行期日を本年9月1日とすることなどを定めるものであります。また、これらに関連する改正省令のほか、市町村向けのガイドラインも本日公表いたします。このガイドラインでは、緊急銃猟の基本的な考え方や実施の判断に関する事項、安全対策や捕獲の方法などを含めた、事前準備から捕獲後に至るまでの各段階における、必要な対策・情報や留意事項などをわかり易く説明できるよう、図や事例も、ふんだんに含めております。環境省としては、今後、自治体職員向けに改正法の運用に関する説明会や研修会を実施する予定であり、引き続き改正法の円滑な施行に努めてまいります。
次に、脱炭素先行地域の募集についてであります。本日、「脱炭素先行地域」の第7回目の募集要領を発表いたします。募集期間は、10月6日から10月15日までであります。脱炭素先行地域は2050年を待つことなく、2030年度までにカーボンニュートラルの実現を目指す全国の先行例・模範となる地域であります。第6回までに88の提案を選定させていただいており、2025年度までに少なくとも100か所を選定するという目標を踏まえ、募集・選定を行っていく方針であります。応募を検討される自治体におかれましては、各地の地方環境事務所ともよく相談いただき、先進性・モデル性や実現可能性等を磨き上げた上で、御提案いただけることを期待しています。
 私からは以上であります。

2.質疑応答

(記者)幹事社の毎日新聞の大野です。よろしくお願いいたします。
本日公表されました緊急銃猟ガイドラインでは、クマの人間の生活圏への出没防止策についても触れていられると思います。改めまして、近年クマが人間の生活圏まで下りてくるようになった要因とその受け止め、環境省として今後新たに取られる対策がありましたら教えてください。
(大臣)クマが人里に出没する要因としては、里山利用の縮小、耕作放棄地の拡大、放任果樹の増加等の人間活動が低下したこと、秋の主要な食物であるブナやナラなどのドングリが凶作により不足し、クマが食物を求めて人里まで行動範囲を広げたこと、などが考えられます。クマ対策は、人とクマとのすみわけを図るという考えのもと、捕獲に偏らない対策を講じることが重要と認識しておりますが、近年の人身被害の発生を受け、人命を守るための対策も重要と考えています。環境省としても、先ほど申し上げた緊急銃猟ガイドラインの周知を始めとした改正鳥獣保護管理法の円滑な施行を進めるとともに、出没時の対応や、クマとのすみわけを図るための地域づくりを行う自治体に対する支援などを行うことで、引き続き、国民の安全・安心の確保に取り組んでまいりたいと考えています。
 
(記者)朝日新聞の福地です。
先ほどの緊急銃猟のガイドラインについて伺いたいのですけれども、今回、市町村向け職員の方への研修も行うということで、ガイドラインというのは、市町村の方々がこれから運用していく上での、事故なく、安全に銃猟ができるようにということが念頭にあると思うのですけれども、改めて、大臣として、このガイドラインを自治体でどういうふうに運用していっていただきたいか、その期待と言いますか、狙いをお願いします。
(大臣)法改正を行いまして、しっかりとそのガイドラインを自治体の方によく理解していただいて、この新しい法改正の下で、戸惑うことなく対応ができるようにしていきたい、自治体の方も安心して対応できるような、そういう形でガイドラインの周知・徹底をしていきたいと考えています。
 
(記者)読売新聞の児玉です。
緊急銃猟のガイドラインの関係なんですけれども、先日、岩手県の北上市の方で、住宅内に入ってきたクマによると思われる、おそらく亡くなられてしまった事案が発生しました。こちらへの大臣の受け止めと、今回のガイドライン、今後、緊急銃猟が実施されていくかと思いますけれども、そちらに対する大臣の思いを改めて伺えますでしょうか。
(大臣)まず、亡くなられた方、その御遺族の方にお悔やみを申し上げますとともに、大変残念な事例であるということを申し上げたいと思います。この改正法自体は9月1日施行なので、この段階では、まだその新しい法律に基づいての対応はできていないということでありますけれども、9月1日以降はしっかりと対応ができるように、ガイドラインの周知・徹底も含めて対応していきたいと考えております。
 
(記者)エネルギージャーナルの清水です。
脱炭素先行地域について伺います。確か、100か所を指定ということを前提に続けてきたわけで、今回で、100か所の選定の目途がつくのかどうか、そして、その後、どういう対応を考えておられるのか、その2点をお願いします。
(大臣)地方環境事務所を中心に、各地の自治体に対して積極的な伴走支援を行っているところでありまして、先進性・モデル性の高い御提案をいただくことで、100か所以上を選定することができれば、今回が最後の募集になろうと考えています。
(記者)100か所達成、選定が終わった以降の政策についてはどうですか。
(大臣)以降は、まずは100か所についてしっかりと脱炭素を達成していただいて、そこで得られたノウハウとかを、地方創生に資するという形で、全国で普遍的に展開していく、積極的な情報発信を行っていくということでありますし、その上で、今後の地域脱炭素の取組については、地方公共団体の御意見も伺いながら、人材・資金不足等の課題や、ペロブスカイト太陽電池等の新たな技術に対応しつつ、脱炭素の取組が地域のステークホルダーにとってメリットとなるよう、地方創生に資する形で対策の強化を、他の地域においてもしていきたいと考えています。
(記者)もう一個。翻ってみますと、参議院選挙が始まっていまして、各党の公約を見ると、環境問題に触れているところはほとんどなく、地球温暖化問題、気候変動についても、ほとんど公約的なものは見当たらないように私は受け取ったんですよ。この現状を大臣はどう思いますか。もちろん三権分立ということはあるにしても、環境省としてはね、やはり、特に自民党あたりには、きっちり地球温暖化問題、気候変動問題の重要性を提示すべきじゃないか、どうですかその辺。
(大臣)各党がどういう形の発信をしているか、細かくは私自身も承知をしておりませんけれども、地球温暖化の問題についてですね、それぞれの政党がしっかりと考え方を、それぞれの中に出しているとは承知をしておりますし、私どもとしては、しっかりと今進めている政策を前に進めていこうと考えているところであります。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=_QbcdtnTeo8
 
(以上)