大臣談話・大臣記者会見要旨

浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和6年10月4日(金)10:45~11:03 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。昨日、福島県に出張し、内堀福島県知事に御挨拶をしてまいりました。内堀知事からは、特に関心の強い施策として3点御発言をいただきました。
 1点目は、福島県内の除去土壌等の県外最終処分について、最終処分地の選定など具体的な方針・行程を速やかに示すことや、県民や国民の理解醸成をさらに推進することであります。
 2点目は、帰還困難区域についても、全ての避難指示解除に向けて、最後まで責任を持って取り組むことということであります。
 3点目は、ALPS処理水に係る海域モニタリングに関し、信頼性、客観性、透明性の高いモニタリングを引き続き実施することや、国内外の多くの方に伝わる情報発信に取り組むことということでございました。これらについてしっかり進めてほしいという御発言でありました。
 私としてもしっかりと知事の発言を受けて、福島の復興は、いまだ道半ばということでありますけれども、環境大臣として、最重要な課題だと認識しております。引き続き、知事や関係自治体の皆様と密に連携しながら全力で取り組んでまいりたいと、申し上げた次第でございます。私からは以上であります。
 

2.質疑応答

(記者)幹事社の共同通信、堀口です。よろしくお願いします。
 幹事社からは1点伺います。環境大臣就任後、伊藤信太郎前大臣との引継ぎもあったかと思いますが、伊藤前大臣からは具体的に、例えば先ほどの福島の復興の件もそうかと思いますけれども、どのようなお話があったのか、よろしくお願いします。
(大臣)引継ぎの内容について全てをつまびらかにすることは差し控えますけれども、少なくとも様々な環境問題について、地域の方々など、今の福島のことも含めて、関係者の多様な声を丁寧に聞いて寄り添っていくことが重要であるということ、そして、今、地球環境の問題をはじめ国際交渉の場が大変重要になってきておりますから、そういう場でしっかりと議論を日本の主張をもってリードしていき、積極的な提案で世界をリードしていくことの重要性などについて引継ぎを受けました。
 あわせて、環境行政には、時代の要請に対応していくべき部分と不変の原点を追求していく部分とがあり、非常に幅広いことについても引継ぎをいただいたところでありまして、そのことも私のほうで併せて認識をいたしました。
 
(記者)朝日新聞の杉浦と申します。
 水俣病について2点御質問をいたします。5月にマイクオフ問題がございましたけれど、大臣御自身として水俣を直接訪れるお考えがあるかどうか、もう一点、患者さん側が求めている不知火海沿岸での早期の健康調査についてどのようにお考えか教えてください。
(大臣)改めてでありますけれども、マイクを切ってしまったということについては大変不適切であったというふうに思っております。伊藤前大臣からもその点についても引継ぎを受けておりますけれども、事務方で、継続的な意見交換をしているところでございます。そうしたことで、信頼関係を醸成していこうというふうに考えております。
(記者)2点目として、水俣に直接赴かれるお考えがあるかどうか伺えますか。
(大臣)信頼関係の醸成の中で適宜適切に進めていきたいというふうに考えております。
(記者)健康調査について環境省のほうでも進めておられるとは思いますけれど、患者さんが求めておられるような広域のものについてどのようにお考えになっているか。
(大臣)本年7月の懇談の場において、伊藤前大臣から専門家の議論を踏まえながら今後2年以内をめどに健康調査が開始できるよう必要な検討準備を進めると表明されたと承知をしております。
 このことを踏まえて、令和7年度に実現可能性を確認する調査を含む健康調査の準備を行うため、令和7年度の概算要求には、必要額を計上したということでありまして、今後必要な検討準備を進めてまいりたいと思います。
 
(記者)熊日の髙宗といいます。
続けて水俣病のことのお尋ねなんですが、職員と当該団体との間で協議をして信頼関係の回復努めていくという、そういう協議を適宜進めていくということなのですが、確認なんですが、今のところ、大臣としては現地に行くお考えはないということで間違いないでしょうか。
(大臣)今のところ、まずは事務方で信頼関係の醸成をしておりまして、その中で適宜適切に判断していきたいということです。
(記者)先ほどの伊藤前大臣からの引継ぎでは、様々なその環境問題に地域に寄り添っていくことが大事だという引継ぎを受けたということなのですが、まさに水俣病は地元の方とお話をすることで伊藤前大臣も理解が深まったというふうにおっしゃっていますが、今後現地を訪れることを検討する余地というのはあるのか、ないのか。
(大臣)もちろんあります。それはあります。申すまでもありませんけれども、水俣病は環境行政の原点であり、長い歴史があるものですから、しっかりと対処していかなければいけないということでありますけれども、今申し上げましたように、7月の懇談の場において、健康調査を開始できる必要な検討、準備をするということで今調整をしているということでありますので、そのことを踏まえて、適宜適切に判断していきたいということであります。
 
(記者)神奈川新聞の有吉です。
いわゆる裏金事件というものの対処の在り方についてお伺いしたいのですが、石破自民党総裁は関係議員との話合いを持つ方向で今調整に入っています。それで、大臣は総裁選では河野さんを支援して、河野さんは不記載金の返済をすべきだというけじめのつけ方を1つ提案をしていたのですが、大臣御自身もみんなの党を解党するとき、いわゆるお金を国庫に返金しておられるわけですね。この問題について、いわゆるどういう形で処理していくかということがあるのですけれども、総裁選などでも主張したいわゆる返金とか、その自主的なけじめのつけ方というものの考えは、今もお変わりないですか。
(大臣)技術的なことで申し上げますと、派閥と称されるものは政治団体でありまして、政党もそうですけども、政治団体は解散した場合、帰属する残余財産がない場合には、それを国庫に返還するというのが法律上の規定でありまして、私がみんなの党を解党したときも、実は2段階でお金を返しています。
 1段階目は政党交付金で使い切ってないものを返還し、隠れた債権債務があるかもしれないので、少し技術的なことになりますけど、中間目的会社などをつくって、債権債務を洗い出しをして、残ったものを返還した。
 返還するに当たっては、実はそのような例がなかったので、総務大臣のほうで整理をして、返還様式をつくったので、既に様式があります。今回該当する派閥でまだ解散していない(政治団体として残っている)ところは、そこにお金を戻せば、残ったものは国庫に返すことは技術的にできるということであります。ただし、それをやるかどうかというのは、個々の政治家の判断ということだろうというふうに私自身は思っています。
(記者)個々の判断ではあるけれども、そういう対応は取ったほうがいいというお考えなのか。
(大臣)私であれば、そのほうがいいというふうに思います。
 
(記者)共同通信、矢野です。よろしくお願いします。
 日本時間の今朝未明に、ブラジルで開催されたG20環境・気候持続可能性大臣会合で成果文書がまとまりました。大臣として報告を受けている情報でしたり、あと受け止めがあればよろしくお願いします。
(大臣)御指摘のG20環境・気候持続可能性大臣会合は10月3日から2日間ということで、リオデジャネイロで開催されております。環境省からは、松澤地球環境審議官が出席しております。今回の会合は、気候変動対策、生物多様性保全、砂漠化対処に関する3つの条約の締約国会議、COPやプラスチック汚染対策の条約交渉会議(INC)を間近に控えて、世界の主要経済国の集まりであるG20として、これらの重要な会議に向けて力強いメッセージを世界に示していくということが期待されるものでありまして、我が国としても、今までは環境というと、どちらかというと外部不経済ということになっておりましたけれども、まさに環境と経済が一体化して、より良い環境をつくっていくことが、結果として経済にとってもプラスだということで、この議論に貢献していきたいというふうに考えております。
 
(記者)環境新聞の小峰でございます。
 外交安保の論客である大臣にお尋ねします。
 来週後半に、石破茂首相は、ラオスで開かれるASEAN関連首脳会議に出席しますけれども、大臣としては、環境面で石破さんをどのようにサポートするようにしているんでしょうか。
(大臣)先ほど申し上げましたように、地球環境の問題は先進国、あるいは発展途上国も含めて喫緊の課題でありまして、ASEANは大変大きな、アジア地域における経済ブロックであります。いわゆるグローバルサウスに所属するところも大きいというふうに思いますが、例えばJCMを使って、日本の削減目標も達成し、結果として、経済と環境が両輪となって、例えば日本企業が何らかの案件を形成することによって、日本の経済にもプラスになる、現地の経済にとってもプラスになる、ウィン・ウィンの機会にしていくことができればというふうに思っておりますけれども、具体的なASEAN関連首脳会議の内容については、まだ調整中と聞いておりますので、現時点で具体的に何か申し上げるということはできないということでございます。
(記者)それに関連して、今ASEANに対して経済と環境の両面で貢献するというふうにおっしゃっていましたけれども、もう一歩、ASEANの主要国は中国の軍事進出、軍事侵略のほうの南シナ海、東シナ海で非常に脅威を感じています。先ほど大臣が御指摘のJCMは、安全保障面でも貢献するのではないでしょうか。そこのところをはっきり一言お願いいたします。
(大臣)御指摘のとおりだというふうに認識をしております。
 
(記者)毎日新聞の山口と申します。よろしくお願いします。
 先ほど、いわゆる裏金議員についての質問が出たので、それに関連してなのですが、今度の衆院解散のときに、石破総理がいわゆる裏金議員に関して、原則公認するという方針で、比例重複候補も認めるという方針という報道がありますけれども、それについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(大臣)既に自民党としては、不記載であった人に対してヒアリングをし、必要に応じて処分を下したというふうに承知をしております。一旦そういった処分をしたわけでありますから、基本的には、党で決めていくことでありますけども、事実関係で言うと、そうした処分が下りているということでありますので、そのことを踏まえて決めていくべきものだというふうに考えています。
 
(記者)エネルギージャーナル社の清水です。
 2点ほどありまして、石破内閣で言っている防災庁、(または)防災省の設置に、環境省がどう関与していくのか。そこを伺いたいのですが。
 環境省は、先ほど来御指摘の地球温暖化対策推進法でも、適応とかそういう面で、災害への対応を法律で規定しているようですけど、その辺はだぶってくる可能性もあるので、浅尾大臣としてのお考えがあったら。調整中ということでしょうけれども、どういう御認識でいらっしゃるか。それを伺いたい。
(大臣)ありがとうございます。
 石破総理が10月1日の会見において、新内閣の基本方針として、防災庁の設置に取り組むと示したということは御指摘のとおりでございます。
 環境省では、災害により発生した廃棄物の適正かつ円滑、迅速な処理などについて、これまでも対応しており、被災地の復旧、復興のために重要な役割を果たしてきたと認識しております。
 したがいまして、今後、防災庁の設置について、政府の中で様々な議論があるというふうに思いますが、政府の中の議論においても、しっかりと今申し上げた、環境省がこれまで果たしてきた役割についても発言し、貢献していきたいというふうに考えています。
(記者)先ほど申し上げた法律改正の必要性もあるという御認識ですか。
 
(大臣)当然新しい省庁ですから、法律をつくらないと、その根拠法がありませんから、法律を出さない限りはできないということになるだろうと思います。
(記者)もう一点、沖縄・北方担当大臣のところに、これももう石破首相が言っている地方創生で、生活環境関係を所掌するという、新しい所掌として、そういうことを提案しているようですけれども、その辺は環境省との関わりも随分出てくると思うんで。
(大臣)直接そのことについて、どこがどうだというデマケも含めて、現状について私は承知しておりませんので、まずは事務方から説明を聞いて、考えていきたいというふうに考えています。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=dZTG18fWpk0&t=930s
(以上)