大臣談話・大臣記者会見要旨

伊藤大臣閣議後記者会見録 (令和6年3月15日(金)08:35~08:42 於:衆議院分館4階

1.発言要旨

 本日の閣議で、資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律案を決定いたしましたので、御報告いたします。
 この法律案は、資源循環を通じた脱炭素化といった環境の保全や、資源の安定供給の確保による経済安全保障への貢献、再生材の質と量の確保を通じた産業競争力の強化等に資するように、再資源化の取組の高度化、資源循環産業の発展を目指すものでございます。
 本法律案では、再資源化事業等の高度化に関する先進的な取組について、認定制度を創設し、廃棄物処理法上の各種許可手続の特例を設けるなどの措置を講ずることとしております。
 今国会では、本法律案の成立に全力を尽くし、脱炭素化と資源循環の取組を一体的に促進してまいります。
 もう1点ございます。本日の閣議において、環境省組織令の一部を改正する政令についても決定しました。
環境保健部の化学物質対策を担う部署の一元化を図るため、化学物質安全課、これを新設します。これにより、化学物質について、その製造の規制、排出量の把握・管理等を行う部署を一つとすることで効率的に政策を進めてまいります。
 なお、課題となっておりますPFAS対策についても、水・大気環境局と環境保健部が連携し、取組を進めていきます。
 あわせて、近く、環境省組織規則も改正し、環境保健部に熱中症対策室を新設します。先の通常国会で成立した改正気候変動適応法に基づく熱中症対策について、本年4月から適切に施行できるよう体制の整備を図ります。以上でございます。
 

2.質疑応答

(記者)幹事社、日本テレビの村田です。よろしくお願いいたします。最初にありました再資源化事業等高度化の新法案についてなんですけれども、この法案が施行されることによりまして、具体的にどのような事業が促進、以前よりもされるということをお考えかということと、あと、温室効果ガスの削減や廃棄物の減量など、どの程度の環境改善の効果が見込まれるというふうにお考えか、お聞かせください。
(大臣)本法律案の認定制度により、例えば、これまで焼却が主であったオフィスの廃プラスチックやペットボトルなどについて、広域的に、かつ、より多くの量を集めて行う効率的な再資源化、太陽光パネルやリチウムイオン電池など、これまで分離・回収が難しかったものから、レアメタル等の資源の回収、AI等の高度な技術を活用した選別施設の導入に伴う温室効果ガス排出量の削減といった取組を促進したいと考えてございます。
 また、現時点で本法律案による環境改善効果を定量的にお示しすることは困難ですが、例えばペットボトルのマテリアルリサイクルについては、再生材の製造に係るCO2の排出量は、バージン材に比較して53%削減されると試算されてございます。
 法律案に基づく基本方針で定める再資源化率に関する目標については、意欲的なものになるようにしっかり検討してまいりたいと思います。
 
(記者)共同通信の堀口です。「デコ活」についてお伺いします。先日、3月12日の衆院環境委員会で、野党議員の質問での答弁で、大臣はデコ活の認知状況について、国民の4人に1人の水準にとどまっていると御答弁されました。改めてこの状況についての受け止めと今後の知名度やデコ活の取組の向上についてお願いします。
(大臣)デコ活という言葉の認知度、現時点では御指摘のように必ずしも高くない数字にとどまっておりますが、徐々に浸透しつつあるというふうに考えております。具体的には、デコ活の官民連携協議会の企業・自治体・団体等の参画は1,150以上、デコ活宣言は1,900以上に増加し、取組は着実に広がってございます。
 今後も、住宅の断熱化をはじめとして、国民のライフスタイルの転換に向けた後押しを関係省庁とも連携して進め、その結果としてデコ活の認知度が高まるよう、引き続き実効性の高い取組を進めてまいりたいというふうに考えます。
 
(記者)朝日新聞の市野です。お願いします。昨日、大臣はアメリカのジョン・ポデスタ氏と会談されたと思いますが、来月には岸田総理の訪米もあるかと思うのですが、どういった会談の成果だったか教えてください。
(大臣)昨日、ポデスタ大統領上級補佐官と面談いたしました。私からはポデスタ大統領上級補佐官に対して、ケリー特使の役割を引き継がれたこと、これについてお祝い申し上げるとともに、今後の米国の気候政策の進展への期待をお伝えしたところでございます。
 外交上のこともありますので、詳細はちょっと差し控えますけれども、会談では、気候変動問題を中心に率直な意見交換を行いました。そしてまた今後も引き続き、日米両国で緊密に連携して取り組むことの重要性について認識を共有したところでございます。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=r_LR7VyfCIE
 
 
(以上)