大臣談話・大臣記者会見要旨

伊藤大臣閣議後記者会見録 (令和6年3月8日(金)10:00~10:11 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 東日本大震災から来週の11日で13年になります。改めて、お亡くなりになられました方々に対して哀悼の誠を捧げるとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 この1年、環境省として、被災地の復興・再生に向けて、除染や被災家屋の解体・撤去や、ALPS処理水に関する海域モニタリングなどの取組を進めてまいりました。昨年には、全ての特定復興再生拠点区域の避難指示が解除され、福島の復興の大きな前進となりました。
 しかし、復興に向けた取組は、いまだ道半ばであり、新たに設定された特定帰還居住区域における除染や、除去土壌等の県外最終処分に向けた取組をしっかり進めなければなりません。
その決意を新たにし、私自身が先頭に立って、被災地の復興・再生に向けて取り組んでまいります。
 

2.質疑応答

(記者)幹事社の日本テレビの村田です。よろしくお願いいたします。福島第一原発の事故からも13年経過するということですけれども、除染をされた土の県外の最終処分に向けた取組というのがまだ十分に進んでいないと思います。現状についてどのように捉えていらっしゃるかということと、今後どのようにそれを進めていかれるお考えかということを聞かせていただけますでしょうか。
(大臣)福島県内で生じた除去土壌等の30年以内の県外最終処分の方針は、国としての約束であり、法律にも規定された国の責務でございます。
 環境省では、2016年に定めた方針に沿って、県外最終処分に向けた取組を着実に進めております。来年度は、これまでの取組の成果を踏まえ、最終処分・再生利用の基準や、最終処分場の構造、必要面積等について取りまとめを行い、国民の理解醸成にもさらに力を入れてまいりたいと思います。
 また、2025年度以降にも県外最終処分に向けた取組に空白が生じることがないよう、今後の取組の進め方をお示しする必要があり、本年より、地域とのコミュニケーションのあり方等の検討にも着手しております。引き続き、最終処分に向け、私としてもリーダーシップを発揮して、着実に取組を進めてまいりたいというふうに考えます。
 
(記者)河北新報の馬場と申します。 除去土壌の件なのですけれども、関東の実証事業について、こちらのほうもちょっとストップしている状態ですけどれも、その辺について来年度以降、どのように進めていくのかお願いします。
(大臣)福島県外での実証事業については、これまで地域住民の皆様から安全性や管理方法等に関する様々な御意見、御懸念をいただいております。いただいた御意見等に対して、より分かりやすい説明、これを行うためには、まずは、再生利用に係る基準省令等に関する成果の取りまとめが必要だと考えております。これらを踏まえ、今後の進め方については検討し、そして進めてまいりたいと思います。
 
(記者)建設工業新聞社の沖田と申します。よろしくお願いいたします。先ほど、環境再生事業についての決意を新たにされるということで表明されてらっしゃいましたが、除染ですとか家屋解体とかそういったところで、建設業がこれまで一役買ってきたと思うのですけれども、これまでの建設業のそうした貢献に対する受け止めですとか、それから今後も特定帰還居住区域等々で除染が本格化していくということで、そちらの今後の活躍への期待ということで、大臣の思いがあれば教えてください。
(大臣)東日本大震災からの復興・再生に関し、除染、家屋等の解体、中間貯蔵等の多くの事業を実施してきましたけれども、これまで、建設業の皆様方には、多大なる御貢献をいただいており、この場を借りて感謝申し上げたいと思います。
 特定帰還居住区域における除染や解体、県外最終処分に向けた取組を進めていくに当たっても、引き続き、建設業の皆様方の御協力、これは欠かせないものだというふうに考えております。
一方で、事業を進めるに当たっては、安全第一、これが重要でございます。建設業の皆様方におかれましては、引き続き、この安全第一のもと、復興・再生の取組について御協力を賜りたいと考えております。
 
(記者)NHKの林と申します。除去土壌の処分について、先ほど県外の実証事業について、今後の基準省令の取りまとめ等が必要という認識を示したと思うのですけれども、こういった基準省令の成果物というのは、専門家の議論を経た、いわゆる科学的な知見をまとめたものになると思うのですけれども、仮にそういった知見をまとめたものを住民の方が見たとしても、今抱いている懸念を本当に解消するものなのかというのが、どこまで迫れるかというのは今後の検討が必要だと思うのですけれども、改めてそういったことも踏まえて、大臣がそういう、こういった、懸念を抱かれる地元住民の方を、事業を進める上で、表現は難しいかもしれないですけれども、環境省の事業を受け入れてもらうために最も必要なことというのは、大臣自身はどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。
(大臣)いろいろ事業がありますけれども、除去土壌に関しては、やはりコミュニケーションの在り方というものが非常に重要だと思います。日本は過去のいろいろな歴史もあり、こういった問題に対しては非常に繊細でありますし、また今、科学的知見という話が出ましたけれども、やはり安全と安心が違うという部分もあります。ですから、私どもはやはりその安心をやっぱり獲得するためには、もちろん科学的知見に基づいた状況説明が必要でありますけれども、それを分かりやすくコミュニケーションを図ると、それからコミュニケーションの図り方も、いろいろなチャンネルを通じてですね、総合的に行うということが必要だと思います。
 それから、さらに申し上げればですね、もちろん環境省が主体となってやっていることではございますけども、3月6日の与党の東日本大震災復興加速化のための第12次提言というものが、総理に手交され、私も同席しておりました。その場でも提言の中にもございましたし、私自身も直接お伺いいたしましたけれども、再生利用先の創出等に関しては、政府一体となった体制の整備、これがやっぱり必要だと思います。その体制の整備に向けた取組を進めるということも、重要だと思いますし、そのベースとなる再生利用を行う上で必要となる基準作り、これをやっぱり明確にしてですね、そのこともしっかり国民の皆様に御理解いただくとともに、そのことについても、関係省庁との連携を強化して、取組を進めていくということが非常に重要だろうというふうに私は考えています。
 
(記者)毎日新聞の岡田です。先ほどからの県外最終処分についてなんですけど、今ほども言及されました、自民党の第12次提言でも、最終処分地の選定の具体的な方針とか、工程を速やかに明示するように求められていますけど、この点について、いつぐらいまでにどういったものを示すというお考えがあればお聞かせください。
(大臣)冒頭、多少お答えしましたけども、この最終処分の再生利用の基準、それから最終処分場の構造、必要面積等について取りまとめを、来年度に行うということを申し上げたところでございます。そういうことも通じて国民の理解醸成をさらに図ってまいりたいと思います。
(記者)選定の手続についてはどうなのでしょうか。
(大臣)選定の手続については、今ちょっと年限をはっきり申し上げることではありませんけども、それと並行して実証事業というものも進めてまいりたいと思います。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=gtqwkMZxGrc&list=PL9Gx55DGS7x7KxcngqArvF_NxEuXney24&index=1
 
 
(以上)