大臣談話・大臣記者会見要旨

伊藤大臣閣議後記者会見録 (令和6年3月1日(金)09:17~09:29 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 昨日、石川県において、災害廃棄物処理実行計画が公表されました。計画には、災害廃棄物の発生量の推計に加え、種類別の具体的な処理方法や、再生利用及び県内処理の見込み量、県外での広域処理に関する陸上輸送、海上輸送の見込み量や広域処理先、また損壊家屋等の公費解体の想定数や解体期間、解体班数などが盛り込まれております。
 また、本日、令和6年能登半島地震復旧・復興支援本部が官邸で開催されました。会議において、私から、被災自治体が財政の不安なく災害廃棄物処理を進められるよう、災害廃棄物処理促進費補助金により、石川県が設置する災害廃棄物処理基金への支出を通じて、財政力に鑑みて、災害廃棄物の財政負担が特に過大となる自治体に、さらなる負担軽減を図ることなどを報告いたしました。
 その後、閣議における予備費の使用決定において、災害廃棄物処理促進費補助金として、8.4億円が計上されています。環境省では、石川県が公表した計画を踏まえ、災害廃棄物の処理を計画的かつ円滑、迅速に進めることができるよう、財政支援に加え、環境省職員や自治体職員の現地派遣による技術的支援や人的支援等も行い、被災自治体を全力で支援してまいります。以上でございます。
 

2.質疑応答

(記者)おはようございます。幹事社日本テレビ、西出と申します。よろしくお願いいたします。冒頭に発言がありました、石川県の災害廃棄物処理実行計画についてなんですけれども、改めて、これが策定されたことに関する大臣の受け止めと、もう一度、今後、計画の実行にどのように環境省として関わっていくのか、方針についてお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
(大臣)石川県が策定した災害廃棄物処理実行計画に基づき、県内の被災市町において、処理を計画的、迅速的に進めることが重要であると考えております。環境省としては、引き続き、県と緊密に連携しながら、災害廃棄物処理への財政支援を行ってまいります。また、災害廃棄物対応の知見を有する環境省職員や自治体職員の現地派遣による、家屋解体や廃棄物処理等に関する技術的支援や、被災市町で災害廃棄物処理の事務等に対応する自治体職員の派遣による人的支援についても進めてまいります。
 さらに、解体事業者や広域処理先が不足する場合の、全国の自治体や全国団体等への働きかけなどについても対応してまいります。引き続き、今後の災害廃棄物処理が円滑に進むよう、被災自治体を全力で支援してまいりたいと考えております。
 
(記者)時事通信の鴨川です。特定外来生物のマングースについて、お伺いします。先日、鹿児島県の奄美大島で開かれたマングース防除事業に関する検討会で、今年度の捕獲がなければ、9月にも根絶宣言をする見通しが立っています。マングースが最後に捕獲されたのが、2018年4月であることから、根絶の可能性が高くなっているということです。完全駆除も間近ですが、これまでの活動をどう評価しているかと、マングースに限らず、他の外来種対策にどう活かしていくのか、お考えをお聞かせください。
(大臣)このマングースは、奄美大島における希少種や固有種の保全のために根絶が必要でございます。外来生物法に基づく特定外来生物に指定し、環境省において防除を進めてきたところでございます。今週27日に開催された環境省の検討会では、マングースの根絶を判断するために必要な情報や、評価方法について、検討が行なわれました。この中で、既存の情報の分析から、根絶の見通しが立ったとの見解が専門家から示されました。また、必要な情報が確定する8月以降に、本検討会において、根絶したと断定的に言えるのかどうか、最終的な評価を行うこととなりました。
 環境省としては、確実に根絶が宣言できるように、引き続きモニタリング調査や情報収集に努めたいと考えております。また、根絶宣言ができた場合には、世界的にも前例のない規模での外来種対策の成功事例として、他の地域の対策にも活かせるように、情報の整理、発信を行ってまいりたいと、そのように考えております。
 
(記者)朝日新聞の矢田と申します。外来種に関連してお聞きしたいんですけれど、先日、岐阜県の長良川で産業管理外来種のニジマスが大量に逃げ出したというような報道がありまして、生物多様性保全を呼びかける環境省として、改めて今回の事案の受け止めをお教えいただけますか。
(大臣)このニジマス、産業上重要な種である一方、外来種でございまして、在来の近縁種との競合や、水生生物の捕食による生態系への影響というものが指摘されてございます。
 このため、環境省と農林水産省が作成した生態系被害防止外来種リストにおいて、産業管理外来種に位置づけられておりまして、水産庁の管理指針に基づいて、漁業関係者等に適切な管理を求めているところでございます。
 今、御指摘の2月19日の長良川の増水により、長良川の管理釣り場からニジマスが流出したということは承知しております。この事案を受けて、環境省の担当部局から岐阜県に連絡して、状況確認を進めており、今後、必要に応じて助言を行いたいと思っております。
 環境省としては、農林水産省とも連携して、ニジマスも含めた外来種の適切な管理について、事業者や国民の皆様に、広く呼びかけていきたいと思います。
 また、現在農林水産省と共同で、生態系被害防止外来種リストの見直し作業、これを進めてございます。この中で、産業管理外来種についても、適切な管理が進むように検討を進めてまいりたいと考えております。
(記者)ありがとうございます。今回のこの事案は産業管理外来種の管理の仕方の難しさが露呈した事案かなとも思うのですけれども、見直しというのは、例えば産業管理外来種の扱いについて何か事業者に条件を設けたりだとか、そういうのを、リストを作成する環境省としても、在り方を再検討するというようなことでしょうか。
(大臣)先ほどのマングースと違って、産業管理外来種って、バランスの問題というのもよく考えなければならないと思います。ですから、周辺の生態系にどの程度の影響があるのか、そういうことも検討しながら、適切に専門家の間で協議されて、何が適切な管理かという方針を決めていただくものというふうに考えております。
 
(記者)環境新聞の小峰です。昨日、今日と衆議院の政治倫理審査会が開催されています。伊藤信太郎環境大臣としてというよりも、伊藤信太郎衆議院議員としてお聞きしますが、今回の審査会をどう受け止め、また、国会議員として、何か教訓になるようなことがございましたら、お聞かせください。以上です。
(大臣)御指摘のように、昨日、岸田総理が自民党総裁として衆議院政治倫理審査会に出席され、弁明を述べられて質疑を行われたと。私も拝見しておりました。岸田総裁の発言内容や質疑を受ける議論については、私は今、環境大臣としておりますので、政府の立場として評価することは差し控えるところではございますけれども、政治資金に関して、国民の皆様から大変厳しい目、あるいは疑念があるわけでございますから、自民党総裁として説明をすべく努められたものと受け止めておりますし、私自身の話でありますけれども、私自身もそういうことが全くないように、これからもしっかりと正しい政治を進めてまいりたいと、そのように思います。
 
(記者)共同通信の堀口です。災害廃棄物処理促進費補助金によって、石川県の災害廃棄物の財政負担が厳しい自治体に対する負担軽減を図るという御説明でしたけれども、過去の災害では、限りなく100%に近いような形で自治体の負担をゼロに限りなくするという動きもありましたが、今回についても、どのようにお考えか、教えてください。
(大臣)このように大きな災害が起きますと、自治体の負担は大変です。特に、災害の規模が大きく、また自治体の財政力が弱いところというのは、本当に御苦労なさっていると思います。私としては、今、御説明申し上げたように、災害廃棄物処理促進費補助金8.4億円が計上されたわけではございますけれども、石川県の災害廃棄物処理への支出を通じて、財政負担が特に過大となる自治体にさらなる負担軽減を図ることとしておりますけれども、私としては、なるだけ基礎自治体の負担がゼロになるように、全力で努力したいと、そのように考えております。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=szB9yplv89E&list=PL9Gx55DGS7x7KxcngqArvF_NxEuXney24&index=1
 
 
(以上)