大臣談話・大臣記者会見要旨

伊藤大臣閣議後記者会見録 (令和6年2月22日(木)10:30~10:44 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

なし

2.質疑応答

(記者)幹事社を務めます産経新聞の白岩といいます。本日はよろしくお願いいたします。 幹事社からは1点、昨日、有機フッ素化合物、PFOS及びPFOAに関する水質の目標値の専門家会合というのが開かれたと思うのですが、先月には内閣府の食品安全委員会のリスク評価というのも結果が出ましたが、この一連の動きを見ていると、水質の目標値について、近く何らかの決定があるのではないかということが見込まれていますけれども、大臣がこの目標値の決定時期、これはいつ頃までにというふうにお考えなのかということをお聞かせください。
 これに関連しまして、4月からは水道行政の一部が厚生労働省から御省のほうにも移管されることになっていると思いますけれども、仮にこの水質目標値の決定時期が4月以降にずれ込むということになれば、この水道の目標値、基準についても、これ、御省のほうでお決めになるというふうに考えていいのか。この2点についてお聞かせください。よろしくお願いします。
(大臣)時系列に沿って、順番に御説明、お答え申し上げたいと思います。今、言及があった専門家会議については、昨日、厚生労働省の検討会と合同で開催して、食品安全委員会の評価案を含む国内外の動向等について報告したところでございます。今回の食品安全委員会の評価については、パブリックコメントを経て、今後取りまとめられるというふうに承知しております。水質の目標値については、その評価結果に加え、様々な観点から検討する必要があると考えております。このため、現時点でといいますか、今日、水質の目標値に関する結論を得る時期については、まだ予断を持ってお答えすることはできませんが、専門家の検討を引き続き進めていただきたいと思います。
 また、御指摘のように、本年4月から水道の水質基準を担当する環境省が、水道事業を担当する国土交通省とも協議をしながら検討を進めることになるというふうに考えてございます。
 それから、ちょっと今の答えとだぶりますけれども、さらに申し上げれば、引き続き専門家会議において、専門的、科学的知見から検討いただく必要がありますので、次期数値について、現時点で具体的に予断を持って言うことはできないというふうに思います。
 
(記者)北海道新聞の大能と申します。前回に引き続き、在日米軍のPCBについてお伺いしたいのですけれども、前回の閣議後会見の後で、防衛省が米軍のPCBの国内処理について、改めてあらゆる選択肢を念頭に米側と協議するというふうに発言しました。住民説明については、あくまでも環境省がやるべきものだというふうにも発言しております。この防衛省の姿勢について、大臣の受け止めを聞かせてください。
(大臣)多少、前回の記者会見の繰り返しになりますけども、まず在日米軍のPCB廃棄物及び基地の返還や再編に伴い発生した、防衛省が処理責任を有する高濃度PCB廃棄物のいずれについても、JESCOの事務所で処理することは想定しておりません。防衛省の会見における発言は、仮に防衛省が処理責任を有する在日米軍由来のPCB廃棄物が発生した場合について、あらゆる選択肢を念頭に、政府全体で米側と協議を行っているという趣旨だというふうに私は理解しております。
 今般の要請についても、在日米軍のPCB廃棄物は含まれておりません。室蘭市に搬入をいたしません。その上で、在日米軍のPCB廃棄物については関係省庁で連携して、米側と協議を行っており、様々な選択肢を検討する必要があるというふうに考えております。
 
(記者)NHK、林と申します。今のPCBの関係で、確認も含めてなんですけれども、今おっしゃっていた防衛省が処理責任を負う米軍のものを、JESCOの施設が処理することは、今、想定していないというのは、今般の西日本からの持込みの中に、米軍基地由来のものがないということをおっしゃっているということでいいのでしょうか。
(大臣)まず、それは明確に申し上げたいと思います。
(記者)過去の事例があったと思うのですけれども、それこそ米軍のPCBを防衛省が引き取って、それがJESCOの施設で処理するということは、過去にも実際実施したことがあったということなんですけど、今後、将来的にそういう事案が出てくるということを環境省として一律否定しているものではないということでいいでしょうか。
(大臣)仮定の質問にはちょっとお答えしづらいのですけれども、現時点でそういうことは想定していないということです。過去にそういうことがあったということはお聞きしております。繰り返しになりますけれども、防衛省が責任を有するPCB廃棄物については、まず防衛省において適正に保管していただくというふうに考えております。その上で、処理については政府全体において検討していくということだと思います。
 
(記者)エネルギージャーナル社の清水です。ちょっと1点、早晩、もう審議に入っているエネルギー基本計画と気候変動対策、環境省の、について伺いたいのですが。どうでしょうか、G7とか、先進国、あるいはG20なんかでも、日本の化石燃料の脱退というか、化石燃料から卒業する時期がいつかというのは、結構、国際的にも注目されているテーマだと思うのですが、今度のエネルギー基本計画で、まあ、どっちが先に検討するか、あるいはという話は別としてね、やっぱり、日本として、いつ化石燃料から石炭火力も含めて、脱退する時期というのは、国際的にも提示する責務があるのではないかと思うんですけれども。まず、その辺をどうお考えか、伺いたいのですが。
(大臣)COP28において、いろいろなことがデジションで示されましたけれども、脱退という言葉は使われていないと思います。transition away、これは定訳は、移行であります。ただ、それをゼロにするということは言っていないんですね。ですから、日本としてはもちろん、二酸化炭素の削減を、パリ協定の目標に合う形で既に削減しておりますけども、その中の幾つかのこととして、その化石燃料をなるだけ減らす。また、化石燃料を使うにしても、CCS、CCUS、あるいはアンモニア、水素の混焼によって温室効果ガスの排出を減らすという方法を取っておりますので、こういう問題はゼロイチの問題ではなくて、その時点その時点の科学技術の進展、あるいは、世界の状況、気候変動の進展、そういったものを総合的に勘案して、日本として取り得るベストのチョイスをしていくべきというふうに考えております。もちろん、なるだけ再生エネルギーを増やしたほうがいいわけですし、原子力についても諸意見がありますけども、安全なものは稼動するという、その3つの中で考えていくということだろうと思いますし、化石燃料を使うにしても、なるだけCO2を出さない技術というのがどんどん今、進展中でもありますので、そこも含めて日本が地球環境の気候変動に対して責任を持って行動を取るということを進めてまいりたいと思いますし、必ずしも、私が、COP28に出た印象では、日本が化石燃料を使うことに対して非難が出たという印象を私自身はそんなに持っておりません。世界196の国、使っていますので、日本以上に使っている国はたくさんあります。そこも含めて、日本は技術協力をして、使っている国に対してもCO2が出ないような技術供与をすると、そのことも行っております。
(記者)御説明はよく分かるのですが、ただ、先進国の中では、例えばG7とか、そういう中では、やっぱり、石炭火力の時期をどうするか、トランジションも含めてね、石炭火力の、言わば解消というか、それはやっぱり、かなり途上国や何かに影響を与えることも大きいと思うんですよね。そこは、むしろ石炭を使う業界からとっても、一体いつまで駄目で、かつ代替技術としていつまでやるべきかというのは、非常にやっぱり、国が示す必要があると思うんですけどね。そういうことも含めて、環境省がエネルギー基本計画を策定するときに、これは経産省ですけれども、環境省はやっぱり、気候変動の観点から、エネルギーの使い方、利用の、電源構成というか、そういうのはやっぱり、やるべきじゃないか、つくるべきじゃないかと思うのですが。
 今ちょうど環境基本計画の策定作業を1年ぐらいかけてやっていますけどね。だから、エネルギー基本計画じゃなくて、温暖化対策の観点からの、やっぱり、そのエネルギーのバランスはこうあるべきだと、あるいはエネルギーの使い方はこうあるべきと出すべきじゃないですかね。と、伊藤大臣のリーダーシップを発揮してほしいなと思います。
(大臣)おっしゃるとおり、環境省と経済産業省は、連携して、やっぱり、エネルギーの安定供給と環境問題が両立する形で、政府一体となって政策を進めておりますし、私に何かリーダーシップをたいへん期待されていますが、私は私なりに、できる限り、環境省の立場から、その2つの目的が達成できるように努力しているところございます。
 
(記者)共同通信の矢野です。よろしくお願いします。COP28に私も現地に行ったんですが、大臣に取材させていただいたんですけれども、どういった場面で、日本の化石燃料使用に対して、批判はそれほど強くないというふうに感じられたのか、ちょっと伺えればと思うのですけど。
(大臣)というよりは、私が、あの20ぐらいのバイ会談、それから20近くの閣僚級のいろいろな正式、非公式の会談に出ましたけれども、どの会談でも、少なくとも私自身に対して、日本が化石燃料を使っていることに対する批判は、ありませんでした。一度もありませんでした、ということでございます。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=-PbuI4qcvdI&list=PL9Gx55DGS7x7KxcngqArvF_NxEuXney24&index=1
 
(以上)