大臣談話・大臣記者会見要旨

伊藤環境大臣COP28期間中ぶら下がり会見録 (令和5年12月9日(土)08:40~08:45(現地時間) 於:COP28会場)

1.発言要旨

 本日、COP28の会場に入り、大変身の引き締まる思いです。今回のCOP28では、アンブレラグループの会合、また、環境大臣の会合に出席して、必要があればバイ会談を重ねて、日本の立場、我々日本ができるいろいろな協力、そして、できれば日本はこのCOP28において先導的といいますか、成功のために主体的に動く、そのことを果たすために努力してまいりたいと、このように思います。
 具体的には、世界の気温上昇を1.5度以内に収めるためには、2030年までに急速かつ大幅で即時の温室効果ガスの削減が必要でございます。この観点から、2025年までの提出が奨励されている次期の排出削減目標、いわゆるNDC、これを見据えて、特に1.5度目標に整合する排出削減を実施、そして2025年までの世界全体の排出量のピークアウト、全ての部門、全ての温室効果ガスを対象とする総量削減目標の設定、これを各国に呼びかけてまいりたいと思います。
 特に、世界全体で軌道修正する。そのためには、私たちは3つのギャップ、これを埋めなければなりません。この3つのギャップというのは、目標のギャップ、適応のギャップ、実施のギャップでございます。このため、私は本日、日本による投資促進支援パッケージ、これを公表する予定でございます。世界共通の課題である気候変動、気候危機とも言えると思います。このことに対して、全ての国が一致団結して取り組めるよう、私自身も議論を先導する、その意気込みで、このCOP28に臨んでまいりたい、そのように考えています。
 

2.質疑応答

(記者)朝日新聞の市野です。お疲れさまです。今回のCOPでは、化石燃料の段階的廃止ということが大きな焦点になってきております。以前にもお話しいただいているところですが、この必要性、それから日本がどのようにそれに交渉していくかという意気込みを教えてください。そして、今まさに中東のサウジアラビアなどが削減ということに対しても強く反対しているかと思うのですけれども、こういった難しい局面でも、どういった交渉をしていくかということも含めて教えてください。
(大臣)今お話いただいたように、このCOP28で、やはりパリ協定の1.5度目標の実現に向けては、G7のコミュニケでもまとめられておりましたけれども、石炭火力発電を含む火力発電の脱炭素化、これが非常に重要であります。そこを含めて日本としてもできる限り脱炭素が進むように、日本の持っている技術、また、各国に対する協力、そして説得力、そういったことを重ねて、今回はグローバル・ストックテイクにおける交渉もありますけれども、世界全体がネットゼロ実現に向けた道筋が取れるように、交渉に臨んでまいりたいというふうに考えます。
(記者)NHKの林です。冒頭、発言いただいた中で、支援パッケージ、主に途上国への支援という形になると思うのですけれども、改めてそれの狙いと意義というのを伺ってよろしいでしょうか。
(大臣)地球が気候危機になれば、地球に住む全ての人間、そして生態系全体の存続が難しくなるわけですけれども、そういうことをよく考えながら、ただ、それぞれの国には、それぞれの国の、やっぱり個別の事情があります。その個別の事情が解決できるような方向へ日本はできるだけ協力することが重要だと思います。大きく言えば、技術供与、そして経済的に支えていくような支援だと思います。

 
(以上)