大臣談話・大臣記者会見要旨

伊藤大臣閣議後記者会見録 (令和5年12月5日(火)09:15~09:25 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

なし

2.質疑応答

(記者)おはようございます。幹事社のTBSの勝目です。COP28において、岸田総理が新規の国内石炭火力発電所の建設終了を宣言しました。一方で、日本が提唱する水素・アンモニア混焼への取組について、民間の団体からは、見せかけの環境配慮との批判があり、日本は脱炭素化において消極的な国として、初日には化石賞が贈られました。この点に関して、大臣の御見解をお聞かせください。
(大臣)化石賞、これは民間団体の活動の1つと承知してございます。政府としてそれに対してコメントすることはまず差し控えたいと思います。
 アンモニアの混焼については、エネルギーを取り巻く我が国の、またアジアの現実的な状況、これを踏まえますと、火力発電の将来的な脱炭素に向けたトランジションの技術、すなわち移行期の技術として有効だというふうに考えております。その上で、最終的には脱炭素型の火力発電に置き換えることで、2050年のネットゼロの道筋に乗せていくことができるというふうに考えてございます。このような2050年ネットゼロに向けた我が国の考え方について、COP28をはじめとする様々な機会で、国際的に発信してまいりたいと考えています。
 
(記者)時事通信の鴨川です。クマについてお伺いいたします。先日、11月末時点でのクマによる人身被害が発表されまして、212人と過去最悪を更新しています。寒くなり、冬眠に入る時期も近づいていますが、被害者数、被害件数ともに拡大が続いています。現状の受け止めと国民へのメッセージを改めてお願いいたします。
(大臣)御指摘のように、今年のクマの被害、大変ひどくなって、11月の数字で193件、被害者数は212人ということで、いずれも過去最多で深刻な状況というふうに重く受け止めております。そういうことでありますので、私のほうから事務方に、今できる被害対策の徹底、それから人身被害を減らすための対策の総合的な取りまとめと発信、そして指定管理鳥獣への指定に係る検討の加速化、これを指示したところでございます。
クマが冬眠に入る時期を迎えつつありますけれども、12月以降は被害の減少が見込まれますけれども、いろんな影響もあって、地域や個体によって冬眠の時期が異なるということだと思います。10月24日に、私からの談話で国民の皆様にお伝えしたとおり、クマの生息域にむやみに入らない、クマと出会った際には落ち着いて距離を取る、クマを人里に引きつけないようにする、の3点について、引き続き十分な注意をお願いしたいということを言ったところでございます。
 
(記者)テレビ朝日の中尾です。おはようございます。今回、岸田総理が旧統一教会の幹部と面会をしたことがあったという報道がなされております。過去、統一教会をめぐって指摘を受けたこともある伊藤大臣として、今回の岸田総理が会ったらしいという事実と、一連の対応についてどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
(大臣)総理が適切に対応するものと存じています。
 
(記者)毎日新聞の山口と申します。COP28について、UAEのジャーベル議長が、報道によるとなんですけれども、1.5度に抑える国際目標に科学的根拠がないという発言をされました。この発言について、見解についての大臣の御見解をお願いします。
(大臣)1.5度目標、またそれに到達する道は複数であると思いますけれども、その発言そのものに対して、現時点で私がコメントすることはちょっと差し控えたいと思います。
(記者)科学的根拠ということに関しては、もちろんあるというふうに大臣も、その辺りに関してはどのように考えていらっしゃるでしょうか。
(大臣)複数の気象学者が必ずしも同じじゃない意見も言っておりますので、一応私どもは、パリ協定に定められた1.5度の目標を達成するために必要な二酸化炭素の排出減ということをベースに考えておりますので、そういう意味で私どもはその考え方に沿って、日本の二酸化炭素の排出削減、繰り返しになりますけども、2030年で46%、できれば50%の高み、そして2050年でネットゼロにすると、このことを達成することによって1.5度の目標を達成できると、また、したいというふうに考えております。
 
(記者)NHK の林です。COP28の関係で、NHKの日曜討論で、伊藤環境大臣が、今回合意された再エネ3倍について、世界での再エネ3倍について見解を問われて、国内では考えていないというふうにおっしゃって、一部ほかの出演者の方から指摘もあったと思うんですけれども、改めてその国内での再エネ3倍について、大臣の考え方を伺ってよろしいでしょうか。
(大臣)ご指摘のように、今申し上げたようにパリ協定の1.5度目標を達成するためには、世界全体で再エネ導入の拡大が非常に重要だというふうに考えております。そして、その世界全体で3倍にすることについては日本も認めたわけでございます。我が国では2050年ネットゼロ、2030年度温室効果ガス46%削減に向けて、2030年度に再エネ比率を36%から38%にするという目標を今掲げております。太陽光発電については世界第三位の導入量です。それから、国土面積あたりでいえば最大だと思います。これを、2倍に拡大したいというふうに考えております。それから、洋上を含む風力発電については、現在の5倍に拡大するということを目指してございます。この導入目標の確実な達成に向けてですね、関係省庁間で緊密に連携して、国民の負担の抑制と、地域との共生、これを図りながら、主力電源として最優先で、再エネの最大限の導入拡大に取り組んでまいりたい、そのように考えております。
(記者)もう一点、別でPFASの関係ですけど、WHOのがんの研究機関が、人への発がん性について4段階のうち、PFOAについては一番上の「発がん性がある」というふうに引き上げをしたと。PFOSについては初めて「発がん性の可能性がある」というふうな結果を公表したんですけれども、まずこれについての受け止めと、国内での対策などの進め方、これを受けてどういったふうに進めるか、伺ってよろしいでしょうか。
(大臣)PFOS、PFOAについて、先日WHOの専門機関において発がん性の評価が見直されたということは承知しております。一方、今回の専門機関の評価というのは、人に対する発がん性があるかどうかの強さを示すということでありまして、ばく露量に基づくリスクの大きさを示したものではないと承知しております。国民の不安が高まらないようにですね、本年7月に専門家会議において取りまとめた「今後の対応の方向性」に従い、環境モニタリングの強化や、飲用ばく露防止の徹底などの対策を着実に進めてまいりたいと思います。また、今回の評価結果については、環境省の専門家会議におけるPFOS、PFOAにかかる目標値の検討において、国内外の知見や動向の一つとして、参考にして、議論を行ってまいりたいと思います。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZBxS_mjrtyA&list=PL9Gx55DGS7x7KxcngqArvF_NxEuXney24&index=1
 
(以上)