大臣談話・大臣記者会見要旨

伊藤大臣閣議後記者会見録 (令和5年10月31日(火)08:30~08:40 於:衆議院本会議場正玄関前)

1.発言要旨

 おはようございます。まず、令和5年度の原子力総合防災訓練の実施結果について御報告いたします。10月27日金曜日から29日日曜日まで、柏崎刈羽地域において、原子力総合防災訓練を実施いたしました。新潟県をはじめ、御協力いただいた関係機関に感謝申し上げます。今回の訓練を通じて、迅速な初動体制の確立、中央と現地組織の連携による防護措置の意思決定、住民避難や屋内退避といった項目を検証することができ、有意義な訓練であったと考えております。今回の訓練で得られた教訓事項を整理し、原子力防災体制の更なる充実・強化に取り組んでまいりたいと思います。
 次に、二国間クレジットの構築に係る日本とカザフスタンの協力覚書の署名についてでございます。10月30日月曜日、カザフスタンが28か国目のJCMパートナー国となりました。今後、優れた脱炭素技術などの普及を通じて、カザフスタンにおける排出削減を実現し、両国の削減目標達成に貢献してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
 

2.質疑応答

(記者)幹事社フジテレビ岩田です。JCMについてお伺いします。2030年までに累積で1億トンをCO2削減量の目標にするというふうに政府目標が出ておりますが、現在どこまで削減できているのでしょうか。そしてまた、この目標の達成に向けてどのように取り組んでいくのか、今後のアプローチしていきたい国も含めて教えていただけますでしょうか。
(大臣)JCMについては、環境省として、これまで230件以上の資金支援事業を実施しているところでございます。これらによる2030年度までの温室効果ガス削減量は、累積で約2,000万トンCO2以上となる見込みでございます。2030年までの累積1億トン削減目標の達成には、この公的資金だけでなく、民間資金の活用というものも不可欠だと思います。本年3月には、民間資金によるJCMプロジェクトの組成を促進するためにガイダンスを作成いたしました。このガイダンスの活用も呼びかけつつ、関係省庁と連携しながら大型案件の発掘、民間資金を活用したJCMの拡大などを積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 それから、パートナー国についてでございますけれども、現在、2025年をめどに、30か国程度とすることを目指しておりますけれども、関係国との協議を加速してございます。協力覚書の締結に向けた個別の協議状況は、現在お答えし切れないわけではございますけども、例えばインドとは、JCMの構築に向けた意向を確認する文書の署名を行っておりまして、引き続き関係国との協議を進めてまいりたいと存じます。
 
(記者)時事通信の鴨川です。鳥インフルエンザについてお伺いします。野鳥で高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染事例が、疑い事例を含めて昨年より早いペースで見つかっています。野鳥から家きんや飼養鳥への感染を防ぐために、関係省庁との連携は十分に取られているのでしょうか。
(大臣)野鳥における高病原性鳥インフルエンザについては、昨日の時点で、疑いの事例を含めて合計5件が確認されております。昨シーズンに続き過去2番目に早いペースで感染が確認されており、最大限の警戒というものが必要な状況というふうに認識しております。
 環境省では、この高病原性鳥インフルエンザを早期に発見することを目的に、本年度から、渡り鳥の飛初期に当たる9月から10月を早期警戒期間として、野鳥サーベイランスの強化を図ってきたところでございます。
 また、今御質問がありましたけれども、関係省庁による連絡会議を開催するなど、野鳥における高病原性鳥インフルエンザの発生状況については、速やかに関係省庁と共有をしているところでございます。その上で、各省庁から野鳥、家きん、飼養鳥の関係者に対して、それぞれ防疫体制の徹底について注意喚起がなされておりまして、必要な連携はできているというふうに考えてございます。
 引き続き、関係省庁と連携して、野鳥における高病原性鳥インフルエンザの早期発見に努め、家きんや飼養鳥への感染拡大防止に向けた取組を進めてまいりたいと存じます。
 
(記者)毎日新聞の岡田です。昨日ジュネーブで開幕した水銀に関する水俣条約のCOP5についてお聞きしたいのですけれども、日本は、争点となった蛍光灯の廃止年限について、これまでEUなどが主張してきた、最短で2025年までの廃止というものに反対してきました。これについては、水俣病を経験した国として、その後ろ向きな姿勢に対して批判もあります。今回のCOP5でのスタンスについて教えてください。
(大臣)10月30日から11月3日まで、水銀に関する水俣条約第5回の締約国会合がスイスのジュネーブで、御存じのとおり開催されておりまして、環境省、経済産業省及び外務省で構成される政府代表団が交渉に当たっているところでございます。
 議題のうち、製造・輸出入の段階的廃止の対象とする水銀添加製品の追加については、蛍光灯を含め、製品の種類ごとに異なる段階的廃止年限が複数の選択肢を含めて提案されてございます。実効的な合意を目指し、我が国は、国内における代替措置等の実現可能性を踏まえつつ、これらの水銀添加製品の国際的な早期廃止に向けた合意形成に主体的に取り組んでまいりたいと存じます。
(記者)主体的にとおっしゃったのですけれども、今回の争点、大きな争点の一つが蛍光灯の廃止年限なのですけれども、それについてはもう完全にEU・アフリカの提案が主になっていて、日本は特に廃止年限についてこれまで提案もしてきていないですし、ちょっと主体的とは言いかねる状態だと思うのですけれども、その点については何かありますか。
(大臣)主体的という言葉の定義にもよりますけれども、交渉には積極的に参加しているところでございますが、その交渉の中身については、まだ交渉中でございますので、現在のところ詳細は差し控えたいと思います。
 
(記者)電気新聞の民と申します。原子力の防災訓練について、今回初めてドローンとかの無人機を使った訓練が行われたと思うのですけれども、その成果について教えていただけたらと思います。
(大臣)この3日間、いろいろなことがありましたけれども、今御質問がありました、今回初めて無人機放射線モニタリングシステムのデモフライトというものを行いまして、これは非常に円滑でございました。非常に成果があったものと、現地で対策に当たっていた滝沢副大臣からも報告を受けているところでございます。
 

会見動画は以下にございます。
https://youtu.be/A8T7kVlMq2Q?list=PL9Gx55DGS7x7KxcngqArvF_NxEuXney24
 
(以上)