大臣談話・大臣記者会見要旨

伊藤大臣閣議後記者会見録(令和5年9月15日(金)14:30~14:53 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 こんにちは。環境大臣の伊藤信太郎でございます。
 まず、冒頭、昨日福島県に出張したことを御報告申し上げたいと思います。昨日夕刻、福島県に出張いたしまして、内堀福島県知事に御挨拶をしてまいったところでございます。その際、内堀知事からは、特に関心の強い施策として、3点、御指摘をいただきました。 1つ目は、ALPS処理水に係る海域モニタリングに関し、分かりやすく国内外に発信すること。2つ目は、特定帰還居住区域の除染について、希望する方全員の帰還のために、早期の除染が必要であること。そして3つ目は、福島県内の除去土壌等の県外最終処分について、最終処分地の選定に関わる具体的な方針、工程を早期に示すこと。これらの3点について、大臣のリーダーシップの下、しっかり取り組んでほしいという趣旨の御発言でございました。
 また、福島の復興、いまだ道半ばでありますので、環境大臣として最重要の課題と考えておりますので、引き続き、知事や関係自治体の皆様と心を合わせて密に連携しながら、全力で取り組んでいく所存でございます。
 それから2つ目は、本日の夕方から17日にかけて、第42回全国豊かな海づくり大会の出席等のため、北海道の厚岸町及び釧路市などを訪問いたします。
 全国豊かな海づくり大会は、天皇・皇后両陛下の御臨席を賜り、毎年開催されているものでございまして、「水産資源の保護・管理」と「海や川の環境保全」の大切さを広く国民の皆様に発信するものでございます。また、天皇・皇后両陛下は、同大会の開催に併せて、環境省の釧路湿原野生生物保護センターを御訪問される予定で、私がお出迎えをいたすところでございます。
 冒頭の発言は以上でございます。

2.質疑応答

(記者)幹事社のNHKの林と申します。よろしくお願いいたします。質問ですけれども、冒頭の福島県知事との面会についてお伺いできればと思うんですけれども、今、3点の要望があったというふうにおっしゃられたのですけれども、それに対してどういうふうにお答えになったのかというのを伺ってもよろしいでしょうか。
(大臣)まず、ALPS処理水に係る海域モニタリングでございます。それから、また特定帰還居住区域の除染、県外最終処分をはじめとする課題ということでございますけれども、まず、全体として申し上げれば、改めて、この被災地の復興に向け、環境大臣として全力で取り組んでいくという決意をお示ししたところでございます。
 そして、県外最終処分の実現に向けては、除去土壌の再生利用によること。それによって、最終処分量を低減するということが1つのキーでございますので、最終処分、再生利用に関して技術的な検討に加え、関係自治体、関係の皆様の理解醸成を図ってまいりたいということもお答えしたところでございます。
 それに関連するわけでもございますけれども、福島県外での再生利用実証事業の実施に当たっては、地域住民の皆様の御理解が大変重要と認識しております。これまで行われた地域住民向けの説明会において示されました様々な御懸念にお応えする形で、さらに丁寧に説明を尽くしてまいりたいと、そのように考えています。
(記者)おっしゃっていただいた県外での実証事業は、具体的には新宿御苑や埼玉県所沢市のほうで計画を表明されて、実際、説明会も行われたという形だと思うのですけれども、その後、地元から追加の説明会の要望等が出ている状況で、今後これらをどういった形で具体的に進めていくというふうにお考えでしょうか。
(大臣)御指摘のように様々な御意見をいただいており、可能な限り説明を尽くしていきたいと考えておりますけど、まだ、次回の説明会について具体的な日取りというのは決まっておりません。これまでも累次にわたり、必要な説明、あるいは意見交換をしてきたわけでありますけれども、これからもそれをなるだけスピードアップして進めてまいりたいと、そのように考えます。
 
(記者)日経新聞の田中です。私も同じテーマで、ちょっと追加でお伺いしたいんですけれども、昨日、面会後のぶら下がり取材の場で、大臣のほうから政府として中間貯蔵開始から30年以内に県外での最終処分というのは、ほとんどの方が御存じであると思うという御趣旨の御発言があったのですけれども、国民のどれぐらい、何割ぐらいが認識しているという御理解なのかということと、ほとんどの方が知っているにもかかわらず、なかなか県外の実証事業が進まないというのは、ちょっと先ほどのものと重なる部分がありますけれど、どういうふうに見ていらっしゃるかということ、お答えいただければと思います。
(大臣)この問題で、皆様、マスコミも累次、頻度多く何度も放送あるいは新聞の記事にもなっておりますし、新聞だけでなく報道されていますし、それから、私自身が福島の隣である宮城県の出身であり、この問題に対して非常に私自身も関心を持っておりましたので、除去土壌の県外最終処分の課題はもっと皆さん知っているんじゃないかなと考えていたわけですが、今回、環境大臣に任命されて、県外の最終処分の認知度についてのデータというかアンケートを聞いたところ、残念ながら非常に低いですね。皆様がこれだけ努力して、もう何度も何度も報道して、あるいはSNSでも流れていると思うのですけれども。ですから、改めて非常に低いということが分かりましたので、これを全国の福島県以外の人も、また福島の中でも必ずしも高いとも言えない部分もありますので、全国的な理解醸成、これが重要であって、そのために環境省もさらに努力する必要があるんだろうなと。マスメディアの力も大きいのですけれども、我々も、対話フォーラムとか、説明会、そういったものを開いていく必要があるのではないかなと思います。
 それと、実際に実証事業をするに当たっては、地域住民の皆様の御理解が大変重要ですので、これについてもやはりより丁寧な、御理解がいただけるような形で説明を加えていくということが必要だということを強く感じたところでございます。
 
(記者)時事通信の鴨川です。今月12日に絶滅のおそれがあるシダの一種で、ヤシャイノデというものが無届で販売されたとして、警視庁が種の保存法違反で男性2人を書類送検しているニュースがございます。特定第一種国内希少野生動植物種の無届販売で摘発が行われるのは今回が初めてということですけれども、希少な野生生物を守るために国民に伝えたいことは。改めてお伺いできれば、よろしくお願いします。
(大臣)大事な御指摘をありがとうございます。種の保存法では、絶滅のおそれのある野生動植物種の捕獲、採取等を規制し、保全を図っているところでございます。今、御指摘があったヤシャイノデをはじめとして、特定第一種国内希少野生動植物種については、その販売を行う場合、事前に環境大臣、農林水産大臣への届出が必要とされているところでございます。
 今回、御指摘の事案は、事前の届出のない違法性が問われる取引を当省の職員が確認し、オンラインサイト運営事業者と連携して、出品者に数回警告を行ったところでございます。しかしながら、これに応じず販売を継続するなど、極めて悪質性が高く、誠に遺憾だと思います。
 国民の皆様には、野生動植物が生態系の重要な構成要素であり、人類の豊かな生活にとって欠かすことのできないものであると、このことを改めてお伝えしたいと思います。その上で、種の保存法の規制内容の理解、法令遵守はもとより、生物多様性保全への御理解、御協力をお願いしたいし、環境省としてもそのことについての広報、あるいは理解醸成活動というものを進めてまいりたいと、このように考えます。
 
(記者)共同通信の村越と申します。神宮外苑の再開発事業についてちょっとお伺いをしたいんですけれども、今日、本日午前中に世界イコモスの文化的景観委員長がヘリテージアラートについて記者会見をしました。そのヘリテージアラートで、事業者、東京都だけでなく、国の積極的な関与というのも求めているところですけれども、改めてこの問題に対して環境省としてどう対応するかをお聞かせください。
(大臣)今、御指摘があったヘリテージアラート、これは、環境省には今月13日に日本イコモス国内委員会から届いたところでございます。
 神宮外苑地区における再開発事業については、都の条例に基づき環境影響評価手続が実施されたものでございまして、事業者において、知事意見に基づく環境配慮も含めた対応が適切になされるものと認識しております。今月12日には東京都から事業者に対し、樹木の保全に関する具体的な見直し案を示すように要請したと聞いております。
 環境省としては、よりよい環境保全の観点から、様々な条件や課題がある中で、環境へ最大限配慮した事業の実施を期待したいところでございます。
 
(記者)環境新聞の小峰です。明後日ですね、9月17日日曜日、11時から13時の間に南相馬市で、自民党サーフィン議員連盟及び大阪ブルー・オーシャン議員連盟共催の福島復興支援ビーチイベントが、ちょうど御存じだと思いますけど、国際大会が開かれるにおいてなされていますが、そこの出席議員としては、元環境大臣の小泉進次郎さん、それから副大臣の笹川博義さん、それから、政務官だった勝俣孝明、そして今度、大臣と一緒に今日からお仕事される、環境政務官に任命されるオリンピック選手、ビーチバレーの朝日健太郎さんが行かれます。これをどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(大臣)私はALPS処理水の放水に伴う風評を抑える、風評対策にもちろん、これ政府にとって最重要課題の1つでありますけども、やっぱり国会議員の活動としても、個々にあるいはグループになって、風評対策に取り組むということは非常にいいことだし、重要だと思っております。特に元環境省の政務の役をやった方、やることになった方、大変いいことだと思います。
 それに関連して言えば、処理水の放出後に環境省が実施した3回のモニタリングでは、トリチウム濃度は全ての箇所で検出下限値未満であり、人や環境への影響はないということが確認されておりますし、またその情報を速やかに、ウェブサイトやX、いわゆる旧ツイッターで発信しているところでございます。
 御質問にお答えするのはそこの部分ですけども、さらにもっとあればしゃべりますけど。
(記者)環境新聞、小峰です。さらにですね、大臣は厚岸、釧路のほうで全国豊かな
(大臣)今日の夕方出発いたします。
(記者)出発ですね。それで明日忙しいかもしれませんけど、両陛下を引率されるわけですから。そこで大臣は豊かな海を最大限つくるように、最大限の努力をしますと言って、多分言うと思います、それは。一方で、この元大臣だとか、元副大臣、そして今日新たになる朝日健太郎政務官がこういうふうに南相馬で、こういうイベントに参加して、まさにきれいな海をつくろうという中に、伊藤信太郎環境大臣は当然、御出席なんでしょうね。いかがですか。ここの、南相馬の17日のこのビーチイベントには当然参加されるんじゃないかと。陛下の前でしっかりとした海をつくりたいとおっしゃったんだから。おっしゃるだろうから。いかがでしょうか。
(大臣)私、体は1つしかありませんので、参加は物理的に不可能だと思います。
(記者)なんか17日の日曜日、11時から13時南相馬は無理なんですか。行かれませんか。
(大臣)北海道におります。
(記者)それはしょうがないですね。
(大臣)陛下がお帰りになっているかどうか。まだ、北海道におりますので。今日から日曜日の夜までは北海道におりますので。体は2つありませんので。
(記者)それは陛下のほうが大事ですから。
 
(記者)エネルギーと環境エネルギージャーナルの清水です。先ほどの神宮外苑の再開発事業について伺います。大臣はどうですか。就任前はどんな具合にあの問題を捉えておられたか。まず、その認識を1つ聞かせてください。
(大臣)私はそばに小さい頃から居住しております。ですから、あの樹木には非常に親しんでいるところでございます。ただ、今回の事業内容の詳細を必ずしも就任前に100%認識しているわけではないので、ちょっとどういうことになっているか。特に今、環境大臣ですから、それ以上のコメントは差し控えたいと思います。でも、樹木が大事だという意識はすごく考えておりますけども。具体的なコメントは差し控えたいと思います。
(記者)2つ目の質問です。関連します。やはり先ほどもおっしゃったけれども、環境アセスメントの手続に基づいて東京都は対応したと。しかし、環境省は前面に出てきていない。なぜならば、東京都のアセス条例だからですね。そこで問題はね、この神宮外苑の問題というのは東京都だけの、都民だけの問題ではありません。恐らく、オールジャパンで東京にいらっしゃる人なんか、あるいは要人の方なんかもその文化的な遺産も含めて大事にすべきだと。こんなところの後ろに40階建てビルを建てるなんてね、都市計画そのものがおかしいと思います。けど、それは公の判断でどうなるか分からない。
 言いたいことは、環境省のアセスメント法も欠陥があるんじゃないですかと。要するに、そういう問題を条例とかに委ねて、オールジャパンとしての評価をしていない。あるいは、妥当かどうかということを全くしていない。環境省は東京都から紹介があったら意見を言いますよという、どうもスタンスなんですよ。その辺、今度、アセスメント方法の改正も今後予定しているようですけど、その辺どうですか。大臣の認識は。
(大臣)国も自治体も法律や条例によって動いたりしており。ただ、記者御存じのように、この規模のこういう事業については都の条例によって定められているという仕組みに制度上なっておりますので。もちろん御指摘の気持ちはよく分かりますので、東京都から相談があれば、それに対する必要な助言を適切に行ってまいりたいというふうに思います。
(記者)ぜひ、アセスメント法の改正、来年の通常国会でしょうけれども、ぜひお忘れなく御検討いただきたい。
 
(記者)毎日新聞の岡田です。よろしくお願いします。環境行政と直接的には関係ないかもしれないですけど、今、民間企業の間でジャニーズ事務所の所属タレントの起用を見合わせる動きが広がっていて、中央省庁の間にも農水省がタレント起用の見合わせを発表しているんですけども、環境省では起用の事業などがあるかということと、何かその対応を検討していることがあれば教えてください。
(大臣)現時点で、私はそのことを存じませんし、また環境大臣としての所掌外でございますので、コメントは差し控えさせていただきます。
(記者)全く関係ないわけじゃないと思います。もし事業で起用していれば、それをどうするかとかというのは、環境省の仕事だと思うんですけども。だから、そこはもし分かればじゃあ、追って教えてください。事務方を通じてでもいいので。
(事務方)すみません。事務的なことなので、事実関係なので、私、広報室のほうからお答えしますと、現時点において、環境省でジャニーズ事務所のタレントなどと何らか契約しているということはございません。
 
(記者)環境新聞の小峰です。ジャニーズ事務所に関連してお聞きします。ジャニーズ事務所株式会社の取締役に有名な、2年ぐらい前にお会いになったことあるかもしれませんけど、ここの事務次官、財務省から来られた有名な中井徳太郎という男がいるんですけれども、ジャニーズ事務所の取締役なんですよ。脱炭素に加えて、脱性加害をやるために行ったと、こういうふうにみんな捉えていますけれども、大臣、中井徳太郎さんとお会いする気ありませんか。脱炭素も含めて、脱性加害にいい話が出ますよ。
(大臣)現在のところは、その予定ございません。
(記者)御存じですか、中井徳太郎さんは。
(大臣)個人的には存じ上げません。
(記者)そうですか。ぜひ、お会いしてください。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=1xagNc_7U3I
(以上)