大臣談話・大臣記者会見要旨

西村大臣閣議後記者会見録 (令和5年8月29日(火)11:50~12:05 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私のほうから本日4件、冒頭にお話をさせていただきます。
 1つ目は本日の閣議におきまして、地球温暖化対策推進法施行令の一部改正について決定をいたしました。この改正は、温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度におきまして、地球温暖化係数の更新、都市ガス・熱供給事業者別の排出係数の導入、算定対象活動の見直し、こうしたことを内容とするものであります。これによって事業者の温室効果ガス排出量をより正確に把握して、削減対策の促進につなげていきたいというふうに考えております。
 2点目が、日ASEAN環境気候変動閣僚級対話についてであります。8月22日から25日まで、ラオスとベトナムに出張いたしました。
 24日にラオスで開催された、日ASEANの環境気候変動閣僚級対話におきましては、環境協力の新たなイニシアチブである日ASEAN気候環境戦略プログラム、通称スペース、このスペースを立ち上げました。
 また、日ASEAN50周年記念の環境ウィークにおいては、3日間で延べ300名以上が参加され、日本企業が有するソリューションといったものを、広く示すことができました。
 さらに、ラオスのブンカム天然資源環境大臣と会談を行い、二国間クレジット制度JCMや、里山保全など、今後の環境協力に関する意見交換を行いました。
 ベトナムでは、カイン天然資源環境大臣と会談し、海洋ごみの管理に関する基本合意書を締結いたしました。またJCMも適用して建設しております廃棄発電施設を視察してまいりました。こうした成果を基にして、ASEAN諸国との環境協力、これを深めていくとともに、日本企業の環境技術の海外展開、これを一層進めてまいりたいというふうに考えております。
 次、3点目が国立公園の滞在体験の魅力向上についてであります。8月26日に沖縄県を訪問された岸田総理から御発言がありましたように、国立公園における滞在体験の魅力向上のための先端モデル事業の対象に、やんばる国立公園を追加いたしました。この事業の対象とする国立公園については、8月4日に、3つの国立公園の選定を公表したところでありますが、このやんばる国立公園につきましても、有望な候補として地域や関係者の方々のお話を伺いながら検討をしてまいりました。世界自然遺産にも登録されたような豊かな自然、これを守りつつ、感動と学びを同時に体験できるような、滞在拠点作りに環境省と地域とが一体となって取り組んで、沖縄の自然環境の魅力をさらに国内外に伝えてまいりたいというふうに考えております。
 4点目が、新しい国民運動「デコ活」の第2弾についてであります。脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動の愛称として、先月決定したデコ活の普及浸透に向けた第2弾をこの場で発表させていただきます。
 ロゴマークは、バタフライエフェクト。一人一人の取組が地球を変える大きなうねりとなる、このことをイメージしまして蝶々、小さなお子さんでも書けるような非常にシンプルなデザインといたしました。そしてメッセージは「くらしの中のエコろがけ」ということで、デコ活アクション、まずはここからということで、デコ活、「デ」が電気も省エネ断熱住宅、「コ」、こだわる楽しさ エコグッズ、「カ」、感謝の心 食べ残しゼロ、「ツ」、つながるオフィス テレワークというふうにいたしました。
 また国民各界の皆様にデコ活宣言をしていただき、日々の取組を「#デコ活」をつけてSNS等で発信していただけるとうれしく思います。
 本日環境省はもとより、259の企業、自治体、団体にデコ活宣言をしていただきました。この場を借りて御礼を申し上げます。
 さらに組織、制度、予算にデコ活を冠した愛称をつけて、ワンメッセージで普及を後押ししてまいりたいと考えています。環境省の脱炭素ライフスタイル推進室、これも非常に長い名前ですので、ここをデコ活応援隊というふうに名称を変更いたします。
 また750を超える主体が参画していただいている官民連携協議会、これも非常に堅苦しい名前でありますので、ここをデコ活応援団という形に。また豊かな暮らしを後押しする関連予算全てを、デコ活予算というふうにいたします。
 このうち、デコ活予算では断熱リフォームや電動車の導入支援をはじめとした約3,000億円規模のものを要求いたしまして、省を挙げて、国民の皆様のよりよい暮らし、ウェルビーイングといったものを強力に後押ししてまいりたいというふうに考えています。
 最後に生みの親である選定委員の皆様の協力を得ながら、デコ活の認知拡大、普及を進めてまいりたいと考えております。
 本日の発表に合わせまして、小池東京都知事、そして道場六三郎さん、高橋尚子さん、田牧そらさんからもメッセージをいただきました。私も足立梨花さんと対談をさせていただきました。全て動画で公開いたしますので、ぜひ一度、環境省のホームページを御覧いただければというふうに思います。
国民の皆様お一人お一人の意識、行動の変容にはメディアの皆様の御協力は欠かせません。デコ活を国民の皆様により広くお伝えいただくよう、この場を借りてお願いを申し上げたいというふうに思います。
 冒頭は以上です。

 

2.質疑応答

(記者)幹事社の毎日新聞の岡田です。よろしくお願いします。幹事社から1点、処理水の海洋放出についてお聞きしたいと思います。24日に放出が始まって、環境省としても27日に海水のモニタリング結果を発表して、いずれも検出限界値未満でした。一方で、放出後、中国が日本産水産物の輸入を全面停止するなど波紋が広がって、岸田首相も昨日、支援策を検討するということで発言されました。西村大臣におかれましては、風評を生じさせないため、客観性、透明性、信頼性の高いモニタリングを徹底していくとのコメントを出されておりますけども、風評についての現状認識と、現状を踏まえて発信の仕方などで今後検討していくことがあるか、お聞かせください。
(大臣)ALPS処理水の海洋放出の後に、中国が新たな輸入規制措置を導入したということは承知しております。また、事実に反する内容を含む発信に対しまして、我が国から累次にわたって適切に反論を行うとともに、科学的根拠に基づいて議論を行うよう、強く求めてきているところであります。
 環境省といたしましては、今御指摘のあった客観性、透明性、信頼性の高いモニタリングを引き続き徹底するとともに、その結果について、原子力規制委員会や水産庁、また福島県といった他の機関の動きと合わせて、環境省のウェブサイトのほうに掲載するほか、SNSの活用、また、関係省庁との連携によって、国内外に分かりやすく発信することを通して、この風評対策に貢献してまいりたいというふうに考えています。
(記者)今のところ、新たな対応というのは何か考えられていますか。
(大臣)今申し上げたように、モニタリングの結果、これに関しても速報性を重視した発表、それと同時に、より精密な分析結果もあわせて発表することなどによって、科学的根拠を基づいた情報を開示することによって、国民の皆様、そして国内外に対する理解、そして安心の醸成につながっていくことを考えておりますし、ウェブサイトやSNSでこういったことをしっかりとしながら、日本語のみならず、海外の方にもお読みいただけるように、そういった言語対応もしながら発信を続けていきたいというふうに思っています。
 
(記者)NHKの林と申します。先ほどの処理水の関係について、重複する部分があるのかもしれないですけど、中国の風評被害というものだけではなくて、国内で中国発信の電話番号による迷惑電話がかかってきたりとか、大使館への実際の行動等が出ているのですけれども、こういった被害が出ているということに関しては、環境省としてどういうふうに受け止め、その対策をしていくというふうにお考えでしょうか。
(大臣)先ほど申し上げたように、中国において新たに輸入規制措置を導入した、また中国から発信していると思われるような様々な電話、報道されているとおりですけれども、そういったものがあるということは、多数発生しているという状況については承知しております。
 ただ、そうした中で、国内においては、福島県産の魚について、値崩れは起きていないという報道もございます。また昨日、福島において、関係の自治体や関係団体の長の皆様にお集まりいただいて、福島復興再生協議会を開催いたしましたが、その中においても、全国の国内の皆様からの励まし等々があってですね、大きく海産物を含めて売れなくなっているという状況ではないというお話もいただきました。
 やはりこれは、繰り返しになりますが、日本国民の中の理解が進み、そして支え合うという気持ちが大変重要だというふうに思っておりますので、そういった気持ちに寄り添いながら、環境省としても安心な、また、そういった理解をしっかりできるということをお伝えできるような、そういった取組を進めてまいりたいというふうに考えています。
(記者)おっしゃっていただいた国内の理解を進めるだけではなくて、当然中国を含めた海外発信ということも、環境省としても力を入れていくということでしょうか。
(大臣)これは環境省としてというよりも、関係省庁と連携しながら政府一体となって、これは、取り組んでいかなければならないことだと思っています。
 
(記者)朝日新聞の市野です。処理水の関連でお伺いします。モニタリングの結果について、分かりやすく多言語でということですけど、今、言語設定、英語などがあると思うんですけれども、その中でもっとさらに中国語、ハングル、さらにほかの言語も含めて、そのあたりの拡充といったところのお考えがあるかどうか、教えていただいてもよろしいでしょうか。
(大臣)今、環境省として、さらに言語を広げてということは、現時点においてはやっておりませんけれども、これから先、国内外ということを考えていった場合には、様々、できるだけ多くの発信を適切にやっていく必要があるのだろうと思っております。
 これも、特に主管官庁でもある経産省、また外務省なども含めて、対応を協議してまいりたいというふうに思います。
 

会見動画は以下にございます。
https://youtu.be/mOPLMBLmSO4?si=bzzp__eQZbG8Xn3o

 
(以上)