大臣談話・大臣記者会見要旨

西村大臣閣議後記者会見録 (令和5年7月11日(火) 10:59~11:15  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。本日、冒頭2件、私のほうからお話をさせていただきます。
 まずこの度の大雨によって、お亡くなりになられた皆様方の御冥福を心よりお祈り申し上げたいというふうに思います。また、被災された皆様におかれましては、心よりお見舞いを申し上げたいというふうに思っております。
 環境省におきましては、省内に災害情報連絡室を設置いたしまして、これまで情報収集を行ってまいりました。九州地方北部を中心に浸水等の被害が広がっていることなどから、本日、地方環境事務所の職員6名を現地に派遣いたします。今後、被災自治体に対しまして、災害廃棄物の仮置場の確保や処理についての助言などを行ってまいります。
 引き続き、各地の情報収集をしっかりと進めるとともに、被災自治体等からのニーズをくみ上げて、必要な支援を迅速かつ的確に行えるように対応を進めてまいりたいというふうに考えております。
 2点目が、新しい国民運動の愛称選定会議の委員の追加についてでございます。今週13日(木)の17時から開催いたします「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」、これの愛称選定会議に、新たに選定委員としてSDGsに熱心に取り組まれている女性俳優、上白石萌音さんに加わっていただくことになりました。上白石さんには、以前からお話をしていたのですが、スケジュールの都合等でなかなか決定が行えずに公表を控えてまいりましたが、ようやくスケジュールの都合がついたということで、ただ、会場に来られるのは難しいということで、オンラインでの会議の参加になります。
 これで、総勢11名の有識者、著名人の皆様に御協力をいただくことになりました。国民の皆様に、脱炭酸につながる行動を浸透、定着させていくための愛称を決めてまいりたいというふうに考えております。委員の皆様方も大変熱心に、これまでも取り組んでおられまして、一番若い田牧そらさんは、しっかり勉強したいということで、わざわざ環境省のほうにもおいでになられて、勉強されて帰られたというふうにも聞いております。こうした非常に意識の高い皆様によって、すばらしい愛称を是非決めてまいりたいというふうに考えております。
 この国民運動、愛称を決めるだけではなくて、しっかりと国民の皆様おひとりおひとりに、そういった愛称を口にしていただきながら、その意識を持っていただくということが重要なことでございますので、これまでもメディアの皆様に御協力いただきましたけれども、さらにこれから、国民の皆様にこういった意識が広がっていくように、御協力を賜れればというふうに思っております。冒頭は以上です。
 

2.質疑応答

(記者)幹事社の日経新聞の安部です。各地で猛暑や豪雨が相次いでいます。環境省として、これまでどのような対策を取っているか、また、年々地球温暖化の被害は深刻化しています。これから夏本番を迎えるに当たって、環境省として取りうる対応や国民への呼びかけなどはありますでしょうか。
(大臣)この度の九州北部地方を中心とする豪雨災害、これを受けまして、本日、先ほども申し上げましたように、地方環境事務所の職員6名を現地に派遣いたします。今後、被災自治体に対しまして、災害廃棄物の仮置場の確保や処理について、助言などを行ってまいりたいというふうに、まず考えております。
 地球温暖化の進行によりまして、こうした極端な豪雨や猛暑といったものがより強大かつ頻発化していくこと、このことが懸念されています。パリ協定の1.5度目標の達成に向けて全力を尽くすということはもとよりですね、気候変動の被害を回避、軽減する適応といったものもしっかりと進めていくことが重要だと考えております。
 特に、これから夏本番を迎えるに当たって、熱中症対策につきましては、先般の通常国会で成立いたしました改正気候変動適応法も踏まえまして、熱中症警戒アラートの発表や、エアコンの適切な利用を含む熱中症対策の国民への呼び掛けを行っておりまして、引き続きこうした取組を進めてまいりたいというふうに考えています。
 
(記者)琉球新報の安里です。よろしくお願いします。PCBの問題について、ちょっとお伺いしたいのですけれども、全国の米軍基地内に高濃度を含むPCBが残存していることが明らかになりました。廃棄のめどがついていない問題があるかと思うのですけれども、まず基地内でですね、高濃度PCBを使い続けている事例もあるということで、環境省さんが廃棄に向けて取り組んでいることであるとか、届出制度、こういったものについて、実効性が損なわれるという懸念も出てくるかと思うのですけれども、今後、環境省としてどのように対応される御予定があるのかということなんですけれども。
 あと、いつ頃までに、米軍が保有するPCBの総量を把握したいとお考えになられているのかということも併せてお伺いしたいということと、あともう一点なんですが、これまでは米軍のほうが、このPCBについて本国に送り返す措置も取っていたという情報もあるようですけれども、この措置について、いつまで実施されてきたのかということを御存じでいらっしゃれば、ちょっとお伺いできればと思います。以上3点、お願いします。
(大臣)3点目をもう一回。
(記者)最後ですかね。最後は、米軍がこのPCBについて、米国本国に送り返す措置も取っていたというお話もあるようで。
(大臣)本国に。
(記者)はい。本国にPCB自体を繰り返すという措置も取っていたというお話があるんですけれども、この措置自体があったのかということ。これがあったとすれば、いつまで実施されていたのかを御存じでいらっしゃれば、お教えいただきたいということです。
(大臣)まず、今御指摘の件についての報道があったことは承知しております。一般的にですね、受入国の同意の下で、その国で活動する外国軍隊は、当該国の法令を尊重する義務というものを負っておりまして、日米地位協定にも、これを踏まえた規定が置かれております。そのため、我が国のPCB特措法の適用につきましても、米軍は尊重する義務を負っているというふうに承知しております。
 在日の米軍施設や区域におけるPCBの取扱いにつきましては、関係省庁で連携をしながら、米側と協議を行ってきておりまして、引き続き、適切に対応するよう取り組んでまいりたいと思います。
 また、いつ頃まで、PCBの把握をする考えかという話がございましたけれども、これは、環境省といたしましては、防衛省等、関係省庁と連携しながら、在日米軍が早期に、そして適切に対応するように取り組んでまいります。
 3点目の、アメリカに送り返していたかどうかという話ですけれど、私はその件については承知してございません。
 
(記者)北海道新聞の大能と申します。北海道の蘭越町でですね、地熱発電の調査中に高濃度のヒ素を含む蒸気があふれ出ているという問題についてお伺いしたいのですけれども、ヒ素が含まれた水も、近くの沼に流していたということなんですけれども、環境省として、どういうふうに対応されるのか教えてください。
(大臣)北海道蘭越町で行われている地熱開発、ここにおいてですね、掘削中の井戸から蒸気が噴出して、地元の皆様方から不安の声が上がっているということは承知しております。まずは、地熱の開発事業者において、一刻も早く事態を収拾していただくとともにですね、地元の皆様方に、正確な情報を丁寧に説明していただくということが重要だというふうに考えております。
 環境省といたしましても、北海道庁や蘭越町などの関係機関と連携をしながらですね、連絡を取り合いながら、必要に応じて助言を行ってまいりたいと考えております。
 周辺の河川において、環境基準を超過する濃度のヒ素が検出されたということも承知しております。北海道庁からですね、噴出場所の下流において、水道水の取水はなされていないというふうに聞いておりまして、また、噴出場所周辺の井戸水については飲用しないように、注意喚起を行っているというふうに聞いております。
 北海道庁を始めですね、関係機関としっかり連携をしながら、先ほど申し上げた情報収集をしっかりと行って、必要に応じて助言を行ってまいりたいというふうに考えております。
(記者)ありがとうございます。関連してなんですけれども、この点に関しては非常に、会社の対応に疑問の声がありまして、先ほど申し上げた、沼に水を流していたという件ですとか、中毒になられた女性が入院したことを公表していなかったということもございました。
 こういう行為というのは、大臣が常々おっしゃっている、再エネと地域の共生に非常にマイナスの影響を与える行為だと思うのですけれども、環境大臣としては、これをどのように受け止められていますでしょうか。
(大臣)地熱を含めて、再エネ、これを進めていくに当たっては、地元の住民の皆様方との理解、協力、連携というものが必要だというふうに認識しております。今回、こういった形の事態が起きたということで、まずは地熱開発事業者の皆様が、事態の収拾に、早期にしっかりと取り組んでいただくと同時に、環境省といたしましても、北海道庁や蘭越町と連携しながら、そういった収拾が図られるようにサポートしてまいりたいと思っております。
 
(記者)朝日新聞の市野です。PFASを含む泡消火剤のことでお伺いいたします。先日ですね、アメリカ軍が、横田基地からの漏出が過去にあったということを、初めて認めたかと思います。まず、これに対する大臣の受け止めというのが1つと、あと、東京都などが、周辺への影響の調査を国に求めて、これに関連して求めているかと思うんですけども、環境省として、どのように対応していくお考えがあるのかというのを改めてお聞かせください。
(大臣)今、御指摘があったように、在日米軍の横田基地からPFASを含む泡消火薬剤の漏出があったということは承知しております。
 PFASにつきましては、環境省及び厚生労働省が作成した「PFOS及びPFOAに関する対応の手引き」がございます。これに基づいて、暫定目標値を超えた地下水の飲用を控えるなどの対応、これを進めていくことが重要だと思っております。
 引き続き、この手引きに基づいてですね、関係自治体において適切に対応がなされますように、技術的な助言などをしっかりと行ってまいりたいというふうに考えております。
(記者)具体的に、東京都に対して、何か連携を強化されたりとかというお考えなどはございますか。
(大臣)東京都のほうでしっかり対応をするに当たって、様々な御相談がございましたら、しっかり対応してまいります。ちょっとどのような、具体的な、今、御相談が入っているかはこの場では承知しておりませんが、しっかりですね、こういった、住民の皆さんの不安が和らぐように対応してまいりたいと思っております。
 
(記者)NHKの林と申します。冒頭に、九州北部の豪雨について災害情報連絡室を設置したと言及されていたと思うのですけども、今の時点で、連絡室を設置して入っている現地の情報など、何か具体的なものというのは、大臣の方で把握されているものはあるのでしょうか。
(大臣)今、私のほうまで細かな情報は来ておりませんけれども、方針として、職員を派遣して、しっかり今後の災害廃棄物の仮置場の確保、また、処理についてもしっかり対応するようにという指示を行っているところでございます。細かなところについては、事務方にお問い合わせいただければ、更に詳しくお話しできると思います。
 
(記者)共同通信の矢野です。お願いします。さきほどの北海道新聞さんのヒ素の検出の件で、一点確認させてください。これ、そうすると、企業側と環境省は何かやり取りをしたり、企業側に何か求めたりするようなことだったり、また、職員派遣したりとか、そういうことも今のところはないという理解でいいでしょうか。
(大臣)現状はございません。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=dSMik-JksmY&list=PL9Gx55DGS7x6EKIxL2xudMsVk4iNBVPnE

(以上)