大臣談話・大臣記者会見要旨

西村大臣閣議後記者会見録 (令和5年7月4日(火)11:00~11:11 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 冒頭1件、お話をさせていただきます。本日から白神山地への出張を行います。7月5日に秋田県藤里町の白神山地世界遺産センター等を訪問して、我が国で最初に登録された世界自然遺産である白神山地の保全管理の状況等を視察してまいります。
 1993年12月に、我が国最初の世界自然遺産として、この白神山地は屋久島とともに登録されたものでございます。今回の視察を通じまして、保全管理の実情を把握して、今後の効果的な保全施策の推進につなげてまいりたいというふうに考えております。冒頭は以上です。
 

2.質疑応答

(記者)幹事社の日経新聞の田中です。よろしくお願いします。再生可能エネルギーについて、1件お伺いします。太陽光発電など、景観の悪化や土砂災害リスクの増加を理由に、地域によっては迷惑施設として扱われて、あつれきが生じている例もあります。環境省として、どのようにして地域共生と再エネの最大限の導入の両立を図っていくかというお考えをお聞かせください。
(大臣)再エネの最大限の導入に向けましては、適正に環境に配慮され、地域の合意形成が図られた地域共生型の再エネの推進が不可欠であるというふうに考えております。
 環境省としては、例えば、環境アセスメント制度によって地域の声といったものを踏まえた適正な環境配慮を促進しているところでございます。また、地球温暖化対策推進法に基づいて、市町村が地域の協議会等で合意形成を図って、再エネ促進区域の設定等を行う制度の活用を促しています。この制度の更なる活用促進に向けて、4月から有識者会議を開催して議論を進めているところでもあります。
 こうした取組を通じて、環境保全や地域とのコミュニケーションが適切に図られて、地域に貢献する地域共生型再エネの導入、これを促進してまいりたいというふうに考えています。
 
(記者)東京新聞の小川といいます。よろしくお願いします。うちのほうで、昨日、PFASの件で、相模原市の集合住宅で、飲用の井戸から国の暫定指針値を超えるPFASが検出されたということを報じたのですけれども、環境省として、こういう飲用井戸、全国の飲用井戸について、事業者や個人で使っているところで汚染状況を把握していくような計画とか、その必要性をどのように考えているのかということをお聞かせ願いたいのと、あと、もう一点、検査が十分に実施されていない背景として、PFOAとか、PFASが水質基準項目に設定されないことが指摘されることがあるのですけども、これは指定を急ぐべきなのではないかと思うのですが、どのようにお考えなのか、お聞かせください。
(大臣)まず、報道については承知しております。現在、相模原市及び町田市と連携しながら、この事実関係の確認を行っているところでございまして、この暫定指針値を超過した飲用井戸等につきましては、環境省及び厚生労働省で作成した「PFOS及びPFOAに関する対応の手引き」がございます。これに基づいて、地下水の飲用を控えるように地元自治体が周知されることとされておりまして、環境省としては、引き続き、この手引書に基づいて、関係自治体において適切に対応がなされるように、技術的な助言などを行ってまいりたいというふうに考えております。
 土壌中のPFASの調査方法、こういったものにつきましては、6月の第3回のPFASに対する総合戦略検討専門家会議におきまして、調査方法の考え方などについて報告し、了承いただいているところでございまして、今後速やかに調査方法を取りまとめて、自治体に通知できるように準備を進めてまいりたいというふうに考えております。
 
(記者)河北新報の馬場です。冒頭ありました白神山地の視察についてなんですけれども、今年で自然遺産30年ということもありまして、その件についてどのような御所感であるのかということと、あと、どういったところを今回視察で見てきたいというふうに思っていらっしゃるのか、もう少し詳しく教えてください。
(大臣)先ほども申し上げたように、白神山地は1993年12月に世界自然遺産に登録されました。今年で、今御指摘ありましたように、登録から30年という節目を迎えるわけでございます。これを機に現地を視察して、引き続き良好な自然環境、これを維持していくために保全管理の状況を確認してまいりたいというふうに考えております。非常に地域の皆様によって、この白神山地の自然環境が守られて、その保全が図られてきているわけでございますけれど、それを活かしながらですね、さらに後世につなげていくと同時に、他の地域においても、自然の保全管理、これが適切に行えるように力添えをしてまいりたいというふうに考えております。
 
(記者)NHKの林と申します。先週の6月30日に水俣病の健康調査について研究班の発足と研究の開始というのが発表されたと思うんですけれども、研究概要等は発表の中に記載されていると思うのですが、改めて環境省として、この研究班に期待することというのはどういったものになるのでしょうか。
(大臣)水俣病の健康調査につきましては、専門的な知見の充実、整備、これを図る必要があると思いますので、研究班の公募手続を行い、そして御指摘あったように、6月30日に研究班を採択した旨を発表したところでございます。研究班におきましては、科学的、専門的な議論を深めていただくということを期待しております。また、研究の進め方については、研究班による研究計画を尊重してまいりたいというふうに考えておりますけれども、環境省といたしましては、こうした専門家による議論を十分に踏まえながら、健康調査の実施に向けて、できるだけ早く検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
 
(記者)毎日新聞の岡田です。福島第一原発の処理水の海洋放出については、準備が今進んでいるところだと思うんですけど、先日、公明党の山口那津男代表が直近に迫った海水浴シーズンは避けたほうがいいという考えを示しています。政府としては、この夏頃の放出を目指していると思うのですけれど、これについての受け止めを聞かせてください。
(大臣)政府としては「今年夏頃」という基本的な方針に変わりはないと承知しております。山口代表の発言も報道より承知しておりますけれど、そういった御意見があるということを踏まえながら検討していくのではないかと思いますが、基本的な方針は変わっておりません。
(記者)海水浴シーズンというところについては、何といいますか、海水浴シーズンに放出することについてどういう発信をしていきたいというふうに思っていますか。
(大臣)海水浴シーズンに放出するかどうかということは決まっておりませんので、どういう発信というよりもですね、適切に情報発信をしつつ、政府として放出の時期を決定していくことになると思います。
 
(記者)NHKの林と申します。先ほどの水俣病の健康調査の質問で、若干前後してしまって恐縮ですけれども、改めて、研究班の研究が進んで、今後のスケジュールとしては、もちろん未定のものではあると思うんですけれども、まずは研究班の研究成果というのをもって今後の調査というのを判断していくのか、それとも同時並行で環境省として調査の在り方というのも進めていくのかというのは、現時点でどのようにお考えでしょうか。
(大臣)先ほど申し上げたように、研究の進め方、これにつきましては、研究班による研究計画を尊重してまいりたいというふうに考えております。その上でですね、こうした専門家の皆様による議論、これを十分踏まえながら、健康調査の実施に向けて早く検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=QPLsy6NLv_k&list=PL9Gx55DGS7x6EKIxL2xudMsVk4iNBVPnE
 
(以上)