大臣談話・大臣記者会見要旨

西村大臣閣議後記者会見録 (令和5年6月30日(金)10:59~11:16 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日は、冒頭2件、お話をさせていただきたいと思います。
 1つ目が、「廃棄物処理施設整備計画」の閣議決定についてでございます。本日の閣議におきまして、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく「廃棄物処理施設整備計画」を決定いたしました。この計画は、3Rの推進と循環型社会の実現に向けた資源循環の強化、また、災害時も含めた持続可能な適正処理の確保、脱炭素化の推進と地域循環共生圏の構築に向けた取組を基本的な理念といたしまして、2027年度までの今後5年間の廃棄物処理施設の整備方針を定めたものでございます。今後、この計画に基づき、関係省庁とも連携しながら、循環型社会形成に向けた政策を推進してまいりたいというふうに考えております。
 もう一点が、「環境教育・ESD実践動画100選」についてでございます。環境教育や、持続可能な開発のための教育、いわゆるESDは、2050年カーボンニュートラルや30by30などの実現に向けて、人々の価値観や行動の変容を目指す上で、重要な役割を果たしております。この環境教育やESDは、個々の先生方の工夫や努力に頼っているという面が多く、新たに取り組もうとされる方にとって、参考となるような事例が少ないという声も聞いております。そこで、具体的な事例の動画を集めて、「環境教育・ESD実践動画100選」として公表することによって、取組を始める際の参考にしていただきたいというふうに考えております。この公募の期間は、本日より9月29日までの3か月間であります。学校や博物館、NPOなどの様々なところで取組を進めている皆様方からの御応募をお待ちしております。冒頭は以上です。
 

2.質疑応答

(記者)おはようございます。幹事社の産経新聞の米澤です。質問ですけれども、まず冒頭の、今回決まりました廃棄物処理施設整備計画のポイントについて教えてください。また、計画を実現するために、今後どのように取り組まれるのか、方針をお聞かせください。
(大臣)今回の廃棄物処理施設整備計画、この中においては、従来から取り組んでいる3R・適正処理の推進、資源循環の強化、気候変動対策及び災害対策に加えて、重要な方向性として、新たに2050年カーボンニュートラルに向けた、脱炭素化の視点を記載いたしまして、対策内容を強化しています。具体的には、プラスチック資源循環促進法に基づく取組の推進、また廃棄物の焼却時における廃棄物発電等による熱回収の促進、廃棄物処理システムが持つ機能をいかしたエネルギーセンターとしての活用。こうしたことなどの取組を通じて、社会全体の脱炭素化への貢献を目指すものでございます。
 環境省といたしましては、廃棄物エネルギーを活用した地域産業の振興や、防災拠点としての活用など、新たに地域に価値を創出するような廃棄物処理施設の整備が進むように、財政的、また技術的支援を通じて、地域の創意工夫などを活かした施設整備、これを推進してまいりたいというふうに考えています。
 
(記者)共同通信の津川です。よろしくお願いします。東京電力福島第一原発の処理水放出に向けた準備が大詰めを迎えております。先ほど、官邸で総理と面会されましたけども、どのような指示を受けたのか、改めてお聞かせください。また、放出をめぐっては、漁業者を中心に、風評被害を懸念する声がいまだに強くありますけども、環境省として、どのように取り組むかを改めてお聞かせいただけますでしょうか。よろしくお願いします。
(大臣)今朝、閣議前にALPS処理水に関して、関係各省の取組について、総理を含めて、関係閣僚が情報共有をするために集まりました。総理からはですね、引き続き政府を挙げて、安全性の確保と風評対策の徹底、また地元や国際社会に対する丁寧な説明、情報発信、これを行うように指示がございました。
 環境省としては、引き続き、客観性、透明性、信頼性の高い海域モニタリングを徹底しまして、関係省庁とも連携しながら、風評対策、そして情報発信、これに努めてまいりたいというふうに考えています。
 
(記者)テレビ朝日の川﨑です。よろしくお願いします。明治神宮外苑の再開発についてなんですけれども、高木の伐採が8月にも始まるという話になっています。移植などを行っても、すぐに代えがたいような貴重な樹木だと思うのですけれども、改めて環境省としての対応状況と、大臣の受け止めをお願いします。
(大臣)神宮外苑地区における再開発事業、これにつきましては、都の条例に基づき、環境影響評価手続が実施されたものでありまして、事業者において、知事の意見に基づく環境配慮も含めた対応が適切に行われるものというふうに認識しております。
 一般論として申し上げますと、樹木を含めた都市緑地といったものは、都市に生きる生物の、まさに生息、生育の場であるとともにですね、都市住民の皆様にとりましても、身近な自然との触れ合いの場として重要であるというふうに考えております。
 環境省としては、都道府県等から相談がありました場合には、環境配慮に関する事例の紹介や、調査方法等に関する技術的な助言など、必要な情報提供を行ってまいります。
 よりよい環境保全といった視点から、様々な条件、課題がある中においても、環境への最大限の配慮をした事業の実施というものを期待したいというふうに考えています。
(記者)あともう一点ですけれども、ここからもある程度見えると思うのですが、環境省の庁舎移転について、以前、前の大臣だったときにですね、閣議後会見で「2025年度中の入居を目途に」という話だったのですけれども、今かなり進んでいるように見えるんですが、工事の状況と、あと予定しているZEBのランクについて、どのランクを予定されているのか教えてください。
(大臣)環境省の新庁舎となる旧日本郵政ビルについては、昨年の2月以降、解体工事を今実施しているところでございます。今後、改修工事を終えまして、入居は2025年の夏以降を予定しております。環境省にふさわしいビルとなるように、ZEBシリーズにおいて、なるべく高いランクの認証を取得することを目指しておりまして、省エネ性能の向上等について、国土交通省とも連携、相談しながら検討を進めているところでございます。
(記者)具体的にどのランクだというのは、まだ決まっていないというか、計画としても出てはいないのでしょうか。
(大臣)環境省の新庁舎は、御承知のように大型のビルでありますので、消費エネルギーに対して、設置できる太陽光発電設備等、これのスペースに限りがありますので、100%のZEBの実現というのは、物理的に難しいかというふうには考えておりますが、できるだけ省エネ性能の追求等を行いまして、ZEBシリーズにおける高いランク、これを目指せるように今、国土交通省とも連携しながら検討を進めているというところでございます。
(記者)かなり古いビルなので、その改修だと50%以上の省エネルギーのZEB Readyとかというところが現実的なところなのかなと思うのですけれども、それはクリアしたというか、75のNearly ZEBを目指すとか、その辺りはどうなのでしょうか。
(大臣)先ほど申し上げたように、できるだけ高いランク、これになるように、様々な省エネの性能向上を含めて、今検討を進めているところでございます。
 
(記者)「エネルギーと環境」、エネルギージャーナル社の清水です。冒頭の、廃棄物処理施設整備計画に関連して伺うのですが、1つは今、大臣も御承知だと思うけれども、地方自治体の廃棄物処理場というのは更新時期を迎えていて、非常に予算もかかる、そして新しいニーズ、リサイクル、リユースを要請され、具体化していかなければいかんと。それによって廃棄物を減らす方向にいかなければいかんと、課題が多いと思うんですよ。27年度までの廃棄物処理計画、それにプラスして、今申し上げたことにプラスして、災害廃棄物も相当増えてくるでしょう。その辺ちゃんと2027年までに、環境省として廃棄物処理、予算面も含めてちゃんと対応できる、言わば、街に廃棄物があふれるようなことがない、あるいは産業廃棄物を含めて、その辺は見通しがちゃんと立っているのですか。
(大臣)御指摘があったように、今、廃棄物処理施設の更新時期を迎えている自治体が非常に多い、これは承知しております。そうした自治体からもですね、様々な御要望や御相談をいただいておりますので、できるだけ皆さんの御要望を承りながらですね、廃棄物処理をしっかり進めていき、また併せて先ほど申し上げたように、社会全体の脱炭素化、こうしたものの方向性をしっかりと進めてまいりたいというふうに考えておりまして、今御指摘あったように、街にゴミがあふれるという状況のないように、今、省を挙げて対応しているところでございます。
(記者)もう一点だけ。廃棄物処理施設整備計画ですから、あまりストレートには関係しないと思いますが、やっぱり循環型社会基本法とかね、リユース、リサイクルとかということも、もっと的に格上げしてね、廃棄物全体のこれから廃棄物の利用も含めて、体制をやっぱり今後変えていく必要があると思うのですけど。体制なり制度をね。その辺り、どう認識されていますか。
(大臣)先ほど申し上げたようにですね、この計画では従来から取り組んでいる3Rや、適正処理の推進、また、今御指摘のあった資源循環、これの強化、また気候変動対策や災害対策、こういったものに加えて、2050年カーボンニュートラルに向けた脱炭素化の視点というのを記載して、対策内容を強化したものでございまして、この方向性に従って、この計画が順調に進めるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 
(記者)環境新聞の小峰です。今日は、環境大臣というよりも、国務大臣として西村明宏さんにお聞きします。先日、陸上自衛隊の岐阜の射撃場で2名の殺人、1人は重傷ということでして、3名の殺傷事件がありました。自衛隊員は、命を賭してですね、この祖国を守るという中で、後ろから撃たれるなんていうことに関して、まさにですね、普通の刑法の殺人罪で裁くのはですね、とても軽いと。3人の死傷ということは、全国民1億2,000万人に対する殺人罪だと、環境新聞小峰は思っております。世界中で、軍法会議もなしにですね、自衛官の処罰を単なる刑法の殺人罪でしていいのかどうか。その辺の発言がですね、我が国の閣僚の中から1人も出ていない、発言がないということは、大変にゆゆしきものだと環境新聞では考えています。西村さん、あなたなら環境新聞小峰に納得できるお答えをあるのではないかと思って期待しておりますが、いかがでしょうか。
(大臣)まず、今回の事件で亡くなられた隊員の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。また、負傷された隊員の方の、一日も早い御回復というのをお祈りしたいというふうに考えております。
 この事件につきましては、今現在捜査中の案件でありますので、国務大臣としてのコメントは差し控えたいと思いますが、ただ、このような事案というのは、武器を扱う組織として、決してあってはならないというものであるというふうに考えております。防衛省において、この原因究明や再発防止、これに努めているものというふうに承知しております。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=whecKmlEdR8&list=PL9Gx55DGS7x6EKIxL2xudMsVk4iNBVPnE
 
(以上)