大臣談話・大臣記者会見要旨

西村大臣閣議後記者会見録 (令和5年5月23日(火)09:24~09:33 於:参議院本会議場議員食堂側)

1.発言要旨

 本日、私のほうから2件申し上げたいと思います。
 1件目が、本日の閣議案件につきましてであります。本日の閣議において、気候変動適応法等の一部改正について、熱中症実行計画の策定に関する規定の施行日を6月1日にすることに決定いたしました。
 もう1点が、新しい国民運動の愛称公募についてであります。「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」、これの愛称公募を、本日から1か月間実施いたします。
 新しい国民運動が、国民の皆様の間に浸透・定着して、脱炭素につながる豊かな暮らしを実践していただけるように、親しみやすく、愛着のある、分かりやすいネーミングを国民の皆様から広く公募するものでございます。
 また、公募終了後、お手元の報道発表資料に記載された方々に御協力をいただいて、7月13日に愛称の選定及び発表を行う予定でございます。
 選定された愛称を提案いただいた方には、大自然の中で、とびきりの感動体験、こうしたものを組み合わせた、2泊3日の「あなただけの国立公園満喫ツアー」、これをペアで贈呈させていただきたいというふうに考えておりますので、奮って御応募いただければというふうに思っております。
 環境省といたしましては、愛称が決まるこのタイミングをいかしまして、職員一丸となりまして、新しい国民運動、この先頭に立って、脱炭素につながる豊かな暮らしづくりをしっかりと進めてまいりたいというふうに考えています。冒頭は以上です。
 

2.質疑応答

(記者)幹事社の共同通信の藤原です。よろしくお願いします。この愛称募集ですけれども、募集、昨年10月から国民運動がスタートしたと思うのですけれども、このタイミングで、この愛称を募集するに至った経緯と理由、あと大臣御自身として、どのような愛称が望ましいのか、改めて教えてください。
(大臣)新しい国民運動、昨年立ち上げまして、それ以降、各自治体を始め企業団体、様々な方に御参加いただいて、参加いただいている企業団体、非常に増えてきております。
 しかしながら、やはり、国民の皆様お一人お一人にそういったものが浸透していくということが大事であろうと考えておりまして、これをしっかり、さらに進めていくために、まさに、ノーネクタイ、クールビズという形で、クールビズということであれば、ネクタイをしていなくても失礼ではないですよ、というようなものが、国民の間に浸透してきました。これと同じように、国民の皆様お一人お一人が、「ちょっと出かけるときに電気を消していこう」とか、「車に乗っているときにアイドリングはよそう」とか、そういったほんの少しずつの心がけ、これが広がっていくことによって、非常に大きな地球温暖化対策の効果を生んでくるものだというふうに考えておりますので、そうしたものが、すとんと心に落ちてくるような、そうした、親しみやすくて、そして浸透しやすい、そういった名前を公募したいということで、これまでずっと、そういったことは申してきましたけれども、これまで、どういった形にしていくのか、そしてまたどういった方々に選定していただくのかということを踏まえて検討してまいりまして、ようやくその骨格、また、選定していただける方との交渉も煮詰まってまいりましたので、まだ、ごく一部ですね、趣旨には賛同ですけれども、非常に御多忙なので日程を調整させていただきたいという方が若干残っておりますけれども、今日発表させていただく皆様方は、もう日程調整いただいて、御出席いただくということで御了解いただいてということで、それに少し時間がかかったということでございます。
 
(記者)朝日新聞の市野です。お願いします。G7の広島サミットについてです。今回、気候の部分では、排出対策が取られていない化石燃料のフェーズアウトというところが、共同声明に入りました。一方、NGOからは、天然ガスの投資について「一定の条件で適切になり得る」というふうな表現になっていて、脱炭素という点では抜け道を残したようにもとれるということだったのですけども、この点も踏まえまして、大臣の、このコミュニケの評価を教えてください。
(大臣)まずG7広島のサミットでは、今年の4月に札幌で開催いたしましたG7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合、ここにおいて合意した重要事項の多くが、首脳コミュニケに盛り込まれたというふうに承知しております。ロシアのウクライナ侵略による複雑な国際情勢の中におきましても、気候、エネルギー、そして環境問題といったものに対するG7の首脳レベルでのコミットメントが揺るぎないということを確認できたのは、非常に意義深いというふうに考えております。
 また、気候変動につきましては、1.5℃目標と整合していない主要経済国等に対しまして、野心強化を呼びかけるとともに、全ての締約国に関して2025年までのピークアウトを呼びかけたところでございます。
 また、今御指摘のあった排出削減対策が取られていない化石燃料のフェーズアウトを加速させるというG7のコミットメントと、他国に対しても同様の行動を求めることに合意したわけでございます。
 今後、議長国として、またCOP28、そしてまたG20、こうした重要な国際会議において、成果をしっかりと発信しながらつなげていくと、そしてG7としての行動を加速してまいりたいというふうに考えております。
 またNGOの意見でございますが、ガスの投資についての詳細については、経済産業省が所管していることではございますけれども、例えば欧州では、ロシアの依存度を引き下げていくために、LNGの受入ターミナルへの投資が急速に行われているところでございます。このような投資というものは、今回のコミュニケで許容されうる投資であるというふうに承知しております。
 
(記者)テレビ朝日の川﨑です。北海道や東北、北陸などでクマの目撃情報が相次いでいて、また、ヒグマに襲われて釣り客が亡くなるということがありました。最近のクマ出没状況や対策について伺わせてください。
(大臣)まず、クマの被害に遭われた方に心からお悔やみを申し上げたいというふうに思います。
 また、近年ですね、クマ類の市街地等への出没、また人身被害というものが非常に、春と秋に多く発生しております。昨年度の1年間のクマの出没件数は11,133件というふうに、過去5年間で、最も少ない件数ではありました。一方でクマの出没は、例年6月にピークを迎える傾向があるということから、今から注意が必要であるというふうに考えています。
 クマの出没を避けるためには、特に山林近くにお住まいの皆様は、生ごみや果実等の熊を引きつけるようなものの管理、そして除去。また、林周辺の下草や灌木の刈り払い等をぜひ実施していただきたいというふうに考えています。
 また先週、北海道で、御指摘のような痛ましい死亡事故が起きましたけれども、クマが出没する可能性がある場所に立ち入る場合には、単独行動を避ける、そして、鈴など音の鳴るものを携行する、悪天候や夕暮れ時など視界不良のときは注意する、こういったことなどを十分に警戒していただくようにお願いしたいというふうに考えています。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=rnl1sqgiHWE&list=PL9Gx55DGS7x6EKIxL2xudMsVk4iNBVPnE
 
(以上)