大臣談話・大臣記者会見要旨
浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和7年7月1日(火)10:45~10:58 於:環境省第一会議室) 1.GOSAT-GWの打上げの結果について 2.除去土壌の復興再生利用について 3.熱中症予防動画の作成・公開について
1.発言要旨
おはようございます。冒頭3件、発言いたします。
始めに、GOSAT-GWの打上げの結果についてであります。6月29日未明、「温室効果ガス・水循環 観測技術 衛星」、いわゆる「GOSAT-GW」の打ち上げが成功いたしました。本日の閣議におきまして、私から、その旨報告いたしました。GOSAT-GWの共同開発者である文部科学省、国立環境研究所及びJAXAを始めとする関係者の皆様のこれまでの御尽力に心より感謝申し上げます。GOSATシリーズは、2009年に初号機を打ち上げて以来、現在世界で運用されている衛星の中で唯一、地球全体で二酸化炭素とメタンの両方を同時観測できる衛星として、16年間にわたり科学的データを提供し続けています。今回打ち上げたGOSAT-GWにより、温室効果ガス観測のデータ数を大幅に増加させます。環境省としては、その観測データを活用し、国内外の排出削減のための行動を後押ししてまいります。まずは、年内を目途に観測データの提供を開始できるよう、引き続き、関係者とともに取り組んでまいります。
続きまして、除去土壌の復興再生利用についてであります。本日開催された閣僚懇談会において、林官房長官から各閣僚に対して、福島県内の除染によって生じた除去土壌の復興再生利用の取組の加速化について指示がありました。除去土壌等については「中間貯蔵開始後30年以内に福島県外での最終処分を完了するために必要な措置を講ずる」旨が法律で定められています。その県外最終処分に向けて鍵となる、除去土壌の復興再生利用の推進に向けて、林官房長官から、国民の幅広い理解醸成を図るという観点から、総理大臣の御意向を踏まえ、官邸での復興再生利用を速やかに実施すること、官邸に続いて霞が関の各府省庁においても、可能なところでは、今年の夏頃に実施できるよう、環境大臣と復興大臣を中心として各府省庁における検討の加速化をすること、について、御指示がありました。今般の指示も踏まえつつ、官邸での復興再生利用の実施に向けては、今月中に施工できるよう、速やかに必要な準備を進めるなど、引き続き政府一体で、全力で取り組んでまいります。
最後が、熱中症予防動画の作成・公開についてであります。本日、熱中症警戒アラートは、今年最多の22地域で発表されており、今年の延べ発表回数は7月1日時点で、119回であり、令和3年に運用を開始して以降、同時期としては過去最多となっております。西日本では過去最速の梅雨明けとなった地域も多く、前の週に引き続き、今週も全国的に厳しい暑さが予想されております。国民の皆様方におかれましては、命を守るため、熱中症の予防行動を取っていただけるよう、よろしくお願い申し上げます。環境省公式LINEの情報も御活用ください。また、環境省では、熱中症予防の普及啓発の一環として、公益財団法人日本サッカー協会と連携し、会長の宮本恒靖氏と日本代表(サムライブルー)の監督であります森保一氏に御出演を頂き、熱中症予防に関する動画を作成いたしました。本日から、環境省のHPやSNS等での情報発信のみならず、環境省が連携協定を結んでいる、公益社団法人日本プロサッカーリーグにも御協力頂き、日本全国のサッカーの試合会場等においても投影し、選手や観客の屋外での熱中症予防の呼びかけを行います。
(動画上映)
2.質疑応答
(記者)毎日新聞の大野です。よろしくお願いします。
スペインやイタリアなど南ヨーロッパが熱波に見舞われていて、こうやって今年も日本を含む世界各地で高温が観測されています。これは気候変動の影響が指摘されているところでありますが、現状の受け止めと、こうした気候を受けて、先日打ち上げられたGOSATに期待することがありましたら教えてください。
(大臣)御指摘のとおり、近年、記録的な高温などの異常気象が国内外で毎年のように発生しておりまして、改めて、強い危機感を持って気候変動対策を推進しなければならないと感じております。我が国としては、2050年ネット・ゼロの実現に向けて、国際協調の下、脱炭素の取組を揺らぐことなく進めるとともに、国民の命と財産を守るべく、冒頭発言いたしました、またビデオもお見せしたものも1つでありますけれども、熱中症対策の普及啓発なども通じて、適応策をしっかりと進めてまいります。こうした中、一昨日、GOSAT-GWの打ち上げに成功いたしました。これにより、現在運用中のGOSAT及びGOSAT-2に比べ、データ数が大幅に増加し、二酸化炭素やメタンの排出量のより精密な推計が可能となります。これまでデータが少なくて十分な解析ができなかった、面積が小さい国や地域の排出量推計のみならず、企業単位での推計も可能となることを目指しています。2050年ネット・ゼロに向けて必要なデータが一層充実し、国内外での排出削減の後押しとなることを期待しています。
(記者)NHKの岡崎です。
冒頭にもありました再生利用について伺います。かなり早い実施というか、実行を掲げているのではないかと思うのですけれども、それに向けて改めて環境大臣としての意気込みというか、お気持ちと、あと官邸や中央省庁で進めることで、今後どういった効果が期待されるかというところを改めて教えていただけますか。
(大臣)官邸での工事というのは、今月中にできるように、速やかに準備を進めていきたいと考えていますが、その意味するところは、官邸というのはまさにその日本の象徴的な場所の1つであります。そこにおいて、安全性をしっかりと示していく。そして国民の皆様方にその安全性についての理解醸成を持っていただく。そういう意味で、これはある種の象徴的なものとして、ぜひ国民の皆様方にも理解をしていただいて、継続的に、線量なども発表しながら、そうした理解醸成を進めていくことが、結果として、除去土壌の最終処分、あるいは再生利用が加速することに繋がると考えております。
(記者)朝日新聞の杉浦です。
同じく除去土壌についてお伺いいたします。今日の懇談会でどういうことが話し合われたかということについてお伺いしたいのですけれど、特に国交省ですとか、農水省ですとか、土壌を多く使うような事業を持っているところの官庁の担当の方が、どういった反応されたのかというのをお伺いしたいです。
(大臣)今日の懇談会においては、特にそのことについて、国交省や農水省からそういった発言はありませんでしたけれども、いずれにしても、各府省庁が持っております様々な事業において、復興・再生利用を進めていくことについては、累次にわたってそうしたお願いをしておりますので、本日の閣議後の懇談会においては、そうしたことについて、特段の発言はなかったということであります。
(記者)読売新聞の鬼頭と申します。
今の関連なんですけれども、霞が関の各省庁において、末頃を目指して活用を進めていくというお話がありましたけれども、環境省としては、どのような場所で活用を検討されているのか、お考えをお願いします。
(大臣)環境省としても率先して進めていかなければいけない状況でありますけれども、具体的にどこにするかは今後検討していきたいと考えております。
(記者)時事通信の吉田です。
今の除去土壌に関して、このイメージ図には官邸の中庭の芝生の下に埋めるような形だと思うのですけれども、もう少し具体的にどのように官邸で使用されるのか教えていただけますか。
(大臣)イメージ図で説明していることでありますけれども、具体的なことについては今後できるだけ早急に詰めて、発表ができるように、工事を施工し、皆様方に公開できるようにしていきたいと考えております。
(記者)共同通信の塚原です。
除去土壌について関連なんですけれども、断面図は掲載されていますが、大体の量、重さなどで、どれぐらい使うかとか、決まっていましたら。
(大臣)これも、正確に決まった段階で発表させていただきます。いずれにしても、先ほど申し上げたように、今月中に工事を施工するということであります。
会見動画は以下にございます。
(以上)