大臣談話・大臣記者会見要旨

西村大臣閣議後記者会見録(令和5年5月16日(火)09:30~09:41 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日は、私から冒頭の発言はございません。どうぞ。

2.質疑応答

(記者)幹事社のテレビ朝日の川﨑です。おはようございます。先週の月曜から金曜まで行われた除染土の再生利用に関する第1回目のIAEAの専門家会合について、受け止めをお願いします。
(大臣)IAEAの専門化会合、これにおきましては、除去土壌の再生利用等の取組状況などについて議論されるとともに、中間貯蔵施設の視察や、飯舘村の実証事業の視察、また、地元住民の皆様との意見交換、これが行われたというふうに承知しております。
 私自身も、IAEAの専門家の皆様方とお会いしまして、福島の地元の関係者と直接お話しする貴重な機会を持てたというお話や、また、安全性を確保するための様々な取組が話されており、その成果について確認をすることができた、こういった今回のプログラムについての皆様方からのお話をお伺いしたところであります。
 今後、更に2回の専門家会合が開催され、引き続き議論が行われる予定であります。我々の取組に対する科学的な見地からの国際的な評価をいただいて、それらをいかして、県外の最終処分、また再生利用に向けた国民の皆様の理解醸成につなげていきたいというふうに考えています。
(記者)この会合は、環境省の要請で行うことが決まったというふうに聞いていますが、どういったことを狙って要請したのでしょうか。
(大臣)今回のIAEAの専門家会合につきましては、昨年の10月に環境省のほうからIAEAに対して要請を行い、今回実施されることになったものでございます。
 県外の最終処分や再生利用に対する全国民的な理解醸成、これを進める上で、これまでの環境省の取組や、また知見、経験を国際社会と共有して、技術的、社会的な観点からの国際的な評価や助言、これをIAEAからいただくことが重要と考えたことから、こうした要請を行ったものでございます。
(記者)公正な評価や助言を行うとなった場合はですね、反対をしている住民がいる埼玉の所沢市や新宿などにもIAEAの方が行くというようなことになれば、行っていただくような形になるのでしょうか。
(大臣)IAEAの皆様方の御意見等々を伺いながら、進めていくということと承知しております。
(記者)特に環境省のほうから、ここも行ってほしいというようなことではなくて、IAEAの希望があれば、訪れてもらうというような形なのですか。
(大臣)そうですね、先ほど申し上げたように、これまでの環境省としての取組、そしてそうした知見、経験といったものを国際社会と共有して、そして、技術的、社会的な観点から国際的な評価や助言をいただきたいということで、今回実施しているわけでございますので、そういったもののために、IAEAとして必要であるということであれば、そういう形になるのだろうと思いますし、今回は福島の視察等々していただいたということでございます。

(記者)日経新聞の田中と申します。よろしくお願いします。ネイチャーポジティブについてちょっと伺いたいのですけども、4月末、連休前ですね、経済財政諮問会議で、複数の民間の委員のほうから、「官民連携の取組を強化するべき」だとか、「OECMの認定拡大などの取組の拡大が肝要」といった発言がありまして、経済界からも積極的に取り組もうという機運が出てきていると思うのですけども、大臣として、こうした声ですね、ネイチャーポジティブ経済戦略の策定などにどういうふうにつなげていくお考えかということと、4月のG7札幌で立ち上げを表明したアライアンスの具体化など、これに今後どういうふうに取り組んでいくかというところを教えていただきたいです。
(大臣)ネイチャーポジティブの実現、これにつきましては、経済界においても対応の必要性は今御指摘あったように強く認識されて、積極的な取組への機運といったものが生まれてきているということを承知しておりまして、大変心強く思っております。
 その期待のほうに応えるためにも、環境省としてはネイチャーポジティブ経済移行戦略、これを今年度中に策定して、その中でビジョンや課題、そしてまた各主体の役割といったものを明らかにしていきたいというふうに考えています。
 またG7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合において設立されたG7ネイチャーポジティブ経済アライアンス、これにつきましては、生物多様性保全に資する技術、ビジネスモデルに関する知見の共有といったものや、事業者による事業開示に関する見解の共有・発信、これを行っていく予定でございまして、5月中にでもワークショップを立ち上げていきたいというふうに考えています。
 引き続き、経済界としっかりと連携を強化して、経済界を含む全てのセクターにおける生物多様性の主流化、これを進めてまいりたいというふうに考えています。
 
(記者)熊本日日新聞の髙宗です。水俣病の原因企業のチッソの経営状況についてお尋ねしたいのですが、先日発表された決算で中核事業主体のJNC単体の経常利益が政府の閣議了解で設定された53億円を4期連続で下回っているという状況になっています。まず、この状況を大臣として、どういうふうに御覧になっているのかを教えてください。
(大臣)チッソ株式会社、これを取り巻く経営環境というのは大変厳しい状況であるというふうに認識しております。チッソ株式会社のほうからは、引き続き水俣病の原因企業としての責任を果たして、そして水俣病患者への補償金の支払いを継続し、確実に実施するということを確認をしているところでございます。
 環境省としてもですね、引き続きチッソ株式会社の経営状況、これを注視するとともに、一層の経営努力といったものを期待したいというふうに考えています。
(記者)決算会見では、役員の方から、「閣議了解された経常利益53億円を達成するのは、なかなか厳しい」という発言も出ているのですが、チッソ株式会社、今経営改善に取り組んでいる最中です。環境省として、更に何か経営改善を強く求めるようなそういうお考えというのはないでしょうか。
(大臣)チッソ株式会社が水俣病の原因企業としての責任を果たして、そして継続して患者の皆様への補償などを実施していくためには、このチッソ株式会社及びJNC株式会社における早期の業績回復、これが必要であるというふうに認識をしております。
 チッソ株式会社には、先ほど申し上げたように、一層の経営努力を求めるとともに、関係省庁、また熊本県による連絡会議といった場を通じて、業績改善計画の進捗評価、これを行って、計画の確実な遂行を求めてまいりたいというふうに考えております。
 
(記者)時事通信の今泉です。先ほど質問のありました除去土壌の再生利用についてですが、IAEAのクラーク課長が、会見で、再生利用の実証事業について、「環境や社会への、そのベネフィットがあることを伝える必要がある」という旨を発言されました。
 今、国の予算で、実証事業という形で、福島県内及び県外でも実証事業をやろうとしているという段階ですが、今後再生利用の取組を制度化するに当たって、受入れ自治体や住民にどのようなベネフィットというか、メリットがあるというふうに大臣お考えでしょうか。
(大臣)まず、ベネフィットというよりもですね、まずIAEAの皆様方からは、実証事業に関しては非常に重要な取組であるという旨のコメントがあったというふうに承知しております。再生利用の実証事業の重要性というのは、改めて認識したところでありまして、まずは、こういった事業の目的等を丁寧に説明して、そして福島県外における再生利用実証事業の実施を行っていくに当たっては地元の住民の皆様の御理解を得て、しっかりと進めていくという方針に変わりはございません。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=bujn69Cfbqk&list=PL9Gx55DGS7x6EKIxL2xudMsVk4iNBVPnE 
 
(以上)