大臣談話・大臣記者会見要旨

西村大臣閣議後記者会見録 (令和5年4月18日(金)09:31~09:47 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 冒頭2件お話をさせていただきます。
 1つ目がG7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合についてでございます。15日、16日に開催したG7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合においては、G7が結束して、気候変動と環境に関して主導的な役割を果たす決意、これを世界に示すことができたというふうに考えております。
 今回のコミュニケにおきましては、大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの目標の10年前倒しとなる2040年までの追加的なプラスチック汚染ゼロといった野心的な目標に合意したほか、G7ネイチャーポジティブ経済アライアンス、循環経済及び資源効率性の原則、質の高い炭素市場の原則、こういったことの採択など、7つの附属文書と4つのイニシアティブをまとめることができました。本日の閣僚懇におきまして、この会合の結果を西村経済産業大臣とともに総理に御報告をしたところであります。
 また、今回合意された内容を実現するためには、全ての部門、全ての主体が行動を加速する必要があるので、私のほうから関係省庁の閣僚に、協力の要請をしたところであります。これらの成果を、G7広島サミットはもちろんのこと、G20、COP28などにつなげるとともに、G7として、行動を加速してまいりたいというふうに考えております。
 もう一点が、令和5年度の「熱中症警戒アラート」の運用開始についてであります。
 今年度の「熱中症警戒アラート」を4月26日水曜日から開始いたしますので、お知らせをしたいと思います。「熱中症警戒アラート」は、環境省のLINEアカウントから受け取ることができますので、情報を必要とされる国民の皆様は登録をしていただければというふうに思います。
 また、国民の皆様には、日頃から環境省のホームページ等で暑さ指数を御確認いただくとともに、熱中症警戒アラートの発表時は、不要不急の外出を避ける、ためらわずにエアコン等を使用するといった熱中症予防行動を是非取っていただきたいというふうに考えております。
 冒頭は以上でございます。
 

2.質疑応答

(記者)おはようございます。幹事社のTBSテレビの池田と申します。2点質問させていただきます。まず、G7について、先ほどおっしゃっていた新たなプラスチックごみの削減目標をどのように実現していくかを教えていただきたいです。
(大臣)2040年までにプラスチックによる追加的汚染ゼロを実現するためには、国内においては、プラスチックの製品設計の段階から廃棄物処理までのライフサイクル全般において、あらゆる主体によって資源循環の取組を促進していくことが重要だと考えます。プラスチック資源循環法に基づいて、こうした取組をしっかりと推進してまいりたいと考えます。
 また、今回G7として、2040年を新たな目標年に掲げるとともに、プラスチック汚染対策条約の策定に向けた政府間交渉委員会(INC)において、交渉を積極的に進めていく決意も表明したところであります。大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの提唱国といたしまして、国内外の取組を積極的に発信しながら、我が国が培ってきた技術、また、経験を共有しつつ、目標の実現に向けて国際社会をリードしてまいりたいというふうに考えています。
(記者)もう一点で、熱中症警戒アラートのこれまでの効果をどのように検証されているのかと、大臣として今年度どのようなことを期待しているのかを教えてください。
(大臣)令和3年度から開始したこの熱中症警戒アラートについては、認知度やアラート発表時の行動についてのアンケート調査というものを実施し、効果の検証を行っているところであります。
 昨年の調査によりますと、アラートの認知度は約7割、アラート発表時にエアコンを使用された方は約6割、水分補給をされた方は約7割でありまして、アラートの認知度を更に上げていくことが重要だというふうに考えています。
 国民の皆様におかれては、この暑さ指数や熱中症警戒アラート、これを活用していただいて、エアコンを使用するなどの適切な予防行動を是非取っていただきたいというふうに考えます。
 
(記者)朝日新聞の市野と申します。G7でのコミュニケの内容で、石炭火力の部分についてお伺いいたします。西村大臣御自身も、G7の共同声明発表後の囲み取材の中で、昨年合意したものを再確認したという認識でいる、というふうな御発言をされていたのですけれども、この点について昨年並みにとどまってしまったということについて、進んでいないということについて不十分さを指摘する声もあります。そこに対して不十分さを感じていないかということについて、大臣のお考えをお聞かせください。
(大臣)そういった記事を書いている社があるということは承知しております。ただ、今回のコミュニケにおいてはですね、昨年合意した、今御指摘のあった、2035年までの完全又は大宗の脱炭素化、また、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電のフェーズアウトに向けた具体的かつ適時の取組、これを再確認したところであります。
 我が国としては、石炭火力発電については、できる限り発電比率を引き下げていく、この方針に変わりはございません。
 環境省としては、コミュニケにあるとおり、「1.5℃目標」の達成と整合するということが大事であるというふうに考えておりまして、引き続き、国内の排出削減対策が講じられていない石炭火力発電のフェードアウトに向けた動向を注視したいというふうに考えております。
 昨年以上に進んでいないという御指摘でございますけれども、2050年に向けて、各国がそれぞれの国内事情等々を持ちながらも、その方向に向かって足並みをそろえてやっていこうということで、今回、昨年合意したものを再確認したという形になっております。
 
(記者)共同通信の藤原です。よろしくお願いします。靖国参拝でお伺いしたいのですけれども、靖国神社は4月21日から23日、春季例大祭期間となります。大臣はこの例大祭に合わせた参拝を予定されていらっしゃいますか。参拝されない場合は真榊を奉納する予定はありますか、教えてください。
(大臣)個人として適切に判断してまいりたいというふうに考えております。また、戦争において貴い命をなくされた皆様に対しましては、心から哀悼の誠をささげたいというふうに思います。
 
(記者)河北新報の馬場です。G7の会合のことに戻るのですけれども、福島の除染土の再利用について、共同声明では、これまでの取組といいますか、日本が続けてきた取組というものの継続というのを奨励するという内容が盛り込まれましたけれども、その点について受け止めと、今後、この共同声明の内容を受けて、実証実験等々どのように進めていくお考えなのか、改めてお聞きかせください。
(大臣)今般の成果文書の中においてですね、被災地の環境再生が一歩一歩進んでいることを認識するというふうになっておりまして、我が国の復興に向けた取組について各国に御理解をいただいたものというふうに受け止めています。東日本大震災、そして原発事故からの復興、再生というのは政府としては最重要課題の一つであります。環境省としては、これまでも被災地の環境再生に向けた取組というものを一歩一歩進めてきたわけでありますけれども、今後も、全力で取り組んでまいりたいと考えています。
 また、御指摘のあった福島県内の除去土壌の県外最終処分については、国としての約束であります。法律にも規定された国の責務であるわけでございますので、IAEAとの連携も含めてですね、国民の皆さんの理解が深まるように、引き続き、着実に取り組んでまいりたいというふうに考えています。
 
(記者)NHKの安藤です。熱中症警戒アラートに関連してお伺いします。熱中症で死亡する人は毎年後を絶たないということで、熱中症警戒アラートはもちろんなのですけれども、今後、環境省として熱中症に対してどう取り組んでいかれるのか、教えてください。
(大臣)これから法案の成立に向けて参議院での審議がございます。しっかりその場においても説明をしてまいりたいというふうに考えておりますが、とにかく熱中症によって、夏も間もなく控えているわけでございますので、熱中症というものは適切な予防行動というものを取っていただければ防げるものだというふうに考えます。「熱中症警戒アラート」、今年においてはですね、が発表された場合には、不要不急の外出を避けていただいたり、また、エアコン等を使用していただく、そしてこまめに水分補給を取っていただいたり、身近にいらっしゃるお年寄りに声かけをしていただく、こういった行動を取っていただければというふうに考えます。また、この暑くなる季節の前の今の時期に、エアコンの試運転を実施していただくなど、夏の本番に備えた熱中症対策というものも是非励行していただければというふうに考えます。
 
(記者)電気新聞の湯川です。またちょっとG7で、「1.5℃目標」のお話をさっきされていましたけれども、G20とはこの目標設定で乖離が生じているという声を聞いたのですけれども、改めてグローバルサウスというか、その辺りをどう巻き込んでいくか、お考えを教えてください。
(大臣)今回のコミュニケにおいては、全ての締約国に対して2025年までの世界全体の排出量のピークアウトへのコミットを呼び掛けたものであります。また、削減目標が「1.5℃目標」と整合していない国、とりわけ全ての主要経済国に対してNDCの引上げを求めるとともに、長期戦略の提出といったものを要請したわけでございます。今回の要請内容が世界各国で実現していくためには、G7が協力して、新興国や発展途上国における気候変動対策の促進に向けて、具体的な協力活動、これを進めていくことが重要であろうというふうに考えています。
(記者)あと、G7の結果を総理に報告されたとおっしゃっていましたけれども、どんな返事があったか、あれば教えてください。
(大臣)閣議の後の閣僚懇談会においてですね、経済産業大臣とともに、それぞれの中身について簡単に説明いたしました。総理自体は、昨日、ケリー米国特使、元国務長官ですね、と会談されておりますので、概略については事務的に、もうお耳には入っていたようでございますが、非常にいい取りまとめをしていただいたと、環境分野においてしっかりまとめていただいてありがとう、というお話をいただきました。広島サミットにつながる状況に、環境の課題というのは非常に難しいものが多々ございましたけれども、昨年のG20は成果文書の取りまとめはできませんでした。しかし今回はですね、しっかりそういったものも含めて取りまとめできたということで、あと、これを広島サミットにつなげて、G7の首脳としてですね、世界に対してこの環境問題の発信ができればというふうに考えています。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=wXa3OcgLfS0&list=PL9Gx55DGS7x6EKIxL2xudMsVk4iNBVPnE&index=1
 
(以上)