大臣談話・大臣記者会見要旨

西村大臣閣議後記者会見録 (令和5年2月14日(火)09:21~09:34 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 冒頭、本日は、私からはございません。どうぞ。

2.質疑応答

(記者)幹事社のNHKの林です。よろしくお願いいたします。幹事社質問ですが、福島の除去土壌の県外実証事業について、2月11日(土)に地元自治会と面談した埼玉県所沢市の市長が住民に対して、終了後に報道陣の取材に対して、「住民が反対の議決をしたことを重く受け止めている。住民が分かったと言わない限りは、自分も分かったと言わない」などと発言しましたが、こうした市の発言、そして対応について、大臣としての受け止めと今後の対応というのは、どうしたものになるでしょうか。
(大臣)所沢市長と弥生町の町内会の皆さんとの面会については承知しております。環境省としては、住民の皆様方に御理解いただくために、説明会等でいただいている様々な御質問、そして御意見に対しまして、引き続き丁寧にお答えしていくという方針に変わりはございません。除去土壌の福島県外最終処分といったことに向けて、丁寧に説明をしながら、1つずつ歩みを進めていきたいというふうに考えています。
(記者)関連して、「引き続き説明を求める」ということですけれども、可能性としては、住民の例えば100%の同意というのを得るのは、どんな事業でも難しいとは思うのですけれども、そうした場合、事業の進め方として、環境省としてどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
(大臣)まず、所沢の件におきましては、住民の皆様方からいただいた御質問や御意見に関して、文書で回答してほしいというお話がございましたので、その文書において、丁寧にまず対応していきたいと思っております。そして、ほかの地域に関しましても、丁寧に説明会等でお答えしていくという方針に変わりはございませんし、そうした中で、実証事業の実施につきましては、地域の説明を尽くしていく中で判断していくことになろうかと思います。
 
(記者)日経新聞の岩井です。おはようございます。原子力規制委員会について、お伺いします。昨日の規制委員会で、炉規法の改正案が規制委員会で了承されました。多数決での決着になりました。震災以降、原子力政策の重要な転換を決める案件でありましたが、多数決で決着したということについて、受け止めをお願いします。
(大臣)昨日の原子力規制委員会の臨時会合において、高経年化した発電用原子炉に関する安全規制制度について議論されて、一人の委員の方から反対意見が出されたことは承知しております。独立した原子力規制委員会として、議論が尽くされた上で、合議制の下で多数決によって決定されたものというふうに承知しております。決定された制度は、発電用の原子炉設置者に対して、運転開始後30年を超えて運転しようとする場合、10年以内ごとに設備の劣化に関する技術的評価を行い、基準適合性を確認する、厳格な規制制度であるというふうに聞いておりまして、環境大臣としては、今回決定された制度改正が円滑に進むように、独立した原子力規制委員会の活動を引き続きサポートしてまいりたいというふうに考えています。
(記者)反対意見をおっしゃる方がお一人いらっしゃったということで、それでも十分に議論が尽くされたとお考えですか。
(大臣)独立した原子力規制委員会における議論でありまして、その内容についてコメントするということは、差し控えたいと思いますけれども、委員それぞれの専門性に基づいて、十分な議論がなされた上で、原子力規制委員会の設置法に基づく合議制の下で、委員会としての決定がなされたというふうに承知しておりまして、繰り返しになりますが、いずれにしても、独立性の高い原子力規制委員会によって、厳格な規制が行われるということに変わりはないというふうに認識しております。
(記者)関連ですけれども、十分な議論がなされたと認識されているというお話があったのですけれども、実際、その委員会の中で、反対された方とは別の委員の方の発言ですけれども、「国会への法案の提出期限というのがあって、締切りを守らなければいけないという感じで、急かされて議論をしてきた」という意見が出たり、委員長がその後の記者会見でも「デッドラインを気にしながら検討を進めてきた」という旨の発言がありました。こういった発言を踏まえると、原子力のこの推進行政、政府の法案提出の日程が規制委員会の議論に影響を与えた可能性があるのではないかと思うのですけれども、それは問題ないのか、大臣の見解をお願いします。
(大臣)昨日の委員会後の会見において、山中規制委員長もおっしゃっておられるように、「法案のスケジュールを念頭に置きつつ、ただし、4か月以上の期間をかけて制度の大枠が議論されたものであり、急かされたものではない」というふうに述べていると承知しております。また、あわせて、独立性においても問題はないというふうに述べられたと承知しています。
(記者)委員会の、臨時の委員会の中で委員のお一人が締切りを守らないといけないという感じで急かされて議論をしてきたとおっしゃっているのですけれども、このことについてはどうですか。
(大臣)そういった意見があるといったことは承知しておりますけれども、重要なことは、独立性に問題はないというふうにその委員もおっしゃっているというふうに承知しておりますし、その上で、規制委員長として、事実的な詳細については、今後政省令の判定のための基準の検討の中で丁寧に議論されていくべき意向であるというふうに承知しております。
 
(記者)朝日新聞の関根です。おはようございます。今のやり取りに関係してですけれども、委員のお一方、石渡委員さんでしょうかね、の指摘に絡んでですけれども、前も伺いましたけれども、今回のその制度改変というのは、その利用政策の観点を反映させたものであるというふうに聞いているんですけれども、まずそういった利用政策の観点は今後の原発の活用に反映させるものであるという理解でよろしいでしょうかということを伺いたいと思います。
(大臣)原子力規制委員会においては規制の在り方、規制の技術的な判定の大枠を決めるということでございます。利用政策に関しては規制委員会で判断するのではないというふうに承知しております。
(記者)分かりました。政権全体としてその利用政策を加味するということということでしょうか。
(大臣)政権全体として。
(記者)そうですね、今回のGXの方針出されております、そこにも書かれていると思いますけれども。
(大臣)政権としてこのGX法案が出たということで、その利用政策に関しては、経済産業省を中心として法案の改正を行うものでありますし、環境省とすれば、その独立した規制委員会を持っておりますので、その規制の在り方について議論するということでございます。
(記者)分かりました。あとそれで関連ですけれど、これまで原発の活用に関しては、安全最優先という原則を掲げてこられたと思うのですけれど、利用政策を加味するとは、これまでにない要素を原発の活用に入れてくるということになりますと、この安全最優先の原則というのは、変更するということになるのでしょうか、それともそうではないということになるのでしょうか。その辺、どういうふうに整理されているのかということについて教えていただけますか。
(大臣)先ほど申し上げたように、原子力規制委員会によって厳格な規制が行われるということに変わりはございません。
(記者)規制はもちろん厳格にやるというのは当たり前だと思うのですけど、つまり別の要素を勘案するということで、その安全を最優先して原発再稼働に当たるという、これまでの方針は変わるのか変わらないのか、そこについてちょっと確認しておきたいです。
(大臣)決定された制度に対しまして、先ほど申し上げたように設備の劣化に関する技術的評価を行い、基準適合性を確認するという厳格な規制制度に関してしっかりと、原子力規制委員会として、この大枠について議論をしたということでございます。後ほど詳しいことはまた説明させていただきます。
 
(記者)テレビ朝日の川﨑です。今の規制委員会の関連で、大臣、規制委員会について今も、「環境大臣としては円滑に進むように引き続きサポートしていく」というふうにおっしゃっていまして、度々「そのようなチェック体制を適切に行えるようにサポートしていく」とおっしゃられていますが、今回の事案、いわゆるその高経年化した原発をめぐっての規制委の議論の中で、環境省は具体的にどういったサポートをされていたのでしょうか。
(大臣)原子力規制委員会として、しっかりとした議論を行って、その上でしっかりと安全に関する議論を行っていけるようにサポートしているということです。
(記者)今回の件に関して、情報公開請求をこちらでしたのですけれども、資料に関しては、作成したのは規制庁なので、ということで移送を受けました。つまり、環境省としては一切何もこの件に関して行政文書を作ってないということだと思うのですが、何かサポートを具体的にされた、あるいは検討したということがあったのですか。何もしてないのではないですか。
(大臣)原子力規制委員会の活動がしっかりと行えるように、その体制、予算面においてしっかりとサポートしていくということで、原子力規制委員会の中身の活動に対して環境省として手を入れるということは、独立した委員会ですので。適正に規制委員会が活動できるように予算面、体制面でサポートするということです。
(記者)具体的に今回は杉山委員のほうから、賛成された杉山委員のほうから「外から定められた締切りを守らないといけない」と、先ほどもお話ありましたけど、「急かされて議論してきた」という話がありましたが、こういった規制委員会の声を聞いたりとか、ヒアリングした上で法案の提出のスケジュールであったりを調整するとか、そういったサポートというのは何もされて、あるいは声を聞くとかそういったこともされていないのでしょうか。
(大臣)声を聞くというような形で、こちらが関与するということは差し控えなければいけないと思っております。そうした御意見があったことは十分に承知しておりますけれども、その上で規制委員会として、こうしてほしい、ああしてほしいというような御意見は、環境省として承っておりません。
(記者)今回はそういった声を聞いたということはあるのですか、特にはないですか。
(大臣)議論の進め方やスケジュール管理など、委員会の運営に関しましては三条委員会として独立の立場で判断していっているものでございますので、繰り返しになりますけれども環境省として、また環境大臣とすれば、その規制委員会が独立した適正な活動ができるように、その体制面、予算面をサポートしていくということでございます。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=HtYX4RR8pmQ&list=PL9Gx55DGS7x6EKIxL2xudMsVk4iNBVPnE&index=1
 
 
 
(以上)