大臣談話・大臣記者会見要旨

西村大臣閣議後記者会見録 (令和5年2月3日(金)11:32~11:52 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日は冒頭の発言はございません。

2.質疑応答

(記者)おはようございます。幹事社のフジテレビ、藤村です。よろしくお願いいたします。幹事社からは、次期生物多様性国家戦略案のパブコメが開始されまして、今月は説明会も全国各地で開催されますが、説明会などで着目してほしい改定戦略のポイントを教えてください。お願いします。
(大臣)現在パブリックコメント中の次期生物多様性国家戦略案は、昨年12月の生物多様性条約COP15で採択された新たな世界目標でございます「昆明・モントリオール生物多様性枠組」、これを踏まえて作成したものでございます。また、従来の自然保護政策の枠を超えて、自然資本を守り、活かす社会経済活動の推進、生物多様性の損失と気候変動という「2つの危機」への統合的対応という視点を強調しているところでございます。
 戦略案のポイントは、2030年までに生物多様性の損失を止め、反転させる、すなわちネイチャーポジティブ(自然再興)を実現するための基本戦略と目標を設定したことでございます。また、30by30目標の達成や、自然を活用した解決策の活用、またネイチャーポジティブ経済の実現に向けた具体策を盛り込んだところであります。
 生物多様性の保全には、地域での取組というものが極めて重要でありますので、説明会では地域の皆様にこの戦略の意義をお伝えするとともに、国に期待することなどの御意見をお伺いして、国民の皆様と一体となって取り組む戦略とすべく、更なる磨き上げを進めてまいりたいというふうに考えております。
 
(記者)環境新聞の小峰でございます。まず、西村大臣は、ここ数年、数代の環境大臣と違い、自らの功績はあまり語りたがらない、男は黙って仕事をすることを信念とする方だと、本紙は敬意を表しています。しかし、先日1月30日のPFASに対する総合戦略検討専門会議設置と連動して、大臣は米環境保護庁(EPA)を通じて1月11日にワシントンで開催された、外務・防衛担当閣僚相、いわゆる2+2の共同発表文に、環境に関わる協力を強化することが盛り込まれたことは西村環境大臣の大きな功績だったと、本紙、環境新聞はしっかり見ております。
 昨年9月2日に行われた、西村環境大臣とリーガンEPA長官との日米環境政策対応も含めて、日米2+2共同発表文書での環境に関わる協力を強化させることと、PFAS専門家会議との連動した設置について、西村大臣のお働きかけをお聞かせください。
 なお、男は黙って仕事もすばらしいことですが、このPFAS問題に関しては、今、日本国にとって最重要である日米同盟に深く関わる問題ですので、西村大臣のお働きを国民に向けて発信してください。以上です。
(大臣)過分な評価をいただき、恐縮でございます。今、御指摘がありましたように、昨年9月2日に行った日米環境政策対話におきましては、リーガン米国環境保護庁長官との間で、有機フッ素化合物(PFAS)の管理の重要性というものを確認し、科学的知見を深める協力を継続していくことを確認したところでございます。
 また、今お話にございました、外務大臣、防衛大臣には、先月行われた日米安全保障協議委員会(日米2+2)において、環境に係る協力を強化することを確認したというふうに承知しているところです。
 今般設置した、このPFASに関する専門家会議では、米国を含めた国際的な動向も踏まえつつ検討してまいりたいというふうに考えています。PFASへの対応を含めた環境政策において、引き続き日米両国において協力を進めてまいりたいというふうに考えています。
(記者)環境新聞の小峰ですけれども、それは環境と安全保障、これの両立というふうに大きな枠で捉えてよろしいでしょうか。
(大臣)環境というのは、今、世界規模での最重要な課題の1つでございますので、しっかりこの環境問題に取り組むためには、日米両国の緊密な連携関係というのは必要だというふうに承知しています。
(記者)ありがとうございました。
 
(記者)東京新聞の小川と言います。よろしくお願いいたします。環境省が計画している除染土の再生利用についてですが、候補地の1つである所沢市の環境調査研修所の周辺の自治会が、実施について反対の決議をされたという報道があったと思うのですが、そのことについての受け止めと、所沢市長も「理解がない限り、実証事業に分かったとは言わない」というふうに取材に答えているのですが、環境省として、今後どうされていく方針なのかをお聞かせください。
(大臣)周辺の自治会におきまして、この実証事業に反対するという旨の決議がなされたということは承知しております。また、所沢市長の御発言については、詳細は承知しておりませんけれども、ともかく環境省といたしましては、説明会等々でいただいている様々な御質問、そして御意見に対して、引き続き丁寧にお答えしていく方針に変わりはございません。
(記者)周辺自治会と市町がゴーサインを出さない場合というのは、環境調査研修所での実証事業をやらない可能性もあるのでしょうか。
(大臣)現段階において、しっかり地域の皆様へ丁寧な説明をしていくということで進めてまいりたいというふうに考えています。
 
(記者)エネルギージャーナル社の清水です。2点ほどありまして、1つは、来週から始まる脱炭素先行地域の公募ですけれども、3回目になるわけで、恐らく来年度に選定ということになるんでしょうけど。今までの2回の公募の方針と、脱炭素の先行地域選考について違うことがあるのかどうか、方針をちょっと教えてください。
(大臣)今、御指摘ありましたように、脱炭素先行地域はこれまで2回を選定して、少なくとも100か所の選定に向けて、今、46か所の選定が行われておりますが、この第3回目の募集に関しましては、特に地域間の連携、政策間の連携、こういったものに関係する重点選定モデルというものを設定いたしまして、こういった、より多様なモデルの選定に努めてまいりたいというふうに考えています。
(記者)要望ですけれども、是非そういうものは、閣議後会見でも分かりやすい説明資料を用意してください。書く方からすると、そういうことがきちんとあると記事にしやすいし、是非お願いします。
(大臣)はい。後で、事務方のほうから分かりやすいものを提出させていただきたいと思います。
(記者)2つ目ですけれども、これも関連しますが、脱炭素化支援機構、これが去年の、たしか10月に発足して、大臣も挨拶と言いますか、それに出かけられたと思うのですが、もう2022年度も終わりに近づいて、予算が確か200億強くらいあったと思いますが、支援対象とか、あるいは支援方針とか、そういうものが決まっていますか。もう年度末でもあるので。あるいは、方針として、どういう事業をサポートするのか、どういう分野でとか、その辺、大臣のお考えはどうですか。
(大臣)脱炭素化支援機構に関しましては、名前、ネーミングのとおり、脱炭素に向けた様々な事業を支援していくものでございまして、その中身の細かな部分の支援の基準、選考方法、この辺は、機構のほうに細かくお問い合わせいただければありがたいです。
(記者)第1号も含めて決まってないということですか。支援事業の対象事業については。
(大臣)まだ、私のほうでは承知しておりません。
(記者)いつぐらいに決める予定ですか。環境省の200億か何かの予算でしょう、これ。
(大臣)今後の選定に関するプロセスは、まだ報告いただいておりませんので、よく注目しておきたいと思います。
 
(記者)朝日新聞の関根です。よろしくお願いします。先ほどの除染土の関係ですけれども、以前の閣議後会見で、「地元の理解が重要である」ということは、確かおっしゃられていたと思うのですけれども、現状の反対決議であるとか、市長さんが「難しい」というふうな発言をしているという状況を鑑みると、そういう状況が変わらない限りは、実施をすることはないという理解でよろしいのでしょうか。念のため、確認です。
(大臣)除去土壌の県外最終処分、これをしっかりと国として進めていくためには、様々な、国民の皆さんの御理解というのが何より重要だと思っております。そうした意味において、今回の実証実験を進めるに当たっては、できるだけ丁寧に、そういった説明を踏まえて丁寧な説明をしていく上で、地域住民の皆様、そして、国民の皆様の理解醸成、これをしっかり進めていく必要があるというふうに考えております。
(記者)分かりました。それとはまた別の質問ですが、GXの基本方針が間もなく閣議決定と伺っておりますけれども、環境省も移行債とか、いろいろな部分で絡んでくると思うのですけれど、以前も伺いましたが、これは、環境省としては国民の皆さんに対して説明するような機会というのは特に設ける予定はないということでいいのでしょうか。
(大臣)GX法案が間もなく国会の審議にかかりますので、国会の論戦を含めながら国民の皆様には御理解を進めていっていただきたいなというふうに考えております。
(記者)経産省が主催している説明会ですけど、結局、説明会が終わりきらないまま閣議決定になるということで、手順として、拙速といいますか、遅いのではないかなという気がするのですが、この点について大臣の所感、見解はいかがでしょうか。
(大臣)基本的に、あらゆる問題に関して、丁寧な説明というのが必要だというふうには考えておりますけれど、今回、経産省が行っている説明会、これが、関根記者から見て、まだまだ足りないという御判断なのかと思いますけれども、経産省のほうでは説明をしっかりやったというふうに承知しています。
(記者)足りないというか、閣議決定の終わった後にやっても意味がないのではないかと思うのですけど、その辺についてはどうですか。
(大臣)御指摘は手順の話だと思いますけれども、言わんとするところは理解できるところであります。
 
(記者)エネルギージャーナル社の清水です。さっきの小峰さんの日米環境協力に関してなんですが、環境省は、国内の米軍基地とか、そういうものについての環境汚染問題はアンタッチャブルでずっと来ているわけですよ、治外法権的に。PFASもそうだと思うけど、前はPCBとか、いろいろ、いくつかゴミ処理とかの問題もあったわけで、どうですかね、日米環境協力が非常に大事だと思いますけども、その従属的な姿を少しでも変えて、日米が対等な委員会を作って、そこに沖縄県も入れて、PFASの問題をきっかけとして、対等な環境対策、環境調査をやるという、そういう先導的な方針というのがあっていいのではないかと思うんですけど、どうですか、大臣。
(大臣)安全保障の面に関しましては、環境大臣としてここで申し上げるのは差し控えたいと思いますけれども、ただ、御指摘いただいたように、PFASの問題等々がございますので、これは、先ほど述べたリーガン長官とも話をすると同時に、今回の日米2+2において、しっかりその辺の課題があるという認識の下に盛り込んでいただいたというふうに承知しています。
 
(記者)幹事社フジテレビ藤村です。オンラインで御参加の、郵湧新報の園田万里子さんから御質問をいただいておりますので、幹事社のほうで代読させていただきます。お願いします。
今年に入り、日本郵政と日本郵便は、中部電力とカーボンニュートラル化推進のために戦略的提携を締結、ゆうちょ銀行の子会社のJPインベストメントがSDGs達成目標に貢献するファンドに出資決定し、かんぽ生命は大阪大学とESG投資推進に向けた覚書を締結するなど、日本郵政グループ各社ともSDGsに力を入れていることに対する大臣の御見解をお願いしますとのことです。お願いいたします。
(大臣)日本郵政グループにおかれましては、2030年度までに温室効果ガスの排出量を2019年度比で46%削減、2050年カーボンニュートラルを宣言するとともに、今お話いただいたように、電力会社などとの連携やESG投資の推進などに積極的に取り組まれておられることに敬意を表したいというふうに思います。
 具体的な取組として、集配用の車両へのEVの導入拡大や、充電設備の整備、そしてまた、郵便局における太陽光発電の導入などを推進しておられるというふうに承知しています。環境省においても、こうした取組に対して、引き続き支援を行ってまいりたいと考えています。
 さらに、全国各地に拠点を持つ郵便局でございます。導入した再エネ設備はEVを災害時に地域で活用することによって、脱炭素だけではなく、レジリエンスの強化などの地域の課題解決にも資する存在だというふうに思っております。
 日本郵政グループと環境省が密に連携して、脱炭素社会の構築に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えています。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=oPRKY__XN4U&list=PL9Gx55DGS7x6EKIxL2xudMsVk4iNBVPnE
 
 
(以上)