大臣談話・大臣記者会見要旨

西村環境大臣COP15期間中ぶら下がり会見録 (令和4年12月15日(木)10:35~10:45(現地時間) 於:COP15会場)

1.発言要旨

 どうも、皆さんお疲れさまです。大変寒い中ですので、風邪に気をつけてください。エジプトのシャルム・エル・シェイクで開催された気候変動COP27に続いて、今回、このカナダ・モントリオールにおける生物多様性COP15の開催ということで、本当に我々が抱える地球規模の課題というのを重く感じているところでございます。特に、生物多様性がもたらす様々な恵みというものは、我々の社会経済そのものに対する基盤でもあるというふうに思っております。かつてないスピードで進んでいる、生物多様性の損失というものに対しまして、気候変動とともに、一体的に対処していくべき地球的課題であるというふうに考えているところでございます。今回のCOP15におきましては、最重要の課題は「ポスト2020生物多様性枠組」を採択して、そして速やかに行動に移していく、これが重要であるというふうに考えております。そして、この枠組の中に、我々日本として考えている30by30目標、またビジネスにおける生物多様性の主流化、そして自然を活用した解決策であるNature-based solutions、こういった要素をしっかりと盛り込むべく、交渉に当たってまいりたいというふうに考えております。今回の交渉においては、閣僚級の会合が、これからスタートいたしますので、こういった会合、またバイの会談、そして日本国の代表として申し上げるナショナルステイトメント、これが本日開催されますけれども、こういったところでしっかりと発信をし、そして実りある交渉の結果を得られるように努めてまいりたいというふうに考えております。また、今回は途上国の支援を含めて、我が国の取組といったものもしっかりと発信してまいりたいというふうに考えております。冒頭は以上でございます。
 

2.質疑応答

(記者)NHKの安藤です。よろしくお願いします。2点お伺いします。まず、1点目。今も言及いただきましたけれども、「ポスト2020生物多様性枠組」についてお伺いいたします。日本として、この枠組みをどのようなものにしていきたいのか、特に重視するポイントを挙げてもう一度改めてお伺いできますでしょうか。
(大臣)今申し上げたように、「ポスト2020生物多様性枠組」を採択して、速やかに行動に移していく、これが大事でございまして、これに盛り込むべき課題として、特に5点考えております。1つが、昨年のG7で合意しました30by30目標、そして2点目は、ビジネスにおける生物多様性の主流化、3点目が、自然を活用した解決策、Nature-based solutionsの推進、4点目が、国際的に連携した外来種対策の強化、そして5点目が、新枠組みを確実に達成していくための強固なPDCA、この5点でございます。こういった要素をしっかりと盛り込むべく交渉に当たりたいというふうに考えています。
(記者)ありがとうございます。続いて、資源動員についてお伺いいたします。途上国は、新たな基金の創設を含む先進国による資金支援を求めていますが、それに対して、日本はどのような立場を主張されるか教えていただきますでしょうか。
(大臣)この問題は、途上国と先進国の対立が非常に大きな問題であるというふうに認識しています。しかしながら、解決策を探るべく、今積極的な調整が行われているというふうに承知しております。生物多様性条約上の新規かつ追加的な資金の供与は、GEFを通じて実際に行われているわけでございまして、また日本は生物多様性日本基金といったものの拡充などによって、途上国の取組を支援しているところでございます。まず、こうした既存の仕組みの最大限の活用、そして民間も含むあらゆる資金源から資金が回っていくということが重要だというふうに考えています。
 
(記者)共同通信の石川といいます。よろしくお願いいたします。日本は、COP10の議長国を務めております。そのときは、愛知目標、愛知ターゲットの採択という大きな成果がありました。そのときの経験ですとか、ノウハウを今回の交渉にどのように活かしていくのか伺います。
(大臣)大変厳しい交渉をまとめて、御指摘のようなものを作り上げたわけでございます。今回はその後継となる枠組でございますので、しっかりこの枠組を作り上げるように、日本としても最大限努力をすると同時に、来年、我が国はG7の議長国でございます。そうした意味において、来年のG7というのは、今回、その新しい生物多様性の枠組が今回まとまるように努力しますが、まとまった上で最初に開かれるG7ということになりますので、今回、その枠組を採択して、来年のG7において、それが実行力を持って、進められるような、そういった一連の流れというものを作っていかなければならないというふうに考えています。
 
(以上)