大臣談話・大臣記者会見要旨

西村大臣閣議後記者会見録 (令和4年11月29日(金) 09:21~09:32  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日は私から1件、プラスチック汚染対策に関する条約策定に向けた政府間交渉委員会の第1回会合(INC1)の開催について申し上げたいと思います。
昨日からウルグアイで、プラスチック汚染対策に関する条約策定に向けた政府間交渉委員会の第1回会合が開催されました。
 アジア太平洋地域を代表して、小野地球環境審議官が理事の候補として選出されておりまして、この会議に出席をいたしております。
大阪ブルー・オーシャン・ビジョンを提唱して、国際的な取り組みを主導してきた我が国としましては、実効性のある条約の制定に向けて、引き続き交渉を主導してまいりたいというふうに考えております。
 冒頭は以上です。
 

2.質疑応答

(記者)おはようございます。毎日新聞の岡田です。今のプラゴミの国際条約の策定に向けた政府間交渉委員会が昨日から始まりましたが、実効性のある条約の制定に向けてということですが、具体的にどのような成果を得たいというふうに考えているか教えてください。
(大臣)このプラスチック汚染というのは、地球温暖化と並ぶ、まさに人類が直面する最重要の環境問題の一つだというふうに認識しています。こうした問題に対処するためには、プラスチックの大量消費国、排出国を含む全ての国が参加する実効的な枠組みが必要でありまして、こうした枠組みの構築に向けて、我が国としても2024年末までの交渉をしっかり主導してまいりたいというふうに考えております。
(記者)パリ協定のような世界共通の目標を掲げて、各国に実効に向けた努力を求めるみたいな、もう少し具体的なビジョンみたいなものはありますでしょうか。
(大臣)今、申し上げたように、全ての国が参加する実効的な枠組みということで、今、交渉も始まったばかりですけれども、そういった意味で、実効的な枠組みとなるように、できるだけ多くの国々、全ての国々が参加できるような、そういった枠組みを作るように注力してまいりたいと考えております。
 
(記者)テレビ朝日の川﨑です。よろしくお願いします。昨日、経産省の原子力小委員会のほうで原発の運転停止期間を運転年数から除外する方針というのが出ましたけれども、一方で規制委は除外しない方針で決まっています。大臣は常々安全性を最優先して原子力規制委員会の判断を尊重して進めていくとしていますが、安全面では極めて重要な判断になると思うのですが、この経産省の方針をどう考えていらっしゃいますでしょうか。
(大臣)昨日、経産省の審議会でこうした原子力政策について、GX実行会議で総理から検討の指示があった運転期間のあり方など各論点を含めて、これまでの議論の内容が整理されて、そして引き続き議論が行われ続けられるものというふうに承知しています。原子力利用のあり方に関する事項でもありますので環境大臣としてはコメントするということは差し控えたいと思いますけれども、いずれにしても環境省としては安全性を最優先ということでありまして、経産省の審議会の議論を注視してまいりたいというふうに思っております。
(記者)今月24日には柏崎刈羽の原発7号機のほうで冷却用の管制配管が運転期間中に配管内に錆が発生して、腐食が進んだというふうな発表がありましたけれども、停止期間中にも経年劣化が進むようになると思うのですが、こういったことがある中で大臣はどう考えていらっしゃいますか。
(大臣)経年劣化の話、御指摘ありましたけれども、そういったものを含めて具体的な安全規制の在り方、これは独立した原子力規制委員会において、科学的な見地から検討されるものというふうに承知しております。
(記者)環境省としてはやはり規制委の立場を尊重するということでしょうか。
(大臣)そうです。規制委員会がしっかりした検討・審査といったものを行えるようにサポートしてまいりたいというふうに考えています。
(記者)あともう1点。再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を軽減するという方針は、これは変わりないということでよろしいでしょうか。
(大臣)これはGX実行会議で総理からの指示もありましたので、その総理の指示を基にしっかり検討してまいりたいというふうに考えております。
(記者)あとすみません、もう1点。大臣が就任会見で水俣病について、メチル水銀の影響を客観的に明らかにする手法の開発を、本年秋をめどに成果の整理を行う予定と話されていますけれども、現状はどうなっていますでしょうか。
(大臣)水俣病の客観的評価法、これの開発につきましては、研究者の作業状況、これもしっかりと踏まえつつ、近々にその成果の整理を行うことを目指して準備をしているところでありまして、準備でき次第お知らせをさせていただきたいというふうに考えています。
(記者)例えば12月中、年内とか、あるいは年度内とか、何かめどはありますでしょうか。
(大臣)年内を目指して準備を進めています。
(記者)ありがとうございます。
 
(記者)朝日新聞の関根です。GXの関係なのですが、財源として検討していたカーボンプライシングの中で、環境省が導入を目指していた炭素税については、もうGX経済移行債の財源としての投入を目指すということはもう諦めているということでよろしいのでしょうか。
(大臣)現在議論されています炭素に対する賦課金の話だと思いますが、確かに賦課金というのは税制上の措置ではないというふうに承知しておりますが、炭素排出に応じた一律のカーボンプライシングであるというふうに考えています。環境省としては、社会全体に対して効果的、そして効率的に、脱炭素に向けた行動変容を促してまいりたい、そして脱炭素と経済成長の同時達成に資する制度とすることが重要だというふうに考えております。政府全体の議論も、こうした方向で着実に進んでいるというふうに理解しています。
(記者)考えはよく分かったのですが、私の質問は炭素税の導入はもう現時点では諦めたのですか、イエスですかノーですかと、それだけなのですが。
(大臣)環境省とすれば炭素税という言葉を以前使っていたというふうに承知しておりますけれども、炭素税というのにこだわらず、社会変容をしっかり行っていく上で、よりよい方向のものであれば、というふうに考えています。だから御指摘の炭素税というものにこだわるものではないということです。
(記者)分かりました。ありがとうございます。では、税と賦課金の何が違うのかということになってくると思うのですが、大きな違いとして税は国会審議を通しますよね。賦課金は基本的には通さないということで、経産省の所轄になると思うのですが、脱炭素の移行に必要な規模を総理が20兆円とも言われるとおっしゃっていましたけども、この手法で20兆円の規模というのが確保できるのかということであるとか、あるいは経産省に任せるような形の賦課金の在り方で大丈夫なのだろうかというそういった疑念が省内からも聞こえてくるのですけど、その点について大臣のお考え、いかがでしょうか。
(大臣)環境省とすれば、今経産省とも話をしながら、これは経産省単独で制度設計ということではなくて、しっかり環境省とも連携しながら進めてまいりたいというふうに話をしているところです。
(記者)20兆円は確保できそうですか。
(大臣)できるように今制度設計をやっているところです。
 

会見動画は以下にございます。
https://youtu.be/scUTXWE93WY
 
(以上)