大臣談話・大臣記者会見要旨

西村環境大臣COP27期間中ぶら下がり会見録 (令和4年11月14日(月) 9:30~9:37(現地時間) 於:COP27会場)

1.発言要旨

 皆さん、遠くまでお疲れさまです。大変御苦労されている中、しっかりお伝えさせていただいて、日本の意思をしっかり伝えると同時に、交渉の状況を報道いただければと思います。
 これまで事務レベルにおいて折衝を重ねてきておりますけれども、当初予想したとおり、大変厳しい交渉状況になっています。しかしながら、この気候変動という大きな課題に関しましては、先進国、途上国そしてまた国際情勢問わず、しっかりと解決していかなければならない大きな課題であります。この課題解決のためには、排出削減、この部分を特にしっかりと交渉していきたい。今回COP27において取りまとめる緩和作業計画、これに実効性と野心の高い形をしっかりと盛り込んで採択する。そしてまたCOPのカバー決定においても、排出削減の重要性、これをしっかり盛り込んでいかなければならないというふうに思っています。
 今回の交渉の中で、日本政府として取り組むべきステートメントをしっかりと発出し、また閣僚級会合、またバイの会談、約21か国を予定していますけれども、こうした中でしっかりと交渉を進めて、現在の先進国、途上国、そういった枠組みを超えた次世代への責任というものをしっかり各国に問いかけて、そして、いい形に取りまとめをしてまいりたい、そういうふうに思っています。

2.質疑応答

(記者)朝日新聞の関根です。今、言及のありました排出削減に関してですが、主要排出国、メジャーエミッターズの排出削減の責任、これについては成果文書に言及されるべきだということで交渉に臨まれるお考えでしょうか。
(大臣)排出削減、気候変動、これを進めていくためには、今お話のあった主要排出国の排出削減というのは非常に重要になってくると思います。特に中国、インドとは直接バイの会談をして、その中で、先ほど申したような次世代への責任、そして現在の気候変動の対応、足下の対応、こういったものをしっかり粘り強く交渉して成果を上げていきたいと思っています。
(記者)あともう1つ、ロスダメの資金支援ですね。これを求める声が途上国側から強く上がっていますが、資金支援についてはどういったお考えで臨まれるおつもりでしょうか。
(大臣)今回、ロス&ダメージの資金に関して、テーマの1つに立ち上がっているというふうに承知しております。今やっぱりロス&ダメージをしっかりと抑えていくためには、先ほど言った主要排出国が排出削減をやっていただくというのが大変重要だと思っておりますし、また、我が国においては、様々な災害を経験していますので、そうした中で得た知見や経験、技術といったものがあります。こうしたものを活かしながら防災、減災、そして人道支援といった、こういった様々なスキームにおいて、まずはそういった技術的な支援をしっかりとやっていくべきだろうというふうに思っています。
 
(記者)NHKの安藤です。2点お伺いします。本日から閣僚級会合ということで、改めてになるのですが、閣僚級会合では日本として特にどういったことを主張したいか教えていただきたいです。
(大臣)先ほど申し上げたように、我が国とすれば、今回のCOP27のカバー決定、これに排出削減の重要性というのをしっかり盛り込みたい。そして、取りまとめる緩和作業計画の中で、野心と実効性の高いもの、こういったものをしっかりと組み込んだ形で採択したい、そういうふうに考えています。
(記者)もう1点目、今も言及がありました緩和作業計画ですが、交渉での焦点の1つとなっていますけれども、日本としては、緩和作業計画をどういった形にしたいかというのを教えていただけますでしょうか。
(大臣)繰り返しになりますけれども、まずもって、排出削減に対して野心と実効性の高い形、この形をしっかりと盛り込んでいくと同時に、やっぱりPDCAサイクル、これをしっかりと回していくこと、そしてまた、全体の規模を拡大していくこと、そして、そういった進捗状況、これがしっかり確認できるようなシステム、こういったものを盛り込んでいきたいと思っています。
 
(記者)読売新聞の中川です。各国がエネルギー不安を抱える中でのCOPということになると思いますけれども、その点を踏まえて、どういった議論や、どういった成果を望まれるか、改めてお聞かせいただけますか。
(大臣)国際情勢、様々ありますけれども、ただ気候変動、排出削減によって温暖化対策をしっかりやるという、こういった合意は揺るぎがないものだというふうに思っています。この揺るぎのない合意というものをベースに、今回の交渉、冒頭申し上げたような厳しい交渉になると思いますけれども、その揺るぎない合意をベースにやってまいりたいと思っています。
 
(記者)共同通信の井口です。今日のラウンドテーブル、これはどういうことを主張していかれる御予定でしょうか。
(大臣)今申し上げたように、今回、全体のカバー決定にて、しっかり排出削減を盛り込んでいき、そしてまた緩和作業計画、こういったものを、野心、実効性の高い形、そしてその中身についても、今申し上げたPDCAサイクルを回していったり、規模を拡大していったり、そして併せてその進捗が確認できるような、そういったシステムを盛り込んだらどうかということを含めて、今日から交渉を進めてまいりたいと思っています。
 
(記者)産経新聞の佐藤と申しますが、首相が今回、首脳級会合に来なかった経緯を改めて説明をしていただきたいのと、そのことは来年のG7の議長国として的確な判断であったというふうに思われているかどうか、御説明いただきたいです。
(大臣)岸田総理は最後まで、このCOP27に対して、非常に、出席を含めて検討を進めていました。岸田総理とも、出発前もお話ししましたけども、この気候変動、これをしっかり解決しなければいけないという意思は、総理は非常に強いものをお持ちになっておられます。ただ今回は、外交日程含めて様々な用件の中で出席がかなわなかったわけでございますけれども、ただ、私自身が日本政府としてのステートメントをしっかりと発出すると同時に、その交渉の結果等々についての御報告は、しっかり総理へ直接やらせていただいて、その辺は綿密に連携を取りながら、来年のG7議長国への活動に向けて、抜かりないようにやっていきたいというふうに思っています。
 
(以上)