大臣談話・大臣記者会見要旨

西村大臣閣議後記者会見録 (令和4年11月8日(火) 09:31~09:43  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 まず冒頭、私のほうから1件、令和4年度の原子力総合防災訓練の実施結果について御報告をさせていただきたいと思います。
 11月4日金曜日から6日日曜日にかけて、福井県の美浜地域を対象に原子力総合防災訓練を実施いたしました。今回の訓練を通じて、国や地方公共団体、原子力事業者、それぞれにおける防災体制、そして原子力緊急事態における中央と現地の連携といったものを確認することができました。また、県内外への広域的な避難等も行うことができましたので、大変意義のある訓練だったというふうに考えております。今回の訓練で得られた教訓事項、これをしっかりと整理して、今後とも関係自治体とともに、美浜地域を含む各地域の原子力防災体制の更なる充実・強化に取り組んでまいります。一緒に原子力総合防災訓練を実施しました、福井県、滋賀県、岐阜県を始めとする関係地方公共団体や訓練に御参加いただいた住民の皆様方、また原子力事業者や警察、消防、海上保安庁、自衛隊を含む関係省庁、さらに、御協力いただいた関係機関に感謝を申し上げたいというふうに思っております。引き続き、緊密な連携を行ってまいりたいというふうに考えています。冒頭は以上です。

2.質疑応答

(記者)幹事社の日経新聞の岩井です。おはようございます。6日に開幕しましたCOP27についてお伺いします。COP27では、気候変動による損失と被害、いわゆるロス&ダメージについて議論する方向性が明確になっています。途上国は、気候変動を引き起こした先進国に対して、避けられない損失と被害に対する補償を求めています。先進国は重い負担につながりかねないとして否定的だと伝えられていますが、日本政府としてはどういったスタンスで議論に臨みますでしょうか。お願いします。
(大臣)気候変動が国際的に懸念されている、この中において、ロス&ダメージというのは、先進国・途上国を問わず、非常に世界的な課題であるというふうに認識しています。また、特に島嶼国においては、気候変動の影響に非常に脆弱な国々でございます。そうした気候変動に脆弱な途上国の国々にとりましては、非常に深刻な状況であるというふうに考えています。このロス&ダメージ対策には、人材育成や早期警戒システム整備といった事前の備えから被災後の支援まで、包括的な支援といったものが必要です。COP27では、我が国が持っている経験、そして技術を活かして、国際社会が一丸となって支援が進むような取組を働きかけてまいりたいというふうに思っています。特に、我が国は、国連の早期警戒システムに関するイニシアティブ、これに呼応して、新たに日本の有志企業との連携の下に、アジア太平洋地域における早期警戒システムの導入、これを進めてまいりたいと考えています。こうした取組は、途上国のロス&ダメージ対策へ貢献となるだけではなくて、アジア太平洋地域に展開しようとしている我が国企業のビジネスへの支援にもつながっていくことと考えています。
 
(記者)読売新聞の中根です。よろしくお願いします。COP27関連ですけれども、COP27の開幕日に世界気象機関が世界平均気温を発表しまして、産業革命前から1.15度上昇しているということで、警鐘を鳴らしました。今まで1.1度上昇とされていたのですけど、さらに上がった形で、1.5度の目標まであと0.35度しかない状況です。大臣はこの発表についてどのように感じられましたか。
(大臣)そのような報道については、しっかりと受け止めていかなければならないと思っています。この1.5度目標を下回って気候変動対応する対策というのが、先ほども申し上げたように先進国、途上国を問わず、世界共通の非常に大きな課題です。これに対して各国が一致して取り組んでいく。様々な国際情勢がありますけれども、そうしたものを乗り越えて、一致協力しなければならない。そのための会議が今回のCOP27だというふうに考えておりますので、国会の情勢が許せば、私も出席して、そうした意見の取りまとめ、もう既に始まっておりますけれど、序盤から様々な意見、議論が出ているというふうに聞いております。しっかりそれが前へ進むように、私も出席できましたら、その議論の進展に力を尽くしたいというふうに思っています。
(記者)話題かわりまして、西村大臣の地元の宮城県名取市で、先々週の土曜日に民間企業などによるごみ拾いのイベントが開かれまして、こういった形で、地道な環境活動が地元で行われることについては、どのように感じていらっしゃいますか。
(大臣)ちょうど、横浜を中心に全国でやった海ごみゼロのイベントもございました。それに私も参加いたしましたし、また今御指摘あった名取市においては、海ごみではないですけど、ごみを拾うと。小学生が発案して、皆さんがそれに共鳴して、一緒に活動しているというふうに聞いております。しっかりそういった活動が、輪が広がっていくように、これからもそういった発信をすると同時に、できる中で、支援対策をしっかり構築していきたいというふうに思います。
 
(記者)テレビ朝日の川﨑です。よろしくお願いいたします。昨日、会計検査院から2021年度の決算検査報告が出ましたけれども、環境省は環境調査研修所の研修等、指摘がありました。これに関して大臣はどう受け止めているか、また今後どう改善する方針か教えてください。
(大臣)今、御指摘があったように、会計検査院から令和3年度の決算検査報告において、環境調査研修所の管理・運営業務、廃棄物処理施設の整備に係る交付金等、こういったものに関して、8件の不適切な会計処理があったという御指摘をいただきました。政府全体として273件の御指摘の中でありましたけれども、誠に遺憾であるというふうに思っております。指摘を踏まえて、国庫への返還等も事業主体等に要求するとともに、再発防止のために環境省職員、また地方公共団体等への会計ルールの周知徹底に努めてまいりたいというふうに考えています。環境調査研修所の管理・運営業務に関する契約事務につきましては、研修業務縮小の実態を踏まえた減額措置がされていないという御指摘でございました。現在この返金等につきましては、対応策については、関係者と協議を進めているところでございまして、ともかく、今後このようなことが起きないように、しっかりと再発防止に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
(記者)研修が全く行われておらず、使われてないということだったのですが、ほかに有効利用するとか、そういったことは考えていますか。
(大臣)こういった研修施設というものは活用することに意義があると思いますが、御承知のように、コロナ等々の状況の中で、うまく活用することができなかったのではないかと思っておりますが、今後そういったものを踏まえて、しっかりと検討してまいりたいと思います。
(記者)すいません、追加でもう1点ですけれども、旧統一教会の関連ですが、1989年、大分前ですけれども、旧統一教会の創始者の文鮮明氏が、自民党の安倍派を中心に関係を強化するように信者に説いていた、というふうな発言の記録が出てきました。大臣も安倍派に所属する国会議員として、このところについてはどう考えていらっしゃいますでしょうか。
(大臣)その報道自体、私は承知しておりませんけれども、他団体の中での発言だと思いますので、私のほうからコメントすることはございません。
(記者)別件ですけれども、先ほども触れられていたCOP27に関してですが、前の会見で総理が参加されることを期待されているような発言もあったと思うのですけれども、今時点で、リーダーズサミットが行われている中で、総理が今のところ出られていないですけれども、その予定と、そのことについての受け止めを聞かせてください。
(大臣)岸田総理は、国内外の外交日程を始めとする諸般の事情を踏まえて、今回のCOP27には参加しないというふうに承知しております。しかしながら、我が国におきましても、気候変動問題について、世界全体で取り組むべき重要課題であるというふうに認識しております。私も、このCOP27に出席することがかないましたら、当然、世界全体の脱炭素化の実行に向けたステートメントをしっかりと行うと同時に、現地の状況につきましては、岸田総理に直接御報告をしていきたいというふうに思っています。
(記者)以前の閣議後会見の中で、COP27を前に若者の方から意見を聞く機会を検討したいというような発言もありました。もう目の前に迫っていますが、その機会というのはあるのでしょうか。
(大臣)その方向に向けて、今、現地においても調整してもらっています。
 
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=5kDrWANMcoc&list=PL9Gx55DGS7x6EKIxL2xudMsVk4iNBVPnE 
 
(以上)