大臣談話・大臣記者会見要旨

西村大臣閣議後記者会見録 (令和4年10月3日(月)10:32~10:43  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日、私からは1点冒頭にお話をさせていただきたいと思います。
 インガー・アンダーセンUNEP事務局長の表敬訪問の件につきまして、お話をさせていただきます。明日、インガー・アンダーセン国連環境計画(UNEP)の事務局長との会談を行います。また、会談に引き続いて、事務レベルで日UNEP政策対話を実施いたします。UNEPとは、これまでも様々な環境分野で協力をしてきておりますけれども、今回、特に地球規模の課題として大変関心が高まっております、プラスチック汚染問題について、意見交換をする予定であります。UNEPは、本年11月から始まる、プラスチック汚染に係る国際交渉の事務局を担っていただいております。この交渉は、2024年末までの妥結を目指しておりますけれども、我が国は大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの提唱国といたしまして、これに積極的に貢献してまいりたいと考えています。今回のUNEP事務局長との会談では、今後の国際交渉の進展に向けての意見交換をしたいというふうに考えております。 冒頭は以上です。

2.質疑応答

(記者)幹事社、産経新聞の西村です。幹事社から1点、今回のUNEPのアンダーセン事務局長と会談するに当たって、関連して伺いたいと思います。国連環境総会で、海洋プラスチック汚染に関する条約づくり交渉を進めているといった発言もありましたけれども、結構各国で主張をしている立場はいろいろと異なっているという話も伺っています。今回、アンダーセン事務局長と会談するに当たって、現在の政府間交渉委員会において、日本側としてはどのような主張をしていこうと考えておりますか。大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
(大臣)今、お話があったような海洋プラスチック汚染対策に関する条約につきましては、プラスチックの大量消費国や排出国、こうしたものをできるだけ多く含んだ、多くの国が参加する実行的な枠組みというものをつくりあげることが、何より重要だというふうに考えておりまして、本年11月から始まる条約交渉でもこの点をしっかり主張してまいりたいというふうに考えております。また、アンダーセン事務局長に対しましては、円滑な交渉に万全を期していただきたいということ、また我が国がUNEP事務局と連携して、積極的に議論に貢献するということをお話しさせていただきたいというふうに考えています。
 
(記者)時事通信の真島と申します。週末の佐渡の視察に関してお伺いしたいのですが、トキの件でも、脱炭素の件でも重要な土地だと思いますが、ご感想をお聞かせください。
(大臣)昨日、一昨日と佐渡のほうに出張してまいりました。佐渡市というのは、前回の会見のときにもお話しさせていただきましたけれども、第1回の脱炭素先行地域の1つとして、本年4月に選定させていただいた地域でございます。今回、再生可能エネルギーを導入する佐渡市役所の本庁舎、また支所に関しましても視察をさせていただきました。これからこういうふうにしていきたいと、そういった市長の熱い思いというのをお聞きすると同時に、非常に先を見据えた再生可能エネルギーの整備ということを考えているなということを感じたわけでございます。特に、電気自動車を市役所に整備して、また土日はそれを観光等々に使えるというような形で、まさに電気自動車のカーシェアリングというものを推し進めている。脱炭素というものと観光振興、この2つを両立させたいというお話を伺ってきたところでございます。また、エネルギーを含めて、佐渡産の原材料100%という形で日本酒製造を目指す酒蔵のほうも視察してまいりました。こういった役所、官だけではなくて、民の皆様も非常に、脱炭素につなげることによって、そのブランドをしっかり高めていきたいというような思いをお聞きすると同時に、非常にそういった取組に関して心強く感じたところでございます。また、トキに関しましては、現在保護や増殖活動によって野生下においても480羽前後、またトキ保護センターを含めると、650前後のトキが今飼育されていると、野生下においても繁殖しているという状況でございました。野生のトキが見られるかなと思っておりましたら、非常にちょうどいい時間だったのか、トキが数羽、集団で、木のところに休みに来ている状況も見させていただきましたし、また田んぼのあぜ道でトキが数羽、餌をついばんでいる様子も見ることができました。そういったトキが木にとまっているだけではなくて、農道なんかで餌をついばめるということは、やはりその地域の皆さん方が農薬などを使用せずに、できるだけ自然に近い形での農業、そしてまた地域づくりをやっていただいているおかげであろうということで、まさに官民一体となってそういった保護、そして守っていこうという意識の高まりというのを感じたところでございます。そういった水田の管理等々の工夫は、市長のほうからもお話を聞きましたけれども、当初はそういったことに取り組むということの大変さということをお話しされる方もいらっしゃったようですけれども、実際そういったことにみんなで取り組んでいくことによって、トキが自分の田んぼ、地域に根づいていっているという姿を見て非常に今は、更にトキをみんなで守っていこう、育てていこうという思いが強くなったというようなお話もいただきました。そうした地域住民の皆さんの御理解、御協力というのに感謝すると同時に、これからも環境省としては、そういった皆さんと連携しながらこういった活動を続けていきたいなというふうに感じております。また、トキに関しましては、今、佐渡のみですので、本州、石川県の能登半島や島根県の出雲市などを中心に、放鳥定着を目指すこととしておりますけれども、こういった点に関しまして、是非これまでの佐渡における知見や経験を活かして御協力いただきたいと、渡辺佐渡市長にお願いしたところでございます。これまでの会見で、いろいろな場面でお話しさせていただいておりますけれども、環境を守るということは、やっぱり一人一人、そして企業においても一社一社それぞれが高い意識を持って取り組んでいくということを改めて感じたところでございます。
 
(記者)テレビ朝日の川﨑です。総理が8月に示した原子力政策の検討について、9月22日に、経産省の原子力小委員会で原発の運転期間の延長などの議論が始まったということですが、規制庁の山中委員長が今週にも規制委に、エネ庁の担当者を呼んで方向性の説明を求めるということをおっしゃっていたんですけれども、このことについての受け止め、何かあればお願いします。
(大臣)今お話があったように原子力規制委員会において、原子力発電所の運転期間の延長など、原子力利用政策の観点からの対応方針につきまして、資源エネルギー庁に説明を求める旨の発言があったということは承知しております。過去の発言の繰り返しにはなりますけれども、環境省としては原子力規制委員会がしっかりと透明性を確保した上で対応されるというふうに承知しておりますので、原子力規制委員会がしっかりとその職務に励めるように、安全第一を旨としてサポートしてまいりたいというふうに考えています。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=1rHwR-RNiKM&list=PL9Gx55DGS7x6EKIxL2xudMsVk4iNBVPnE 

(以上)