大臣談話・大臣記者会見要旨

西村環境大臣の生物多様性に関する中国主催閣僚級ラウンドテーブルにおけるビデオメッセージ

○ 日本国環境大臣の西村明宏です。 

○ 本年12月に開催予定のCOP15第2部に向けて、このような時宜を得たイベントを主催された中国の黄・生態環境部長をはじめとする皆さまの御尽力に感謝いたします。
 
○ 生物多様性の損失は、気候変動と並ぶ重要な地球規模の課題です。我々はまさに今、生物多様性の損失をくい止め回復させることに取り組まなければなりません。
 
○ 新たな世界目標である「ポスト2020生物多様性枠組」は、その取組の道標となるものであり、これを採択することはCOP15での最優先事項です。
 
○ ポスト2020枠組に位置づけるべき要素は、特に3点あると考えています。
 
○ 1点目は、2030年までに陸と海の30%以上を保護・保全する30by30目標です。日本では関係省庁とともに、30by30ロードマップを策定し、既に国内での達成に向けて取り組んでおります。

○ 2点目は、自然を活用した解決策の推進です。これは、自然を気候変動対策や防災などの他の社会課題の解決にも役立てるものであるため、費用対効果に優れた取組です。

○ 3点目は、生物多様性とビジネスの関係強化です。社会変革には企業の役割が不可欠です。そのため、企業によるサプライチェーンにおける生物多様性への負荷を削減する数値目標の設定と、取組状況の情報開示等の要素をポスト枠組に盛り込み、ESG投資や企業のネイチャーポジティブな活動を促していく必要があります。
 
○ また、各国の取組の実施に向けた資源の動員も議論されています。
 
○ 日本は生物多様性条約COP10の議長国として、2010年に総額50億円の生物多様性日本基金を設立しました。さらに増資して、総額1700万ドル規模での生物多様性日本基金に対する支援を昨年表明し、各国の計画策定等を迅速に支援していく考えです。また、地球環境ファシリティ第8次増資においては、生物多様性分野を含む環境条約の実施に向け、世界第2位となる6億3,800万ドルの拠出を表明しております。
 
○ これらを通じて、途上国によるポスト2020枠組の実施も力強く支援していく所存です。各国にも、その実施に向けた支援を表明されることを期待いたします。
 
○ 日本はCOP10議長国として愛知目標をまとめた経験を生かして、COP15における新たな枠組の採択に貢献したいと考えております。
 
○ 御静聴ありがとうございました。
 
令和4年9月26日