大臣談話・大臣記者会見要旨

西村大臣閣議後記者会見録 (令和4年9月26日(月)11:06~11:24  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私のほうからは、本日、1点についてお話をさせていただきたいと思います。
 23日から25日、昨日までにかけまして、小笠原のほうに出張いたしました。世界自然遺産及び国立公園の保全管理の最前線の状況を視察してまいりました。今年の12月に開催予定のCOP15第二部におきまして、ポスト2020生物多様性枠組の採択が見込まれております。この出張は、それに先立ちまして、我が国の傑出した自然遺産である小笠原、これの保全の取組を視察するということが主な目的でございました。今回、現場に足を運ぶことで、小笠原の生態系の価値というものを改めて感じると同時に、国立公園管理の大変さ、また、希少種の保全対策、外来種対策といった、非常に大変なことに対して、保全のために地道な努力を続けていっているということの重要性を改めて認識したところでございます。また、小笠原村の渋谷村長らとの意見交換を行いました。かなり突っ込んで、様々な御意見をいただきました。小笠原の保全管理に対する、これまで、地元の皆様がまさに小笠原の自然を守ろうという、そういった全体的な理解、そしてそれに対する大いなる貢献といったものを、実際に感じたところでございます。やはり自然というものを、頭で守ろうという以上に、我々がこの自然を守っていかなきゃならないといった、そういった、心の中からそういったものをお持ちいただいているということの、熱い思いというのを感じましたし、我々としても、できることをしっかりサポートしてまいりたいというふうに考えております。小笠原の類いまれな生態系の価値、これを将来に引き継いでいくために、環境省としても、小笠原の皆様と連携しながら、引き続き全力でこの保全の取組を進めてまいりたいというふうに考えております。また、世界の生物多様性保全に向けて効果的な国際合意が得られるように、COP15第二部に向けて臨んでまいりたいというふうに感じております。冒頭は以上でございます。
 

2.質疑応答

(記者)幹事社、産経新聞の西村と申します。幹事社から1点伺います。本日付けで原子力規制委員会の新委員長に山中伸介さんが就任される予定になっております。大臣が山中さんに抱かれている印象、また新委員長に期待されることがあれば御所見をお願いいたします。
(大臣)御指摘のように、本日の午後、皇居において山中新委員長の認証式が行われます。私もこれに出席いたしますけれども、山中新委員長というのは平成29年の9月に原子力規制委員に御就任いただきました。そして、新規制基準への適合性審査や、検査制度の見直しに関する検討チームを指揮するなど、委員として非常に経験を積んでいただいたというふうに承知しているところでございます。委員長として適任であるというふうに考えておりますし、新たな体制においてスムーズに組織運営を担っていただけるものというふうに考えております。原子力規制委員会においては、引き続き、独立した立場において、厳格にその安全性の規制が行われることを期待しております。環境大臣としては、ともかく安全性を最優先ということでございまして、必要に応じて原子力規制委員会の予算面、体制面におけるサポートを続けてまいりたいというふうに考えています。
 
(記者)テレビ朝日の川﨑です。今の質問に関連してなんですけれども、山中さん、新委員長の山中さんにどういったことを望まれるか、いただければと思います。
(大臣)今申し上げましたように、これまでの経験をいかして、引き続き安全性、安全面を第一と考えた規制委員会の運営を心がけていただきたいというふうに思っております。ともかくも、我々環境省、そして原子力規制委員会とすれば、原子力の安全性を第一ということでございますので、この安全性第一という立場で新たな体制を率いていっていただきたいというふうに考えています。
(記者)一部では、再稼働に関して「早い決断を」というようなところが言われているところもありますが、そういったことに関してはどう思われるでしょうか。
(大臣)審査に関する効率化のお話だというふうに思いますけれども、事業者との間で審査上の論点を共有するなど、様々継続的な改善に関する取組もこれまでも実施されてきておりますけれども、今後もそういったものを継続して、しっかりとした取組をやっていただきたいというふうに考えています。
(記者)ありがとうございます。あと、冒頭にあった小笠原の件ですけれども、外来種のグリーンアノールという、トカゲみたいなものがたくさんいて、地元の方もとても苦労されているというふうに聞いているのですが、大臣は実際に見られたりはしたんでしょうか。
(大臣)実際に行って、生きたグリーンアノールを見てきました。昔、子供の頃に見たトカゲぐらいの大きさでございまして、まあ、これぐらいかな。緑色で、見た目にはグリーンで、美しい色でございますけれども、ただ、これが希少な昆虫や生物を捕食してしまうということで、小笠原の中における生物多様性、これが崩壊してしまわないように、グリーンアノールは駆除していかなければならないということで、特に防御ネット等々を張り巡らしておりますけれども、台風等々でそれが倒れたり、また、どういった理由か、その防御ネットを越えていることが確認されている部分もありますので、今、地元にいる環境省のレンジャーや東京都のレンジャーの皆様を含めて、その駆除に向けた、また防御に向けた取組を進めているのを視察してまいりました。
(記者)特にその点、新たな支援ですとか、そういったことを今回行かれて決めたりというようなことはないですか。
(大臣)特にグリーンアノールに限定して予算をというよりも、小笠原全体として、グリーンアノール対策もありますけれども、その他、ノヤギとかノネコの対策といったものもございまして、希少な、動物だけじゃなくて植物も、ノヤギ等々によって食べられて、絶滅に向かっているものもございますので、こういった全体のものに関してしっかりとサポートしてまいりたいというふうに思っています。
(記者)すみません、もう一点ですが、明日、安倍元総理の国葬儀が行われますけれども、大臣になられたとき、議員事務所で安倍元総理との写真もありましたが、大臣、明日の国葬はどのように迎えるおつもりか、また、各社の世論調査だと反対の声も大変多いわけですけれども、この件についてはどうお考えか、2点伺わせてください。
(大臣)まず、我が国の憲政史上最も長く総理という立場でこの国を率いていただいた安倍元総理に対して、心から御冥福、泉下のご平安というものをお祈り申し上げたいというふうに考えております。私は、明日は葬儀委員として、閣僚として葬儀委員でございますので、葬儀委員として参列する予定でございます。また、先般の記者会見でも申し上げましたように、環境省とすれば、明日は弔旗を掲げて、一定の時間に、黙とうの機会を設けたいというふうに思っております。
(記者)世論調査等で反対の声が多いという点に関してはどうですか。
(大臣)国葬に関して、その予算等々の報道もなされておりますので、そういったものも含めて、国民の皆さんの間でいろいろな賛否があるのは承知しております。ただ、今回そういった安倍元総理のこれまでの御貢献、そしてまた海外からの大きな評価を受けて政府として国葬ということを決定したわけでございますので、整然と安倍元総理を国葬としてお送りしたいというふうに考えています。また、この予算等々についての様々な御意見については丁寧に説明をしていかなければならないというふうに思っています。
 
(記者)環境新聞の小峰です。2点伺わせていただきます。1点は、先日の小笠原視察ですけれども、大臣は御存じだと思いますけれども、2014年に、今から8年前に、中国の漁船が、小笠原諸島の父島の人口よりも多いぐらい押し寄せた日もあります。赤サンゴと言われる宝石サンゴを大量に密漁し、小笠原諸島沖合の海底の自然をめちゃくちゃにした。この事件をどう考えていますか。そしてその後、外国人漁業規制法の改正などもあって、密漁対策が強化されたこともありますが、一方で環境省は、自然環境保全法を改正して、沖合海底自然環境保全地域を指定して、そういう地域制度を設けて、その第1号に、小笠原諸島、硫黄島を指定しています。この小笠原諸島赤サンゴ密漁事件、中国による密漁事件と、その後の環境行政との関係について、御所見をお聞かせください。
(大臣)御指摘の中国船による赤サンゴの密漁、これは報道も随分されましたし、今回現地にいった中で、その船が沖合ぎっしりと並んでいる写真も見せていただきました。今は来なくなったようでございますけれども、これは自然環境を守るというのみならず、我が国の領土・領海といった観点もございます。今回は海上保安庁の小笠原海上保安署のほうにも伺いました。その中で、ちょうど私も国土交通副大臣、また、内閣官房副長官をやっていたときに、そういった小笠原の安全保障、そしてまた環境を守る、中国船を排除する意味において、今回は「みかづき」という船を、これまでは「さざんくろす」という小型艇しかなかったのですけれども、その船を今年になって就航させております。その船も視察いたしました。こういった形で、環境大臣とすれば、ともかく小笠原の自然がしっかりと守られるようにサポートしてまいりたいと思っておりますし、政府とすれば、我が国の領海を含めて、しっかりその安全性を守るために、海上保安庁、海上自衛隊といった皆さんが活躍されているというふうに承知しております。
(記者)2点目で申し訳ないですけれども、先ほど国葬の話がありました。国葬とは直接関係ないんですが、私が見かけたところによると、先々週の14日水曜日お昼頃に、前々環境大臣の小泉進次郎さんが大臣室のほうにですね、車寄せで見かけたもので、ああ、これは大臣室に行くんだなと思いまして、見かけていました。お昼頃になって、長かったんですけれども、どんな話をされたのか、そして食事は一緒にされたんでしょうか。この辺ちょっとお聞かせ願いたいのですが。
(大臣)大変観察眼の鋭いということで、確かに小泉元大臣がお越しになられて、お昼1時間ちょっと、一緒でした。食事のほうを一緒に取りましたけれども、皆様が行かれているであろう上のレストランから、ヴィーガンの、当日はヴィーガン麻婆豆腐でしたけれども、これを一緒に食べました。話自体はですね、これまで環境大臣として小泉元大臣がやってこられたような話、そしてまた、今、国対副委員長に就任されたということで、国対回しの話、私も官房副長官をやっておりましたので、国対をどういうふうにやればいいのかとか、そういったものを含めていろんな話をさせていただいたところです。
(記者)ありがとうございます。ここの記者だったら、また環境省の人だったら、関係している人は皆、「龍幸」という26階の中華料理店がおいしいのは皆さん存じ上げています。霞が関一、二を争うんじゃないかなというぐらいの。そこで今、大臣、ヴィーガンとおっしゃいましたけど、あそこは中華料理だから、なかなかヴィーガンって難しいんですよね。私もその後ちょっと取材で調べてみましたら、厳密にはヴィーガンと言わないで、プラントベースフードといってですね、植物由来の原材料を使ったもので、それの麻婆豆腐だったんですね。何か国葬を前にしてですね、お二人が何か精進料理を食べたような、というふうな気もするんですけど、いかがでしょうか。
(大臣)安倍元総理の精進料理という話ではございません。元環境大臣と現環境大臣が食事をするに当たって、たまたまこれがいいのではないかということでございます。
 
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=VEyBfImd5Jw&list=PL9Gx55DGS7x6EKIxL2xudMsVk4iNBVPnE
 
(以上)