大臣談話・大臣記者会見要旨

浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和7年6月6日(金)9:15~9:25 於:環境省第一会議室)

1.質疑応答

本日の閣議において、2件を決定いたしました。
 1つ目は、「令和7年版 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」であります。今年度のテーマは「「新たな成長」を導く持続可能な生産と消費を実現するグリーンな経済システムの構築」であります。現下の複合する環境危機を克服し、環境のもたらす恵みを将来世代まで引き継いでいくためには、炭素中立、循環経済、自然再興を統合的に達成する経済システムの実現が不可欠であります。今回の白書では、それに向けた、最新の政策動向や人工光合成を始めとする先端技術の事例等について紹介しています。本白書の公表を契機に、国民、地方公共団体、事業者、NPO・NGO等の団体、関係府省とより一層連携して、政策間の統合・シナジーを図るとともに、気候変動、生物多様性の損失、汚染という3つの世界的危機に対応しながら、将来世代を含む豊かな暮らしの実現やウェルビーイングの向上に繋げてまいります。
 2つ目は、「令和6年度原子力規制委員会年次報告書」であります。内容等の詳細については、原子力規制庁にお尋ねください。今後、法律に基づき、それぞれ、国会に報告してまいります。
 私からは以上であります。

2.質疑応答

(記者)幹事社の産経新聞、宮崎から質問させていただきます。
家庭教師のトライを運営するトライグループがオンライン教材に水俣病を「遺伝する」と誤表記した問題につきまして、環境省から関係5自治体が、トライ側に再発防止策の報告を文書で求められたと思います。これに関してトライ側からの1週間以内とする報告期限が5日までだったと思います。これに関してトライ側からは報告があったのか、もしあったのであれば、どういった内容だったのか、その詳細と、大臣の受け止めをお聞かせください。お願いします。
(大臣)トライグループから環境省への報告書については、昨日、その記載内容に関して、事務方に相談がありましたが、5月29日に実施したヒアリングにおいて指摘したことが十分反映されていなかったことから、再考を促していると聞いており、本日中に提出があるものと認識しております。その内容を含めて、公表を含む報告書の取扱いについては、まずは報告書を受け取ってからのことと考えております。
 
(記者)読売新聞の鬼頭です。よろしくお願いします。
トランプ政権の気候変動対策の関連で質問します。国立環境研究所と米海洋大気局が今週締結予定だった大気観測研究での連携に関する合意文書について、締結できずにいる状況となっていると弊紙で今週火曜日に報じました。環境省として、気候変動研究に取り組む国内研究者を今後どのようにサポートしていくのかというお考えと、また米国のNOAAやNASAの研究者を、国立環境研究所などで受け入れる考えがあるかどうかお願いします。
(大臣)国立環境研究所と米国海洋大気庁(NOAA)は、二酸化炭素濃度の共同観測やデータの共有、人材交流を進めるため、研究協力に関する合意文書の締結を予定していたものの、NOAAの担当者の退職に伴い締結には至っていない状況であることは承知しております。気候変動研究に取り組む研究者のサポートについては、環境省では、アジア太平洋地球変動研究ネットワークへの支援を通じて、アジア太平洋地域の各国とともに気候変動に関する国内外の研究者による共同研究を促進しております。また、米国の気候変動問題に関わる研究者の受け入れについては、今のところ、国立環境研究所に対して具体的な要請などはないと聞いております。さらに、米国への気候変動対策の重要性の呼びかけについては、世界の気候変動対策への米国の関与は引き続き重要であり、今後、様々な機会で米国との協力について探求してまいりたいと考えております。
 
(記者)岡山県の山陽新聞の阿部と申します。
岡山県吉備中央町で高濃度のPFASが検出された関係の問題でお尋ねします。環境省が7月にも吉備中央町における発生源で濃度の低減を図る実証実験をスタートさせるということを弊社の方でも報道させていただいたんですけれども、改めて吉備中央町の今も沢やダムでPFASが検出され続けている現状の認識と、吉備中央町での実証実験を行うに至った経緯というものを御説明いただけますでしょうか。
(大臣)環境省では、環境中のPFOS等の濃度低減のための効果的な対策技術に関する知見を充実させることを目的として、実証事業を実施しております。実証試験を実施するサイトの決定に当たっては、「技術実証用の試料としての適格性」、「技術実証用の試料の入手のしやすさ」、「対策効果の確認のしやすさ」や、地元の同意や地方自治体の協力が得られるかなどを総合的に勘案して、有識者から構成される運営会議において検討いただいたものと認識しております。岡山県吉備中央町のサイトは、これらの条件を満たしているとされたため、選定に至ったものであります。
(記者)とりわけ濃度が全国的にも高いということも1つ特徴だったのかということと、この4、5月、実施する事業者を公募されたと思いますが、実際どのような業種のメーカー、あと何社ぐらいが手を挙げているのでしょうか。
(大臣)現在、提案内容の審査中であり、応募してきた事業者の具体的な業種についてはお答えすることはできませんが、のべ70を超える応募が、3つのサイトに対してなされています。選定に当たっては、提案内容の有効性、経済効率性、環境への影響や、実証試験の計画性や体制等、様々な観点から、有識者の助言を得て審査を行う予定であります。3つのサイトで実施する実証試験は、岡山県吉備中央町では数件、京都府、熊本県ではそれぞれ1件の採択を予定しております。いずれにしても、様々な地域において不安を抱えておられます皆様の声を真摯に受け止めて、国として必要な技術的助言を行っていきたいと考えております。
(記者)年度末までに最終技術評価をまとめるという計画と思われますが、そこへの大臣の期待感、今公募が来ている状況を見ての期待感と、結果をまとめた後どのようなスケジュール感で、可能であればその浄化というものを行っていく意気込みであるかを教えていただけますでしょうか。
(大臣)まずは現在、提案されているものの審査中でありまして、審査を踏まえて、実証実験をそれぞれ採択されたところに行っていただいて、有意義な結果を出してもらえることを期待したいと考えております。
 
(記者)熊本日日新聞の高宗です。
先ほどトライの件なんですけれども、環境省側からの指摘について十分に反映されていないということだったのですが、もう少し具体的に、例えば発生の経緯が分からないであるとか、再発防止策が不十分であるとか、どういう観点で不十分だったのか教えてもらってよろしいでしょうか。
(大臣)相談にあった内容については事務方において対応したものでありますので、詳細は事務方の方にお問い合わせいただければと思います。
 
(記者)共同通信の鈴木です。
先ほど山陽新聞さんから質問があったPFASの実証実験について、それぞれ熊本、京都でも1件ずつということでした。実証試験について3府県でいつから始めるかというところ、もう1度教えていただければと思います。
(大臣)実際の作業は採択されてからという形になりますので、具体的な日程はこれからということになります。
 
(記者)共同通信の松本です。
トライグループの関係でお伺いします。本日、指摘した部分の報告がある予定だということだったんですけれども、報告が来た段階でその内容について公表されるということになるのか、あと公表された場合に大臣としてのその内容についての受け止めについても発信される御予定があるか、お伺いできればと思います。
(大臣)先ほども申し上げましたが、公表を含む報告書の取り扱いについては、まずは報告書を受け取ってからと考えております。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=_SZa4Y58exk
 
(以上)