大臣談話・大臣記者会見要旨

浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和7年5月30日(金)9:10~9:23 於:環境省第一会議室)

1.発言要旨

おはようございます。冒頭、3件発言いたします。
最初は、リユース促進に向けた懇談会についてであります。今週5月27日に第4回「リユース促進に向けた懇談会」を開催いたしました。この懇談会では、リユース促進の機運を高めるため、これまで計4回に渡り、リユース事業者、地方自治体、関連団体等から、私自身が直接お話を伺ってきたところであります。4回の懇談会で頂いた御意見は、昨年度から開催しております「使用済製品のリユースの促進に係る検討会」にインプットし、検討会で御議論いただいた上で、リユース促進に向けたロードマップの方向性をこの夏に取りまとめる予定であります。
次に、食品ロス削減推進表彰についてであります。本日から令和7年度食品ロス削減推進表彰の募集を、消費者庁と合同で開始します。この表彰は、食品ロスの削減に効果的であり、波及効果が期待できる優れた取組を表彰するものです。本年7月31日まで募集を行い、9月下旬頃に受賞者を決定する予定であります。食品ロスの発生量は、事業者や国民の皆様の御協力により、減少傾向が続いております。この流れを確かなものにするためには、食品ロス削減の取組を更に拡大・定着させる必要があります。全国で様々な取組を進めている皆様の御応募をお待ちしております。
最後に、水俣病の関係で2点ございます。1点目として、明日5月31日に新潟県新潟市において開催される、「新潟水俣病公式確認60年 新潟水俣病の歴史と教訓を伝えるつどい」に参列いたします。新潟水俣病により亡くなられた方々の御冥福を、心を込めてお祈りをしたいと思います。また、式典への参列に併せ、同日、関係団体の皆様との懇談をいたします。懇談においては、しっかりと皆様のお話をうかがいたいと考えております。2点目として、株式会社トライグループのオンライン教材において、水俣病にかかる誤った表現がなされた件について、昨日5月29日に事務方がトライグループの社長らに対して、ヒアリングを行いました。トライグループからは、今回の事態について、会社として深く反省していること、環境省を含む関係者への謝罪、今後の対応をしっかりと行っていく旨の報告がありました。また、今回の件についての謝罪及び訂正を、オンライン教材掲載サイトのトップ画面に掲載したとの報告がありました。環境省からは、トライグループに対して、今回の事態を重く受け止めるように伝えた上で、再発防止策を含めた今後の対応について、環境省への報告を要請しました。環境省としては、関係省庁と連携し、業界団体を通じた情報発信、注意喚起をしっかりと行っていく予定であり、引き続き、関係自治体とも協力して、しっかりと対処してまいります。
私からは以上であります。

2.質疑応答

(記者)おはようございます。産経新聞、織田でございます。
幹事社から、今お話のあった水俣病関連なんですけれども、改めて新潟での会合に出席されるということで、どのような思いを持って臨まれるかということ、またトライグループの件にも関連するのですが、誤情報が出るということは風化ということも進んでいるのかなというふうに見受けますが、そうした局面での情報発信ということ、どのように考えているか、お聞かせください。お願いいたします。
(大臣)今年は新潟水俣病公式確認60年という節目の年と承知しており、新潟水俣病を含む公害の歴史と教訓を後世に伝えていくことは大変重要なことであると考えております。関係団体との懇談も実施することとしており、しっかりと皆様のお話を伺うことができる大変貴重な機会であると考えております。トライグループの件については、こうした事態が発生してしまったことは非常に残念な思いでありますが、先ほど申し上げたとおり、再発防止策を含めた今後の対応について、環境省への報告を要請したところであります。環境省としても、水俣病に対する誤った情報や差別・偏見をなくしていくため、これまでも様々な取組を進めてきたところでありますが、今回の件を受けて、関係省庁、具体的には経済産業省と文部科学省となりますが、と連携し、業界団体を通じた情報発信、注意喚起も行っていく予定であります。引き続き、関係自治体とも協力して、より一層の誤解払拭・差別解消に取り組んでまいりたいと考えております。
 
(記者)朝日新聞の福地です。
先ほどお話があったトライグループの関係で伺います。御報告をトライグループ側から受けるということですが、その期限とか時期というのは何か環境省側から示しているんでしょうか。
(大臣)まず、昨日、この間の経緯については、報告をいただいたところでありますけれども、今後の再発防止策については、先方においてしかるべき対応をした上で報告いただけると承知しております。1週間以内ということです。
(記者)ありがとうございます。それと、先ほどお話があった、経産省・文科省と連携をして業界団体を通じた注意喚起も行っていくということなんですが、それ自体はもうすでに事務連絡といいますか、何かしらの通知のようなことをされたのか、それともこれも今後ということでしたら、いつ頃を目途に注意喚起をなされるご予定でしょうか。
(大臣)まず、塾の業界団体というのがございまして、そこに対しては、可及的速やかに経産省の方から連絡をさせていただくということになろうと思います。文科省とは今様々なやりとりをしているということでございます。
(記者)ありがとうございます。関連で最後1点。昨日、御報告を事務方の方で受けたということで、オンライン教材のトップ画面に関係の謝罪といいますか、今回の件についての何かしらの掲載をしたということなんですけど、改めてちょっとその通知をした内容というのは、おそらく子供たちといいますか、その教材で勉強しておられる方々とか、保護者向けなのかなと思いますが、そのあたりの具体的な内容を把握されていましたらお願いします。
(大臣)まず、これは今でもそのまま見れると思いますが、「映像授業サービス「Try IT(トライイット)」における不正確な表現についてのお詫び」という文言のものが、トライイットの画面上に出ております。中身は、「永久無料映像授業サービス「Try IT」の中学社会「昭和時代」の動画における水俣病に関する説明で、妊娠中の母親が摂取したメチル水銀が胎盤を通じて胎児に取り込まれ、生まれてきた子どもが水俣病を発症するという事例があったことを、誤って水俣病が「遺伝する」と表現した箇所がございました。
しかし水俣病が遺伝するという事実はなく、不正確な表現であったため、当該動画を非公開といたしました。弊社では、本件が差別や偏見につながりかねない誤りであることを重く受け止めており、深く反省するとともに利用者や関係者のみなさまに対して心よりお詫び申し上げます。今後は、表現のチェック体制強化をはじめとした再発防止を徹底して、より正確な情報発信に努めてまいります。」という中身であります。
 
(記者)西日本新聞の村田です。
トライグループの件で関連してなんですけれども、前回の大臣の会見で、「このような問題が起きた経緯と背景の説明を求める」という御発言がありましたけれども、昨日のヒアリングでは、その辺りの説明はあったんでしょうか。
(大臣)ございました。ヒアリングの概略について申し上げますと、「水俣病が遺伝する」といった誤った表現を含んだ映像教材は、2015年に開始されたトライイット事業のものと。この事業は教育の地域格差や所得格差への対応として無償で提供していると。複数の中学生向けの教科書を参照し制作した映像内、投影スライドにはそのような表現はなかったが、動画内でスライドに沿って解説する講師が、「遺伝する」と説明し、講師の解説を文字起こしたスクリプトも「遺伝する」と誤った表現を含んだ文章として画面上に表現されてしまい、社内チェックにおいてもそれが間違いであると指摘できないままリリースされたと。本件教材はYouTube動画(誰でも閲覧可能)では2016年1月から、アプリは2015年11月から提供されたと。このうちアプリについては2021年4月にコンテンツの差し替えが行われたため、最近まで本件教材が残ったのはYouTube動画のみということで、YouTube動画の再生回数は2025年5月に非公開になるまでの間に延べ70,373回であり、アプリの再生回数はコンテンツの差し替えが行える直前の2021年の3月までの間に7,000回程度となっております。
 
(記者)新潟日報の齋藤と申します。
新潟水俣病の式典の関連で、大臣としての出席は10年ぶりということだと思うんですが、改めて出席を決められた理由について教えていただきたいのと、あと懇談の場で、大臣として特に御関心を持ってここを聞きたいというようなところがあれば教えてください。
(大臣)この間も、諸般の事情が許せば、過去の大臣も出席されたいと思っておったと思うのですけれども、国会日程等いろいろあったということであります。私としては、先ほど申し上げました60年という節目の年に、式典に出るだけではなく、関係団体の方とも懇談をさせていただきながら、いろいろとお話を伺っていくことができればと思っております。
 
(記者)環境新聞の小峰です。
トライグループの件についてですけれども、トライグループがホームページのトップにやったとか、再発防止に努めるとか、非常に甘い対応だと思います。浅尾大臣から、トライグループの代表も辞任を求めるぐらいのことを言ってこそ、環境大臣じゃありませんか。いかがでしょうか。
(大臣)昨日、トライグループも環境省の方に説明に来まして、しっかりと再発防止について努めているということでありますので、その後の、先ほど申し上げたように経過についても、しっかりと環境省としても注視してまいりたいと思っております。
(記者)責任者の自主的な処分とか、その辺に対するお考えはありませんか。
(大臣)先ほど申し上げた通りでありますので、しっかりと再発防止に努めてもらえるものと考えております。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=bEWcJ3JVWsE
 
(以上)