大臣談話・大臣記者会見要旨

HLPFサイドイベント「プラスチック汚染に対処するための循環経済ソリューション」 における山口環境大臣のビデオメッセージ

 出席者の皆様、こんにちは。日本国環境大臣の山口壯です。本日、この「プラスチック汚染に対処するための循環経済ソリューション」に参加できることを大変光栄に思います。また、主催者であるルワンダ政府及びUNIDO、UNEPに感謝申し上げます。
 
 海洋汚染は人類が直面する極めて深刻な課題です。日本は陸地面積では世界で62番目ですが、排他的経済水域の広さでは6番目と、世界を代表する海洋国家であり、また世界で唯一、国民の祝日として海の日も設定するなど海洋の恩恵に感謝してきました。
 海洋のプラスチック汚染を終わらせるためには、各国が一致団結して取り組む必要があり、このための国際文書(条約)について、本年秋にも政府間交渉委員会における交渉が開始される見込みです。国連環境総会では、日本もルワンダも決議案を提出しました。交渉開始が合意されたことは、世界的な対策を促す観点から喜ばしく思っています。我が国は政府間交渉委員会の理事及び議長として、小野(おの)洋(ひろし)氏を推挙しています。長年環境行政に携わり、途上国支援の経験をもとに大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの取りまとめで大きな役割を果たすなど、実効的な対策のあり方に関して知見を有しており、条約作成に貢献できる人物です。
 条約の目的や長期的なビジョンについては、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を一つの基礎として活用できると考えています。本ビジョンは、現在では80以上の国と地域が共有しています。
 また、条約の下で各国が策定する国別行動計画についても、多くの国や国際機関が毎年取組の報告を行っている「G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組」を先行事例として活用できると考えています。日本として、これからも海洋汚染の解決に向けた対策をリードするとともに、各国・国際機関との連携を深化させていきます。
 
 循環経済への移行には、「ネットワーク」が大事です。J4CE(ジェイフォース)は、"Japan Partnership for Circular Economy "の略語で、政府と日本最大の経済団体である経団連とのネットワークで、循環経済の推進に大きな力を発揮してきました。さらに、すべての資源の循環利用を加速化するため、「循環経済工程表」を本年夏までに策定予定です。

 政府間のネットワークも重要です。例えば、私たちは「循環経済及び資源効率に関するグローバル・アライアンス」、通称「GACERE(ガセレ)」を通じて情報を共有し、見識を交換してきました。GACEREはこれからも、世界の循環経済への移行に重要な役割を担っていくことでしょう。

 私たちは、もっと協力できますし、しなければなりません。一緒に循環経済を推進し、最終的にはプラスチック汚染のない社会を実現しましょう。
 ありがとうございました。
                                            令和4年7月15日
                                              (日本語仮訳)