大臣談話・大臣記者会見要旨

山口大臣閣議後記者会見録(令和4年7月5日(火) 9:50~10:00  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私からは、脱炭素化支援機構の人事についてお話しさせていただきます。
 先の国会での改正地球温暖化対策推進法の成立を受けて、先月、脱炭素化支援機構設立準備室を設置しました。そして、本年10月中の機構の設立に向けて、実務的な準備、調整作業を進めているところです。社長人事についても、いろんな方面と相談しながら人選を進めてきました。今般、社長候補者として、一般社団法人グリーンファイナンス推進機構の田吉禎彦さんを内定させていただいたのでお知らせします。田吉さんは、今後、本機構の創立総会での承認を得て、正式に社長として選任されることになります。詳細は事務局にお問い合わせください。以上です。
 

2.質疑応答

(記者)朝日新聞の関根です。参院選が行われており、間もなく投開票ですが、環境省が所管している気候変動対策の問題は、街頭演説とか演説会を取材していても、ほとんど候補者や応援弁士からの言及があまりないということで、争点化がなされていないのかなという部分もあるかと思うのですが、大臣として、この状況をどのように御覧になっていて、どういうふうにしたら少しでも関心を持ってもらえるようになるか、お考えをお聞かせください。
(大臣)私自身は、もちろんいろいろなところへ行ったときに、この気候変動問題について、特に岸田内閣でもって、GX経済移行債、私自身が脱炭素国債というふうに言っている、20兆円、非常に形が具現化しているということで、話はよくさせてもらっています。やっぱり脱炭素を制する者は次の時代を制するんだと、あるいはグリーンを制する者は世界を制するんだと、こういう国家戦略的な発想、そのことが本来は国政選挙で問われるべき話ですね。ですから、私自身はそのことを非常に強調して、自民党に対する信頼、ぜひこの国家戦略をきちっと立てて、しかも形をつくりつつあるというものとして、受け止めていただきたいなと思ってお話をしています。他方、この気候変動については、2050年カーボンニュートラルということについても、温対法の議論の中で、あれは全会一致で決まっているから争点にしにくいのかなという気はします。他方、本来、国のこれからの進むべき方向としては、もう少しというか、かなり根本的に議論してもらったほうが本当はいいなという気はします。例えば気候変動については、岸田総理が新しい資本主義ということを言われるわけでね、今までの資本主義というのが、例えば、今さえよければいいとか、もうかりさえすればいいとか、自分さえよければいいとか、そういうことで気候変動、いわゆる二酸化炭素がどんどんどんどん増えてきたという部分もあると思います。市場経済で対応できない気候変動とか、あるいは格差とか、それをどういうふうに取り組むかというのが、岸田内閣の1つの大きなプライオリティーですから、もう少しきちっと、そのことも訴えたいなと思って、私自身が訴えているところですけれども、いろんな意味で、それが争点になっているということではないようですね。でも、引き続き、方向性として出していかなきゃいけないなと思っています。
(記者)ありがとうございます。この支援機構の社長人事ですが、ポイントとしてはどういうところを評価されたんでしょうか。
(大臣)社長候補者という形になりますけど、この田吉さんは、現在、グリーンファイナンス推進機構の常務理事を務めておられます。この脱炭素に関わる投融資のかじ取り役を担っておられて、脱炭素分野にも深い知見と幅広い人脈を持っておられるというところです。脱炭素化支援機構が円滑なスタートを切るためにも、この、前身組織であるグリーンファイナンス推進機構の組織運営を熟知している田吉さん、その意味では新機構の社長候補者として適材だろうというふうに判断しています。

(記者)電気新聞の湯川です。ちょっと、先ほども触れていたんですけど、GX実行会議絡みで、今日、経産省でGX実行対策本部が開かれますが、環境省さんも大いに関わるネタだと思うんですけど、経産省での会議、対策本部で何か期待されることがあれば教えてください。
(大臣)環境省も経済産業省と緊密に連携を取って、この話は進めていきます。その意味で、今おっしゃっていただいた実行会議に関する対策本部、それはよく連携を取りたいと思うんです。私自身がよく、イノベーション国債200兆円ということで、経団連で言ったり、日本商工会議所で言ったり、あるいはいろんな業界との話でも言わせていただいたわけですけど、それが、例えば経団連ではグリーン国債400兆円という表現になったり、いろんな意味でポジティブに受け止められたのかなという気はしています。そのことが、5月19日のクリーンエネルギー戦略に関するこの有識者懇談会、その場で総理からGX経済移行債20兆円という、そういう文脈の中で出たと思うんですね。したがって、GX経済移行債が、今、建設国債、赤字国債という2つの国債しか基本的に認められていない中で、新しい国債として位置づけられるのかどうかも含めて、実行会議の場で議論されることになると思うんです。だから、その点も含めて、よく経済産業省と心合わせをして、また財務省にも当然関わってくると思いますけれども、このGX経済移行債というのは物すごく大事な出発点だと思うので、その辺のことも含めて議論したいなと思います。それから、実際にどういう仕組みにするかによって、それがシードマネーとして膨らんでいくかというところの仕組みもよく考えたいと思うんですね。20兆円が何倍にも膨らんでいく、場合によっては10倍ぐらい膨らめば、200兆円ということにもなり得るので。それは、官民、どういうふうに連携を取れるかという仕組みづくりでしょうけれども、その辺も具体的に議論を始めたいなと、一緒に始めたいなと思います。そのことが、4,000兆円とも言われるESGマネーにどうアピールできるか、そういう仕組みになれるかというところをよく実行会議でもって具体化できるようにしなければいけないなと思います。
 
(記者)テレビ朝日の川﨑です。確認ですが、この社長候補者の田吉さんに、大臣は会われていらっしゃるんでしょうか。
(大臣)はい、お会いしました。やっぱり、落ち着かれて、プラス、蓄積があるなということもよく感じさせてもらって、それだけ、やる気も存分に持っていただいているなということも感じさせてもらって。本当にこの脱炭素化支援機構というものの意義というもの、それはすごく大きいですから、田吉さんには、身を粉にして、一緒に頑張らせてもらいたいなというふうに思った次第です。
 
(記者)朝日新聞の関根です。今日、経産省でやるGX移行の実行会議に関する対策本部ですか。そちらは、何か陪席というか、会議には環境省のほうからも入って、一緒に議論していくというイメージでいいんですか。
(大臣)たしかそうだと思うんですけど、どうでしょう。
(事務方)確認させてください。
(大臣)その辺については、連携するということで心合わせができているから、そうだとは思いますけれど、チェックさせてください。
(記者)分かりました。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=eBfnZCVk8ZI&list=PL9Gx55DGS7x6h45ZmYE2D4y06yLCRW9kk 
 
(以上)