大臣談話・大臣記者会見要旨

山口大臣閣議後記者会見録(令和4年6月28日(火)11:35~12:00 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 今日私からは、食品ロス削減環境大臣表彰の募集についてお話させていただきます。
本日から、消費者庁と合同で、令和4年度食品ロス削減推進表彰の募集を開始します。この表彰は、食品ロス削減に効果的であり、また波及効果が期待できる優れた取組を表彰するものです。8月12日まで募集を行い、食品ロス削減月間である10月に受賞者を決定します。先日発表したとおりですが、食品ロス発生量は事業者や国民の皆様の努力のおかげで減少傾向が続いています。食品ロス削減の取組を更に定着させ、この流れを確かなものにする必要があります。全国で様々な工夫を凝らして取組を進めておられる皆様に奮って御応募いただきたいと思います。以上です。
 

2.質疑応答

(記者)幹事社、読売新聞の山波と申します。よろしくお願いします。熱中症対策についてお伺いします。6月の国内最高気温を更新した週末に始まり、今後も1週間ほど厳しい暑さが続く予報となっています。気象庁と共に情報発信などの取組をされていらっしゃるかと思いますが、改めて熱中症予防行動について、国民や事業者などにどのような呼びかけをされるか、お伺いします。また、6月22日の情報発信に関する検討会のほか、7月4日にも総合的推進に係る検討会が開かれる予定となっております。熱中症警戒アラートや暑さ指数などの認知度向上、熱中症予防行動を促すような分かりやすい情報発信の在り方、気候変動の影響で、今後、激甚化すると予測される猛暑などへの適応推進など、様々課題はあるかと思いますが、現状、環境省として改善していきたい、取組を進めていきたいと考える点もあれば、併せてお伺いします。
(大臣)根本的にはとにかく地球温暖化対策というものを進めていかないと、言ってみれば、取りあえずの対策になると思いますが、取りあえずの対策もしなければいけないということだと思いますから、先週末から今週にかけて厳しい暑さの中で、暑さに慣れていない梅雨明け後については、特に熱中症に気をつけていただかなければいけないと思います。環境省では、熱中症の危険を呼びかける熱中症警戒アラートなどの情報をLINEアカウントやホームページなどから発信しています。それらを活用して、こまめな水分補給を心掛ける、あるいは昼夜を問わずエアコンなどを使用する、あるいは不要不急の外出を控えるなど、改めて適切な熱中症予防行動をお願いしたいと思います。環境省の検討会では、熱中症警戒アラートの国民の皆様における一層の活用、あるいは熱中症対策に係る地方自治体との連携強化について議論を行っているところです。熱中症警戒アラートの認知度は今、一定程度はあるとは思うんですけれども、実際の予防行動にはまだ十分に結びついていないんじゃないかということも課題と認識しています。環境省としては、関係省庁、地方自治体と連携しつつ、より分かりやすく具体的な情報発信に努めていきたいと思います。報道関係者の皆様方におかれても、情報発信の強化にご協力いただければありがたいと思います。以上です。

(記者)時事通信の小高と申します。政府が検討している節電ポイントの支給について、大臣の考えや評価をお聞かせください。また、気温が高い日が続いており熱中症が懸念されますが、節電とエアコンの適正使用との兼ね合いについてお考えをお聞かせください。よろしくお願いいたします。
(大臣)節電ポイントの具体的な内容については、経済産業省を中心に検討が進められています。環境省としては、グリーンライフ・ポイント事業を活用しつつ、経済産業省等と連携しながら節電の推進に協力していきたいという立場です。この環境省のグリーンライフ・ポイント事業というのは、準備経費を支援する事業というところに1つの違いがあるかもしれません。また、この熱中症が命に関わる問題だということで、それへの対応という意味で、エアコンを適切に使用いただくことも重要だと思います。国民の皆様には、例えば、クールビズによってエアコンを適切な室温設定で利用していただくこと、あるいはすだれやカーテンの活用により、直射日光を遮断する。あるいは地域における公共施設、あるいは商業施設等を有効に活用してクールシェアを行っていただく、そういうことで健康を守ることを最優先にしていただきつつ、家庭での節電を心掛けていただきたいと思います。環境省としても、必要な情報を国民の皆様に積極的に発信していきたいと思います。全部、根本的にはとにかく地球温暖化対策をやっていかなければいけないというところがあると思います。だから、そういう意味では、急に、どん、とできないというところに我々の歯がゆさがあるわけですけれども、そこを全世界でやっていかないといけない話で、その中でロシアのウクライナ侵略とか、いろんな乱気流があるものの、やっぱり地球温暖化対策を進めていく、そのことが今の我々の根本的な対応です。だけど、それがすぐにできないというところがつらいところだから、熱中症について、昨日も大分、病院のほうに行かれた方も多いわけだから、そういう意味では先ほど申し上げたような対応というものを、まず環境省的にはお願いしているということになります。

(記者)朝日新聞の関根です。よろしくお願いします。今も言及がありましたグリーンライフ・ポイント事業について、先日、第1次候補の結果が発表されて、26事業体が選ばれたということですけれど、この26団体が提出している事業計画というものが、まだ公表されていないようです。公募要領を見ますと、「採択時に公表可能であること」ということが書いてあったり、また、「応募した時点で公表に同意したものとみなす」というふうに書いてあって、原則公表することになっているようなのですが、これは、いつ頃どういう形で公表するお考えでしょうか。
(大臣)グリーンライフ・ポイント推進事業の効果が発揮されるためには、採択事業者の取組の情報発信は極めて重要だと思っています。一方で、各事業者から申請された事業計画について、その全てをそのまま採択したということではないんです。環境保全効果、事業実施体制などを審査の上、その一部について採択を行っているという形になります。事業者の方々から提出された事業計画をそのまま公表するというのは、その全てが環境省の支援対象であるという誤解を招きかねないというところで、そういう形ではなくて、採択した事業について、各事業者がどのような環境配慮行動を対象として、どのようにポイントを発行するのか、消費者にアピールできるような分かりやすい資料を作成・公表する予定です。環境省としても、もちろん広報を強力に行っていくことによって、グリーンライフ・ポイントの取組の周知拡大に取り組んでいきます。事業計画というのがあったら、そのうちの一部について、「これがいいですね」ということだから、ほかのことについてまで全部公表すると、環境省は26選んだことのうち、これもこれもこれも環境省はオーケーとしたのかというところを避けたいと、そういう話だから、どこを認めたというところをまとめて、資料を作成・公表する予定だという話です。
(記者)事務方によると、7月下旬のうちに公表する予定だというふうに聞いているんですけど。
(大臣)時期は私は承知していません。ですから、その資料を作成して公表する予定だというところまで、承知しています。
(記者)個別の事業にどれぐらいの予算がかかって、どれぐらいのポイントを発行するかというのはすごく重要なポイントだと思うんですけど、そこは公表されるという理解でよろしいでしょうか。
(大臣)そこは後で確かめさせてください。現時点では、私は承知していません。
(記者)来週、また伺います。それともう一点。審査委員会、これが開催されているそうですけれども、これも委員長を筆頭に委員の名前も公表されていないですし、あと、いつ行われた、何回行われたかということも非公開で、議事要旨等も全くなく、何も公表されていないブラックボックスの状態ですね、現時点で。これを改善するお考えはありませんでしょうか。
(大臣)これは別に国の審議会じゃないから。国の審議会というのは原則公開というのは私も承知していますけれども、これは補助事業の審査委員会ということで、そういう意味では、非公開というのが通例だというふうなこととして認識してます。その意味で、食とくらしのグリーンライフ・ポイント推進事業は、一般社団法人の地域循環共生社会連携協会に対して交付決定をして、その法人が執行すると、そういう格好になっているようです。その法人では、率直な意見交換をしてもらうために、あるいはその意思決定の中立性の確保という観点から、審査委員会の審議内容、審議資料、議事録、議事要旨は非公表となっているようです。
(記者)でも、お金を出しているのは国ですよね。税金ですよね。
(大臣)国の審議会については原則公開と、これが原則ですから、今、関根さんの言われたような趣旨はこれから検討されるかもしれませんけれども、今これが非公開だからといっておかしいという話にはなりません。
(記者)ちょっとそこは疑問ですね。
(記者)TBSテレビの緒方です。今日も引き続き電力のひっ迫というところが言われていますが、環境省内で、例えば、午後の3時から夕方ぐらいまで電気を消す、照明を落とすだったりとか、そういった対策というのは、今日実施の予定はありますでしょうか。
(大臣)例えば、もっともっと日本より暑いインドネシアに行ったら、役所に行っても、能率を上げるために寒いくらい効かせていますよね。まあ正直この28度といっても、ものすごく暑いですよ。ものすごく。職場環境としては、私はそんなによくないというふうに思っています。その中でも、この28度ということをやっていますけど、電気をそうやって消灯するというのは、1つのアピールにはなるかもしれませんけど、私は、職場環境的にはよくないと思います。ある意味で、暗いところで仕事をするというところに誰がこれから職場として申込みがあるだろうかということを考えると、私は、そこは必要ないと思っています。
(記者)そうすると、照明以外のところで節電というのだと、ほか、もし実施するようなところというのがありましたら。
(大臣)今までも、職員の方々で目いっぱいマキシマムに節約しようというのは考えているようだから、まあいろいろあるとは思うんですけれども、冷房の適切な利用、執務室等の不要箇所の照明の間引き等はもう既に取り組んでいるわけですから、私はそれ以上、ということをあえて言うというのは、もう十分やっているんじゃないのかなと。でも、もしもこれ以上またあれば、それはやっていけばいいけど、3時以降、照明を落とすとか、その辺のことはやらなくていいというふうに思います。
(記者)気象庁だったり、環境省だったり、経産省が、熱中症とのそういう関係性ももちろん難しいところはあると思うんですけど、節電を呼び掛けている中で、環境省の大臣として、そこまで言い切るというのが、ちょっと矛盾というか。
(大臣)必要があれば、全省庁停電で構わない。だけど、その必要がはっきりしていないのにそれをやる必要はないと思います。

(記者)テレビ朝日の川﨑です。福島第一原発の処理水の放出、来年の春に予定されているのを前に、環境省が今年の春から行うとしていた海水のモニタリングなんですけれども、海水浴場で6月17日から、沖の海水のモニタリングは21日から始まったということですが、大臣の所感をいただければと思います。
(大臣)これも今まで言ってきたとおりですが、環境省は、ALPS処理水に係る対応として、海域モニタリングを担当しているということで、今年の3月に、モニタリング調整会議で、総合モニタリング計画の改定という格好で作業をしました。海域モニタリングについては、将来の海洋放出との比較を行う意味で、その前後で海域の状況を比較できるように放出前からモニタリングを行う必要がある、そういうことで、今年度から、計画に基づいて事前モニタリングを開始しているところです。そういう意味で、経産省等と連携しながら、客観性、透明性、信頼性の高い海域モニタリングを行って、その結果を国内外に分かりやすく発信していくことで、風評影響の抑制につなげてまいりたいと思います。
(記者)17日から始まったってことで、内容は把握されていますでしょうか。
(大臣)海水浴場は6月17日、海水は6月21日から調査を開始したようです。海水調査は今も継続中です。
(記者)結果についてはいつ頃公表するとか、その辺りのはどうでしょうか。
(大臣)分析には結構時間がかかるみたいで、2か月程度かかるようです。結果は、環境省のホームページ上で公表する予定です。
(記者)もう1点、6月1日以前に、マイクロチップ、犬、猫のマイクロチップに関してなのですが、6月1日以前に登録されていた、日本獣医師会のAIPOなどで登録されていた方が、結構、数百万、300万人くらいの方いらっしゃる。環境省のデータベースへの移行登録が1か月間延長されていて6月末まで延長ということなんですけども、かなりの数の方がまだされていないというふうに聞いているんですけれども、環境省も積極的にこの辺りを周知すべきなんじゃないかと思うんですが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
(大臣)マイクロチップについては、いろんなデータの移行とか、手続的な話もあるようです。その趣旨についてよく理解いただいた上で、そのことについては、更に周知徹底しなければいけないなと思っています。

(記者)毎日新聞の岡田です。今ドイツで開催中のG7のサミットに関連してお聞きしたいんですけど、議長国のドイツが気候変動対策に野心的な国の集まりとして、気候クラブの創設というのを打ち出す方針を示しています。まだその中身の詳細というのは明らかではありませんけれど、日本は来年のG7の議長国でもあります。そうした中で、日本の環境大臣として、この気候クラブへのスタンスを改めてお聞きしたいです。
(大臣)G7サミット、今も会合が継続しているんだと思うんです。そういう意味で内容に関して今コメントするというのは、ちょっと私もあんまりすべきじゃないかなとは思いますけれども、この気候クラブについては、先月の気候・エネルギー大臣会合においても議論が行われたようですね。日本としては、全ての国に開かれたパートナーシップということと思っています。G20国を含めて、幅広い国及び地域の参加を促すべく、知恵を出して議論を継続していく、そういう必要があると考えています。ドイツも大変ですよね。一番、石炭に対して厳しいことを言っていたドイツだけれども、今、石炭の火力発電所再開しているわけでしょう。だから、本当大変だと思うんです。他方、緑の党がそこに加わって、熱心にこれからもやっていこうと。だから一瞬、乱気流が起こって大変な状況ではあるんだろうけど、やっぱり、この再生可能エネルギーをぐっと進めていくというところは、ドイツも日本も変わりないと思うんです。だから、その辺のことが、意思疎通というか、心合わせができるようにする、そういう仕組みがこれから大事だと思うんですね。気候クラブはそういうふうになるのであればそれでいいし、その気候クラブがどういうふうなことを狙っているのかということも含めて、日本がG7を来年開催するというときに、ポジティブにそういうものがあればいいのかなというふうに思います。まだはっきり分かってないと思うんです。

(記者)読売新聞の山波です。北海道新聞の大澤さんからの質問を代読させていただきます。風力発電導入拡大とバードストライク対策の両立についてお伺いします。海ワシ類のバードストライク防止策の手引きについて、2016年以来の改定版が近く公表されます。今回盛り込まれた最新の知見で、北海道における風車全体の約1割でバードストライクが発生していることや、発生件数がやや増加傾向であることなどが指摘されています。現時点で大臣が受け止められている危機感と、今回改定する手引きの実効性を高めるため、環境省としてどのようなことに取り組む必要があるのか、ご認識をお伺いします。
(大臣)バードストライクについては、私も北海道へ行かせてもらったときに、バードストライクに遭ったワシを手当てしていて、もう飛べなくなっているわけですよね。そういう、いろんな話も聞いたわけですけどね。海ワシ類の生息地である北海道などでは、今後も風力発電施設の立地が進むという中で、どういうふうにバードストライクを防止して生物多様性保全の意味をきちっとやっていくかということが大きな課題だというふうに認識しています。今回の手引き改定では、餌場、あるいは営巣地、巣ですよね、営巣地との位置関係など、事業者が施設の立地を検討する際に配慮することが望ましい点を盛り込み、より効果的なバードストライク対策を具体的に示しています。親鳥というのは割と知恵がついて、割と避けるようです。でも、雛鳥は分からないから、ぼんと突っ込んでいくということもあるようです。だから巣から大体1キロメートルは避けてくださいねというようなことなどがこういう手引きの中で入っているようです。そういう改定版の手引きの公表は7月中を予定して、今現在作業を進めているところです。いろいろな関係者の方もおられるわけですから、そういう方々とよく連携してバードストライク防止策の検討、あるいは実施を進めて、生物多様性の保全と再生可能エネルギーの最大限の導入が共に実現するように取り組んでいきたいと思います。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=y9xqRWo59yE&list=PL9Gx55DGS7x6h45ZmYE2D4y06yLCRW9kk 
 
 
(以上)