大臣談話・大臣記者会見要旨

あきもと副大臣記者会見録(平成31年3月28日(木)15:34 ~ 15:56 於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

少し日にちが経ってしまいましたけれども、3月上旬、3日から5日にかけて、タイ、バンコクに出張いたしまして、アジア太平洋3R推進フォーラムに出席をさせていただきました。私からは、我が国の廃棄物管理や循環経済に関する政策の経験等について演説をさせてもらって、会議の成果物でありましたプラスチックごみ汚染防止に向けたバンコク3R宣言、この採択に貢献をさせていただいたところでございます。また、5日には、海洋ごみに関するASEAN特別閣僚級会合に出席をさせていただきました。これは昨年11月に安倍総理が提唱しましたASEAN+3海洋ごみ協力アクション・イニシアティブに基づく具体的な協力としての国別行動計画の策定とか、または廃棄物管理及びこの3Rの能力開発、そして地域ナレッジハブ、この創設等について、我が国が支援していく旨を表明させていただきまして、各国から大変評価をいただいたと思っております。環境省として、引き続き、アジア太平洋地域の各国と連携していきながら、3Rまたは海洋ごみ対策の推進にリーダーシップを発揮してまいりたい、そんな思いを持っております。
 あともう一点、国内の件になりますけども、先週の19日に開催しました、中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会に出席をさせていただきました。除去土壌等の減容・再生利用につきましては、政府として進めるとの方針を既に示しておりますけども、そのための技術的な検討を行っている会議であります。今年度が中間目標の年となっておりまして、中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略の戦略目標に向けた見直し、また、この再生資材を安全に取り扱う上での技術的な留意事項を整理した再生利用の手引き(案)について、審議をさせていただきました。会議では、おおむね方向性については了解いただけたと考えておりますが、見直しを行った技術開発戦略につきましては、座長、委員の了解を得た上で、公表させていただきたいと思っております。
 また本日、除染の措置等に関する検討を行っている第20回環境回復検討会に出席をいたしまして、この検討会では、福島県外に保管されている除去土壌の処分方法に関する検討状況や被災地の復興再生に向けた環境省の取組について報告を申し上げながら、委員の皆さんに御議論いただいたということでございます。引き続き、委員の皆様の御協力いただきながら、被災地の復興再生に向けた取組を着実に進めてまいりたい、そう思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

2.質疑応答

(記者)朝日新聞の川村です。よろしくお願いします。冒頭、御発言のあったアジア太平洋3R推進フォーラムのほうなのですけれども、東南アジアとともに、プラスチックごみの削減に向けて取り組んでいくということになるのかと思います。これについて、現地、東南アジアの国々は、日本のどういう技術というのものにニーズがあるのかということと、日本から逆に、こういう分野は支援できるのかとか、そういうところを具体的にあればお願いします。
(副大臣)まず、具体的な支援として、プラスチックに関する管理の仕方というものを、やはり先進事例をつくっておいたほうがいいだろうということで、地域ナレッジハブの創設を提案をさせていただいたというのが1点であります。やはり、どれだけプラスチックがあるのかとか、そしてプラスチックの処分、そして、3Rというからには、その技術というものは何なのか、そういったことを、やはり日本としてのこれまでの経験というものをお話ししていかなくてはいけないということの中で、私からは、やはり廃棄物管理のあり方の一つとしての廃棄物発電、これに取り組む日本の企業等にも3Rフォーラムに同席をしていただきました。このフォーラムにおいては、いわゆる出展ブース等も設けて、現地の政府関係者の皆さんにそれを説明するというコーナーもございました。また、タイの環境大臣とバイ会談を行う際にも、民間事業者の皆さんも一緒にお連れして、彼らからもプレゼンをさせてもらったりなど、日本の技術を示させていただいたということでございました。廃棄物管理の一つの方法として、廃棄物発電を使ったリサイクルのあり方、そして、やはりこの回収、分別をしていくという、このリテラシーをどのように国で高めていくのかということを、やはり行政がまずしっかり、それの知見を高めて、そして国民側にそれを伝えていくという、この流れの日本の経験というものを発信させていただいたというところが主な点かと思います。

(記者)毎日新聞の五十嵐です。中間貯蔵の関係、除染の関係でお尋ねいたしますけれども、震災から8年が過ぎまして、中間貯蔵施設への搬入も進んでいますし、この前の戦略検討会では、除染の土の再利用についての手引きなども議論されていますが、一方で、福島県内で、実際に受け入れているところというのはまだ限られていますし、これから実証事業を動かそうとしているところも、反対の団体の声が上がっていて、なかなか身動きとりづらい状況だと思うのですが、一方で、福島県外に目を置くと、福島県外にも、その除染の土はありますし、最終的には30年後の県外最終処分というところもあって、福島県内でその除染の土をどうやって扱っていくかということについては、やはり実証事業も福島県外でも同時に回していくということも必要なのではないかと個人的には思うのです。そのあたりについて、現段階ではどのように考えていらっしゃるか教えてください。
(副大臣)まず、実証事業は実証事業で、これはもう県と、そして地域の住民の皆さんに、安全性というものを粘り強く我々として訴えさせていただきながら、理解を求めるという努力を一義的にはさせていただきたいと思っております。最終的に、土壌の再生利用につきましては、別に福島県外にこだわることなく、いろいろなことを考えていきたいと思っていますけども、いずれにしても、それも含めて、やはり受け入れる県もそうですし、あともう一つは、最終、実証事業の段階ではどうかは別として、しっかりと実証事業を積み重ねた上で、もし県外、例えば、これは公共事業等に利活用していこうということで、他省庁の協力も得るならば、そしてまた、受け入れていただく県の了解もとれるならば、幅広くこれは扱っていかなくてはいけないですし、安全なものであるならば、当然、全国でできるという、そういうことを含めて、どういうふうに理解と、また、これの実証事業等の実績というものをどのようにお示ししていくかということにかかっていると思いますから、別に福島県内に全てをこだわっているわけではないというのが基本的なスタンスです。
(記者)関連ですけれども、先日、その検討会の議論を聞いていますと、もちろん有識者で、その除染の土というのは、どういうものなのかというものを十分理解している立場からなのでしょうけども、福島県内の、特に、その帰還困難区域だったり、既に線量の高いところも復興に役立てるというやり方を主張される、そういう考え方、そちらのほうを優先したほうがいいのではないかというような趣旨の考え方が割と目立ったところだと思うのですけれども、これというのは、もちろん、科学的観点から言えば、そういう議論も成り立つのだと思うのですけども、やはり、それが30年後の県外最終処分ということもそうですし、その前段とするその中間貯蔵施設を受け入れてもらったという経緯からしても、地元感情としては、そういう発想というのは、なかなか受け入れにくいのではないかと思いますし、先日の南相馬の区長さんの説明の中でも30年後の県外最終処分という約束ではなかったのかというような趣旨の意見もあったと思っております。その辺のところも踏まえて、どういうふうに福島県内の人たちも含めて、この事業を理解してもらうのかというところについても教えてください。
(副大臣)繰り返しになりますけども、やはり、ここは粘り強く、受け入れ先の皆さんには御理解いただけるように、やはり我々は常に安全性というものをどう示すかということ、その安全性を示すためには、この実証事業でしっかりとした成果を出していかなくてはいけない。ここに尽きると思います。最終目標として、この30年後の県外に持っていくためには、どうしても、減容化を図っていかなくてはいけないという、ここを我々としては、しっかりとやっていきたいという思いでありますから、とにかく受け入れ先の自治体、また住民の皆さんに対して、粘り強く丁寧に説明して、そして御理解をいただくための努力というものをいかにするかと、もうこの一点に尽きるかと思っています。

(記者)環境新聞の福原です。先ほどプラスチックに関してお話しされたと思いますが、関連してなのですけれど、国連環境総会が開かれまして、そこでプラスチックに関しての決議が採択されたわけなのですが、日本提案の決議が採択されまして、今後2年後までに新たなオプションということを検討していくというところで、こういった決議を踏まえて、日本としても今年のG20に向けてプラスチック対策で世界をリードしていくということを大臣からも御発言があったと思いますが、先ほどのお話しなのですけれども、ASEANでのプラスチックに関する取組と、今回の国連環境総会での成果ということを踏まえて、改めてG20に向けて、迫ってきていると思うのですが、どういった方向性でお考えがあるのかお伺いできればと思います。
(副大臣)日本のプラスチック戦略もこれからG20に向けて、しっかりと環境省として決めていかなければいけないと思います。示す内容はそういったところに盛り込まれていくとは思いますけれども、我々が考えていくには、プラスチックに対する代替物をどのように研究開発、イノベーションしていくかというのも一つでありますし、あとやはり、今ある漂着ごみを含めまして、しっかりそれを回収してリサイクルにもっていく、そういう作業をどのようにして徹底していくかということ。それから、やはり私も東南アジアはこれまで、就任以来、インドネシアやインド、そして今回タイも訪問しましたけれども、やはりまだ廃棄物に対する意識が、国民も含めてまだまだ低いということを感じました。これは日本のまだ昭和20年代後半から30年代のそういった中の様子、私はそのころ生きていませんけれども、そういう漏れ聞く、映像等で見るのと同じような状況なのかと思いますから、彼らには私からも、国が経済成長して発展していく過程においては、当然、廃棄物管理というものをしっかりやっていかないと、これは外部不経済になっていくので、ここは同時に考えていかなければいけないのだということを強く言いながら、やはりこの回収、リサイクル、循環型社会というものをどのように生み出していくかということを、まず政府がしっかりと意識をして、そしてまたそれを国民に伝えていく。そのためにやはり法整備も必要ですし、過去の事例というのも、恐らく廃棄物管理というのは国ごとにいろいろな文化があると思うので、日本のモデルが全てのその国に当てはまるかどうかというのは未知数でありますが、しっかり国別の選別のやり方というものを日本が示すことによって、G20でもできればそういったこともしっかり示すことが、海洋プラスチックごみ問題全体として進んでいくということにつながっていくのではないかと思っています。
(記者)ここで、改めて日本が具体的にG20、各国の議論をリードしていくという上においては、各国との合意形成ということが重要になると思うのですけれども、どういった点において合意ということを導こうというようなイメージをお持ちでしょうか。
(副大臣)基本的にこのクリーン作戦ということについては、各国とも異論がないと思うのです。そこを反対することはない。ただ、問題は負担の問題。特に途上国においては、やはり廃棄物を処理する際にかかる費用といったものが大変だということで、なかなか進んでいかない現状があるのだと思いますので。そういったところを最終的にはどう手助けできるのかということが一つの鍵なのかと思います。

(記者)あきもと副大臣、二つ質問があります。一つは政治家としての、あきもと司衆議院議員、それからもう一つは、それに関連して環境副大臣ということを前提でお聞きします。
 まず、政治家あきもと司衆議院議員の、政治家として、最近の韓国の徴用工判決、異様な判決、そしてレーダー照射事件、そして、これは国交省とも関係しますけれども、領土・領海で、竹島の国会議員の占拠など、そして昨日もありましたが、文喜相国会議長の天皇陛下侮辱発言です。これについて、政治家、あきもと司衆議院議員、どのような御見解を持っているのかということをまず最初に伺えますか。
(副大臣)今お話のあった一連の関係につきましては、我々は、私自身、日本の国会議員としては、あり得ない話だということを当然申し上げたいと思います。いろいろなことが議論されておりますけれども、正直言って、ただ単に日本として遺憾の意を発するだけで果たして問題解決するのかという問題がありますから。かといって、交友の対話というのをとめてしまっては何事も進まないわけなので、それが政治レベルでは、議員連盟を通じまして、やはり外交というものを常につなげていきながら、やはり日本に対する単なる理解をといっても、国内では自国民に対するPRをみんな政治家はするわけだから、自国民にいいことしか言わないわけです。私の地元の地域にも、在日の韓国人の方が結構いらっしゃるわけで、彼らともよく話をするのですけれども、在日の韓国人は怒っているわけです。今の韓国政府というのは、自国に住んでいる韓国人のことについてのパフォーマンスはするが、韓国から外へ、日本に住んでいる在日の韓国人のことは全然コミュニティを考えていないと、彼らは怒っているわけです。ですから、やはり自国の問題は自国の問題として、こういった在日の韓国人の皆さんの声があるのだということを伝えながら、日本に住んでいる在日韓国人の皆さんとも連携をしながら、今の韓国の一連の発言、行動に対して、やはりいさめていくということは、私は必要なことではないかと、これは政治家としてそう思います。要するに彼らが日本にいる立場として、それだけ日本人が不快に思うことを韓国政府がやるということは、日本に住んでいる在日韓国人の立場を余計悪くして、悪化させて、韓国社会ということを考えたときには、自国民も、そして自国以外に住んでいる在外韓国人の思いを含めて政府というのは本来、考えていくべきだろうと。また、この問題は韓国社会でやはり考えてもらわなければいけないわけですから、そういう人たちと我々は連携するというのは一つの方法だというふうに考えております。
(記者)二つ目の質問で、それに連携して、環境副大臣としてお聞きしたいのですけれども、特にごみの問題を御所管している、あきもと副大臣にお聞きしたいのですが。今の海洋ごみ問題などで、例えば韓国、それから北朝鮮のほうからも随分海洋ごみがたくさん流れてくるわけです。この辺についての抗議を、対韓制裁の、今100項目ぐらい上がっているといいますけれども、その対韓制裁の一つとして、あきもと副大臣から発信するようなお考えはありませんでしょうか。
(副大臣)対韓制裁、ごみをどうすると。
(記者)ごみが流れてくることに対して抗議をすると。何とかしろと。これも一つの厳重抗議として、今までしたことはないと思いますけれども、改めて対韓制裁、今100項目ぐらい、最終的には断交まで含めますけれども、その中で、環境省としても、ごみ担当の環境副大臣として、この際、関係行政の中から、できる範囲の制裁をやってもいいのではないでしょうか。例えば、海洋問題、ほかにもたくさんあるのかもしれませんけれども。
(副大臣)まずは、ごみという議論に対しましては、今、プラスチックの海洋ごみ全体の、東南アジアという諸国の中で話しましたけれども、ここは、やはりごみはごみとして、韓国、北朝鮮に対しては、まず海に、その前に川に、ポイ捨て、海洋ごみは出さないようにしようという呼びかけは、これは各国同じようにやっていかなければいけないと思っています。これと対韓国に対する制裁というのは、また別問題なのかという気がいたしますから、環境省としてやるべき仕事としては、とにかくポイ捨て、海洋ごみの対策をしっかり各国が、これはもう自分たちの住んでいる海が汚れれば、それはまた食物連鎖にもつながっていくこともあるわけですし、どちらにしろ人間が住めない環境になってしまったらどうしようもないわけなので、人類が共通の思いとして、人類が住める環境をどう残すかということが、やはりその1点でこの環境対策というのをやっているわけですから、そういった中で、引き続き北朝鮮に対しても、韓国に対してもしっかり対応をするべきだということは強く言っていきたいと思います。それと制裁の話は少し切り離していかないといけない問題なのかと思います。
(記者)UNEAの件で少し補足ですけれども。閣僚宣言で最終的にプラスチックごみ、海洋プラスチックごみにアメリカが賛同しないという形になりましたけれども、これは今後、G20で当然アメリカも含めてどういう合意形成をしていくかということは、課題を残しているというふうに見えるのですが、そこについて今後、アメリカを引き込んだ形での合意を目指す上で、どういったところがポイントになっていくとお考えですか。
(副大臣)やはりアメリカというのは、経済、産業、ものづくりというそういうことで力強く回っている国だということを考えると、やはり日本が今やろうとしている中において、プラスチックに代わる代替品というものを、どのように彼らとイノベーションを起こしていくかというところで妥協点を見出していければと、これは私の個人的な私見でありますけれども、そのように思っております。ワンウェイ・プラスチックをなくしていこうというのは、そこはそこでアメリカに求めていきたいということは当然あるし、リサイクルというのも引き続きやっていきましょうということを彼らにも強くアプローチを我々はしていくのですけれども、なかなかリサイクルという観点がアメリカという国はないというのが一般的な考え方でありますから、それであるならば、プラスチックに関しては、このイノベーション、プラスチックの代替品をどうつくるかということで、結果的にプラスチックが減っていくという、そういうアプローチの仕方もあるのではないかと個人的には思います。