原田大臣記者会見録(平成31年1月29日(火)9:45 ~10:02  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 御報告でございます。一つは、「地域経済循環分析ツールの改定」について、お知らせをいたします。環境省では、「地域循環共生圏」の創造を支援するツールの一つとして、「地域経済循環分析」のデータベースを構築しておりまして、地域経済の資金の流れを見える化できる自動分析ツールを自治体等に提供しているところであります。こうした既存の分析ツールに加えて、今般、「経済波及効果分析ツール」を新たに構築し、ホームページでの提供を開始いたしました。これは地域で再生可能エネルギー導入等を行った場合に、地域経済にどのような経済波及効果を与えるかをシミュレーションできるものであります。これらの手法も活用しながら、地域における環境課題と経済・社会的課題の同時解決を支援してまいりたいと考えております。例えば、太陽光発電を、その市の中でどれぐらい使えば、既に現実にはもういろいろ使われているわけでありますが、それが地域経済にどういうプラスの影響があるか、こういうことについて一定の分析手法を開発いたしまして、それをホームページを通じてでありますけど、全ての市に提供すると。それによって、それぞれの自治体がそういうものを促進するモチベーションになればいいと、こういうふうな観点であります。
 もう一つでございますけれども、今年の通常国会には、私どもとしては、提出予定法案、これが確定いたしました。一つは自然環境保全法の一部を改正する法律案、もう一つはフロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律の一部を改正する法律案、この2点について国会に提出するように、与党と政府の方で決めていただいたところであります。

2.質疑応答

(記者)読売新聞の安田です。昨日、国会が始まりまして、施政方針演説、安倍総理の方からも、特にプラスチックについて言及がありました。世界をリードしていくというふうな強い決意とともに御発言がありました。その前のダボス会議でも、プラスチックについて世界で取り組んでいくというふうな御発言があったかと思いますが、前にもお尋ねしておりますが、資源循環戦略とか、今、環境省の方でも審議が進んでいますし、いろいろ、プラスチック・スマート等々の試みもやっておられますが、それはそれとして、世界の各国に対してプラスチック対策についてどういうビジョンでリードしていくというふうに大臣はお考えなのか、改めてちょっと具体的にお聞かせ願えればと思います。
(大臣)御指摘のとおり、昨日の施政方針演説の中でも、「新たな汚染を生み出さない世界の実現を目指し、世界の国々と共に、海洋プラスチックごみ対策に取り組む」ということを表明されましたし、それに先んずるダボス会議においても、同様の発言をされたところであります。私どもとしては、総理のこれらの発言を受けて、まずは6月のG20に向けて、海洋プラスチックごみ対策に関する国内外の議論を進めて、世界の対策をリードできるように最大限の努力をしたいと、こう思っております。現在検討中のプラスチック資源循環戦略については、2月中をめどに小委員会を開催し、パブコメでいただいた御意見等を踏まえまして、年度内の答申取りまとめに向けた議論を進めていきたいと考えております。その上で、その内容をできるだけしっかりした形で、G20、6月でございますけども、そこで、より具体的な形で、まだそのことを検討中でありますけれども、しっかり発信していきたいと考えているところであります。

(記者)毎日新聞の五十嵐です。気候変動適応法の施行の状況についてお尋ねします。昨年、毎日新聞で全国の都道府県にアンケート調査を実施した結果ですが、地域ごとに気候変動の適応策を考える気候変動適応センターの策定状況について、都道府県のうち7割で着手できていないという現状が分かりました。このことについて、大臣御自身の感想など、お聞かせいただければと思います。
(大臣)気候変動の問題は、昨年12月1日に法律も施行されたところであります。これからの気候変動の問題では、適応ということが非常に大事になってくるわけであります。もちろん、発生源対策、すなわちCO2、温室効果ガスを減らすというのは、これは最初にやらなければいけないわけでありますけれど、同時に、それがどんどん増えていくことについて、まずは身を守るというか、地域を守る、国を守るという観点から、この適応というのは非常に大事になってきているところであります。法は昨年12月1日に施行されたばかりでございますけれども、埼玉県は法施行と同日にセンターを設置し、さらにちょうど本日、滋賀県がセンターを設置する予定と伺っております。他にも多くの自治体から、できる限り早期の設置に向けて検討中とのお話を伺っております。御社が御指摘いただきましたように、それぞれの自治体の対応は、もちろんいずれかはやってくれるのかもしれませんけれど、できるだけ早期に体制を整えてほしいなというのが私どもの考えでありまして、埼玉県、滋賀県の名前を出しましたけれど、それにまた倣って、各県が、市町村が、しっかりそれに対応していただきたいなと。私どもからすれば、各自治体と情報交換を密に行いつつ、自治体職員等への研修の実施、国立環境研究所による技術的助言などを通じまして、できる限り自治体の皆さんへの協力を進めていく所存であります。皆様方にも、是非メディアの側からも、こういうことについて喚起を促してほしいなと、こんなふうに思っております。

(記者)日本経済新聞の安倍と申します。プラスチックの関連で1点お尋ねします。先週金曜日、九州大学の研究グループが太平洋の予測を出して、30年までに今の2倍になるという結果を出しました。この結果自体は「Nature」にも掲載されて、国際的な関心も呼んでいるようです。この結果についての受け止めと、併せてG20に向けて、先ほどもプラスチック戦略を考えていくというお話でしたけれども、この結果をどのように含ませていくのか、反映させていくのか、その辺りのお考えをお聞かせください。
(大臣)まさに御指摘のように、太平洋上層に浮遊するマイクロプラスチックが2030年には現在の2倍、2060年には4倍になるというような予測が出されたところであります。こうした真剣な研究結果を踏まえて、私ども、プラスチックごみの発生抑制が本当に大変重要である、待ったなしだというようなことを再認識したところであります。発生抑制については、国内では昨年6月に改正された海岸漂着物処理推進法や、今後策定するプラスチック資源循環戦略を踏まえて、プラスチックごみ等の3Rや、適正処理の推進などにより、海洋に流出するごみの発生を減らすための取組をさらに加速していかなければいけないと思っております。また、我が国としては、先ほど申し上げましたG20の場で、途上国を巻き込んだグローバルで実効性のある取組の推進を打ち出すべく、また、その面で国際的な議論をリードしていくために、アジア近隣諸国等を中心に連携を強化して、ごみの適正管理による海洋ごみの発生抑制を推進していきたいと思っております。今回の九州大学の共同研究チームは、非常にまた、私どもに、さらにそれを加速しろというようなメッセージというふうに受け取っております。

(記者)朝日新聞の川村と申します。海外の石炭火力のことについてお尋ねします。先般、報道ありましたように、ドイツが国内の石炭火力発電を2038年までに全廃するという方向を打ち出したことが報道されています。ドイツでは国内発電量の4割ほどを占めるそうで、今後、代替電源をどう確保していくのかというような課題もありそうですけれども、まず1点お尋ねしたいのは、こうしたドイツの方向性を大臣としてどう評価されるか。もう1点は、一方で日本国内を見てみると、今後も石炭火力についてはかなりの新設が見込まれていますが、今後、この日本国内の石炭火力についてどうしていきたいかという方向性など、また改めてお伺いします。
(大臣)これもまた御指摘のように、世の中が相当大きく動いておると思っています。ドイツの「成長・構造変化・雇用に関する委員会」が今月26日に、石炭火力発電所を遅くとも2038年までに段階的に廃止するとの報告書を取りまとめたものと伺っております。我が国においても、パリ協定の下、脱炭素化を牽引していくためには、石炭火力発電はできるだけ抑制していくという方針を出しているところであります。その上で、昨年7月に閣議決定いたしました「エネルギー基本計画」において、長期的には脱炭素化への挑戦に取り組むとしており、2050年に向けて、火力発電全体について、CCSや水素転換を日本が主導し、化石燃料の脱炭素化による利用を実現するということとしておるところであります。また、先週のダボス会議でも、安倍総理より、CCUの活用といった今までにないイノベーション、非連続のイノベーションに挑戦する旨の発言もあったところであります。このように、石炭火力の問題について、私ども、本当に抑制の方向でしっかり検討を進めておりますし、CCUS等の取組は石炭火力のみならず他の火力発電にも適用できるものというようにも考えております。今回のドイツのこの動き等も、私どもやはり真剣に検討しなければいけないと思っております。

(記者)NHKの杉田です。プラスチックの関連でお尋ねしたいのですけれども、ちょっと細かい話で恐縮なのですけど、一部の検討会で、他省との合同の検討会とかで、まだお茶で、プラスチックのペットボトルが出されていたという事案とかがあって、省内でプラスチックの削減の取組がまだ進んでないのではないかなという印象を受けたりとか、他省庁にまだそういった取組というのが進んでないのではないかなという印象を受けているのですけれども、大臣としてはどういうふうにお考えなのか。
(大臣)私ども、プラスチックの正しい使い方といいますか、処理の仕方、とりわけ「プラスチック・スマート」キャンペーンを環境省としてスタートし、それを閣内、各省にもそのことを訴えているところであります。また、そのことを通じて、民間の団体にも、当然、経団連とかを通じましてもやっているところであります。また、様々な、例えば表彰やら活動を通じまして、いずれにしても、しっかりまた実を出さなければなりません。御指摘のように、それがまだ、あるいは十分でないという意味では、私どももさらにそれは具体化できるように、その動きを強力に進めたいと、こう思っております。是非、皆様方メディアの皆さんにおかれましても、そういう観点から、私どももしっかりやりますし、また、国民の皆さんにも、しっかりまた国の施策として、また、地方自治体の皆さんを通じてでも、それを具体化し、それが行き渡るように、是非よろしくお願いしたいと思っております。

( 以  上 )

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