原田大臣記者会見録(平成30年11月30日(金)9:02 ~ 9:23  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日の閣議は、今日、総理、副総理ほか、G20の方に出られるようでございまして、御欠席でございました。それでも活発な御報告があったところであります。まず、閣議の報告事項をお知らせいたしますと、一つは、復興大臣から、東日本大震災からの復興の状況についての報告がございました。さらに、内閣府特命担当大臣・宮腰大臣から、12月3日から9日まで障害者週間となるという御報告があったところであります。さらに、総務大臣から労働力調査結果が報告されたところであります。就業者数が1年前に比べて144万人の増加となり、比較可能な昭和28年以降で過去最多となったということで、それで失業率の方も、低い水準で推移していると、こういうことでありました。さらに、厚労大臣からは、有効求人倍率が季節調整値1.62倍、正社員有効求人倍率が1.13倍と、こういうことでございました。以上が閣議での概要でございましたけれども、さて、環境省の関係でございますけれども、今日は6点御報告をいたします。
 まず、エジプトのシャルム・エル・シェイクで開催されておりました生物多様性条約第14回締約国会議、COP14と通称しておりますけれども、2週間の会期を終えて、昨日、閉会したところであります。本会合では、「人間と地球のための生物多様性への投資」をテーマとして、第2次産業での生物多様性の主流化、すなわち、生物多様性の考え方を事業活動に組み込むということや、2020年以降の新たな生物多様性の世界目標・ポスト2020目標の検討プロセス等、広範な事項が議論されまして、39の決定が採択されたということでございます。詳細については、本日夕刻に報道発表する予定ですので、そちらを御参照いただきたいと思います。
 続きまして、環境影響評価法に基づく基本的事項について、前回見直しから5年が経過したことから、点検を実施いたしました。点検の結果、基本的事項の改定には至りませんが、風力発電所アセス等に係る手続の効率化・迅速化、火力発電所アセス配慮書に係る温室効果ガス等について十分な記載の検討、配慮書における複数案の設定・検討の重要性の周知など、主に発電所関係について主務省令等の中で取扱いの検討を求めるほか、運用の中で必要な対応がとられるよう周知徹底を行うことといたしました。加えて、今後の制度見直しの際に改めて検討すべき事項についても、点検結果に盛り込んだところであります。本点検結果を踏まえ、より効果的な環境影響評価の実施に取り組んでまいりたいと思っております。
 本日、四国電力株式会社の西条石炭火力発電所1号機のリプレース計画について、環境影響評価法に基づく環境大臣意見を経済産業大臣に提出いたしました。意見の概要はお手元の資料を御覧いただきたいと思います。昨今の脱炭素に向かう世界の潮流の中、それに逆行するような石炭火力発電は将来的には是認できなくなるおそれがございます。事業を実施する場合には、それ相応の覚悟を持って、所有する低効率の火力発電設備の休廃止・稼働抑制などにより、CO2の総排出量を削減いただく必要がございます。2030年度及びそれ以降に向けた本事業に係るCO2排出削減の取組への対応の道筋が描けない場合には、事業実施を再検討することを含め、あらゆる選択肢を勘案して検討することが重要であると申し上げました。環境省としては、本意見を受けた事業者の計画的な取組について、今後継続的にフォローしてまいりたいと思います。
 次の案件でございますけれども、本日、我が国の2017年度の温室効果ガス排出量の速報値を取りまとめました。2017年度の総排出量は約12億9400万トンであります。前年度から1.0%減、2013年度比で8.2%減となり、2014年度から4年連続で減少傾向となってまいりました。前年度から減少した主な要因として、再生可能エネルギーの導入拡大等の各種対策により、エネルギー起源のCO2排出量が減少したこと等が考えられます。他方で、家庭部門からのCO2排出量は増加しました。また、代替フロン類の排出量も年々増加しております。2030年度26%削減、その後の2050年80%削減に向けては更なる対策が急務であります。今回の結果等をしっかりと分析し、ゼロ・エネルギー住宅であるZEHや省エネ行動等を促すCOOL CHOICEの普及、代替フロン類の廃棄時回収率の向上などに、より一層取り組んでまいりたいと、こう思っているところであります。
 12月は「地球温暖化防止月間」及び「大気汚染防止推進月間」としております。「地球温暖化防止月間」の取組として、環境省ではウォームビズの推進等を行うほか、地方公共団体などにおいても、ライトダウンや省エネキャンペーンなど様々な取組が行われております。また、「地球温暖化防止活動環境大臣表彰」表彰式も行う予定でございます。また、「大気汚染防止推進月間」の活動として、温暖化対策にもつながる移動の際の公共交通機関や自転車の積極的利用など、大気汚染防止に関する取組を積極的に呼びかけていきたいと、こう思っております。
 最後でございますけれども、明後日12月2日から、気候変動枠組条約のCOP24がポーランドのカトヴィツェで開会いたします。諸般の事情が許せば、私も日本政府団の団長として現地に赴きたいと考えております。我が国としては、パリ協定の実施指針を採択すべく、交渉に引き続き積極的に貢献いたします。また、タラノア対話やサイドイベントを通じて、日本の先進的取組を世界に発信し、気候変動対策の気運向上に貢献をしたいと思っております。COPの成功に向け、日本政府団が一丸となり議論に貢献し、世界の脱炭素化を牽引してまいりたいと思います。

2.質疑応答

(記者)日経新聞の安倍です。幹事社から2問お尋ねいたします。一つ目、温暖化ガスの削減についてです。今、大臣からもお話ありましたけれども、17年度の速報値が出まして、1%減で4年連続ということになりました。しかしながら、削減幅は伸びていませんし、13年比で、まだ8.2%減にとどまると。目標の30年度までに26%減という目標にはまだ随分ほど遠いというのが現状だと思います。どこに削減の削り代が大きいと見てらっしゃるのか、それを教えてください。
(大臣)まず今回、速報値ではありますけれども、4年連続減ってきたということは、私どもとしては、日本として相当努力してきた、その効果が表れているなと。これは多少誇っていいことだと思っております。実は、これからの国際会議におきましても、我が国は着実にその方向に進んでいるのだということを報告をしたいと、こう思っております。ただ、このことが途端に、26%なり80%、少し先の話でありますけれど、どう結びつくかについては、まだまだ読めないところでもあります。今おっしゃるように、削り代がこれからどこにあるか。むしろ近づけば近づくほど難しい分野が出てきますけど、私どもからすれば、2014年度、2015年度は電力消費量の減少と電力の排出原単位の改善により、電力消費に伴うCO2排出量が大きく減少したということが主要な減少要因であります。他方、2016年度、2017年度は電力の排出原単位が改善する一方で、産業活動の活発化や気候の影響、世帯数の増加等により、電力全体の消費量が横ばいに転じました。その結果、電力消費に伴うCO2排出量の減少が緩やかになっているものと考えます。そうした背景もあり、減少幅が緩やかになってきていることは事実でございますので、更なる温暖化対策が急務であり、より一層の各種対策を進めなければならい、こういうふうに考えております。
(記者)あともう一つですけども、COPが2日に開幕します。その関連で一つ伺います。今回いろいろ、先進国、途上国の資金支援の問題であるとか、あと、いわゆる透明性をどう確保するかとか、いろいろ課題もたくさんあると思います。改めて、日本が交渉に臨むに当たっての日本の基本方針について教えていただければと思います。
(大臣)御指摘のとおり、COP24では、ただいま言われている透明性、資金の問題、さらには、どういうふうに抑制していくかということを、各論において相当議論しなければいけないなと思っております。タラノア対話でも、日本の到達したところについても実例としてしっかり報告して、お互いの国の学ぶべきことをそこでしっかり学びたいなと、こう思っているところであります。私どもとしては、それぞれについて非常に大事だと思っておりますけれども、例えば、透明性についても、その前提となるいろいろなデータ、これをお互い深め合うということも大事でありますし、また、特に今回、私どもは「いぶき2号」を先月しっかり打ち上げて、今、宇宙を回り始めたところでありまして、ここで取れる様々なデータを、我が国ばかりではなくて、他の国々にもしっかりこれを提供することによって、より深く、また詳しく、このデータが取れるということ、こういうのがお互いの透明性を公開し合うに当たって非常に大事なことではないかと思っているところであります。いずれにいたしましても、この対話を含め、COP24において、先進国と途上国というような、それぞれやはり国の特殊事情はありますので、そういうものを乗り越えて、世界全体として一定の方向に進めるようなイニシアティブをとりたいと、こう思っております。

(記者)共同通信の清水と申します。本日、各紙の朝刊で報じられておりますが、秋篠宮様が記者会見で、大嘗祭に国費を支出する政府に対して批判する発言をされており、宮内庁長官が聞く耳を持たなかったのは残念だともおっしゃられております。これについて閣僚として、原田大臣の御見解を伺わせてください。
(大臣)これは私の所管外なものですから、コメントする立場にないということを御了解いただきたいと思います。

(記者)フジテレビの加藤です。温室効果ガスのことについてお伺いしたいのですけれども、幹事社からもありましたけど、かなり厳しい状態というか、26%に向けて、伸び代、今、まだはっきりと大臣もお答えられないということは、かなりやはり厳しい状況だと思うのですけど、目標達成に向けて、大臣が現状、達成できるかできないか含めてなのですけど、どのように考えているか、改めてお願いします。
(大臣)2030年度には26%削減という本当に大きなターゲットを目指して、今、頑張っているところであります。地球温暖化対策計画においては、対策・施策の進捗状況について毎年厳格に点検を行うとともに、少なくとも3年毎に目標及び施策について検討を行い、必要に応じて計画を見直すということとされておりまして、それを踏まえて、適切な検討を進めてまいりたいと思います。また、パリ協定の目指す脱炭素社会の実現に向けて、従来の延長線上にないイノベーションを創出し、温室効果ガスの国内での大幅な排出削減を目指し、また、世界全体でその削減量を最大限減らしていくという、そのための貢献をしなければいけないと、こう思っております。中長期的な対策・施策の検討においては、現在の排出量を適切に分析し、その結果もしっかりと役立てていきたいと、こういうふうに今思っているところであります。
(記者)もう1点。今回、大臣もお話しされていましたが、家庭部門から増加になっております。この家庭部門の増加というのは、かなり、もしかしたらネックになる可能性もあると思うのですけれども、今後どのように、この家庭部門を減らしていくのか、消費電力も含めてのことだと思うのですけど、どのようにお考えですか。
(大臣)2017年度は、前年度に比べて全国的に冬の気温が低く、暖房に伴う灯油等の石油製品からの排出量が増加したということが、家庭部門における排出量増加の主な要因だというふうに私どもは分析をしております。他方、2030年度26%削減目標を達成に向けては、家庭部門では2013年度比約40%の削減という高い目標となっております。この目標の実現に向け、環境省では、LEDや省エネ家電の利用などCO2削減につながる行動を促すCOOL CHOICEの推進、省エネ性能の高い住宅の新築や改修への支援等について、取り組んでいるところでございます。このような様々な政策を総動員しまして、引き続き家庭部門における中長期の脱炭素化に向け、全力で取り組んでまいりたいと思っております。

(以上)

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