原田大臣記者会見録(平成30年12月7日(金) 9:39 ~ 9:58 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私から報告が何点かございます。まず朝の閣議において、まず総理からは、31年度予算編成の基本方針ということで、経済最優先で取り組むということと、経済の回復基調をしっかり持続せよと、こういうお話があったところであります。経済再生なくして財政健全化なしという基本方針の下に、これからの予算編成をやるようにと、そういう指示がありました。それを受けて、財務大臣からは、めりはりのある予算配分を行ってまいると。その際、来年10月には、消費税率の引き上げが予定されていることから、臨時、特別の措置を講じ、経済的影響を確実に平準化すると、こういうような決意が述べられたところであります。なお、経済財政担当からも、その予算編成方針に基づいて着実な取組を進めるというようなお話がございました。
 以上、閣議のおおむねの御報告でございますけれど、私ども環境省からは、まず、5日でございますが、セーシェルのメリトン副大統領が表敬訪問されまして、温暖化対策、廃棄物管理や海洋プラスチックごみ問題等について、幅広く意見交換をしたところでございます。インド洋の小さい島ではございますけど、非常に環境問題には真剣に取り組んでいると、副大統領御自身がしっかり語られました。
 次でございますけれども、昨日、大熊町及び双葉町の両町議会におきまして、来年度の中間貯蔵施設の事業方針について説明を行い、同日付で公表いたしました。主な内容といたしましては、県内各所に仮置きされている除去土壌等について、帰還困難区域由来のものを除いて、2021年度までに、おおむね搬入完了を目指すということ。これに加えて、身近な仮置場の解消に向け、2019年度は400万立米程度の輸送を行うこととしております。なお、中間貯蔵施設の整備は、地権者の皆様の多大なる御協力により、着実に進捗しております。改めて、用地を提供いただいた地域の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。来年度は、今年度の目標量である180万立米を大きく上回る除去土壌等を輸送することとなりますが、何よりもまず安全を第一に、市町村の皆様と連携して計画的に輸送を進めてまいりたいと思っております。
 次でございますけれども、12月8日及び9日にインドネシア・ジャカルタで開催される「日本・インドネシア国交60周年・東アジアASEAN経済研究センター(ERIA)10周年記念セミナー」がございます。これに、我が省からあきもと副大臣を出席させることといたします。環境省では、この会合の主催者であるERIAに今年度から拠出し、途上国に廃棄物発電等の適切な廃棄物管理技術を普及し、海洋プラスチックごみ問題の解決にもつなげるための研究を進めております。そのほか、インドネシアとの間では廃棄物発電やチタルム川の水質汚染、災害廃棄物など様々な分野での協力を進めていることから、こうした取組をこのセミナーの場で御紹介したいと思っております。
 最後でございますけれども、12月2日からポーランドで開催されているCOP24では、今後のパリ協定の円滑な実施のため、実施指針を採択することが非常に重要であります。国会の事情が、最終的に許していただければ、私も来週より現地に赴き閣僚級の会合に参加する予定であります。来週予定されているハイレベルの交渉には、各国の実施状況の透明性が確保され、可能な限り共通のルールが適用されるよう我が国として、しっかりと臨む所存であります。また、交渉だけでなく、地域で脱炭素化とSDGsを実現する「地域循環共生圏」のビジョンを発信し、「環境と成長の好循環」を実現する世界のモデルとなるべく取組を進めていくという日本政府の姿勢や具体的な取組をアピールしていきたいと思います。特に、日本の気候変動分野における国際協力を発信し交渉の後押しともなるよう、「日本の気候変動対策支援イニシアティブ2018」を取りまとめましたので、この場で発表させていただきたいと思います。具体的には、10月に打ち上げに成功した「いぶき2号」や来年5月のIPCC総会の開催などを通じ、途上国における透明性の能力向上などを積極的に支援したいと思います。我が国は、COP24におけるパリ協定の実施指針の採択に向けた交渉に最大限に貢献するとともに、様々な形での国際協力を通じ、世界の気候変動対策を引っ張ってまいりたいと思っております。

2.質疑応答

(記者)読売新聞の安田です。よろしくお願いいたします。先ほどお話のあったCOP24に状況が許せばご出席ということですが、アメリカがパリ協定からの離脱を表明している中、バイ会談も調整されているというふうに聞いております。最大限交渉に貢献するというお話がさっきありましたが、日本でしかできない交渉への貢献の仕方をどう考えているかお聞かせ下さい。
(大臣)我が国は、この幅広い交渉の中で、適応、緩和、透明性の向上の三つの分野において、特に途上国支援を実施してまいりたいと思っております。適応については「アジア太平洋適応情報プラットフォーム」などを活用して、気候変動に脆弱な国々への支援や気候変動の影響評価や適応計画の策定への協力を行います。緩和については2国間クレジット制度の成功事例等を展開・発展させ、途上国と協働してイノベーションを起こす「コ・イノベーション政策」を推進したいと思います。透明性の向上については、本年10月に打ち上げに成功しました「いぶき2号」や、インドネシアと初の2国間交渉を署名した「コ・イノベーションのための透明性パートナーシップ」を通じた国際協力によって、各国の透明性の向上に貢献をしたいと思っております。また、来年5月に京都で開催されるIPCC総会を通じて、各国の温室効果ガス排出量の適切な把握とパリ協定の着実な実施に向けて支援をしていきたいと、こう思っております。今日は資料をお配りしておりますので、それを御覧いただきたいと思っております。

(記者)朝日新聞の川村です。おはようございます。よろしくお願いいたします。COP24に関連して、各国の掲げているパリ協定達成のための国別目標なのですけれども、先日も国連環境計画が各国の掲げている温室効果ガス削減の国別目標を積み上げてもパリ協定の達成に必要な削減量には届かないという報告書をまとめられた。一方でIPCCの1.5度特別報告書もさらなる目標の引き上げに言及されていると思うのですが、多分タラノア対話などがあると思うが、そういう機会を通じて、こうした世界的な目標引き上げへの機運を高めていくことに対して、大臣としてどのように関わっていかれるのかというのが1点と、もう1点は、現状の日本の掲げている26%削減などの目標についても、今後、場合によっては高めていくお考えはあるのか、以上2点をお伺いいたします。
(大臣)今の御指摘、御質問について、私どもはとにかく今回のCOPにおいては相当しっかりした対応をして、日本はしっかりやっているんだということを見てもらわなきゃいけないと思っております。速報でも出されましたように、日本の温室効果ガスの排出量は着実に減りつつある。こういうこともしっかりまた御報告して、他の国への刺激にもしたいなと、こう思っております。その上でIPCCの報告にもございますように、さらに目標を引き上げる、厳しくするべきというのは一つの報告と思いますけれども、しっかりまたその辺は国際関係を見ながら、私どもは国としてもそのことを努力していきたいなと思っております。2度目標を達成する道筋は今のところ一生懸命やっていますけれども、さらに今の調子でいきますと、この30年、50年の目標値がなかなか難しそうだというのは今国際的な雰囲気でございます。各国の目標引き上げが必要ではないかと、例えば、各国、例えばカーボンプライシングなど、財政的な政策が低炭素化に貢献する、投資が強いインセンティブになるというふうにも紹介されているところでありまして、我が国は引き続き国内対策に着実に取り組むとともに、COP24におけるパリ協定の実施指針の採択や、途上国支援を通じて全ての主体が取り組みを促進し、世界の温暖化対策の強化に貢献してまいりたいと思っているところであります。

(記者)環境新聞の小峰でございます。大臣が冒頭おっしゃった、12月5日午後のセーシェル共和国のメリトン副大統領との大臣室での会談ですけれども、セーシェルはインド洋の安全保障上、要衝に位置しております。大臣は環境行政は相当なベテランになっておりますが、もともと外交問題、安全保障の造詣がきわめて深い大臣ですので、このインド洋の安全保障上要衝に位置しているセーシェル共和国のメリトン副大統領と大臣室で行った会談はどのような内容だったのか。
 ちょっと長くなりますが、というのは、中国は、インド、亜大陸を取り巻く真珠の首飾り戦略に基づいてセーシェルの軍事拠点の開設計画があり、一方、日本は、自由で開かれたインド・太平洋の推進の観点からセーシェルとの関係を重視して、漁港整備の無償援助などをしているからです。原田大臣、今回のメリトン副大統領との会談では、温暖化対策での抑制あるいは適応対策や自然保護で何か協力要請があったのではないでしょうか。あったのなら、その回答は大臣からどのようなものだったのでしょうか。
(大臣)今、御質問にありましたけども、国と国との付き合い方、これはもう友好に進めていく以上のことはないわけでありまして、私の環境分野について、しっかりと今回議論をしたところでありまして、私からは、セーシェルにおいても、様々な環境問題の対策を進められていることに感銘を受けて、改めて島嶼国を含めた世界全体で協力しながら環境対策を進める必要があるとの思いを新たにしたところであります。地球規模の課題である気候変動対策や海洋プラスチックごみ問題等についての対応をするため、改めて国内の環境対策を着実に実施するとともに、各国と連携しながら取組を進めてまいりたいと思っています。非常にセーシェル国の真面目で、本当に真剣にこれらの問題について取り組んでおられること、私は強い感銘を受けたところであります。
(記者)それに関連して、今日資料をお配りになった支援イニシアティブ2018なのですけれども、ここの2ポツに、本イニシアティブのポイントで、アジア太平洋適応情報プラットフォーム等と書いてありますが、これはインド洋も入っていいのではないでしょうか。
(事務方)このアジア太平洋適応情報プラットフォームにつきましては、2年前のCOPで、日本が2020年までにこれを設立し、アジア太平洋地域の適応の計画づくり等を支援するということで今立ち上げているイニシアティブでございます。現時点では、名称の通りアジア太平洋地域ということでまずは始めようということでございますけれども、さらに適応情報を広げていくという意味では、いろんな国にももちろん使い得るものだとは思っております。現時点でインド洋という計画はございませんけれども、将来的にはそういうことも考え得るかとは思ってございます。以上です。

(記者)NHKの金澤と申します。1点お伺いしたいのですけれども、今朝、うちが報道いただいたのですけれども、リュウキュウヤマガメの密輸の件は、世界自然遺産登録の候補地ということもあって、その兼ね合いもあり、看過できない事案だとは思うのですが、環境省として改めてどういう対応を考えているのか、大臣として一言お願いいたします。
(大臣)この御質問について、報道がなされていることは承知をしているところであります。そのような案件が事実であった場合は、我が国の固有種であるリュウキュウヤマガメが必要な許可を得ずに国外に持ち出されたということになり、誠に残念に思っております。なお、希少な野生動物については環境省で必要に応じ生息のパトロールを行い、密猟等を防止するとともに、ワシントン条約による取引規制について関係省庁と連携して普及・啓発等を実施するなど、引き続きしっかり取り組んでまいりたいと思っております。

(以上)

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