大臣談話・大臣記者会見要旨

原田大臣記者会見録(平成30年11月20日(火)8 :48 ~8 :56 於:参議院本会議場議食側廊下)

1.発言要旨

 まず、先ほどの閣議におきまして、平成30年度第2次補正予算の編成について、総理から、その指示があったところであります。また併せて、財務大臣から、しっかりそれに向けて活動するという御報告もあったところであります。
 その上で、環境省からでありますけれども、まず第1点。大気汚染の環境基準の一つであるトリクロロエチレンの環境基準値について、昨日、改定の告示をいたしました。平成9年に設定したトリクロロエチレンの環境基準について、最新の科学的知見を踏まえ、「1立方メートル当たり0.2mg」を「0.13mg」に改定したものでありす。環境省としては、引き続き、排出抑制対策を講じてまいります。
 2点目でございますけれども、「Non 温暖化!こども壁新聞コンクール」の募集開始について、お知らせをいたします。昨日11月19日月曜日から、「COOL CHOICE」で推進している省エネ家電への買換促進の一環として、小学生を対象に、地球温暖化の現状や家庭の冷蔵庫の消費電力などを調べる「こども壁新聞」を募集しております。優秀な作品については、昨日任命した「Non 温暖化!省エネ家電推進大使」の「のん」さんから、3月上旬に表彰していただく予定にしております。多くの小学生にふるって御応募いただけるよう、メディアの皆様にも御協力をよろしくお願いを申し上げます。
 続いて3点目でございますけれども、昨日、第3回目の「パリ協定長期成長戦略懇談会」が開催されました。会合では、「グリーンファイナンス」「グリーンビジネス・海外展開」「地域」というテーマで、それぞれアムンディアセットマネジメントCEOのイブ・ペリエさん、ENGIE上級副社長のディディエ・オローさん、岡山県真庭市長の太田昇さんからのヒアリングを行いました。また、私からは、投資の予見可能性を高めるため、脱炭素で持続可能な社会への移行に向けた明確なビジョンと、ESG金融の推進などの取組が必要であるということ、地域の視点が重要であり、「地域循環共生圏」を具体化していく必要がある、などを発言いたしました。また、先日の「いぶき2号」の打ち上げ成功についても御紹介したところであります。特に、「地域循環共生圏」について、地域から大きな関心が寄せられていることを踏まえ、この構想をコンセプトのまま終わらせることなく、様々な主体としっかりコミュニケーションをとりながら、政策として具体化していくことが、環境省として急務だと考えております。長期戦略の策定に向け、引き続き尽力してまいります。

2.質疑応答

(記者)日本テレビの中村と申します。昨日行われた長期戦略について伺いますけれども、この後どういったスケジュールでまとめていくのかということと、その中で提言に盛り込むべく、環境省が一番力を入れたい点はどういった点でしょうか。
(大臣)これからのスケジュールは委員長からいずれお話があると思いますけれども、いずれにいたしましても、これまでの外部有識者ヒアリング等を踏まえて、論点の整理を行った上で、とりまとめに向けて御論議をいただくということを私は考えております。次回以降の具体的な日程については、決まり次第お知らせをしたいと、こういうように思っております。その内容でございますけれども、昨日、私も最初の出席でございましたけれども、個人的な受け止めを述べますが、「ファイナンス」については、脱炭素化につながる取組に対して、資金の流れが加速化しておりますが、日本としても、脱炭素化という明確な方向性を長期戦略に位置付けるとともに、国際的な資金獲得に勝ち抜くため、TCFDに基づく情報開示の取組などにより投資を後押しする必要があるといった意見がございました。TCFDというのは、金融安定理事会が設置した気候関連財務情報開示タスクフォースであり、全ての企業に対し、2℃目標等の気候シナリオを用いて、自社の気候関連リスク・機会を評価し、経営戦略等を反映していくと、そういうようなことを求めているところであります。また、「グリーンビジネス・海外展開」については、エネルギー政策など政府がしっかりと方向性を示すとともに市場設計を行う必要がある、日本製品についてグローバルバリューチェーンを通じた削減を行いつつ、それがしっかりと評価されるようにアピールしていく必要があるというような意見がございました。「地域」については、この度、市長さんからも御報告がありました。地域資源をいかした再エネの導入などの取組は、脱炭素化のみならず地域経済活性化や災害に対するレジリエンスの確保にもつながる重要なものであると。SDGsへの貢献を含めて「地域循環共生圏」の構築を目指して取り組んでいく必要があると、このような様々な意見があったところであります。

(以上)