大臣談話・大臣記者会見要旨

原田大臣記者会見録(平成30年11月13日(火)9:02~9:15 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

それでは何点か御報告を申し上げます。まず、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行令を、今日付けで出したところでございます。本日、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令を閣議決定いたしました。お手元に資料を配布しておりますので。この政令は、放射線障害防止法で規制するものから、農林水産大臣と協議して指定するものを除外するという内容の政令でございます。
 次に、明日からの総理のASEAN関連首脳会議への御出張に先立って、昨日、総理にお会いして、海洋プラスチックごみ問題の現状について御報告をいたしました。私からは、この問題には途上国も含めた世界全体で取り組むことが重要であること、総理にはASEANの場で力強いリーダーシップを発揮していただきたい旨をお願いしたところであります。私自身も、環境大臣として、来年のG20日本開催に向け、海洋プラスチックごみ問題で我が国が世界をリードしていけるよう、全力を尽くしていきたいと、こういうように思っております。なお、海洋プラスチックごみ問題の現状については、別途資料を用意しておりますので、また御覧いただければと思っております。
 次でありますけれども、生物多様性条約第14回締約国会議、COP14と呼んでおりますけれども、COP14に先立ち、明日14日と15日に閣僚級会合が開催することになっており、我が国を代表して城内副大臣が出席することになります。閣僚級会合では、製造業や加工業といった第二次産業における生物多様性への配慮、いわゆる「生物多様性の主流化」について、先進事例の共有が行われるとともに、シャルム・エル・シェイク宣言の採択が行われる予定であります。城内副大臣からも、民間事業者の取組を支援するガイドラインなど、我が国の優れた事例を紹介する予定にしております。
 次、4点目でございますけれども、帰還困難区域における廃棄物処理について2点、お知らせを申し上げます。1点目は、既に発表しておりますとおり、福島県双葉町中間貯蔵施設内において仮設処理施設の起工式を今週15日に開催をいたします。環境省からは、あきもと副大臣を出席させます。汚染廃棄物対策地域内の家屋解体から発生する可燃性廃棄物等については、各市町村それぞれに設置した仮設焼却施設で焼却処理を行ってきたところであります。今回、双葉町に新たに焼却施設を建設することで、同地域内すべての市町村で可燃性廃棄物の減容化が実施できるようになりました。2点目でありますが、帰還困難区域における不燃性廃棄物の処理についてでございます。本年8月に発表いたしました「福島再生・未来志向プロジェクト」の柱である「産業創出への支援」の一つとして、今年度、官民連携によるリサイクル事業に対する補助制度を創設いたしました。このたび、審査の結果、1件を採択することといたしましたのでお知らせをいたします。詳細はお手元の資料を御確認いただければと、こう思っております。これら二つの施設が稼働することになれば、帰還困難区域の廃棄物処理が前進をするということを期待しております。
 最後、5点目でございますけれども、先ほど閣議後の閣僚懇におきまして、平成29年度決算検査報告の活用につきまして、総理及び財務大臣から指示がございました。総理からも、今回の決算検査報告で数多くの指摘がなされており、各閣僚におかれては改めて予算の厳正かつ効率的な執行と、経理の適正な処理をするようにと、こういう指示があったところであります。また、財務大臣からは、それを踏まえて、平成31年度の今後の予算編成等については的確にこの検査報告を反映するつもりであると、こういう御発言があったところであります。

2.質疑応答

(記者)日本テレビの中村と申します。先ほど御紹介がありました、昨日総理のところに行かれて、ASEANについても事前説明されたということについて、もう少し詳しく伺いたいのですけれども、配布された資料も拝見しました。ASEANというと、正に、中国だとか東南アジアだとか日本が、プラゴミを輸出していた国か、あるいはこれから輸出を増やそうとしている国ということにもなると思いますが、それらの国も非常にごみの状況がよくないというような資料になっていますけれども、日本のプラごみの海外輸出についてなどは、総理と何かお話をされましたでしょうか。
(大臣)まず、総理もこの問題については非常に関心を持っておられ、また御理解も進んでいるようにも感じました。海洋プラスチック問題は途上国も含めた世界全体で取り組むことが必要であること、ASEANの場で力強いリーダーシップを発揮していただきたいと、これは私からも強くお願いしたところであります。今後のASEANとの取組につきましては、様々、現在、最終調整中ではございますが、詳細についてお答えすることは差し控えたいと思います。いずれにしても、環境省といたしましては、今後、ASEANを含む世界各国で海洋プラスチックごみ対策が進展することを期待するとともに、廃棄物処理インフラの導入支援など、実効性のある国際協力を推進し、海洋の汚染防止という目的の実現に向けた国際的取組を主導してまいりたいと、こういうことについて、私どもも強く説明いたしました。
(記者)あと1点。今日、まさに、プラスチック資源循環戦略小委員会が行われるのですけれども、今お配りいただいた資料を見ましても、ペットボトルの問題が深刻であって、特に太平洋側でのペットボトルはほとんど日本が出したものであるというような資料になっています。小委員会等で、大臣が就任されて、レジ袋に関しては踏み出されたと思っていますけれども、ペットボトルなどに関してどうするかという議論があまり見えてこないように思いますけれども、今後、まだ何かされるというお考えはありますでしょうか。
(大臣)まさに、小委員会で、そのことも含めてしっかり議論をしていただきたいと、こう思っております。昨日、総理のところでも御説明したのですけれども、国際的な動き、さらに国内でも様々、大きな、深刻な事態は進んでいるということは説明しましたし、お配りした資料からも分かるものと思っております。今のペットボトルにつきましても、これから本格的に議論しなければいけない。小委員会でそのことも当然、議論されるものと、こう思っております。

(記者)朝日新聞の川村です。今の、今日開かれる小委員会の関係なのですけれども、先日の小委員会では、循環資源戦略の素案が出されて、今日も引き続き議論されると思うのですが、その中でレジ袋について、レジ袋は有料レジ袋を義務化するという方針が素案の中に盛り込まれて、前回の議論を聞いている限りは大きな反対等はなく、これから実際に戦略が成立すれば実行に向けて動きだすのだと思いますが、今後、いついつまでにとか、スケジュールだとか、今後の手続きなど、大臣の中でお考えがあれば教えてください。
(大臣)正にそのことも含めて、小委員会でしっかり議論していただけるものと思っております。いずれにいたしましても、これは非常に大きな、社会的にも影響の大きい案件でございますから、一方で慎重に、同時に、待っておれないというような部分もございますので、そのことも含めて、各委員の御意見をしっかりまた聴取した上で、できるだけ早くできるように、私どもはそのことを小委員会にはお願いしているところであります。
(事務方)ただいまの御指摘の点に関してでございますが、まず、本日15時から小委員会の方を開催いたしまして、この戦略の中身について御議論いただくということでございます。その戦略の中身が、委員会の方で一定程度整理がなされましたら、パブリックコメントで国民の御意見を聴取して、その後、3月、今年度中に大臣に御答申をいただくというところをお願いをしているということでございます。その上で、戦略を今年の6月までに策定をいたしまして、その後、戦略に基づいた施策というところを進めていくと、こんなスケジュールでございます。

(以上)