原田大臣記者会見録(平成30年10月10日(水)10:18~10:40於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 まず、昨日は私、2度目でありますけれども、福島県の方に就任挨拶に行ってきたところであります。併せて、一部、中間貯蔵施設という、本当に大切な施設を見学もさせていただいたところであります。まずは昨日、福島県に、松本楢葉町長、伊澤双葉町長、渡辺大熊町長に、議会の関係者も併せて御挨拶させていただきました。また、中間貯蔵施設の視察も行ったところであります。各首長との面会では、日頃から除染や中間貯蔵施設の整備、汚染廃棄物の処理など、大変御苦労いただいているところでありますけれども、日頃の御労苦・御協力に感謝をした上で、福島の復興に対し全力を尽くすということをお伝えしてきたところであります。
 また、本日でありますけれども、午後に同じく福島県に出張いたしまして、宮本富岡町長に御挨拶を行う予定であります。また、特定廃棄物埋立処分施設・特定廃棄物埋立情報館「リプルンふくしま」の視察も行う予定にしております。引き続き、県や関係自治体と密接に連絡をとりながら、福島の復興に向けて全力で取り組むという、私ども政府の気持ちをお伝えし、また、自治体と、よく連絡を密にしながら対策を練っていこうということを伝えてまいりたいなと、こう思っておるところであります。

 もう一つでございますけれども、先週、韓国で開催されました気候変動に関する政府間パネル、IPCCといわれておりますけれども、その48回総会が行われました。その中で、1.5℃特別報告書が採択され、8日、公表されたところであります。本報告書では、世界の平均気温は既に1℃上昇しておると。これは産業革命から比べましてね。2030年から2052年の間には1.5℃を超える可能性が高いということ、それを回避するために今世紀半ばにはCO2の排出を実質ゼロとする必要があるということが指摘されておるところであります。要するに、プラスとマイナスをゼロにするということであります。また、投資、政策手段、技術イノベーション及び行動の変化など、あらゆるシステムの移行の重要性を強調しておるところであります。我が国といたしましては、まずはCOP24におけるパリ協定の実施指針の採択に向けて議論を着実に進展させるべく、積極的に交渉に貢献するとともに、温室効果ガスの大幅な排出削減に一層着実に取り組んでいくという所存であります。また、6月に成立をいたしました気候変動適応法に基づき、適応策の更なる充実・強化を図ってまいりたいと、こういうふうに今、思っているところであります。
 取りあえず私の方からこの2件について御報告をさせていただきました。また皆様方、いろいろ御質疑お願いしたいと、こう思っております。

2.質疑応答

(記者)テレビ朝日の広瀬です。今朝の一部報道で、環境省の外局である原子力規制委員会が貸し出している放射線の測定装置など440台余りについて、物品の管理簿に正確な記録がないなど管理が不適切だったということで、会計検査院が近く改善を求めるということなのですけれども、このことについて事実確認と大臣の受け止めについてお願いします。
(大臣)実はこの詳細については、私ども環境省としてもまだ聞いておりませんで、これにつきましては原子力規制委員会、規制庁において適切に対応していただけるものと、そういうふうに承知しているところであります。当面は原子力規制庁にお問合せをいただければありがたいなと、こう思っております。

(記者)日本経済新聞の安倍と申します。カーボンプライシングについて一つお伺いしたいと思います。今年のノーベル経済学賞に環境経済学者で炭素税を導入したことで知られるアメリカの大学の先生が選ばれました。環境省もいろいろカーボンプライシングの議論をしていると思いますけれども、なかなか、経済界の反発も、やはり議論を見ていてもありますし、また世論もあまり高まっていない、あまり話題にもそんなに多く上らないと思います。今回の受賞を機に、環境省が進めているカーボンプライシングの議論、どのように影響するか、また環境省として、どう利用していくというとちょっと変かもしれませんけれども、どういうふうに見ていらっしゃるか伺えればと思います。
(大臣)御指摘のとおり、今年のノーベル経済学賞は、ともに長期的な持続可能な経済成長に関する研究成果が評価をされまして、両アメリカの先生でありますけれど、エール大学のウィリアム・ノードハウス教授とニューヨーク大学のポール・ローマ-教授に贈られるということが決まったというふうに伺っているところであります。ノードハウス教授は、長年、気候変動と経済成長の関係を研究対象としておられまして、気候変動の脅威に警鐘を鳴らし、国際的に協調的な政策をとることの必要性をずっと主張してこられたというふうに伺っております。特に、気候変動対策として、「炭素税」や「キャップ・アンド・トレード」という手法を導入することによって炭素価格を設定すること、すなわちカーボンプライシングの重要性を主張されていたということを伺っているところであります。当省においても、いずれにしても、脱炭素社会を実現するということから、長期的には2050年80%削減に向けた長期戦略の策定やカーボンプライシングの活用の検討などについて、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと思っております。もう既にこの点についても、現在、様々国内の議論がありますけれども、中央環境審議会のカーボンプライシングの小委員会ができて、各般の代表者によりここでしっかりまた議論が進んでおるところであります。我が省としては、これらの御意見、今回のノードハウス教授の論文等ももちろん参考にしながら、これからどういう選択があるかということを、特にこの中環審の議論等を踏まえながら、やはり国としては当然のことながらカーボンの抑制というものを図っていかなければいけないわけですから、その方向、その手法についてしっかり検討を進めていきたいなと、こう思っております。当然のことながら、いろいろな関係者との調整、経済界も含めて、それはもう当然なことだろうと思います。
(記者)ちょっと御参考にもう一つ。大臣御自身は通産省の御経験もあって、経済界寄りのお考えも理解できる面があると思います。大臣御自身はカーボンプライシングの必要性についてどのように御認識されていらっしゃいますか。
(大臣)ここは個人の立場を申し上げる場所ではございませんから、しっかりまた現在の議論を踏まえて、最終的には結論を出していきたいなと、こう思っております。

(記者)朝日新聞の神田です。IPCC1.5℃特別報告書についてお尋ねしたいのですが、パリ協定では2℃より十分に低く抑える、可能であれば1.5℃までに抑えるという目標なのですけれども、今回の報告書を受けて、大臣としては限りなく1.5℃に近づけるように世界各国で努力すべきだというふうにお考えでしょうか。
(大臣)今回のIPCCの報告書は非常に大事な報告書と思っております。もちろん我が国の、国の政策としては、あくまでもまずは2℃を政策的な目標として、しかしまた、併せて1.5℃というより大事な目標も追求し続けるというようなポジションだろうと思っております。いずれにしましても、このことも踏まえてこれからの全体の政策の中でしっかり取り組んでいきたいなと、こう思っております。
(記者)1.5℃特別報告書の中で、2050年頃に排出実質ゼロということが盛り込まれたということで、大臣も先ほどそれに言及されていましたけれども、長期戦略の中で2050年80%削減ということで、長期戦略も取り組んでいくということですけれども、もし1.5℃に抑えるのであれば、これから長期戦略を作る日本としては、2050年実質ゼロという内容で取り組んでいくということもあるのではないかと思うのですけれども、それはどのようにお考えでしょうか。
(大臣)少し先のことでありますけど、私どもからすれば、この方針に沿ってまずはしっかりと取り組んでいかなければならないというふうに今回の報告書については受け取っておるところであります。我が国の具体的な施策としては、総理もおっしゃっているわけでありますけれども、温暖化対策を競争力の源泉として、環境と成長の好循環を実現することが重要であって、まずは2℃目標を確実に達成するということを目指すとともに、1.5℃まで抑える努力を継続していかなければならないなと、今、考えておりまして、これをこれからさらにまた具体化していく必要があろうと、こう思っております。
(記者)もう一つなのですけれども、ちょっと併せて、1.5℃に抑える努力をするということであると、あまり時間がなくて、IPCCの報告書の中でも2030年までに10年比45%削減が必要だと言っています。日本の削減目標を見直して、より強化していくという考えを大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
(大臣)我が国においては、地球温暖化対策計画に基づく取組を着実に実施して、まずは2030年度26%削減目標の達成を目指していくということであります。また、これについては、少なくとも3年ごとに検討を行い、必要に応じて見直すこともしております。パリ協定の目指す脱炭素社会の実現に向けて、従来の延長線上にないイノベーションを創出し、温室効果ガスの国内での大幅な排出削減を目指すとともに、世界全体の排出削減に最大限貢献をしていかなければならないと、こういうふうに考えているところであります。

(記者)TBSの梶川と申します。昨日、一部報道で出ていた、福島第一原発の除染事業で出た廃棄物が不法に投棄されていたという報道が一部出ていて、それで下請会社が書類送検されたと、清水建設の下請会社ということなのですけれども、これに関して、何か行政処分など、お考えあるかということをお聞かせください。

(大臣)この御質問につきましては、環境省においても元請事業者である清水建設から御指摘のような疑いがあったということを報告を受けているところであります。現在、警察において捜査中でありまして、環境省としては、警察の捜査等に全面的に協力しておるという段階にあります。

(記者)NHKの杉田です。すかいらーくホールディングスが一部の店舗でストローを撤去することを始めるなど、国内でプラスチックごみの削減に向けた動きが本格化していると思うのですけれども、これに対する大臣の受け止めと、あと何か、例えば環境省内で何か取組を始めるとかがあれば教えていただければと思います。
(大臣)海洋プラスチックごみの問題につきまして、私も着任の会見でもお話を申し上げたところであります。プラスチックごみを、最終的にはやはり将来に向けて、世界的に抑制していかなければいけないなということは、これは必要だろうと思っています。その上で、今、民間の側からも、例えばストローを削減するというようなことを打ち出されているようなことも聞いておりまして、私は可能なものから使い捨てプラスチックの代替・回避を進めていくということは重要であると考えておりまして、こうした自主的取組が進められることは非常にありがたい、望ましいと、現在考えております。いずれにいたしましても、産業界や自治体、NGO等の関係者が集う中央環境審議会、中環審の場で、各主体において使い捨てプラスチックの削減の取組をどのように進めていくかも含めて、「プラスチック資源循環戦略」の小委員会でしっかり議論されているというふうに伺っております。いずれにいたしましても、この議論を踏まえて、私ども様々取り組んでいきたいと、こう思っております。
(記者)最後の、委員会とは別に環境省内で何かやろうとかというのはあるのでしょうか。
(大臣)これについても、いろいろと議論は進めたいと、こう思っております。

(記者)毎日新聞の五十嵐です。先ほど日経新聞さんから質問があったカーボンプライシングの関係で1点だけ確認をさせてください。大臣御自身としてカーボンプライシングの必要性について問われた際に、個人の立場を申し上げる場ではないというふうな趣旨の話をされていましたけれども、環境省としては、具体的にどう進めていくかはともかくとして、カーボンプライシングそのものについては、基本的には前向きな姿勢を打ち出しているかと思うのですけれども、その省の姿勢と個人の御立場というのに違いがあるのでしょうか。
(大臣)私も着任したばかりでございますから、今の件について、当然、しっかりと学習した上で、私の立場をもちろん加えていきたいと、こう思っております。環境省としては、引き続き、新たな経済成長の原動力としてのカーボンプライシングの活用の可能性を検討していきたいなと、こう思っているところであります。

(記者)時事通信の市原です。大臣、レジ袋については、個人のお考えを表明しておられるわけですけども、カーボンプライシングについては勉強してからということですけども、いつごろお考えを聞かせていただけるということなのでしょうか。
(大臣)審議会、小委員会等の審議状況を踏まえながら、事の重大性、大事さを踏まえると、できる限り早く省としても政策を出せるものと、こういうふうに思っております。
(記者)今、お伺いしているのは、省としての考えというか、省としての考えと同じであればそれでもいいのですけれども、違うのであれば、大臣の考えというのはいつ頃お聞かせいただけるのでしょうか。
(大臣)それは検討した上でですから、当然、大臣になれば、まず、大臣として、個人としてもしっかり勉強した上で、それを政策として出したいなと、こう思っておりますから、いつとは言えませんけれども、当然、できるだけ時機を見て出したいなと、こう思っております。

(記者)北海道新聞です。世界自然遺産のことについて1点お伺いしたいのですけれども、前中川大臣は、確実かつ早期の登録へ必要な作業に着手している、再来年夏の確実な登録を目指す、とおっしゃってましたけれども、原田大臣に大臣は替わりましたけれども、立場や姿勢について変更はございませんか。
(大臣)全くそのとおりでありまして、今日まで努力してこられて、今のところ、一旦、中座しておりますけれど、改めてそのことを推進していきたいと思っておりますし、もう既にして、私、着任してからも、関係者から強い要請もあったところであります。

(以上)

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