大臣談話・大臣記者会見要旨

中川大臣記者会見録(平成30年7月20日(金)9:16~9:30 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 平成30年7月豪雨に係る環境省の対応状況を御報告いたします。改めて、今回の豪雨によって亡くなられた方にお悔やみを申し上げ、そして、被災された方々にお見舞いを申し上げます。環境省では、岡山県倉敷市に松澤大臣官房審議官を派遣いたしました。広島県には環境再生・資源循環局の総務課長、それから地球環境局の総務課長、この方も資源循環関係の専門家でもございますので、2名、広島県に派遣をしております。また、愛媛県の宇和島市に室長級職員を派遣いたしまして、被災地域全体での支援体制を更に強化いたしました。岡山県倉敷市及び広島県呉市におきましては、道路上にあふれているがれき、あるいは道路脇に積まれている災害廃棄物につきまして、自衛隊の方々の協力をいただいて、速やかな撤去等の作業が進捗中であります。特に倉敷市真備町につきましては、自衛隊の大幅な増強もございまして、順次撤去が進んでいるところでございます。各被災地全体について、関係各省との連携の下、総力を挙げて災害廃棄物の円滑、迅速な処理を進めてまいります。
 もう1点、ペット対策について御報告いたします。ペット対策につきましては、動物愛護管理担当職員を岡山県、広島県に派遣いたしまして、情報収集、避難所等の現地確認を行い、ペット対応やトラブル関連の情報収集・連絡調整、自治体への助言などを行ってきたところでございます。一方、避難所に入らずにペットと過ごしておられる被災者に対しまして、これまでのやり方では十分に情報が届いていないという課題も見えてまいりました。そのため、環境省としては、このような課題の解決に向けて、周辺の住民から自治体の相談窓口等について、飼い主の方々に知らせていただいたり、情報の提供の仕方を工夫していく必要があると考えておりまして、現地の課題解決支援に当たるため、新たに動物愛護管理担当職員を配置及び派遣したところでございます。

2.質疑応答

(問)朝日新聞社・川村です。世界遺産の関係です。昨日の文化審議会の方で、2020年の登録を目指す世界文化遺産として、北海道・北東北の縄文遺跡群の推薦を目指すことが決まりました。一方でユネスコの世界遺産委員会では、20年審査分から1国1件ルールというのが適用されることになるのですけれども、現状で奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島についても20年登録を目指すという大臣のお考えについて変わりはないでしょうか。またその場合に、この縄文遺跡群とどういうふうに調整していくのか、お考えをお聞かせください。
(答)環境省といたしましては、奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島を、是非、来年2月1日までに推薦したいと考えております。我が国の文化遺産の中にも世界遺産登録に向けた推薦候補があるということで、今後、推薦案件を1件にするための調整が必要になります。最終的に政府としてどの案件を推薦するかは、閣議了解ということで決まるというように認識しておりまして、今後、関係省庁間で調整をするということになります。この関係省庁間での調整の過程において、環境省としては全力で、今申し上げました奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島の世界遺産登録が候補になるように努めていきたいと、そういう調整過程の中で、環境省の意向が通るように全力で臨んでまいりたいというように考えております。
(問)今後のスケジュールなのですけれど、手続でいえば、9月には暫定版の推薦書提出という手続も想定されます。今のところの、いつまでに調整したいとか、そういうスケジュール感をお持ちでしたら教えてください。
(答)推薦の閣議了解は、例年ですと1月に行われているわけですけれども、今回は文化遺産と自然遺産との調整という非常に大きな問題がございますので、それまでのプロセスやスケジュール等も今後、関係省庁の間で調整をするということになると考えておりまして、現段階でいつということを申し上げられる段階にはないということであります。
(問)最後にします。環境省の意向が通るように全力で努めたいとおっしゃいましたけれども、来年の国内候補として奄美、沖縄が選ばれる自信のほどはいかがでしょうか。もし自信があるのでしたら、その根拠までお示しください。
(答)IUCNの勧告の趣旨を踏まえて、推薦の内容をさらに世界遺産に認定されるように努力をしているところであります。そういった環境省の今までの努力と、それから今回IUCNの考え方を受けて、さらに受け入れていただけるようなそういった内容にしていくということをもって、今回、文化遺産との調整に臨んでいきたいと思っておりますので、今ここで自信の程を断定的に申し上げることはできませんけれども、これはもう環境省の意向が政府部内で通るように全力で臨んでいきたいと、そういうふうな結果になるものというふうに私自身は思っております。

(問)鹿児島・南日本新聞の重吉です。今の世界遺産に関してなのですけれども、客観的に見て自然遺産の方が有利に働くと考えられているところがあれば、数の面などもあると思うのですけれども、お聞かせください。
(答)それは、これからの正に政府部内の調整でありますけれども、今までの経緯ですね、かなり精度は高くなってきておりますし、地元の皆様方の熱意、そして御要望というものも非常に大きなものがあるわけでございまして、そういったことを政府全体での調整の中で考慮して、自然遺産の方に軍配が上がるのではないかというふうに私は思っておりますが、これはこれからの我々の努力にかかっているというように思っております。

(問)テレビ朝日・吉野です。今月27日に中間貯蔵施設大熊工区の報道公開というのが行われるのですけれども、ちょっと一つ申し上げたいことがありまして、これは午前9時に富岡-浪江の、現在、常磐線不通区間のエリアにある集合場所に集まれと。そういう、まず指示がありまして、さらに、東京から始発のひたちに乗っても富岡までは10時にしか着かないのですよ。こういう集合をかけるということは、東京の記者が参加することを前提としていないのですかということを、まずお伺いしたいのですが。
(答)いろいろな調整でそのようになったと私自身報告を受けましたが、事務方の方から答えさせていただきたいと思います。
(事務方)事務方より補足を申し上げます。公開のタイミングにつきましては、これまでもメディアの方々からも様々な御要望をいただいているところでございます。今回につきましても、現地のJVの作業工程も含めまして、総合的に勘案させていただいてこの時間ということで御案内を差し上げたところでございます。今回につきましては9時と、大変早い時間で恐縮でございますけれども、御理解を賜りたく存じますが、また次回以降、実施の検討に向けて御要望を踏まえて検討を進めてまいりたいと思います。
(問)そういう木で鼻をくくったような言い方をされると非常に腹が立つのですけれど、2月の公開時もこの問題についてきちんと抗議したのですが、それは全く聞いていなかったのですか。
(事務方)実際、現場の状況ということでございますけれども、また加えれば、午前中でない場合、また午後の公開ということになりますと、現場は非常に気温も高くて、作業員の安全確保の観点、また全体の事業の作業工程も含めまして、今回につきましては午前中、またこれまでもメディアの方から、午後の公開ということになりますと、夕方のニュース配信との兼ね合いということでも御指摘をいただいている中で、様々な御意見があろうかと思ってございますけれども、今回につきましてはこの時間でお願いをしたいということで思っております。
(問)質問に答えてもらいたいのですが、聞いていましたか、そういう抗議があったということは。
(事務方)この回に関しまして、テレビ朝日さんから御意見があったということは伺ってございます。
(問)それからもう一つ、日程は予定であり、変更・中止があるとかいうので、一方的に書かれているのですけれど、これはなぜでしょうか。
(事務方)その現場に向けて作業工程、実際の事業の現場の作業の状況、また今後、作業の順調な進捗等も含めて、必ずしも実施が必ずということではございませんが、我々としては実施に向けて準備を万全に進めてまいりたいというふうに考えております。

(以上)