大臣談話・大臣記者会見要旨

中川大臣記者会見録(平成30年1月16日(火)10:32 ~10:45 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私からは特にございません。

2.質疑応答

(問)共同通信の深谷です。今朝、経団連の榊原会長等と意見交換を、大臣、されたかと思うのですけれども、そこで石炭火力ですとか、カーボンプライシングのお話もされて、意見の違いが以前からあるような状態が続いているという状況だったと思うのですが、先週JCLPの方たちがいらっしゃって、そこでも意見交換をされ、JCLPの方たちは温暖化対策に前向きで取組もされてきたかと思うのですけれども、産業界内部でも温暖化対策の対応で様々な違いがあるかとは思うのですが、こういった産業界の現状について大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)本日朝、経団連と意見交換会を行いました。今、御指摘がございましたように、石炭火力の国内での新増設、それから途上国への輸出の問題につきまして、私からは諸外国から厳しい批判があるということ、それから今世紀後半には排出と吸収をイコールにする、実質排出量ゼロということが目標になってくる、そういう流れにあるわけでございまして、そのようなことを考えますと、今、石炭火力の発電所を新設をしたり、輸出をするということは、40年とかそういった耐用年数を考えますと、そういう今世紀後半の世界の目指す方向にとって適切ではないと、こういうことからも厳しい対応をしていかなければならないのではないかという趣旨のことを申し上げました。経団連の方からは、適切なエネルギーミックスというものが必要だと。石炭につきましても、それなりの役割があるということ。そして輸出についても、非常に効率の良いものに限っていけば世界全体の排出量の削減にも役立つというような御主張がございましたが、これに対してまた私の方からは、そういう意見があることはもちろん承知しておりますけれども、石炭について厳しい考え方を繰り返し述べさせていただきました。カーボンプライシングにつきましても、経団連としては慎重に考えるべきだと。やはり、直接的なそういう規制ということをすれば競争力を失う、体力を削ぐと。既に我が国においてはいろいろな取組をしている、いろいろな制度もあるし自主的な取組もして企業の環境問題に取り組むインセンティブというのは、今でも十分にあるということで、カーボンプライシングについての対応に関しまして、慎重というか反対と、こういう見解が述べられました。それに対しまして私の方からは、いろいろな課題があることは十分承知しておりますけれども、諸外国の例などを見て、一つ一つの課題について乗り越えることはできるのではないかと。ですから経済的手法として有効なカーボンプライシングについて、経済界の方と一緒にいろいろな課題を乗り越えていく。そういうことを考えて脱炭素社会を実現していくべきではないか、ということを申し上げました。今日の懇談会では、カーボンプライシングについて前向きな発言はございませんでしたが、今御指摘の、先日、環境問題に積極的に取り組んでおられる企業の方々が大臣室にお越しいただきまして、そこで意見交換いたしました。カーボンプライシングについては、それはコストというふうに考えるのではなくてインセンティブとして考えるべきではないかという意見もございまして、企業の中にはそういった前向きな考えを持っておられる方もおりまして大変心強く思った次第でございます。経団連という組織としては慎重ということでございましょうけれども、経済界全体の中にはカーボンプライシングについても積極的にとらえている方もおられるというのが現実だというふうに思っております。

(問)読売新聞の中根です。朝の経団連との懇談会の中で、長期戦略の検討について来年度の早い時期に始めたいと思うと発言されてましたけれども、政府全体の検討について具体的なスケジュールが決まっているようでしたら教えていただけますか。
(答)そこはまだ決まっておりません。経済産業省と調整をして、来年度の早い時期から政府全体としての検討をスタートさせたいというふうに思っております。
(問)それは経産省の方との擦り合わせの上で早い時期とおっしゃったのか、それとも大臣がそう考えてらっしゃるのか。
(答)まだ具体的な日程は決めておりませんので、環境省としてはということになります。現時点ではですね。ただ、政府全体としての検討について、経産省もそんなに遅くという考えはございませんので、現実にはある程度早期に発足するというふうに思っております。
(事務方)補足します。大臣がおっしゃったとおり、具体的日程についてはまだ調整中ですけれども、来年度の早期に政府としての場を立ち上げるという方向性については経産省とも合意の上でそのようになってございます。

(問)NHKの松田です。日曜日にIRENAの総会で河野外務大臣がスピーチをされまして、その中で日本の再エネをめぐる現状について嘆かわしいというようなお話を、強い口調でお話をされておられます。このスピーチの内容を大臣もお聞きになっているかと思いますけれども、このスピーチについて大臣は、聞かれてどのような御感想を持たれたか教えてください。
(答)河野大臣の発言につきまして、再生可能エネルギーを少しでも多く導入し、脱炭素社会を実現しなければならないという河野大臣の思いが述べられたというふうに思います。私自身は大変心強く受け止めました。環境省としては、国民負担を抑制しながら再エネの最大限の導入を図るという政府の方針でございまして、現在ある目標値につきましても、その目標を超えて再エネの導入を拡大するという意気込みで、今、全力で取り組んでいるところでございます。その上で、再エネの目標値を含めて、地球温暖化対策計画については少なくとも3年ごとに目標及び施策について検討を行い、必要に応じて計画を見直すというふうにされておりますので、温対計画の見直しの際にはできるだけ高い再エネ目標を掲げることができるように検討していきたいというふうに思っております。

(問)毎日新聞の五十嵐です。公文書、特に公的なメールの管理についてお伺いいたします。毎日新聞の今週明けからの報道で、中央官庁で公用のメールが事実上、公文書として扱われていないのではないかという問題提起の報道を始めておりますけれども、環境省として、今実情どのように対応しておられるのかということと、この件に関して大臣としてお考えがあればお聞かせください。
(答)環境省の現状は、行政文書として保存すべきものは、一つは紙にしてプリントアウトとして適切に保存をしている、そしてまた共有フォルダに入れて保存をする、そういったことが行われていると思います。それで、何が行政文書なのか、何が保存すべきものなのかというところについて、先般、これは去年の12月26日に「行政文書の管理に関するガイドライン」が改正されまして、「意思決定過程や事務及び事業の実績の合理的な跡付けや検証に必要となる行政文書に該当する電子メールについては、原則として作成者または第一取得者が速やかに共有フォルダ等に移すものとする」とされたところであります。今後、環境省の行政文書ファイル保存要領を改正をいたしまして、それに沿って対応を進めることとしております。