大臣談話・大臣記者会見要旨

中川大臣記者会見録(平成29年9月19日(火)9:47 ~10:05 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私の方から御報告はございません。

2.質疑応答

(問)NHKの金沢と申します。一つだけ質問いたします。福島県の旧避難区域におけるイノシシを始めとする有害鳥獣の駆除についてなのですけれども、大臣が初めて内堀知事にお会いしたときに要望があったと思うのですが、避難指示解除後も、帰還した住民からイノシシやアライグマなどの被害が後をたたない状況で、今もお役場や県の方に苦情だったり、早く駆除を進めて欲しいという声が上がってはいるのですが、その現状を踏まえた上で、今環境省として取り組んでいる駆除の状況と今後の取組について一言お願いいたします。
(答)避難指示が解除された区域における鳥獣対策につきまして、関係自治体が中心となって、環境省や復興庁、農林水産省などの予算を活用しながら、住民の皆様が安心して帰還をしていただけるように、捕獲を始めとした対策をしているところでございます。環境省でも指定管理鳥獣捕獲等事業費による交付金事業がございまして都道府県への捕獲支援を行っております。この捕獲の体制なのですけれども、環境省では地元自治体による捕獲体制などを取ることが困難な帰還困難区域におきましては、イノシシは平成25年度より、それから住宅に住み着くなど住宅被害などを発生させているアライグマ、ハクビシンなどは復興庁等々と連携をいたしまして平成28年度より、環境省直轄事業として捕獲を実施しております。いずれにしてもこの捕獲につきましては、捕獲を進める方の確保が大事でありまして、各自治体も大変苦慮しているわけでありますけれども、環境省の直轄事業ということにつきましては、自然環境研究センターにお願いをして、人を確保して事業を進めております。避難指示が解除された区域の平成27年度、28年度の捕獲数をイノシシについて申し上げますと、平成27年度は2723頭でありますし、28年度はイノシシが7445頭、ニホンジカが248頭ということで、大変厳しい状況の中で努力をしてやっております。
(問)追加で申し訳ないのですが、今の捕獲の体制で十分とお考えなのでしょうか。また今後の捕獲の増減を見た上で、体制を見直すお考えはあるのでしょうか。
(答)もちろん、十分という認識はございませんので、今後とも関係省庁、県、市町村と連携をしながら捕獲対策の拡充など、対策を強化してまいりたいと思っております。特に避難指示が解除された区域の担い手ということに関しますと、平成26年度の鳥獣法の改正によりまして、認定鳥獣捕獲等事業者制度というのが導入されまして、安全かつ効果的に捕獲ができる法人の育成を進めておりまして、全国で118団体が認定をされているところでございます。環境省では、交付金のメニューによって認定鳥獣捕獲等事業者の育成支援を行っておりまして、福島県におきましても現在は3団体が認定されているわけでありますが、これらの事業者の育成、一つは捕獲技術や安全に関する研修会の開催ということもありますが、人を探さなければいけませんので、そういった努力をしていかなければなりません。この交付金による支援というものを今行っておりますが、さらなる拡充をしていかなければいけないということで、今検討しているところでございます。

(問)共同通信の藤原です。安倍総理が臨時国会の冒頭で衆議院を解散する意向を固めました。最終的には22日の帰国後に判断される方針ですけれども、衆議院の日程は来月22日の投開票が有力となっています。内閣改造が8月に行われて、結果本位の仕事人内閣と命名されましたが、短期間の間に結果を出すのはなかなか難しいのではないかと思うのですけれども、衆議院解散の方針について大臣の受け止めをお願いします。
(答)解散というのは総理大臣の権限でありまして、私からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。いずれにしても、日々しっかりと職務をこなして、一つ一つ結果を出すという方向で頑張っていきたいと思っております。

(問)NHKの松田です。ニューヨークで開かれる国連総会についてなのですけれども、今日、日本時間の今夜、アメリカのトランプ大統領が初めて国連総会の場で演説をすることになっています。気候変動に関してパリ協定を脱退する意向も表明していますが、この国連総会の場でアメリカがどういった態度や立場を示すということを期待をされているか、国連総会の場での気候変動対策の議論はどのように深まることを期待されているか、教えて下さい。
(答)いずれにいたしましてもトランプ大統領がパリ協定から脱退する意向を表明しております。これに関しましては、安倍総理も既にトランプ大統領に気候変動対策の重要性を説明しておりますし、先般、開かれました15日、16日にカナダのモントリオールで開催されましたカナダ、EU、中国主催の閣僚会合におきましても、とかしき副大臣が出席をいたしまして、アメリカの代表で、アイゼンスタット大統領次席補佐官が出席をされたようでございますが、気候変動問題に取り組むことの重要性をお伝えしております。バイ会談を行ってそういった重要性をお伝えをし、米国がしっかりと受け止めていただいたと、そういう認識だという報告を受けております。いずれにしても、様々な機会を通じてアメリカの対応というものに対しましてしっかりと気候変動問題に取り組む重要性を説明して、アメリカのパリ協定離脱という方針を改めていただくように努力をしていかなければならないというふうに思っております。
(問)国連のトランプ大統領の演説の中で、どういったことを表明されることを期待されていますか。
(答)それはまだどういう演説になるのか、私も聞いておりませんので、直接お答えをすることは差し控えておりますけれども、気候変動問題に対する重要性をトランプ大統領自ら話されて、そしてその対応をしっかりと取るということを言っていただくことを期待しております。

(問)読売新聞の蒔田です。今の質問に関連するのですけれども、今回のカナダでの閣僚級会合に関連して、アメリカのメディアの中ではトランプ政権のパリ協定離脱を回避する方向を検討しているのではないかという報道もありました。今の大臣のお話でも日本からも重要性を改めて伝えたということなのですが、この一連の会合もしくはその前後も含めてですが、トランプ政権のパリ協定に対する態度というのは変化が表れているようにお感じでしょうか。
(答)この点につきましては、とかしき副大臣は米国のアイゼンスタット大統領次席補佐官と会話をしまして、今申し上げたように気候変動問題に関する重要性というものはお伝えしたと、その上で米国もしっかりと受け止めていただいたという認識だと、こういう報告は受けておりますが、先方の具体的な発言の内容につきましては、先方との関係がありますので、お答えは差し控えさせていただきますが、米国がこれまで公式に表明している姿勢から変更は見られなかったというように報告を受けております。

(問)共同通信の深谷です。今の質問の関連ですけれども、アメリカの方の報道で、パリ協定に残留することを検討しているということで、アメリカが残留する代わりに、アメリカのパリ協定で約束した温室効果ガス排出量の削減目標を引き下げることを考えているということが報道されているのですけれども、この件については大臣どのように考えているのでしょうか。
(答)アメリカの報道もいろいろございまして、報道ではアメリカが考え直す方向ではないかということも聞いておりますけれども、一方で、今までの考え方と変更はないということを言っているという報道もございまして、とかしき副大臣の報告でもカナダ・モントリオールでの会談の中においてはアメリカが従来からの姿勢を変更したというふうには受け取っておりませんので、アメリカの対応は現時点で変わってきているというふうには私は認識しておりません。引き続き努力していかなければならないという認識でございます。

(問)毎日新聞の五十嵐です。衆議院が解散されるかもしれないという観測が流れておりますけれども、直接の関係はありませんが、今月末に水銀に関する水俣条約の第一回の締約国会議が開かれる予定になっております。大臣はこれまでの御発言では国会が許せば自ら行きたいと先日おっしゃられておりましたけれども、国会がこのような情勢になっている中で、水俣条約COPに対する大臣の姿勢を改めてお聞かせください。
(答)水俣条約につきましては、日本の水俣という都市の名前が使われているわけでありますし、日本がリーダーシップをとってまとめた条約でもございますし、その内容も極めて意義のある内容であります。従いまして、今回の水俣条約のCOPは非常に重要な会議になるというふうに思っております。従いまして、日本もCOPに参加をしてしっかり発言をしなければならないというわけでありますので、国会の状況ということを今まで申し上げておりましたが、諸般の状況を考えまして、私も含めて誰が行くのか検討して、いずれにしても我が国として非常に重要な会合でありますので、然るべき方が出席をして発言をしなければならないというふうに思っております。
(問)続けてで恐縮ですけれども、今までの発言と微妙にニュアンスが変わっているように思いますが、諸般の事情を考えると大臣御自身が出席するのは難しいというお考えなのでしょうか。
(答)28日に国会が開会されるということであると、私が行けるかどうか、そこは国会のお許しが得られるのかどうかとそういうところに関係してくるということでございます。