大臣談話・大臣記者会見要旨

中川大臣記者会見録(平成29年9月5日(火)  10:42 ~  10:58  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私から、ヒアリ調査の実施について御報告いたします。環境省では、国土交通省と連携して、ヒアリの早期発見・早期防除のため、ヒアリが確認された港湾を含む中国等からの定期コンテナ航路を有する68港湾における調査を8月1日より開始し、順次実施してきました。また、全国16カ所のヒアリ確認地点についても、周辺2km程度の調査を7月31日より開始し、順次実施してきました。この度、両調査について、一部港湾を除き1回目の調査が終了しました。その結果、これまでに68港湾調査では、広島港及び清水港でヒアリが発見されており、これらについては8月25日及び28日にそれぞれ報道発表を行ったところです。それ以外の港湾からはヒアリは発見されていません。また、周辺2km調査では、現時点でヒアリは発見されていません。68港湾での調査の2回目は10月上旬頃まで、3回目は11月上旬頃までに、ヒアリ確認地点等の周辺2km程度の調査の2回目は10月上旬頃までに終了することを想定しており、両調査の結果については、まとまり次第、速やかに公表する予定です。詳細はお手元の資料を御覧ください。

2.質疑応答

(問)NHKの松田です。昨日までの2日間、玄海原発の事故を想定した防災訓練が行われたと思うのですけれども、それについてお伺いします。北朝鮮の核実験などの対応で、一部想定通りにいかなかったというところもあったというふうに聞いています。今回の訓練で見えてきた課題を含め、訓練を振り返っての所感をお願いします。
(答)9月3日日曜日から2日間、九州電力の玄海発電所を対象に、平成29年度原子力総合防災訓練を実施いたしました。私も内閣府特命担当大臣、原子力防災担当として訓練に参加をいたしました。官邸、そして原子力規制庁緊急時対応センター、ERCですね、それと現地のオフサイトセンター、佐賀県、福岡県、長崎県、関係市町等の各拠点におきまして、1日目は主に、中央と現地組織の連携による避難計画等の意思決定訓練、2日目は主に、全面緊急事態を受けた住民避難等の実動訓練を実施いたしました。訓練の途中、今御指摘がありましたように、北朝鮮に係る事態への対応を優先するため、官邸の訓練につきまして一部場所と参加者を変更するなどいたしましたが、全体として概ね予定通り実施をいたしました。今後、本訓練の結果から教訓事項を抽出し、「玄海地域の緊急時対応」の更なる改善や充実に取り組んでまいりたいと思っております。
(問)関連してなのですけれども、訓練の中でどういった課題が見つかったかという大臣のお考えと、結果の取りまとめというのはいつ頃までにされる予定でしょうか。
(答)これから、この訓練を通じてどのような課題があったのか、あるいはどういう教訓事項が得られたのかということにつきましては、防災の専門家であります第三者が訓練の評価・分析を行います。私も訓練結果の報告を受けた後、しっかりと意見を述べ、年度内に報告書をまとめて公表いたします。その後、その評価に基づいて玄海地域の緊急時対応を見直していくと、こういうスケジュールになります。
(問)最後に1問お願いします。年度内に結果を取りまとめて公表ということだったのですけれども、玄海原発は来年1月の再稼働を計画しているということなのですけれども、やはりこの訓練の結果というのは再稼働には影響しないというようなお考えなのでしょうか。
(答)訓練と再稼働とは関係がございません。訓練は原発が稼働しているか否かにに関わらず実施をして、教訓事項を抽出し、計画に反映し、原子力防災対策を見直していくと、そういうために行うものでございます。もちろん、こうした訓練を通じて、いろいろな課題や教訓事項が浮かび上がる。それを更に解決していくために、この計画をより良いものにしていくことによって、住民の皆様方の安心・安全につながっていくということは、当然そういったことを目指しているわけでございますけれども、その訓練と再稼働とは関係がないということでございます。

(問)テレビ朝日の古賀と申します。先ほどの玄海の訓練に関連して質問します。私も昨日まで現地を視察していたのですけれども、大臣も先週オフサイトセンターを視察されたと思うのですけれども、昨年訓練があった泊に比べると少し手狭で駐車場も少ないというところがあったりとか、あと、入口が泊は二重になっておりましたけれども玄海は一重だというところで、建物を新しく変えるというのは難しいとは思うのですけれども、今後来年1月にも再稼働する中で、オフサイトセンターの機能自体を強化するとかというような考えというのは今のところあるのでしょうか。
(答)この訓練を通じて、そういったいろいろな課題が指摘されるということであれば、改善をしなければならないと思いますが、まだ具体的にこの訓練を通じての課題、あるいは教訓事項といったことについて、まだまとめておりませんし、私も報告を受けておりませんので、これからの課題だというふうに思います。

(問)共同通信の丸田と申します。ヒアリに関連してなのですけれども、68港調査、2km圏内調査それぞれおおまかに一巡目が終了したということで、この結果を踏まえて、現状で特に国内での定着の有無、その辺りはどのように判断しているのでしょうか。
(答)現在のところ、港湾、あるいはその港湾から荷物を運んだ先で見つかっているということでありまして、ヒアリが定着しているという状況にはないと判断しております。水際対策というものを徹底して行うことによって、ヒアリの定着という事態をなんとしてでも防いでいかなければならないというふうに思っております。
(問)関連してなのですけれども、先日、静岡で日中韓の政策対話が開かれまして、その場で中国側からは中国の発生現場の共同視察であったりとか、日中韓で専門家チームの設置について提案があって合意したというようなことがありましたけれども、その辺り具体的なスケジュール感というのはどの程度まで決まっているのでしょうか。
(答)スケジュールはまだ決まっておりませんけれども、この間の日中韓環境大臣会合のときにも、私から中国側の対応というものをバイ会談で強く要請をいたしましたし、三カ国の環境大臣会合におきましても、ヒアリの問題が取り上げられました。そしてそのときも中国の環境大臣から、どういった協力ができるのかということについては事務レベルで検討していきましょうと、こういうお話がありまして、その点についての合意がなされました。それを受けて日中韓生物多様性政策対話が早速開かれまして、今御指摘がございましたような中国からの申し出もございました。中国側もヒアリの問題につきまして、特に日本側がより強い問題意識を持っているということを共有していただけたと思います。これから更に、事務的に専門家を交えて協議をしていく、連携をしていく、そういった段取りに入ると思いますが、できるだけ速やかに日程をセットしていきたいというように思っております。

(問)毎日新聞五十嵐です。昨日ですが、福島県外の除染土壌の処分に関する検討がスタートしたと承知しております。前提として、福島県外の場合は地元の市町村が処分を行う、処分に責任を負うということになっているようですけれども、環境省として処分の方法を検討していくということですが、それは、具体的には各市町村ごとに処分の形を決めるということと、環境省がどこまで処分の方向について決めて、ハンドリングをもっていくのかというところについて、大臣として現時点でどのようにお考えなのかをお聞かせください。
(答)今御指摘のように、福島県外の市町村等による除染が今年3月末に完了いたしまして、除去土壌は今、各市町村等によって安全に保管されている状況でございます。これらの除去土壌を市町村等が集約して埋立処分を行うことを選択する場合には、国が定める処分方法に従って行う必要がございます。除去土壌を保管中の市町村からは、早期に処分方法を示してほしいとの要望が国に寄せられているため、埋立の処分方法つきまして、環境回復検討会の下に設置した検討チームにおいて、専門的見地からの検討を開始したところでございます。専門家によります検討チームにおいて、どういうような取りまとめをしていくのか、また、昨日の議論におきましても、今後実証事業等を行った上で取りまとめるということになったと聞いております。国として、どういう形でお示しをするのかということにつきまして、今後の検討チームにおける議論を注視してまいりたいと考えております。
(問)関連でもう1点なのですけれども、地元の市町村から早期に処分方法を決めてほしいという要望があがっているという中で、環境省としては、いつ頃までにこの検討を終えるのか、その辺の見通しについて、市町村に示すというのもそれなりの意味があると思いますが、現時点でのお考えをお聞かせください。
(答)まだ、いつまでにということは、お示しできる状況にはないと思っております。いずれにしても、これから実証事業等を行った上で、検討チームで取りまとめをしていただくわけであります。やはり、早くという御要望もございますけれども、それぞれの地域の住民の方が安心していただけるような処分方法をお示ししなければなりませんので、それなりに時間がかかると思います。その辺は検討チームの作業次第だというふうに思っておりますので、今、いつまでということをお示しする段階ではないというふうに思っております。