大臣談話・大臣記者会見要旨

山本大臣記者会見録(平成29年7月18日(火)10:59~11:07 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私の方から1件御報告させていただきます。明日19日と20日、福島県に出張いたします。19日は中間貯蔵施設を視察し、土壌貯蔵施設など中間貯蔵施設の整備の進捗状況を確認します。20日は内堀福島県知事と面会し、新しい局発足を機に環境省が更に福島復興のお役に立てるよう意見交換を行うとともに、地方環境事務所に格上げとなった福島事務所の職員に対する訓示を行う予定であります。詳しくは後ほどお知らせいたします。 

2.質疑応答

(問)日本テレビの中村です。毎回同じ質問をさせていただいて恐縮ですけれども、九州の大雨について、亡くなった方が30人を超えるという状況で、環境省としての対応の今の状況を教えてください。
(答)本当に多くの方が犠牲になられて大災害になっていると、本当にお悔やみ申し上げたいと思います。環境省といたしましては、改めて災害廃棄物ということでございますけれども、7月7日から順次、被災市町村が開設した仮置場で災害廃棄物の受入れが始まっております。現在、被災家屋の片づけが本格化いたしておりまして、仮置場への災害廃棄物の搬入や処理が進められているところでございます。環境省では、今回の被災直後から現地に職員及び専門家を派遣し、災害廃棄物への対応について、被災自治体を支援しております。具体的には、被災市町村である朝倉市及び東峰村の環境省現地支援チームが連携をいたしまして、災害廃棄物の分別方法の市民への周知、仮置場の設置及び運営にあたっております。さらに、福岡市等からの人的支援等により体制を強化し、仮置場での災害廃棄物の受入れの円滑化を図っております。さらに、環境省現地支援チームの調整によりまして、仮置場に集積した災害廃棄物の広域処理を進めております。福岡県朝倉市及び東峰村の災害廃棄物のうち一部の可燃物を福岡市、北九州市及び久留米市に受け入れていただいております。引き続き、災害廃棄物の処理が適正かつ迅速に行われるよう福岡県及び大分県と連携し、被災市町村に寄り添い、全力で支援を行ってまいりたいと思います。

(問)毎日新聞の五十嵐です。ヒアリの件で1点お尋ねいたします。先日来、大臣の方からもヒアリの対策等々については「正しく恐れて侮らず」といった御発言などもありましたけれども、一方でヒアリの人的被害に関しては、米国で年間に100人死亡したというふうな情報もあったりとか、様々な情報が錯綜している状況がございます。この際ですので、環境省としてヒアリの人的被害、危険性等々について現時点で把握している情報をお知らせいただければと思います。
(答)ヒアリによってアメリカで年間約100人が死亡しているとの記述が専門書にありますが、専門家の情報によると確たる根拠が確認できず、現在、環境省のパンフレットにも記述はしておりません。アメリカ全土での年間死者数の統計は確認できませんが、一方で、2004年に侵入が確認され、現在では広く定着している台湾での死亡例は報告されておりません。ヒアリによる死亡例は、ハチ毒と同様、アレルギーによるアナフィラキシーが原因となります。アナフィラキシーを引き起こした場合であっても、適切な救急処置をとれば、救命できる可能性が高いと聞いております。

(問)共同通信の丸田です。同じくヒアリについてなのですけれども、先週ですか、横浜港の方でもヒアリが発見されまして、連休中にも恐らく東京港を起因として茨城の方でも見つかったという事例があります。その2例は前回の会見から事態としては進捗していると思うのですけれども、改めてそれを踏まえて今現状ではどのように捉えていらっしゃるでしょうか。
(答)横浜港の事例はコンテナヤード内のアスファルトの地面の割れ目において、また、茨城県の事例はコンテナの内部等で確認されたものでありまして、港湾エリア外でヒアリの繁殖や定着を示す証拠は確認されておりません。引き続き港湾エリアにおける早期発見・早期防除が重要と考えております。11日の第2回ヒアリ対策関係省庁連絡会議において、中国、台湾を含め、ヒアリ生息地域からの定期コンテナ航路を有する全国68港湾における調査・防除を新たに実施する等、関係省庁が一体となってヒアリ対策を推進することを確認したところであります。68港における調査・防除については、速やかに68港湾の事務所等に殺虫餌を配布するとともに、トラップを設置する等によりまずはヒアリの確認調査を実施することを考えており、現在、専門家の助言を得つつ、国土交通省等の関係者と詳細を相談しているところでございます。また、ヒアリの定着防止のために、港のコンテナヤード舗装のクラック等の隙間を埋めることが有効と考えられるため、専門家の意見を聞きつつ早急に実施する方向で国土交通省に対策を要請しています。
(問)関連で、今おっしゃっていた殺虫餌の配布と並びにクラックを埋めるという作業なのですけれども、ざっくりとしたスケジュール感、例えば殺虫餌の配布に関しても今週ぐらいから始めるものなのかとか、埋め合わせの作業は国交省との調整も必要だと思うですけれども、例えば横浜港だけを優先的に早めに着手する予定ですとか、その辺りは決まっているのでしょうか。
(答)いつどこに調査に入るのかは、このような状況を判断しながら地方環境事務所において逐次、今調整をしているところでございまして、具体的な名称についてはちょっとまだ申し上げる段階ではございません。