大臣談話・大臣記者会見要旨

山本大臣記者会見録(平成29年6月30日(金)10:33~10:51 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私の方から報告することはございません。

2.質疑応答

(問)テレビ朝日の古賀と申します。昨日判決がでました、環境省の元職員の除染にまつわる汚職事件についてお伺いします。昨日、執行猶予付きですけれども有罪判決が出ました。まずそれについての所感と、あと、この事件や安藤ハザマの問題に対して、除染絡みで問題や不祥事みたいなものが起きていますけれども、大臣は以前、閣議後の会見で、こういった福島の事業は住民の方々の信頼があって初めてなし得るものだというふうにおっしゃっておられましたが、信頼を得るために環境省がやるべきことや事業者に求めることを教えてください。
(答)まず、昨日の判決につきまして、収賄罪で裁判中であった福島環境再生事務所元職員に有罪判決が示されたことで、改めて今回の事態を大変重く受け止めておるところでございます。既に公表しておりますとおり、今月16日に当該職員を懲戒免職処分とするとともに、管理監督者についても厳重注意等をいたしました。環境省といたしましては、3月の職員逮捕以降、再発防止策を進めてまいりましたが、引き続き綱紀粛正、適正な業務執行に取り組み、信頼回復に努めてまいりたいと思っております。その上でお尋ねの除染の事業等々についてでございますけども、除染費用の不正請求事案については、不正が事実であるとすれば極めて遺憾でありまして、事実関係が判明次第、これまでもそうでしたけども、今後も厳正に対処をいたしていきたいと思っております。信頼される除染の推進のために除染適正化プログラムを策定し、その取組を推進しているところですが、今後、事案の原因究明を踏まえつつ、取組の充実強化に取り組んでまいりたいと思っております。私の方としましては、いつも申し上げますけども、今回の事案によって福島の除染の作業が遅れるということに一番懸念を感じております。遅れることがないように、事案は事案として厳正に対処してまいりますけども、福島の作業が遅れないように注視をしていきたいと思っております。

(問)NHKの松田です。安藤ハザマの件なのですけれども、環境省の方で除染の業者の方に同様の事案がないのかというようなところで調査をされているかと思うのですけれども、その調査について6月が期限だったかと思うのですけれども、今どのような状況になっているかということと、公表をされるのかということ。そして、公表しないのであれば、いつどういう形で結果なりをまとめるというような見通しなのでしょうか。
(答)現在、東京地検特捜部が入っておられることは御承知だろうと思っております。地検特捜部の捜査に協力しつつ、その進捗を見極めていきたいなと思っております。環境省独自にその他の事案があるのかないのか、これは調査をいたします。これは、公表すべきときが来たら公表はいたしますけども、まだその段階には至っていないということだけは御承知置きをいただきたいと思います。
(問)地検の判断が出た段階で、環境省としても調査に関して公表されるなり発表されるなりというようなことでしょうか。
(答)地検特捜部が入って安藤ハザマの一件についてはいろいろと捜査をされていらっしゃいますので、まずはそれに協力をしていくことが大事なことだろうと思っております。今、環境省独自にと申し上げたのは、その他の似たような事案があるのかないのかということについて環境省独自で調査をしておるということでございまして、これと東京地検が入っている今回の一件とは切り離して考えるべきだと私は思っております。従いまして、環境省独自の調査については、公表すべきときが来たら公表をしたいということにとどめさせていただきたいと思います。
(問)その公表すべきときというのは、大臣どのような段階だというふうに、地検の捜査を待ってなのか、どういった段階であれば公表すべきときが来たなというような判断になるのでしょうか。
(答)だから、何度も申し上げたように東京地検の捜査とは別物ですので、従いまして環境省の独自の調査が、やってみたけども、他に事案は見当たらなかったということの結論に至るのか、はたまた似たような事案があったのか、ということが明確になってきたら公表をさせていただきたいと思っておるところでございます。

(問)読売新聞の野崎です。外来種のヒアリの関係で港湾局以外にも環境省からも独自に人を出して調べているということをお聞きしました。それと昨日、名古屋の方で似たアリが見つかったという情報もあるそうですが、その現状を今、確認させていただきたいのと、それと被害が出たら大変なことだと思うのですが、かといって不安を煽るようなのも考えものです。その辺り、今後どのように対応していくのかお聞かせ願えますか。
(答)まずは名古屋の一件について、名古屋港でヒアリが確認されたという情報があるかということだろうと思っておりますけれども、名古屋港で陸揚げされたコンテナにヒアリらしきアリが付着しており、現在、専門機関でヒアリであるかどうかを確定することについてやっていることは事実でございまして、ヒアリであった場合には、まずは速やかに公表したいと思っております。今後とも関係機関等々と連携を取りながら、水際での防除に努めてまいりたいと思っております。全国の港湾において調査を行うということでございますけれども、これは既に国土交通省の協力も得ながら全国で計7港において、本日よりヒアリの確認調査を予定をしているところでございます。ちなみに7港というのは、東京港、横浜港、名古屋港、大阪港、神戸港、博多港及び那覇港でございます。いろいろな意味において日本を代表する港湾でありますけれども、そこでまず環境省が足を踏み入れまして調査をさせていただきたい。国土交通省の方にも御協力をお願いをしているところでございます。

(問)毎日新聞の五十嵐です。昨日ですが、仙台市長が陳情にお見えになられまして、石炭火力の関係で大臣とも情報交換されたと伺っております。陳情の冒頭で、大臣の方からだったと思いますが、仙台市のアセスの取組などに期待する発言等もあったと思いますけれども、その一方で、市長の方からは、環境省と他の省庁との足並みも含めていろいろと注文があったやに思いますが、その辺り、震災後これだけ石炭火力発電が計画されているということに対して、省の姿勢とともに、今後政府としてどのように連携を取って取り組んでいかれるのか、改めて考えを聞かせてください。
(答)昨日の仙台市長の御要望というのは非常に大きなテーマであったろうと思っております。仙台市長が会談の後、皆さん方との記者会見で発言されているのを報道で見ておりまして、いわゆる地方の自治体にとって企業が進出をしてくれることは大変うれしいことではあるけれども、大きな意味において、それが回り回って住民の方に影響を与えかねないときがあるというようなテーマを言われていた気がするわけでございます。つまりCO2をどんどん排出するような企業に来ていただくと、回り回って住民の方々にいわゆる地球温暖化を通じて災いがあるのではないかというような表現だったろうと思うのですけども、正にそうだろうと私も思っております。そういう観点から、今回の石炭火力発電所の仙台での事例においては、仙台が独自に環境アセス条例をお作りになってチェックをしていただくというか、警鐘を鳴らしていただくということは非常にありがたいということは申し上げました。皆さん方にも申し上げたことがあろうかと思いますけども、環境省の環境アセスの意見においても、中止をさせることはできない。中止をさせることはできないけども、少なくとも今あなた方がやろうとしている事業は、私どもの観点から言ったらこのような問題点がありますよという指摘はできるわけでございまして、同様に仙台の条例においてもそのようなことを私どもは期待をいたしたいと思っております。はっきり申し上げて石炭火力発電というのは、日本においては新増設が随分と計画されているようでございますけども、少なくとも日本と肩を並べるような先進国においては全く逆の動きであるということだけは、私はどの場を通じても声を大きくしていきたいと思っております。
(問)関連で、大臣御自身としてのお考えというのはかなり確固たるものがあると思うのですけれども、その一方で、経済界になるのでしょうか、それとも電力の所管官庁になるのでしょうか、そちらとの足並みというのはなかなか対外的に見て分かりにくいというところを感じるところがあるのですけれども、その辺り、大臣の御意向というのを政府全体としてどのように反映させていくというか、調整していくのかというところで、今実際に御尽力されているところがあれば少しお話を伺いたいと思うのですけれども。
(答)いろいろな機会を通じて、司、司によっては考え方が違う、だけど、日本政府全体としてはこの方向にということに対する調整をすることはあると私は思っております。その司の下には様々な事業体が存在するわけでございまして、その事業体の方々のお考えということに対しては、その司もやっぱり配慮せざるを得ないということなのだろうと思っております。さはさりながら、何度も申し上げますが、日本政府としての一つのベクトルは、やっぱり調整をしながら一つの方向に進めていくべきだろうと思っております。そのベクトルはどうやって決まってくるかというと、ある意味からいったらこの問題に対する世界の情勢を的確に判断する機関が必要になってくる。それが外務省であったりいろいろな役所がそれぞれに世界の情勢というのを的確につかんで、それなりの判断は下していくのだろうと思っておりますが、環境省としてはあくまでも一つの視点がございますので、その視点に沿って世界の情勢の把握に努めているところでございまして、これからもそのようにやっていきたいと思っております。

(問)共同通信の藤井です。本日から福島第一原発事故の刑事責任をめぐる東京電力元幹部の公判が始まりましたけれども、その裁判に期待することなどありましたらお伺いいたします。
(答)期待とか何とかというのは分かりません。始まるということは承知をいたしておりますけども、特別なコメントはございません。
(問)もう1点なのですけれども、本日の閣議で福島復興再生基本方針の改定が閣議決定されました。今後、帰還困難区域の復興拠点の範囲などを盛り込んだ市町村の計画の申請が始まると思うのですけれども、関係省庁の審査も始まります。そこの審査の関わり方を含めて、環境省としてどういう役割を果たしていくかというところをお伺いいたします。
(答)環境省としては帰還困難区域においても除染ということが一番の役割なんだろうと思っております。この除染という作業が進まないと、今回それぞれの市町村がお作りになった計画が前を向いて進むことができない。であるならば、環境省は除染という作業をどんな作業よりも早く進めていかなければいけない。そのようなことを今回の基本方針を今日閣議決定する中で改めて感じたわけでございまして、全力を挙げて環境省に与えられた除染という作業を通じての役割をつとめてまいりたいと思っております。

(問)共同通信の三好と申します。今週末にいよいよ都議選の投開票が控えているかと思うのですけれども、ここに来て稲田防衛大臣の発言があったりですとか、下村都連会長への加計学園からの献金疑惑が発覚したりですとか、政府にとって逆風が強まっている事態があるのかなと思います。都議選への影響をどうお考えになっているかお考えを聞かせていただければと思います。
(答)長年の経験から、政権というものは順風のときもあれば逆風のときもあります。都度、都度それを乗り越えてきて政権というのは存在をするんだと思っておりますから、今回の様々な動きを見る中で一番つらいときだなとは感じております。都議選がどうなるかは分かりません。

(問)環境新聞の小峰です。霞が関の官僚の人事が先週ぐらいから出始めていますけれども、今日は経産省の方の局長級の内示があるという情報が出てます。環境省も次官を含めて情報をいただけませんでしょうか。少なくとも直接おっしゃらなくても、今ここの場で壁側の席にいらっしゃる方の中で次官候補はいらっしゃいますか。
(答)今週火曜日の記者会見に小峰さんはいらっしゃらなかったけども、あそこでも申し上げましたが、人事というのはやっぱりどんな人事でも慎重であるべきなんです。慎重であるべき人事であるからこそ、私はずっとノーコメントを貫いてきたわけでございますが、時が時でございますので、皆様方にとっては一番関心のあることだということもよくよく承知をいたしております。それで今、経産省が局長クラスの内示を今日やると(記者が)おっしゃいましたが、それに対してはえっと思いました。少なくとも我が省ではそのようなことは全く考えてはおりません。これは明言ができます。その他についてはノーコメントでございます。