大臣談話・大臣記者会見要旨

伊藤副大臣記者会見録(平成28年12月15日(木)10:21~10:36  於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)今日が今年最後の私の会見になろうかと思います。8月5日から着任をさせていただきまして、あっという間に4ヶ月余りが経過をいたしました。皆様方にはご厄介になりましたことをまず御礼を申し上げたいと思います。まず、私のほうから聞かれてはおりませんが、来年の抱負を先に申し述べさせていただきました後に、申し上げたいことをきちっと申し上げたいと思います。
 まず、何と申しましても、来年3月で6年目を迎える東日本大震災からの復興・創生が重要となるわけです。来年の3月までに除染実施計画に基づく面的除染を終了させるべく取り組むとともに、今年から本格的な施設の整備が始まりました中間貯蔵施設については、「平成29年度の事業方針」に基づきまして、施設の整備と除染土壌等の継続的な安全な搬入を着実に進めてまいりたいというふうに考えております。指定廃棄物については、各県それぞれの状況を踏まえつつ、引き続きまして、安全な処理の実現に向けて地元と調整をしっかりと進めてまいりたいと思っております。それから、来年の通常国会がもちろんございますけれども、法案関係につきましては、廃棄物処理法等について、審議会で議論が行われておりまして、そうした議論を踏まえながら検討してまいらなければならないことがあるということでございます。それから原子力防災につきましても、継続的な充実強化に取り組んでまいらなければなりません。安全な日本の国を作っていくために、またしっかりと努力をしてまいりたいと思っております。以上が私の来年に向けての抱負でございました。
 特に本日、皆様にお伝えしたいことは、諸般の事情が許せば、明日16日(金)より18日(日)まで、環境副大臣及び内閣府原子力防災担当副大臣といたしまして、福岡県、佐賀県、長崎県に出張をさせていただく予定でございます。玄海地域における現地の原子力防災対策の状況を視察させていただくとともに、佐賀県知事、長崎県知事、福岡県知事、各県の知事の皆様方と御面談させていただき、意見交換をさせていただく予定ででございます。併せまして、有機物の堆肥化作業を行っておられるNPOの皆様方がおられるのですが、この方々とは先般のオーストラリアのアデレードで開催されました、アジア太平洋3R推進フォーラムにおきましてお目にかかった皆様方でございますけれども、せっかく福岡県を経由してまいりますので、実際にやっておられる様子を見せていただきながらさらに意見交換をさせていただきまして、3Rを現場で進めておられる皆さんと交流をしてまいりたいと思っております。また海洋再生可能エネルギーの件で、長崎県で現地視察や関係者の皆様と意見交換をさせていただこうという考えております。こうした予定で、16日から18日までの出張をさせていただければと今調整中でございます。以上でございます。

2.質疑応答

(問)日本経済新聞の川口です。2点あります。まず、本日一部報道で、群馬県の指定廃廃棄物に関連して、26日に市町村長会議を再開するという報道がありました。事実関係はいかがでしょうか。
(副大臣)群馬県の皆様方におかれましては、指定廃棄物の処理の方針が未だに決まっておりません。保管者及び地域住民の皆様には、一時保管が長引いておりまして、大変申し訳なく存じているところでございます。また、前回の市町村長会議からすでに3年もの間、議論が行われてこなかったことについても、大変心苦しく思っておるところでございます。指定廃棄物の処理方針が決まっていないのは、群馬県だけとなっておりまして、環境省といたしましては、群馬県でもそろそろ意見交換の場が必要であると考えておったところでございます。
(問)26日に市町村長会議を開くということは、間違いないということですか。
(副大臣)その方向で県と市町村と調整を行っております。
(問)中身なのですが、保管場所が決まっていないですよね、群馬県は確か。一時保管といいますか、分散保管ということを群馬県にお願いするような形になるのですか。
(副大臣)具体的な内容について現時点で申し上げられなくて申し訳ないのですけれども、群馬県においては前回の市町村長会議からかなり時間が経っておりますので、まずは県内の指定廃棄物の現状を共有し、そしてどうあるべきかということについていろいろな意見交換をしてまいりたいと思っております。
(問)もう一点は、先般よりいろいろ報道があるのですが、帰還困難区域の除染を含む整備なのですが、いろいろ金額が出てきていると思うのですが、非常に汚染者負担の原則から外れる問題で、もともと除染というのは、東電に求償していくという方針になったと思うのですが、帰還困難のところだけ国が負担するということに関して、伊藤副大臣どういうふうにお考えですか。
(副大臣)廃炉と賠償と除染費用の財源については、先般、経済産業省から案が示されたことは承知をいたしております。新たなまちづくりとして、おっしゃったように除染とインフラ整備を一体的かつ効率的に実施するという新たな視点、観点から政府部内で検討した結果、帰還困難区域の復興拠点の整備について、国費で実施するという案が示されているということでございます。福島復興再生特措法に基づいたものはこれまで全て国費で実施されてきておりますので、従来の整理を私どもが変更したとは思っていないということで、これを進めている方向でございます。
(問)伊藤副大臣としては、国民の理解は得られるというのをお思いですか。
(副大臣)むしろ、国民の皆様方に理解をしていただけるように私ども精一杯の努力してまいりたいと思っております。大変大事なところだと思っております。理解をしていただければと思います。

(問)上毛新聞の石倉です。26日の市町村長会議について調整中ということですが、群馬県内で3年半近く議論が止まっていて、群馬県の町村会等では未だに県内処分場建設に反対だというような意見書を提出したままであったり、ほとんどスタートラインのまま議論が止まったような状態ですけれども、今後議論をどう進めていくとか、どのような方向性に持っていくとかお考えがあればお聞かせください。
(副大臣)まさにいろいろな意見が置き去りになっているという見方もあるかもしれません。やはり3年間議論できなかったというのは私たちも相当反省しなければいけないと思っております。ただ、是非解決をしてまいりたい、しかもそれは大勢の皆様にご理解をいただいてきちんとした形で解決をしてまいりたいという気持ちでこれからも環境省としてはやってまいりたいということでございますので、中身は先ほど申し上げましたとおり、ただ今調整中ですので申すわけにはいきませんけれども、私たちの気持ちはその方向で是非やらせていただきたいと思いますので、これからよく話をさせていただきたいと思っております。

(問)NHKの松田です。福島の帰還困難区域の除染の関係なのですけれども、これまでのインフラ整備なんかについては、従来の整理を変更したのではないというふうにおっしゃられたのですが、環境省サイドから見てみると、これまで除染というのは東電に求償してきたわけですよね。今回からは国費で行うと、同じ作業なんですけれども、ちょっと整理が違っているかと思うのですが、この点についてはどういうふうにお考えになりますか。
(副大臣)これから特に、帰還困難区域の復興拠点をつくっていくというところにまいりますので、これはひとつステージが変わってきているのではないかと、中身がですね。その中で、我々がどう考えてきているかというと、福島復興再生特措法に基づく事業はこれまで国費で実施をしてきたわけですから、いよいよ復興再生の大事な拠点づくりという点では、何らずれているわけではないという理解の下に進めさせていただこうと考えております。

(問)時事通信の今泉と申します。今予算編成大詰めだと思うのですけれども、その帰還困難区域の除染の予算というのは8月の概算要求時点で当初の予算が事項要求になっていたと思うのですけれども、今福島の復興再生特措法の話とかが出ましたけれども、帰還困難区域の除染というのは概算要求通り環境省の予算として計上されるというお考えでよろしいでしょうか。
(副大臣)この財源の部分についてはいろいろ議論がありますのはご承知おきのとおりでございます。今の段階ではまだお答えしきれないところがございますので、またお答えできる時にきちんとお答えしてまいりたいと思っております。複雑というわけではありませんが、いろいろな要素がございますので、そこはご理解いただければと思います。

(問)NHKの橋本と申します。先ほどの帰還困難地域除染の求償についてもう一点追加で質問させていただきます。インフラ整備について仮に国費を投入するとしても、除染に関する部分だけ取り出して東電に求償するということは理論的にはできなくもないと思いますけれども、その辺りいかがでしょうか。
(副大臣)いろいろな理解の仕方があると思いますけれども、これから復興拠点の中でも特に復興拠点を作っていくということは、福島県全体を考えてみますと急いでやっていかなければいけない部分でもありますが、その中で特にインフラ整備をまずつないでいくところを特にしていきたいと考えたときに、私たちはインフラ整備と除染というものはやはり一体に考えていくべきだろうなと思いますので、私たちとしてはそこのところをしっかりやっていくためにこの考え方でよろしいのではないかと思っております。
(問)なかなか分けるのは難しいということですか。
(答)難しいということではなくて、私たちは分けずにやっていくことで進めていけば済むのではないかと理解しております。