大臣談話・大臣記者会見要旨

井上副大臣記者会見録(平成28年5月19日(木)17:53~18:01  於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)私から報告が1件ございます。昨日、平成28年熊本地震で発生した災害廃棄物処理について基本方針が策定されましたので、ご報告をさせていただきます。11日に私から熊本県知事に処理に係る全体的な方針を提案して以降、県と環境省の現地支援チームが密接に連携して、災害廃棄物処理の基本的な方向性について検討してまいりました。この検討の成果を踏まえ、昨日、熊本県庁において、環境省、熊本県、関係市町村、関係団体で構成される熊本県災害廃棄物処理対策会議が開催され、「災害廃棄物処理の基本方針」が策定がされました。この基本方針において、被災市町村による処理が困難な事務については、県が事務委託を受けて処理を行うこと、発災後2年以内の処理終了を目標とすること、可能な限りリサイクルと減量化を図り埋立処分量を低減すること等を決定いたしました。
 今後、引き続き、関係自治体と緊密に連携しながら、より具体的な「処理実行計画」の検討や災害廃棄物の迅速かつ適切な処理について支援をしてまいります。

2.質疑応答

(問)読売新聞の野崎です。今、お話にあった熊本地震で発生した災害廃棄物の関係ですけれども、基本方針で熊本地震の災害廃棄物処理に2年以内という目標を掲げましたが、広域処理を行わないと難しいんじゃないかなと思うんですが、副大臣は広域処理についてどのような考えでいらっしゃるか見通しを聞かせていただけますでしょうか。
(副大臣)もちろん県や市町村とご相談をしなければいけないんですけれども、推計の最大が130万トンで熊本県の2年分の普段のごみだということで、広域処理をお願いせざるを得ないと、逆に言えば、広域処理をお願いをした上で、なるべく早い処理の完了を目指していくのだと思います。広域処理につきましては、環境省の方でもいろいろと意見もあるので、そこは支援をして進めてまいりたいと思っております。 

(問)毎日新聞の久野です。処理にかかる期間が3年ぐらい、他の災害の時なんかを参考に初めに言われていましたけれども、2年になったのはどうしてかお聞かせください。
(副大臣)それについてはやはり被災者のこと、それから地元の自治体のことを考えると、なるべく早くやっていただかなければいけないということに尽きるんだと思います。ですから先ほど申し上げたように、広域処理なども含めて、最善の努力をして、2年以内で完了していただこうと思っています。
(問)何か技術的な面であるとか、事務的な面で期間短縮できた理由などはありますか。
(副大臣)それはこれから実際に実施計画の中で、なるべく早く処理をするために、いろいろ考えていかなければいけないと思います。もともと3年と申し上げたのも、東日本大震災とか、阪神・淡路大震災の経験を踏まえると、3年ぐらいで処理をしたということでありますので、むしろなるべく早くという意味で2年ということを申し上げています。

(問)千葉日報の石井です。指定廃棄物の件ですが、千葉市の方から指定解除に向けた事前協議が今週行われたのですが、それについての受け止めをまずお願いします。
(副大臣)私どもとしては、千葉市あるいは千葉県内に関わらず、なるべく再測定をして現在の放射能の濃度を住民の方々に周知をしていただくということはすごく大事なことだと思っています。あわせて、8,000ベクレル以下になっていればそれを解除して、通常の処理で処分を進めていくということが望ましいと思っておりますので、そういう意味では、千葉市が前向きにそれを考えて取り組んでいただけるというのは、ありがたいと思っています。
(問)環境省としても言ったとは思うのですが、指定解除をしたとしても再選定というところには踏み込まないという感じで言っていたかと思うのですが、その方針は今後も維持していくということでしょうか。
(副大臣)それは変わりません。それは千葉県に関わらず、他の県でも再測定したとしてもやっぱり1カ所に集約して、しっかり管理をするという方針は変わりません。

(問)共同通信の阿部です。福島のエコテックの関係ですが、15日に地元の行政区、搬入路の行政区の方に説明会を開いたと思いますが、そこで行政区として反対だという姿勢が伝えられたと思うのですが、今後、どのように対応していくのかということと、実際の搬入について、これがどのように影響するのかをお聞かせください。
(副大臣)そうですね、なかなか反対のご意見が多かったという報告は聞いております。まさに地元でありますから、どうしてもそういうご意見になってしまうのかと思いますが、これは必要な施設であるということ、それから安全に対しては、最優先で徹底的に配慮をしていくということを丁寧に説明をして、ご理解をいただく努力をさせてもらいたいと思います。
 他方で、県と楢葉町、富岡町の2町と安全協定を締結させていただいて、そして具体的な事業を進めていくということを考えておりますので、こちらの方も、しっかり進めさせていただきたいと思います。
(問)事業自体は県と町の安全協定で進められていくということでよろしいでしょうか。
(副大臣)進めさせていただきたいと思っております。福島県内の指定廃棄物も今、仮置きの状況が逼迫をしておりまして、なんとか早く事業を進めてもらいたいという県民の声も多くあるものですから、やはりその期待に応えられるように頑張っていきたいと思っております。
(問)千葉日報の石井です。千葉市の指定解除の議論をきっかけに、今後、昨年12月で止まっている市長との対話を再開させることを想定していますか。
(答)長期管理施設のことですが、それも是非させていただきたいと思っておりますし、千葉市にとどまらず、千葉県であるとか、あるいは県内の市町村ともこの指定廃棄物の処理について対話を継続していきたいと思っています。