大臣談話・大臣記者会見要旨

井上副大臣記者会見録(平成28年3月9日(水)14:19~14:32  於:合同庁舎5号館25階会見室)

質疑応答

(問)日本経済新聞の川口です。震災から5年を迎えるに当たっての副大臣のご所感をお聞かせください。
(副大臣)原発事故、また震災から5年を迎えるということで、決意を新たにして取り組んでいかなければいけないと思っております。私自身も政治家としてもライフワークとしてずっと取り組んできて、自分なりにはいろいろやってきたつもりですが、もう5年ですから、5年経ってまだこんな状態なのかという声もたくさんいただいておりますから、少しずつでもいいからしっかり結果を出していくことが大事だと思っております。それと同時に5年ですから、今後の見通しというのを被災地の方々、国民の方々になるべく持っていただく。それによって自分の将来設計であるとか、これからの生活、帰還も含めて希望を持てるようになっていただかないといけないと思っております。ですから、政府として方針を示すとか、計画を立てるとか、そしてその計画や方針を立てたらそれを必ず実現する。そういう着実な進展をこれからもちゃんと見せていきたいと、そういう感じです。
(問)今、希望を持つとか方針を示していきたいということに関連して、中間貯蔵施設の今後の見通しというか、今年度内に出すというお話をされたと思いますけれども、そろそろめどの方は立っているんでしょうか。
(副大臣)これも今申し上げた関連で、今までそういう計画はなかったわけです。30年以内に県外で最終処分というのはあったけれども、では中間貯蔵施設自体はどうなんだということになると、それは何もなかった。これではやはり被災者の方からすると心配だと。まして、なかなか用地買収が進んでいないといったご意見もあるので、これからの見通しを出すということが非常に重要だということを、去年、私が環境副大臣に就任してからずっと言い続けていて、具体化することができて、公式にも年度内には発表するということを言わせていただいております。ですから、それは約束どおり年度内にしっかり発表したいと思っております。

(問)下野新聞の須藤です。先ほど、全体の5年間の振り返りはしていただきましたけれども、指定廃棄物についてのこの5年も振り返っていただけますでしょうか。
(副大臣)指定廃棄物については、一番大きかったのは福島県でエコテックを受入れ合意ということで、苦渋の決断とはいえやっていただきました。これについて、私は大変うれしく思いました。またありがたいというふうに思いました。福島県についてはエコテックを受け入れていただいたので、これを着実に稼働できるように全力で取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。他の県については、そういう意味ではなかなか進捗がはかばかしくないということ、そのことによってそれぞれ地域にご心配とご負担をおかけしているということは申し訳なく思っております。例えば、一時保管により本当にご苦労されている方、周辺の住民の方々、そういう方々の思いを考えたときに、一刻も早く前に進めなければいけないとそういう思いです。ただ、迷惑施設でありますから、なかなかご理解・ご協力いただくのは難しいことですから、そのことについてはよくわかっているつもりです。だからこそ、先ほど申し上げたようにやっぱり一歩ずつでもいいから結果を出していく、事態を前に進めていくということが非常に重要だと思ってます。そういう意味で、先般も例えば、再測定とか、解除とか、一般処理であるとかそういった様々な選択肢を我々の方でも提示をさせていただいて、それぞれの地域の意向や事情に応じて、少しでも前に進めていただこうということを考えています。
(問)指定廃については、まだ一部自治体との交渉が反発を受けている状態で、全体の話のように今後、国民に希望を持ってもらえるような見通しを示すのは少しバリアのある部分もあると思うんですけれども、その辺りの指定廃については将来的にこのような見通しを示したいというようなことはありますでしょうか。
(副大臣)そういう意味で例えば、実際には自然減衰もあり、放射能濃度がだいぶ下がって、廃棄物の量も減ってきている。しかもその想定していたよりも宮城の結果のとおりだいぶ減っているということは、地域のご負担が減るという意味では私はいいことだと思っておりますので、それも一つ明るい材料ではないかと思ってます。例えば、8,000ベクレル以下の一般処理など、できることはどんどんやってご負担を減らすことができるように、それをやるためにも地元の理解も必要ですので、国としても責任を持って支援していこうということを考えています。
(問)最後に、塩谷町の件なんですけれども、昨日の環境委員会でも鬼木政務官の方から、戸別訪問の中断の話があって、県や市、町と相談してあらゆる可能性を探ろうとした上でですけれども、住民から直接意見や心配の声を聴くのが非常に重要な機会だと捉えているというお話がありました。今後のあらゆる可能性の探り方について伺いたいのですが。
(副大臣)そういう意味では、いろんな機会に住民の方々のご意見を伺ったり、あるいは我々の考えというものを直接お伝えするということが重要だと思ってます。ただ他方で、戸別訪問を行うこと自体に対する反対の声も地元からだいぶ上がってきたというふうに伺いましたので、それであれば地元の方々が反対する中で、戸別訪問を強行したとしていい結果が出るかどうかということに疑義があったものですから、まず中断をさせていただいたということです。我々としてそういう懸念を持っていますから、そこは少し丁寧に地元とも話をした上で、今後の対応を考えたいと思っています。

(問)千葉日報の石井です。指定廃棄物の件なのですが、指定解除のルールであるとか、手続の話が茨城で出ましたけれども、省令の改正が必要だということで、その前にパブリックコメントが必要だということで、この年度内に省令の改正というのは可能なんですか。それとも4月とか年度以降になってしまうのか、それについてお考えがあればお願いします。
(副大臣)解除については、我々としてはなるべく8,000ベクレルを下回ったものについては解除させていただきたいと思っています。ただ、それはやっぱり地元自治体であったり、あるいは直接、民間の方も含めて管理されている方々の意向というものが大事ですから、そこをちゃんと意向を聞いた上で、進めたいと思っております。ただ制度としては、やはり早く作らなければいけないものですから、なるべく早く省令改正もして、この解除の制度というものをきちんと制度化したいと思っています。ただおっしゃるように、パブリックコメントをやらなければいけないものですから、パブリックコメントは1ヶ月かかるので、年度内は残念ながら無理です。でもなるべく早くと思っていますので、早急に少なくともパブリックコメントを開始できる状況には持っていきたいと思っております。

(問)朝日新聞の小坪です。指定廃棄物の関連でお願いいたします。茨城県では分散保管をしばらく継続すると、ただ最終的な処分場というのは確保するということを先日お示しになりました。5年というタイミングで、改めて分散保管という形をずっと継続するということを検討すると、そういったことについてお考えは今のところないでしょうか。
(副大臣)茨城県以外でということでしょうか。
(問)まず茨城でこのままの状態でずっと続けるというお考えというのはないでしょうか。1カ所最終処分場を造るという方針も変わらないのでしょうか。
(副大臣)そうですね、0.6トンということで量はかなり減りますけれども、ただその0.6トンが8,000ベクレル以下になるのはかなり先なものですから、それまで単なる保管でいいのかと思っていますので、やっぱり茨城県もそういう意味では1カ所での処分はしなければいけないと思っています。
(問)それの関連で、1カ所というのはあくまで新設なのか、あるいは既存の、福島の場合は既存の処分場を活用した計画になっていますけれども、例えば既存の産廃処分場の中により堅牢な施設を造って、そういう所を活用していくとか、そういったことを検討されるお考えというのはないのでしょうか。
(副大臣)茨城については0.6トン以下になるということであれば、既存のものに入れさせてもらうという選択肢もあり得ると思います。もちろん処分場の管理者とか、周辺の方々の同意が必要なので、それは地元と話さなければいけないと思っております。ただ他方で、他の県については、茨城ほどは量は減らないし、濃度も下がらないということですから、現実的には既存の物に入れて保管強化するというのは難しいのだと思います。ですから我々は、元から新しいものを1カ所整備させてもらいたいということでお願いをしているので、そこは特に変わりません。

(問)河北新報の門田です。指定解除に絡んでくるんですけれども、8,000ベクレル以下の一般処理の廃棄物の処理がなかなか進んでいない現状もあるのですが、その現状についての分析と、どういう対応をお考えでしょうか。
(副大臣)我々としては、有識者の先生方のご意見もいただいて8,000ベクレル以下であれば、通常の処理で安全に処理できるということで是非お願いをしたいと思っております。ただ他方で、安心の面と言いますか住民の方々の気持ちとして、なかなかそれを受け入れがたいというのはよく理解はできるところなので、そこは丁寧に説明をしていく、それから我々としてはできる限り支援をしていく、それは技術的にも財政的にもやっていくということです。例えば環境省の行っている事業についても、宮城で言えば仙台や利府では、それを活用して一般の処理をやっていただいていますから、やっていただいている自治体もあるので、必ずしも不可能だということでは無いので、そこはよく理解をいただく努力をして、進めさせていただきたいと思っております。宮城の場合は、特に今度19日に市町村長会議をやるということでありますから、できれば私自身が伺って、一般処理についての自治体の方々のご意見を伺いたいと思っております。