大臣談話・大臣記者会見要旨

山本大臣記者会見録(平成28年9月2日(金)10:04~10:23 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私の方から何点かご報告がございます。
先ほどの閣議で決定いたしました政令が3件ございます。「大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令」、「大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」、そして「種の保存法の施行令の一部を改正する政令」、以上が閣議で決定をいたしました。
 続けて、出張予定についてご報告いたします。本日の夕刻から4日(日)まで、内閣府の原子力防災担当大臣として、北海道に出張してまいります。泊地域における現地の原子力防災対策の状況や泊発電所を視察するとともに、北海道副知事や地元町村長と面会して、意見交換を行う予定でございます。行程等については、後ほど事務方からお知らせいたします。
 それから、来週、福島に出張をさせていただきたいと思います。来週5日(月)に福島県の大熊・双葉両町を訪問させていただき、中間貯蔵施設予定地を視察いたしたいと思います。前回の視察では、保管場を視察しましたが、今回は、予定地内の家屋や田畑、地元の方が大切にされている神社などを地元の方にご案内いただきながら、しっかりと見て回りたいというふうに思っております。

2.質疑応答

(問)共同通信の津川です。概算要求についてお伺いいたします。今回、総額で1兆1762億円要求されました。震災復興とか、地球温暖化対策など柱として挙がっていますけれども、改めて大臣からどういった点を重視した内容になっているのかお伺いできればと思います。
(答)平成29年度の環境省の概算要求のポイントとしては、まず東日本大震災からの復興・創生でございます。中間貯蔵施設の整備の加速化をはじめ、放射性物質汚染対策について、これまでもそうでございましたが、これからも地域に寄り添ってしっかりと進めてまいりたい、そういうことが第一点でございます。
 それから次には、循環型共生社会の構築についてでございます。3つの柱があるわけでございますが、1つ目の柱の温暖化対策については、2030年度の目標の達成に向けて、各省と連携をより強めていきたいと思っております。また、中長期的な大幅削減に向けた検討や、適応策、国際的な取組なども進めてまいりたいと思っております。2つ目の柱での自然の保全・活用については、ご承知の国立公園満喫プロジェクトをしっかりと進めてまいりたいと思っています。このプロジェクトは私自身も非常に関心を持っているプロジェクトでございまして、概算要求の段階でも強く主張していきたいというふうに思っております。3つ目の柱の資源循環の実現と安心・安全の確保についてでございます。一般廃棄物処理施設の早急かつ適切な更新や浄化槽の整備などを進めてまいりたいと思いますし、化学物質対策や海洋ごみ対策、水俣病や石綿健康被害の救済などの取組も着実に進めてまいりたいと思います。いずれにしましても、十分な予算が確保できるように、取り組んでまいりたいというふうに思っております。

(問)共同通信の井口です。2つ質問いたしますが1つずつお答えください。1つは地球温暖化対策についてですけれども、G20が迫ってまいりまして、パリ協定の締結に向けてアメリカとか中国の国内手続が進んでいるということが、期待が相当高まっているのですが、日本に関しては承認案は秋の臨時国会で提出されるお考えがあるのかどうかを教えてください。
(答)今前段におっしゃったG20におけるアメリカ・中国の動きについては、承知をいたしております。この問題につきましては、国会等の日程もあると思いますけれども、アメリカや中国が先んじて批准をするという動きがあるということは、重々承知をしておりますから、当然、日本のこの問題に対する対応というのも、急いでいかなければいけないというふうにだけは思っております。
(問)それは臨時国会での提出を最優先に進めていくというお考えと思ってよろしいでしょうか。
(答)政府の考え方もあるかと思いますけれども、私個人としては、この問題は非常に関心を持っておりますので、できるだけ早期にという態度で臨んでいきたいと思っております。
(問)もうひとつ別の話ですが、ハワイで国際自然保護連合の総会が開かれています。それに先立って、沖縄の辺野古の基地の建設工事に伴う埋立てのために大量の土砂が、沖縄県外から運び込まれる計画があると思いますが、そこに混じって、昆虫とかクモとか外来の生物が入ってきてしまうのではないかという懸念がありまして、そこの対策をしっかりやるようにということで勧告が採択されたというように聞いております。この受け止めと今後どう対応していくかをお聞かせいただければと思います。
(答)今回のIUCNの決議の採択に関わらず、環境省としてはこれまでも島嶼地域の生物多様性の確保のための外来種対策を重視しているところでございます。外来生物法による規制や、外来生物の防除をこれからも環境省として実施をしてまいりたいと思っております。なお、辺野古のことについてでございますけれども、環境影響評価の結果等も踏まえて、埋立て事業者である防衛省において、適切に行われるものと認識しております。今までも外来生物に対しては、環境省らしい行動をとってきたと思っておりますので、この問題についても、環境省らしい行動をとりたいと思います。
(問)環境省らしい行動というのは、どういう意味ですか。
(答)外来生物法による規制や、外来生物の防除をこれまでも環境省は行っておりますのでそれに則って行う、それにつきると思っております。
(問)実際の作業を考えたときに、千何百万トンという大量の土砂の中から小さな動物とか見つけ出すというのは大変な作業になると思うのですが、そのあたりの手法とかが確立されていない部分もあると思われますが、そのあたりの不安はないのでしょうか。
(問)埋立て事業者であるのは防衛省でありますので、防衛省のほうにおいて、私が聞く範囲では、千何百万m2の話もどこの土を持ってくるのかまだ決まっていないと聞いております。その話などが明らかになってきた上で、防衛省とその辺について私のほうから、申し入れをさせていただきたいと思います。

(問)テレビ朝日の吉野です。福島の帰還困難区域の5年を目途に拠点を設けて、除染、インフラを政府一体で行うというような方針が固まっているみたいですが、特措法の枠外になるかと思いますが、法令をどういうふうに改正するのか、また改正の時期、目途、などについて教えてください。
(答)与党において、ひとつのご提言をいただいたうえでの、今回の政府の決定だというふうに承知をいたしておりますけれども、与党においても集中的に整備を進めるということで提言はできていると聞いております。限られた時間の中で、作業を一体的に効率的に進めていきなさいということだろうと思っております。
 帰還困難区域につきましては、環境省としては、除染や中間貯蔵施設の整備と、汚染廃棄物の処理等を所管するわけでございますけれども、その他については、各省庁、それぞれの持ち場がございます。従いまして、総理のお言葉としても、縦割りを排除して、この問題については取り組んでもらいたいと、我々指示を受けておりますので、そういう方向で、進めていきたいと思っております。いずれにしても、まだ提言がなされたばかりでございますので、政府の取り組みもやっと決まったばかりでございますから、細かいところはまだ各省が打ち合わせをしながら進めていくだろうというふうに思っております。
(問)最後にしますけれども、この件に関しましてはですね、特に除染の費用に関して、国費で賄うのか、どうするのかということが最大のポイントとなって、一昨日の会見でも各担当から質問が飛んでくるのですが、三省庁に聞いてもどうもよくわからないのですね。大臣の現状でのお考えご認識を教えてください。
(答)費用の負担のあり方については、今おっしゃったようなことが政府の方針として決まったとは聞いてはおりません。したがって、これからのお話になるのだろうと思いますので、それ以上のことはコメントは差し控えさせていただきたいと思っています。
(問)しかし、方針は三省庁で決めていくということでよろしいのでしょうか。
(答)三省庁だけではないと思います。
(問)官邸というところでしょうか。
(答)そうですね。
(問)はい、わかりました。

(問)朝日新聞の小堀と申します。パリ協定の米中の動きの関係なのですが、何かと中国で年内にパリ協定を締結すると言っているようなのですけれども、昨年、パリ協定を合意した時点では、年内、今年2016年内という様子があまりなくて、2018年ごろではないかと言われてきました。これがG7が5月にあって、年内合意ということを首脳宣言に盛り込まれたわけですけれども、動きが加速しているように見えるのですが、大臣はなぜ年内の合意に急ぐのでしょうか。アメリカでトランプさんが、パリ協定を離脱するようなことを言っていますけれども、そういった動きを封じる狙いというものがあるというふうにお考えでしょうか。
(答)そこまで深読みをしているわけではないのですけれども、私自身のこの問題に対するトラウマというのが、京都議定書がアメリカの政権が変わった途端に離脱をしていったというのが、私自身のこの問題のトラウマになっておりますので、アメリカと中国が先んじて批准をしようとしているということも、事の重大さも認識しますけれども、そういう場において、日本という国の立ち位置というのが、非常に微妙になってくると思っています。アメリカと中国が、もし年内に批准をするというならば、それでもまだいわゆる発効の数字には及ばないわけで、当然、国が協力することによって発効という道につながっていくわけですから、発効するために当然日本という先進国がありますし、役割があるのだろうと思っています。それ以上と申しますか、私の希望としてはさきほど申し上げましたけれども、個人的な希望としては、できるだけ早期に批准したいと思っています。

(問)環境新聞の小峰と申します。今の朝日新聞の質問に関連しまして、ブラジルが8月12日に国会で承認を得て、批准の手続に入ります。そうしますと、残り発効の条件である55カ国、55パーセント以上、あと残りが16カ国で、3.1パーセントくらいですね。日本が3.8パーセントですから、日本が今、ここがチャンスだと思うのですよね。日本がリーダーシップをとる。日本がやらないと、確かロシアは7パーセント、インドが4点何パーセントですから、先にそちらを取られてしまうと。日本が後でインドやロシアが先にやられてからやった後では、リーダーシップが取れないことになりますので、まさにインドやロシアより早くやるべきなのではないでしょうか。
(答)私も小峰さんと同じ考え方を個人的には持っております。個人的には持っていますけれども、臨時国会の日程も26日に召集だと聞いてはおりますが、会期がどれくらいになるのかもまったく見えてきてはおりませんので、できるだけ早期にと申し上げましたけれども、臨時国会でやれるかどうかというところも含めて、国会日程等がはっきりしてきたときに、ある種のお答えができるのではないかと思っているのですが、気持ちは一緒です。

(問)共同通信の佐々木と申します。今日発売の週刊誌で、大臣が2014年、平成26年に開かれた賀詞交換会について収支が合わず利益供与にあたるのではないかと指摘されたのですが、この件についてご見解をお伺いできますでしょうか。
(答)公職選挙法、その他には一切触れていないと私は思っています。いろいろなご指摘があったわけで、私もフライデーを逐一読んでいるわけではないのですが、事前の取材等々を通じて、ご説明を申し上げればわかっていただけるのだろうというふうに、私は法に触れるようなことは一切やっていないと確信いたしております。今後、またご説明の機会があろうかと思います。
(問)今後というのは、どんな場面で。
(答)私がフライデーをよく読んでからです。
(問)同じ記事で、奥様と長男が経営されている会社に対しての補助金が多額じゃないかという指摘がされていたのですが、その件についてもコメントいただけますでしょうか。

(答)この件についても、私は、今は、まったく関与しておりませんので、ここ20年政治の舞台に入りまして、その時に妻にバトンタッチをいたしまして、その時に株も全株、彼女の方に移っており、私はそれ以来会社のことには口を出しておりませんので、一切関知をいたしておりません。報道でいろんな事を承知をいたしておりますけれども、それ以上のことは、あまりわからないというのが正直な気持ちです。